レビューメディア「ジグソー」

新しい相棒

 

PCケースを選ぶ際は、その拡張性と作りの良さに着目して選んできたつもりだ。

自分にとっては久しぶりの新しいミドルタワーケース、さてそのポテンシャルは如何に?!

 

 

_/_/_/_/_/ ファーストインプレッション _/_/_/_/_/

 

ブラック、シンプル、先ずこの二言だろう

 

                       ※リンクス様より画像拝借しました

 

正面パネルは基本プラスチック素材だが、アルマイト(アルミ)処理された薄いパネルが貼られている。5インチベイが2箇所、USB2.0/3.0コネクタとオーディオジャック、電源とリセットの各ボタン、HDDのアクセスLEDがあるのみ。

 

サイドパネル/上面/底面はピアノブラック塗装で美しい仕上がり。リアパネルと内部はマットブラック、スイッチなどのケーブルまでがブラックと黒ずくめだ。ケースファンの防振用シリコングロメットが明るいオレンジ色がちょっとしたアクセントかな?

 

 

_/_/_/_/_/  インストール  _/_/_/_/_/

 

最近のPCケース事情はよく分からないけど、とにかく組み込んでみよう!

 

元々組んであったPCの中身を移設する。マザーボードにはCPUとメモリが乗った状態、HDDはRAIDにしてある為3台、後は光学ドライブだけ。グラフィックはCPU内蔵で・・・

 

元のPCケース 星野金属 MT-Pro1100

 

 

移植後  ANTEC SOLOⅡ

 

はい、完成です! (あ~スッキリしてる)

ケーブル処理は別として、注意するのは光学ドライブの位置合わせくらいで、単に組むだけならば1時間も掛からずに組み上げることが出来ると思います。

 

 

 = ANTEC SOLOⅡなら、誰でも簡単にPCを組み上げることが出来る。

 

 

ファンの音も静か、古いHDDのカリカリ~と言った動作音も殆ど聞こえないくらい

とても「静音性」の高いPCケースだと感じた  (完)   

 

 

 

 

  ・・・ 簡単に 終わらせすぎだろ!

 

 

 

 

これで終わりにするとお叱りを受けそうなので、掘り下げましょう・・・

 

 

_/_/_/_/_/    探 求 編   _/_/_/_/_/ (少し変な言い方?汗)

 

スチールケースのイメージとして、価格は比較的安価だが重く扱いにくい、そして残念なモノはバリ取りが不完全で加工精度も低い、数回蓋を開けただけで狂いが生じるなど、あまり良いイメージが無い。自作を始めて3台目(個人用)から国産メーカーのアルミケースで組んできた、アルミ素材はスチールに比べて高い放熱性と、軽くて扱い易いと言った利点がある、また多少値がはる分、加工精度も良く結果的には長く使えると考えていた。13~4年前に購入したケース(星野金属 MT-Pro1100)を未だに現役で使用している

 

SOLOⅡは組み始めてすぐ、あまり良くないスチールケースのイメージを払拭してくれた。

 

バリが無い

まず注目したのは、スチールケースにありがちなバリが全くと言って良いほど無い、これは非常に気持ちが良い。各所に折り曲げ加工を施す事で、比較的薄めの板(1.0mm厚)を使用しながらも強度を上げると同時にバリも消している。また、切りっぱなし部分も丁寧にバリ取りされ、更に塗装することでそれを消しサビの防止にもなっている

 

 

各所に折り曲げ加工が施されている(クリックで拡大して下さい)

 

 

構造とアクセス

天板がリベット止めされたモノコック構造=天板・底板・正面・後ろと4面で囲んだ“堅い箱”となっている。

 

 

◇サイドパネル取り外し

手回しネジが2箇所ある、これを外してドアを開けるように横に開くと簡単に外れる。パネル内は防振用のポリカーボネートが貼られているので、ずっしりと重い、手でしっかりと持って外す

 

横開きで簡単に外せる

 

パネルを試しに手で叩いてみると、「ボコボコッ」と低く鈍い音、余分な振動が少ない証しだ。

 

この手回しネジも注目して欲しい、抜け落ちないだけでなく内側に飛び出ることも無いモノだ。抜けないだけのモノだと、閉める際にネジの頭がケースに傷を付けてしまう可能性があるが、これは中にバネがありネジの頭が出てこないのでその心配が一切無い、良く考慮されたパーツ

 

 

MT-Pro1100の6.7Kgに比べるとSOLOⅡの重量は9.1kgと重いが、サイドパネルの重さは

1枚 約1.4~5kg程度、2枚で約3kgなので、外してしまえば同程度の重量に変身する。(MT-Pro1100のサイドパネルは約0.5kg)

 

 

◇フロントパネル取り外し

各ドライブベイへのアクセスは前からしか行うことが出来ないので必ず開ける。(SSD専用ベイを除く) 3箇所のツメで止まっているのでこれを押し込んで開ける、ケーブル類の接続は無いので簡単に分離可能だ。

 

フロントパネルは外してしまった方が作業が楽

 

電源ボタンの裏側、本体側のLEDを透過させて光る

この状態でボタンを押し込むのは絶対に止めよう、破損する恐れがある。

少し頼り無い感じがある、注意して扱いたい

 

 

 

◇ドライブベイ

フロントパネルを開けると、上部に5インチベイが上下2段、中段の手回しネジのカバーを開けるとHDD用の3.5/2.5インチドライブ用トレイが3つ用意されている。また、「サスペンションマウント」と呼称される“ゴムバンド”が2つ見える。

ゴムバンドによるギミックは、HDDの振動をほぼ吸収してしまうだろう、耐久性は?

 

 

専用レールにて取り付けるが、ネジ1本で仮止めして正面パネルとの位置をみる・・・そうしないとこの様に位置が合わない場合もある

 

 

HDDは専用トレイに取り付ける、方向を間違えないように注意、3.5/2.5インチ両方対応

 

防振グロメットが使われているので付属の専用ネジを使う。

HDDとトレイは密着しない、放熱効果は期待できないが、振動が伝わりにくく防音には抜群の効果を発揮する(動作確認してそれに驚いた)

 

 

SSD専用ベイはケース内部にある、振動の無いSSDならではと言うことだ

 

 

◇追加FAN とフィルタ

RAID構成にしておりHDDは3台使用、先に記したようにHDDトレイに放熱は期待出来ないので、手持ちの120φファンを追加。

FANは2個追加可能、フィルタが着いておりこれだけを外せるので洗う事も出来るだろう

 

 

◇電源ユニット取り付け

思い切ってケースを逆さまする、この方がネジの位置が合わせやすい。補強用のバーは外して電源ユニットを入れる。

赤丸印はネジの位置を示している(実機には特に印はない)

 

 

上面パネル裏側にもポリカーボネートが貼られている事が判る。

防音に気を配っている

 

 

 

◇マザーボード裏側、ケーブル処理

マザーボードの裏側は広く開けられている、バックパネルを使用するCPUクーラーへの交換が容易に行える。またケースの軽量化にもなっていると考えられる

 

電源ケーブルやSATAケーブルなどを裏面に回すことが可能、エアフローを邪魔しない格好だ、表側もスッキリするのでなかなか良い。

 

ここもしっかりと“折り返し処理”がされている、ケーブルが傷つく心配もない。

強度も確保されている。

 

 

◇CPUクーラーに関して

マザーボード面から約16~7cmくらいの高さのクーラーまでなら取り付け可能と思われる。

 

現状の構成、使い方ではクーラー交換を必要としていないのでそのまま

 

 

◇グラフィックボード

これは注目すべき点だろう、比較的コンパクトなケースの割に、実に30cm以上のボードが搭載可能だ、カタログスペックでは381mmとなっているが、FAN取り付けを考慮すると350mm以下が妥当と考えられるが、十分にハイエンドなボードが搭載可能だ。

 

かなり大きなボードの追加が可能なスペース

 

 

参考比較に・・・ MT-Pro1100 は通常だと20cm以下でないと取り付けは困難だ。

HDDベイを取り払う事手もあるが・・・

昔は今ほどの大きなボードが存在しなかったので・・・

 

 

SOLOⅡのグラフィックボード(ロングボード)に関する拡張性はMT-Pro1100とは比べものにならないほど圧勝だ。設計された時期が大きく違う為、ハイエンドなボードについて十分な検討がされている証拠だと言える。

ドライブベイの数ではこれが逆転する、しかしSSDの登場や2TBを越える大容量HDDの存在を考慮すれば、今はそれほど台数を搭載することは殆ど無いだろう。(FDを使用する機会も今は皆無に近いだろう)

 

 

静音性は?

組み込みを終えて電源投入して驚かされた!?

最新のHDDか?と思えるほどに、あの「カリカリ・・・」と言った動作(シーク)音が殆ど聞こえなくなった(静かさに感動!) HDDは HGST Diskstar P7K500(320GB) 2006年製

 

HDDトレイの防振グロメットの効果がこれほどまでの大きいとは予測していなかった。

無論、サイドパネルのポリカーボネートの効果も効いているだろう。ケースFANもかなり静かで気になることはなかった。

ケースの防振防音対策が十分に成されているケースとはこういったモノなのか~

流石にメーカーが静音ケースを名乗る事だけはある。

 

 

 

_/_/_/_/_/  ま  と  め  _/_/_/_/_/

 

スチールケースを触ってガッカリさせる“バリ”が皆無と言えるほど無く、良く仕上げられたケースであることを上げておく、細かいところまで気を配った作りだと言える。変な気遣いすることなく安心して組むことが出来た。

天板が固定されていたのは、一見作業性が悪そうに感じたが、スチールの強度とも相まってその剛性の高さは必要十分。作業中、横に寝かせたり逆さまにするなどしても一切歪むと言った感じを受けることなく作業できた。(揺すってみたがビクともしない)

拡張性に関しては個人の思考による部分が大きいと思うが、グラフィック重視のユーザーにはお奨めのケースと言えるだろう、ハイエンドボードが搭載可能だ。しかし、ストレージを優先させるならばあまりお奨めではない、HDDの搭載可能台数が控えめな点とフロントパネル側からアクセスする構造となっている為、サイドパネルを外したりなどひと手間掛かる格好だ。

フロントパネルは少し残念かな~・・・ 無配線としているならばサイドパネルを開けることなしに単独で取り外せる構造にして欲しいと思えた。

 

外装塗装のピアノブラック仕上げはとても綺麗、ただどうしても手で直接触ると跡が残る。

作業後は柔らかい布、例えばメガネ拭きのようなもので拭き取るのが良いかもしれない、どうしても拭き取れない場合は思い切ってガラスクリーナー等を使う手もある。見た目が良いだけに

いつも綺麗にしておきたいケースだ。

 

 

見た目、作り、作業の安全面、静音性と良くできたPCケースだと思う。

 

初めてPC自作に挑戦する方にもSOLOⅡならば安心して奨められる。

 

 

コンパクトケースを求めている ゲーマーに最高の相性

 

 

変な派手さが無く、綺麗な  「大人のケース」

 

 

 

<感想>

何度も言ってるけれども、バリが無いことはイイ、手を怪我する心配がない

大きさ的にもこのくらいが扱いやすいので万人向け

 

流石にレビュー用に写真を撮るのは気を使った~ 家の中の余計なモノまで入る^^;

 

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