今回初の80PLUS PLATINUMを触る事ができたので勉強しました。
レビュー項目の『知識』は初歩の初歩ですが電源について私なりにまとめてみました。
電源については十分知っているお方は飛ばして『概要』からお読みください。
知識
電源ユニットの仕組みと選び方
概要
外観
主なスペック
詳細
ケーブル形状
性能比較
ワット数 温度 静音性
体験
ハイエンドに挑戦
総評
良い点・悪い点
まとめ
『『『電源ユニットの仕組みと選び方』』』
電源ユニットは他のパーツ(CPUやグラボ)のようにベンチマークで簡単に数値で表す事もなく、良いのか悪いのか分かりづらい。価格もピンからキリまであり最新の電源ユニットを買えば良いわけでもない。
知っているのは「80PLUSを選べば良いのだろ!」と言う事だけ。
大まかな事しか分からないから選びづらい。
私は他のパーツは最新の物を選べば何とかなるが電源ユニットだけは自分で考えて購入しなければならない唯一のパーツと考えています。
今回初歩だろうけど勉強しました。
基本
電源ユニットは人間のパーツで例えると「心臓」と言われています。(CPUが脳。)それほど重要なパーツだと言う事です。
私は電源ユニットは目には見えない縁の下の力持ちと思っています。
その電源に求められるものは安定性・省エネ・静音。これも心臓とほぼ一緒でしょう。雑音が聴こえたらビビるよ。
安定性があるものは高効率で電力を供給し、高効率で電力をを供給するものは省エネになり、省エネなものは発熱が少なくFANの回転を抑え静音になる。
これら3つを押さえた電源ユニットは長寿命につながる。
電源の種類
よく見る表です。
変換効率って何?80%と90%じゃどれほど違うの?ここら辺の説明。
変換効率とは「出力電力÷入力電力」。入力電力と出力電力の差は全て熱になる。
難しいですね。
簡単に言うとコンセントから出た電力を電源ユニットで変換してPCパーツに流すんですが変換する時にロス部分が出てくる。ロスを差し引いてパーツに流した電力の割合が変換効率。
このロスを20%以下にしたものが80PLUS電源ユニット。(80%はすんなり送るよと言う意味)
変換効率の比較
左のコンセントからではなく逆に右のGPUから話を進めると分かりやすい。
GPU(グラフィックボード)に100Wの出力電力が必要とすると80PLUSでは80%効率の為に125Wコンセントから入力電力(供給)が必要になります。
100W=X×80% X=100W÷80%=125Wです。
出力電力と入力電力の差は「熱」になるため25W発熱します。
次に80PLUS Platinumでは90%効率なので先の計算を当てはめると111Wコンセントから供給され入出力電力の差11W発熱します。
発熱の差14W この差をどう見るか。
換気扇が約30W。その半分と考えても結構な電力ではないだろうか。それも比較したのが両方80PLUS。
電源ユニット選びは最低限80PLUSと言う結論が出る。更に省エネ・長寿命を考えるとStandardよりも上位、更に上位のPlatinumを選択したい。
次に電源ユニットに書かれている表。
これもよく見ますね。これって何?
電源ユニットは5V・3.3V・12Vを出力しています。これら全ての合計のワット数が箱に書かれている650Wとかになります。
今回の図はレビュー品の650Wですが5.5Vと3.3Vの合計が105W、12Vの合計が576Wと書かれてあり合計681Wとなり650W以上になってしまいます。
おかしいですね。コレは650Wを基本として考えるので12Vで576W使ったら5V・3.3Vは74Wしか使えませんよと言う逆算の考えです。
そんなことはあまり考えず重要なのは12Vの部分。
12VはCPUをはじめグラボ・マザボなど主要のパーツの電力をまかないます。
その為ここの電力が小さいと電力不足に陥る事もあるので注意です。
この電源ユニットだと576W使えます。
その12Vの使用可能量(今回だと576W)の分配方法(使い方)が電源ユニットによって違います。
それが「系統」です。
今回のレビュー品は12Vが4系統に分かれています。下記レビューで出てくる比較品は1系統です。
何が違うのか?
イメージしてください。
20畳の部屋に4人(マッチョから女性まで)住人がいるとします。
その部屋に4人分の食事をビュッフェスタイルで食べさせるのが1系統。
20畳を4つの部屋に区切り部屋毎に1人分ずつお膳で食事を与えるのが4系統。
1系統の場合:
マッチョの食事量が足りなかった時、女性の残りを食べる事ができマッチョもお腹満腹になります。
しかし皆お腹がすいてがっつきたい時、食事を奪い合う事になり部屋の秩序が乱れます。
4系統の場合
各々決められた量を食べる事ができ一通り腹八分になります。みんな平等に貰えるので秩序は乱れません。
しかしマッチョが物足りない時、女性部屋から食事がもらえません。そして女性の食事も余ってしまいます。
これが系統の違いです。
1系統だと余すことなく電力が使えますが、安定性がおろそかになります。
4系統だと安定性はありますが、一部電力不足になる事もある。
じゃあどちらがいいの?と言う事になると大容量のグラボSLI CFX 3Wayなどするなら電力重視の1系統。ミドルクラスのグラボなら安定性の4系統と考えてます。
また4系統など系統に分かれている時重要なのはA(アンペア)。系統1つずつにどれぐらいの容量が使えるか分かるので重要。
レビュー品の場合、30Aなので12V×30Aの360W使用可能。ミドルクラスなら十分まかなえます。
(またここで分かりづらいですが1系統360Wなら4系統で1440Wになり全然足りませんね。コレもトータル576Wが限界での逆算です。)
ここまでで電源ユニットの大雑把な仕組み選び方がつかめたのではないでしょうか?
あとはケーブル類のプラグインとか3Wayまで対応とか好みで選べば良いかと思います。
私自身は分かったぞと言う事で長い前説終了。
本編レビューへ行きます。
『『『外観』』』
『『『主なスペック』』』
『『『ケーブル形状』』』
左上:電源ユニットから出ているケーブルの形
右上:ケーブルの形状
左下:24ピン
右下:24ピンと8(4+4)ピン
ケーブルの形状は他のメーカーでもよく見られる?形です。柔らかいけど癖が付いたら直りづらい。
個人的にメッシュが蛇みたいでちょっとコワイw
24ピンは20+4ピンじゃなく24ピンの塊です。8(4+4)ピンはよく見る普通の形です。
左上:SATA×3
右上:SATA×3とペリフェラル×1(赤丸)
左下:ペリフェラル×3とFDD×1(青丸)
右下:赤丸と青丸の拡大
今までここら辺の形状は気にした事なかったのですが、意外と面白い形を取ってると思います。
SATAは使うので必要だけどペリフェラルは使わないようにしようと思えば使わない。ただ一個欲しい時には右上のケーブルを使えば1本で済む。
他に使わないケーブルはまとめておける形状をしていると思います。
左上6+2ピン×2
右上下:拡大
これも面白い形をしています。1本を2本に分けている。
右上の拡大写真をみると分かるけどモロに1本を分岐してるだけ。
ケーブルがやわらかいので右下のように曲げて刺す事ができます。
コンパクトにまとめられて良いかと思います。
全体的にコンパクトにまとめられる感じ。プラグインじゃなくても良いかもと思わせます。
プラグインの方が更にコンパクトにまとめられますが、ケーブルをハンダで直付けしてる方が気に入る方もいると思うのでこの形状はとても良いと思いました。
『『『性能比較』』』
80PLUS Bronzeの電源ユニットと性能比較をしてみました。
こちらに付属していた電源ユニットになります。
品名はSilverStone SST-ST60F-SGと書かれていました。
比較しやすいようにレビュー品の出力をもう一度貼ります。
系統が4系統と1系統と違うものの大体似たようなスペックかと思いましたので比較してみました。
使用したPCスペック
グラボだけ紹介。ミドルクラスを使用。
『『『比較項目』』』
『ワット数』
変換効率を見るにはワット数。負荷率によっても変化するのでグラボなし・ありで測定。
各種ベンチマークを走らせ各々のワット数を測定しました。
「グラボ無し」
PC電源付けてすぐに違いが出ました。どの結果もプラチナ電源ユニット優勢です。
こんなに簡単に結果が出ていいのだろうかと思うぐらいすんなり違いが出ました。
モンハン大討伐のベンチ時はさほど違いが出ませんでしたがCINEBENCH11.5では4Wの差が出ました。
でもプラチナにする必要あるのかないのか分かりづらい。
「グラボ有り」
プラチナ効果が出てきた。こちらも全てプラチナ優勢です。
ベンチによっては30Wの差が出ました。プラチナ本領発揮でしょう。
この電源ユニットを選択しようか悩んでいる時点でグラボ搭載を考えているはずなのでプラチナランクの電源ユニットを選択した方が良いと結果が出たのではないでしょうか?
良い結果が出ました。
『温度』
比較しようと温度計を付けて測定したのですが気温が低いのでプラチナ・ブロンズ電源ユニット共に全然温度が上がりませんでした。当てる場所が悪かったのかもしれません。
このクラスのグラボじゃほとんど負荷がかかっていないのでしょう。両者安定性抜群?!と評価したいと思います。
『静音性』
静音性についても比較しづらい。両者ほとんど聴こえません。
耳を近付けると「チッチッチッ」と音がなっていますがCPUクーラーやグラボのFANの比ではない極々小さな音でしかありませんでした。
電源ユニットの音を気にするほど神経質ではない私の性格がダメかもしれません。
今回『体験』って何だろう?と思ってましたが電源ユニットと合わせてPCケースもレビューさせていただきレビューでPCを引越しするのでその際、私が持っている可能な限りのハイエンド仕様で電源ユニットに負荷をかけてみようと思います。
PC構成
PCI-E(6+2)ピンが2本しかない為、CFXはしていません。ペリフェラルで変換しても良いのですがわざわざ危険を冒す事は無いと思ったのでCFX止めました。「挑戦」とは言い難いかも。
比較する電源ユニットはこちら
結果
ワット数においてどちらの電源でもアイドリングで安定せずピョンピョン動いていたのですが一定期間レビュー品は60W辺りで安定し、Corsairは80W辺りで安定していたので結果として出しました。
その差が20Wほど有りましたのでベンチ走らせたら凄く差が出るんじゃないのかと思ったら対GOLDなのでさほど差が出ませんでした。
しかし、全部の結果においてプラチナ優勢になりました。
白黒つけがたい判定ですが650Wで安定性は抜群でした。650と850の200Wの余力差がありますからね。そう考えるとレビュー品の判定勝ちと言えるでしょう。
ただもう少し負荷がかかるようなPC構成で比較したいと思いました。
『体験』と言うより『詳細』の続きになってしまいました。
『『『良い点』』』
省エネ・静音・高効率。ミドルクラスで組むならこの電源ユニットの選択でしょう。
ハイエンドグラボでも十分安定性があり活躍できる。
コンパクトにまとめられるケーブルの形状。
プラチナランクの優越感。
その中でも一番良いと思った点は「省エネ」
80PLUS Bronze電源ユニットとの比較でも十分省エネ結果が出たのが凄かった。
アイドリングではさほど変わりがないがグラボ使用時の30W以上の差。これに尽きます。
また体験で650Wと850Wでワット数が違うもののミドル~ハイエンドのグラボを1枚だけ搭載するならレビュー品で十分安定性があるのでお勧めです。価格もお手軽だと思う。
『『『悪い点』』』
使わないケーブルが邪魔になるのでプラグインだと更に良かった。
ここまで高効率ならミドルクラスのグラボSLI・CFXできるようにPCI-E(6+2)ピンを4本付けて欲しかった。
気にならないが耳をすませて聞くとFANが「チッチッチッ」となっている。
『『『まとめ』』』
今までPC作成時はCPU・マザボ・メモリ・グラボの最新式を優先して選択をしてしまい電源ユニットの選択は後手に回っていました。
結果グラボなどで予算が少なくなり電源ユニットはあまり考えずそれなりの選択していました。
今回プラチナランクの電源ユニットを触る事ができ勉強し、電源ユニットはあらゆる角度で見なければならない事が分かりました。
良い勉強の機会を与えて頂いたと思っています。
また一つ賢くなりました。これからは電源選びも重要視したいと思います。
まだまだ浅い知識だけど、奥が深いぞ電源ユニット。縁の下の力持ちだ電源ユニット。と重要なパーツでもあり面白味のあるパーツだと思います。
これから・・・すでに省エネの時代でもあるのでこの分野の更なる進化を期待して今回の締めくくりの言葉にさせていただきます。
最後にレビューの機会を与えてくださいました株式会社リンクスインターナショナル様、ZIGSOW様、関係者の皆様有難うございました。
そして最後まで読んでいただいた皆さま有難うございました。
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