この作品は、どこか現実離れしている感じがありながらも、現実の厳しさを突きつけてくる様な描写をしていて、高い山に登る事に憧れる気持ちを今一度冷静に考えさせる説得力を持っています。
私自身、若い頃は流石に冬山には登ったこと無いけど、単独で写真を撮りに機材を背負って登山することもしばしばでした。余裕もってプランしていても結構ヤバいモードに入ったこともあります。
知人と、3000m級の山にも数回登りましたが、ある高度になると植物ですら急激に生態系が変わり、風景すらも異質なものになります。少し歩くと苦しくなるし、なにもかもが平地で暮らしている環境とは違います。人間なんてちっぽけな存在だと思い知らされます。
強い風が吹いてきて「もし飛ばされてここから落ちたら死ぬな・・」って思ったこと、何度もありますが、もし本当に落ちてたら・・そんな出来事をこの作品は当たり前の様に描いてます。山岳救助隊の話ですから当然なのですが、落ちたら体がバラバラになるんだな・・何年も発見してもらえないのかも・・・
山という大きな存在に比べて、人間というちっぽけな存在。だけど山に魅力を感じる人は沢山いる訳で、たとえ軽登山でも山に登ろうという人は、この作品を是非読んで欲しいです。きっと、自然の偉大さ、厳しさ、人と人が支えあう事などなど、山でなくても学ぶことは沢山あります。自然の厳しさを知ってから山に登ることを学べるだけでも読む価値はあります。
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購入金額
550円
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購入日
2006年頃
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購入場所
近所の書店
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