レビューメディア「ジグソー」

交換レンズという機能的介入

 

お正月なので、玄関ドアホンのレンズ交換を行いました。

どれぐらい時間かかるか分からない作業に、長期休暇って都合が良い。 

 

ウチはリコールが多いと噂の Panasonic 製品を使用しているのですが、レンズ部分に樹脂製のものを使っているらしく、経年劣化で白くモヤがかかったような映像になってしまっていました。 

 

 

 

プライバシー保護のため、一部画像にモザイクをかけています。

最初は埃でも付いてるのかな、とか留守録の時も「雪でも降ってたんかな」とか簡単に思っていたのですけど、拭いても直らなかったので、ようやくレンズ劣化だと気付きました。

 

樹脂レンズは多くの場合 ポリカーボネート(PC) や アクリル(PMMA) が素材として使われており、太陽光の UV (紫外線)により樹脂の分子鎖結合の破壊がおこり、結果、表面の微細な凹凸が光を乱反射してカメラに届く光が均一化され、 白く霞んだ映像になるというのが現象の理由になります。曇りガラスと同じような光学現象といえます。

また、加水分解という呼び名で知られるハイドロリシス(Hydrolysis)で水分が樹脂内部に浸透、表面が白濁(ヘイズ化)するというのも理由のひとつ。

 

じゃぁなんでメーカーは樹脂レンズを使うの、というところですが、そもそも基盤やイメージセンサー側も劣化するので、買い替えサイクルが必要な製品ではあります。電源回路の電解コンデンサ、センサーの暗電流増加、マイク・スピーカーの劣化、全体的に電子機器の設計寿命は10年というところが更新タイミングになっています。

 

しかし買い替えるにしても、子機を3台も購入してしまっているので勿体ないなぁ、という気持ちになり、レンズ交換だけを行うことにしました。運命にあらがおう。

 

 

 

いろんなメーカーから同じようなものが販売されていたので、適当に安いのを購入。
内容物はレンズ本体とマニュアルのみ。
マニュアルには手順がしっかりと書いてあるのですが、事前に Youtube 等で情報を知っていたので、とくに見ることをしませんでした。

 

 

 

事前情報でプレイヤーが無いと硬くてレンズが回して取れない、というのを見たので使用してみたところ、強く力を入れすぎてレンズがパキっと……。まぁもう使わないレンズだからいいけど。結局、プライヤーではどうにもならず。レンズを固定するために薄く接着剤が使われているらしいので、カッターで切り込みを入れるようにぐるりとガシガシやったところ、簡単に回って取り外せました。

必要なのはプライヤーではなく、カッターです。

 

 

 

取れた……。

ネジ式になっているのですが、3か所に接着剤が付いてるみたいですね。

 

 

 

 これが今回購入したレンズ。小さくてきれい。
でも意外に形状が違いすぎるが……。

 

まぁ取付部分の規格さえあえば、何も言うまい。

 

分解も取付も簡単でしたが、ピント合わせがとても大変。
ウチはインターホンの受話器側が2階にあるリビングなので、ピンポン押してダッシュで映像を確認しに行くのはさすがに距離がありすぎてダルい。

そんな時は、モニタのある子機があると簡単です。
ドアホンの基盤状態にしてガムテープで固定したものを玄関先にぶら下げ、その状態で仮配線してモニタリングするという方法を取りました。いちいち分解してレンズ触るのもダルい。


ただ実際に使ってみると、子機モニタを使用してレンズのピント合わせをするとハウリングがうるさくて良い場所関係では映像の確認ができませんでした。ドアホンにマイク切るスイッチ欲しい。

 

 

 

 一番奥にねじこんだ状態が近距離(カメラ近く)にピントが合う状態です。
僕はねじこんだ状態から高さを上げていくようにしてピントを合わせていったのですが、けっこうポロリしそうなくらいまで外した状態でピントが合いました。ピントがあった記念に長さを撮影しておきます。訪問者はこちらの望んだ立ち位置になってくれないはずなので、ピント合わせは適当で大丈夫だと思います、たぶん。

 

 

更新: 2026/01/02
デザイン性と機能美

純正レンズ vs 互換レンズ

純正レンズは、VL‑V571 という製品全体の一部として緻密に統合されたデザイン思想を持ち、筐体との一体感や光学系との整合性、屋外使用を前提とした耐候性まで含めて、プロダクトとしての完成度を高めるための総合的な機能美が追求されている。

 

一方で互換レンズは、あくまで劣化したレンズを交換するという明確な目的に特化した設計で、取り付け互換性と必要十分な透明度を最優先し、外観も純正に寄せつつもコストと実用性のバランスを重視した合理的な機能美が中心にある。

 

純正が製品全体の調和を前提にしたデザインであるのに対し、互換レンズはユーザーの交換ニーズに応えるための最短距離の解決策としての美しさを備えており、両者は同じ形状を持ちながらも、その背景にある思想は明確に異なる。

更新: 2026/01/02
メンテナンス性

ただ、ただ復活させる

交換レンズは、VL‑V571 本体を分解せずに光学性能だけを復旧できる点で、純正ユニット交換とは異なる局所メンテナンスの思想が貫かれている。

レンズ単体での交換を可能にするシンプルな構造は、ユーザーが最小限の作業で劣化問題を解消できるという大きな利点を持ち、メンテ性という観点では非常に合理的。

一方で、純正のように長期耐候性まで含めて最適化されているわけではないため、交換作業そのものは容易でも、耐久性や再劣化の速度は素材品質に左右されやすい。

つまり、交換レンズは手軽に復活させるためのメンテ性に優れ、純正は長期的にメンテ不要であることを目指した設計であり、両者はメンテナンス思想そのものが対照的。

更新: 2026/01/02
コストパフォーマンス

映像品質だけをピンポイントで復旧

数千円前後の投資で「白飛び問題」が解消し、ドアホンとしての実用性がほぼ元通りになるため、費用対効果は極めて高い。純正ユニット交換が数万円規模になることを考えると、交換レンズは必要な機能だけを最小コストで取り戻すという合理性に優れ、コスパという観点では圧倒的に優位。

 

ただし、素材の耐候性や長期耐久性は純正に及ばないため、長寿命を求めるユーザーにとっては再交換の可能性を含めたトータルコストで評価する必要がある。それでも、現実的な修繕手段としては、交換レンズは最も費用対効果の高い選択肢といえる。

  • 購入金額

    2,380円

  • 購入日

    2025年12月21日

  • 購入場所

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