HDDのレビューということで速度比較をメインにレビューしていきたいと思います。今回はUSB 2.0&USB3.0接続のほかに、比較用にeSATA 150(WD20EARS-00MVWB0)接続も加えてデータ転送速度などを比較・検証を行ってみました。
<検証に使用したPC>
・CPU:Core i3-550 @3.84GHz(Clarkdale,LGA1156,L2-256MBx2,L3-4MB)
・CPUクーラー:サイズ SHURIKEN Rve B SCSK-1100 (10cm,PWM 650~1500rpm)
・マザーボード:GIGABYTE GA-H57M-USB3 (LGA1156,H57,BIOS F9)
・メモリ:Corsair CMD8GX3M4A1600C8 2GBx2 (1600MHz,9.0-9-9-24)
・GPU:IGMA HD (DX10) / on-Board
・HDD:Western Digital WD10EADS6(1TB,S-ATA2,5400rpm,32MB9
・光学ドライブ:Pioneer BDC-TD01VA (BDコンボ,SlimlineS-ATA,F/W 1.03)
・カードリーダー:Owltech FA506/BOX (ブラック)
・ケース:SilverStone SST-GD05B (microATXケース)
・電源:ENERMAX MODU82+ EMD425AWT (425W)
・OS:Windows 7 HomePremium 32bit
~~~~ I・O DATA HDU-UT2.0 ~~~~
I・O DATA製のUSB 3.0に対応した2.0TBの外付けHDDです。
ドライブは出荷時点でNTFSでフォーマットされています。USB 3.0の拡張カードは付属しませんので、マザーボードにUSB 3.0ポートが無い場合にはUSB 2.0で使用するか別途USB 3.0の拡張カードの増設が必要となります。
電源は本体内部にトランスを内蔵しているためACアダプターが不要なのはポイント高いです。
●付属品について
付属品は「セットアップガイド、USB 3.0ケーブル、ラバーフット(1セット)」です。(写真3)
ドライバー類の納められたCDは付属していません。メーカーサイトからダウンロードする形式となっています。
●保証について
メーカーの1年保証がついています。箱が保証書となっていますので大切に保管しましょう。
バルクのHDDなどは、保証が無い物や代理店経由でも特価品である場合保障期間が1ヶ月以内と短い場合などがほとんどですので、国内メーカーの1年保障が付くのはやはり安心です。
●筐体について
本体(筐体)のフレームはスチール製でカバーはプラスチックとなっています。基本設計は旧製品と同じです。
HDDはモーターでディスクを回転させる関係で発熱という問題は避けられません。筐体にはHDDの冷却用に前面の下側にスリットが設けてあり、背面に排気方向で設置された小型のファンでエアフローを確保しています。小型のファンについては静穏仕様ということで実際の動作音も比較的静かでした。
HDDの冷却も考慮して設計されているのでUSB 3.0の高速転送速度を生かして大量のデータ転送を行う際にも安心です。
●フロントマスク
フロントマスクのスリットの上に電源/アクセスランプが設置されています。
USB 3.0接続時は青色、USB2.0接続時は緑色に点灯し接続している種類を視覚的に確認可能。アクセス時は点灯します。
●バックプレート
筐体の裏側のバックプレートには「電源スイッチ、動作モードスイッチ、USB 3.0対応コネクタ、ケンジトンスロット」が設置されています。
●パワーモードについて
電源スイッチの他に、AutoとOnの2パターンを切り替えるスイッチがあります。
Autoモードに設定しておくと、接続しているPCと連動して電源がon/offされます。毎回電源を落とさなくてすみますので非常に便利です。
~~~~ HDDのステータス ~~~~
●CrystalDiskInfo
CrystalDiskInfo 3.6.4を利用してHDDのステータスを確認してみました。
CrystalDiskInfoの詳細については開発者のサイトをご覧ください。
□Crystal Dew World - Software - CrystalDiskInfo
http://crystalmark.info/software/CrystalDiskInfo/
ベンチマークテスト後のステータス画面です。
<I・O DATA HDU-UT2.0>
・搭載ドライブ:日立 HDS722020ALA330
・容量:2TB
・回転数:7200rpm
・キャッシュ:32MB
・インターフェイス:Serial ATA300
HDDの型番などもデータを拾うことができます。アイドル時のHDDの温度は33度(室温20度)。
気になるので本体を分解して中身を確認してみました。本体はネジ1本(シールド板で3本)外すだけで簡単に分解可能です。
7200rpmドライブを採用するとはI・O DATAは妥協なしですね。
一応補足しておきますがロットなどによりHDDは変更される可能性もあるかと思います。そのため採用されているドライブが日立 HDS722020ALA330であることを保障するものではありませんので参考までにお願いします。
~~~~ ベンチマークテスト ~~~~
●CrystalDiskMark
CrystalDiskMark 3.0を使用してベンチマークテストを行ってみました。
CrystalDiskMarkの詳細については開発者のサイトをご覧ください。
□Crystal Dew World - Software - CrystalDiskMark
http://crystalmark.info/software/CrystalDiskMark/
HDU-UT2.0のUSB 2.0接続とUSB3.0接続に加えて各接続方式でマッハUSBのON/OFFの計4パターンに加えて、WD20EARS-00MVWB0のeSATA 150接続を比較用に用意しました。
グラフの数値はCrystalDiskMark 3.0のスコアの値です。数値が高い(グラフが長い)ほど高速となります。数値は1秒間に転送できたファイルのサイズでMB単位となります。
<USB 3.0接続>
USB 3.0での接続はかなり高速で、ランダムアクセスに関してはeSATA 150に負けていますがシーケンシャルアクセスでは113MB/sオーバーとeSATA150を上回りトップのスコアです。USB 2.0との比較ではシーケンシャルリードは3倍、ランダムアクセスは1.7~2倍ほど高速になっています。HDDの性能をフルに発揮してはいませんが、このスコアならデータ転送もストレスなく行えるはずです。
<USB 2.0接続>
最近の高速なHDDを接続するには限界を迎えているUSB 2.0ですが、マッハUSBをオンにしたときの伸びはすごいです。接続するPCがUSB2.0ポートのみしかない場合にも十分活躍できると思います。
<マッハUSB>
マッハUSBはUSBのデータ転送速度をソフトウェアで高速化してしまうツールです。
マッハUSBの詳細についてはメーカーサイトをご覧ください。
□I・O DATA - [転送高速化] マッハUSB
http://www.iodata.jp/promo/soft/data/speed/mach.htm
USB 2.0では圧倒的な性能向上を見せるマッハUSBですが、USB 3.0環境でオンに設定してもスコアの伸びはわずかでした。
USB 2.0でオンに設定したときと同じようにランダムリード 512KBのスコアの落ち込みが激しいのでUSB 3.0環境での運用の場合にはマッハUSBは不要かもしれません。
●ファイルコピー
こちらはテスト用に無作為に用意した4MB~8GBの約40GB分のファイルのコピーにかかる時間を計測してみました。
<40GBのファイルコピーに掛かった時間>
・USB 2.0:1,613秒
・USB 2.0+マッハUSB:1,394秒
・USB 3.0:797秒
・USB 3.0+マッハUSB:794秒
・eSATA 150:753秒
USB 3.0ではUSB 2.0の分の半分の時間でファイルコピーが終了しています。eSATAには僅かに及びませんが汎用シリアルバスでHDD専用バスと同程度の速度を実現しているのには驚きです。
●消費電力
サンワサプライ ワットチェッカーplus TAP-TST7を使用してHDU-UT2.0の消費電力を計測してみました。
<消費電力 一覧>
・電源オフ:0w
・USB 2.0 アイドル:9w
・USB 2.0:10~11w
・USB 2.0+マッハUSB:10~11w
・USB 3.0 アイドル:9w
・USB 3.0:11~12w
・USB 3.0+マッハUSB:11~12w
電源投入時に数秒間20Wを越えますがスピンアップが終了したあとは平均して9~12wで安定しています。消費電力は低く抑えられていると思います。
●要望
外付型HDDで問題になることのおおいHDDの冷却、ACアダプターレス。筐体のデザインもブラックカーラーで渋くてシンプルなデザインで良いと思います。非常に完成度の高い製品のため特に要望はありません。
強いて言うなら価格でしょうか。USB 2.0対応製品との価格差は大きいのが唯一の弱点と言えるかもしれません。
●一ヶ月間使用してみた感想
データの保管場所としてUSB2.0より高速転送可能なeSATA接続のテラボックスレイドを活用しているのですが、HDJ-UT2.0は速度面でeSATAと同等またはそれ以上と大きいサイズや大量のファイル移動も楽々です。大量のデータ移動・バックアップなどにも便利でした。
eSATAポートのない2006年度付近のノートPCとの接続もノートPC側の仕様でUSB 2.0接続になってしまいますが可能ですし汎用性は高いです。USB 3.0/2.0接続共に転送中にエラーがでるなどといったこともなく安定して動作しています。
他の方が述べているように本体を立たせた状態で使用する場合、本体に張られている滑り止めのラバーフットで立たせる構造のため安定性に欠ける部分もあります。余程の揺れでもない限り倒れないと思いますがスタンド機能については若干改善の余地有りとったところでしょうか。
冷却性能についてはある程度の時間電源を入れたままでも問題ありませんでした。PC本体との電源連動機能もありますのでHDDを増設できない小型のデスクトップPCやDTR向けノートPCの高速かつ大容量なストレージデバイスとしても活躍すると思います。
余談ですがレビュー投稿後にHDDを交換できないかと分解してみたのですが、シリアルや製品名の書かれたシールの下とラバーフットの下にネジがあるため、剥がさないかぎり交換は不可能でした。シールを剥がすと保障は受けられなくなると思いますので参考までに。
外付けHDDはあると便利ですがUSB2.0の転送速度の限界から遅くてストレスが溜まるというイメージがありました。HDJ-UT2.0はそんな外付けHDDのイメージを一新するほどの性能を秘めていますので、USB 3.0対応のPCを所有している方にお勧めできる製品と言えます。
<2010/12/23>
・「一ヶ月間使用してみた感想」を追加しました。
コメント (6)
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届いたよ!!I・Oデータさん並びにzigsowの中の方々(中に人は入っていませんw)、本当にありがとうございます。そして、いきなりですが東芝の...
operaさん
2010/11/20
どうしても価格差は新規格が登場してしばらくはしょうがないですね。。。(^^ゞアセアセ・・・
Sheltieさん
2010/11/20
USB 3.0に関しては登場してからの普及率が予想より低い感じがしますね。Intel、AMD共に時期プラットフォームの規格にUSB 3.0をオンボードで搭載とするようですので、それからといった感じでしょうか。
汎用性の高い規格ですから早い段階で浸透すると良いですね。
aoidiskさん
2010/11/20
でも、何倍とかマッハUSBの話とかを交えて説明してくれているので、
大変分かりやすく、参考になります。
Sheltieさん
2010/11/20
説明が足りなかったようで申し訳ないです。グラフの数値はCrystalDiskMark 3.0のスコアの値です。数値が高い(グラフが長い)ほうが高速となります。数値は1秒間に転送できたファイルのサイズでMB単位となります。
現在もレビュー更新中ですので、本文の方にもコメント追加しておきたいと思いますm(_ _)m
4453さん
2010/11/21
アクセスしにくい作りになっていたのですが、こちらは簡単に取り外せて
良いですね。
Sheltieさん
2010/11/21
ケースのメンテナンス性はかなり高いですね。I・O DATA製の外付型ドライブは何度か利用したことがありますがネジ止めの箇所や返しの位置など進化していると思います。
写真には写ってませんがHDDの上にはシールド版が設置されるようになっていて高速転送対応モデルらしくノイズ対策されているのもさすがです。