"Pentium"今ではローエンドを名乗るCPUだが、かつては高性能CPUである証だった。
1993年に誕生し、2006年のCore2シリーズの誕生までの実に13年もの間intelのメインストリームからハイエンド帯までをカバーしていた。
今回紹介するPentium Extreme Edition 840はそんなPentiumシリーズ初の2C4Tモデルであり、"Pentium"の誇りとNetBurstアーキテクチャの限界を体現したCPUです。
パッケージとかないから画像少ないです…
intel初のデュアルコアPentium
Pentium XE 840の主な仕様です。
コア/スレッド:2c/4t
定格クロック :3.2GHz
FSB:800MHz
TDP:130W
このPentium XE 840は同時期に販売していたデュアルコアCPUのPentium Dとは異なり、同時マルチスレッディング機能のハイパースレッディングが有効になっています。
PrescottなPentium4を2個押し込んだ感じです。
SmithfieldベースのXEは840だけなのでFSB800MHzで4スレッドを持つ唯一のCPUになります。
(それでもCore2 Duo 7000に負けるけど…)
また、後継のPentium XE 955,965と比較するとクロックが控えめに設定されていますが、これはPentium D/XE900番台はFSBが1066MHzとなったことに加えプロセスルールが進んだからだと思われます。
Pentium D以降のCPUはx64に対応しているのでいつものCINEBENCH R15を実行してみました。
圧縮失敗して解像度がとても悪いのですが、下の赤いのがPenXEです
最近のインフレしたスコアを見るととてつもなく弱く見えますがこいつは17年も前のCPUなので…
予想通りCore2 Duo E6600のスコアにはギリギリ届きませんでしたが、物理4コアを持つAtom X5 Z8350を抑えていると考えると割と頑張っている印象を受けます。
TDP2WのZ8350と比較するとTDPは65倍もありますが(;^ω^)
さすがにNetBurstはシングルが弱いですね
またシングルスレッドではApolloLakeのCeleron N3450を抑えてはいますが、クロック差は1GHz、TDPでは21倍もの差があります。
NetBurstアーキテクチャのIPCの低さと電力効率の悪さが露呈する結果ですね。
近いスペックを持つ17年後輩のPenyium G7400の性能を見ると技術の進歩を感じます。
逆に17年の時が経っても現行のOSを動かせてしまうのはかつてのハイエンドの意地を感じます。
XD-Bitに対応しているので32bit版であればWindows10を動作させることもできます。
ちなみに64bit版はインストール中にループに陥ってしまう為動作できません…
手持ちのOSで試したところWindows8(8.1ではなく無印)までであれば64bit版の動作が可能でした。
尚、intel公式のマイクロプロセッサーの歴史(7/26リンク先が変わってたのでリンク消しました)では「インテルで初めてデュアルコア技術を採用したデスクトップ PC 向けの高性能プロセッサー」と記載されています。
今となっては発熱や後継のCore2の優秀さから黒歴史扱いされがちですが、intelCPUの歴史を語るうえで外すことができないとても栄誉あるCPUなのです。
歴史に残る存在
後継のCore2が大ヒットした影響でNetBurstアーキテクチャを採用したCPUは黒歴史とされがちですが、このPentium XEに始まるPentium Dファミリーはintel初のデュアルコアであり当時AMDに押されて瀕死だったintelを支えた存在です。
2017年にPentium G4560が発売するまでは4スレッド動作ができるのはPentium XEシリーズだけでした。(AtomベースのN/Jシリーズを除く)
NetBurst由来の当時としては多い消費電力や発熱といった問題もありますが、現代の目線で見ると決して灼熱ではないと感じます。
言い換えるとTDPがどんどん上昇している昨今のCPUを見るとPen4時代の再来かと思ってしまいますね(汗)
おもちゃとしても流通量が非常に多いCore2シリーズに目が行ってしまいますが、デュアルコア黎明期を支えた強かった頃のPentiumのことも思い出してあげて、見かけたらぜひ手に取ってみてください。NetBurstの熱い息吹を感じることができます。
何はともあれ長年探し続けてきた憧れのPentium Extreme Editionを入手できて満足です。
壊さないように大切に動態保存していきたいです。
入手してから1年経ってやっと登録…
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購入金額
5,000円
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購入日
2022年08月14日
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購入場所
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