レビューメディア「ジグソー」

めでたくアナログ化

昨年発売されたアルバム「窓の向こうに~Beyond the Window~」は、当初UHQCDでのみ発売され、私も取り敢えずCDで購入していました。

 

 

 

 

 

このCDがリリースされる前のOTOTEN Technicsブースでご本人やエンジニアの皆さんが登場した試聴イベントが開催され、その中で「アナログ化はCDや配信の売上による」との話があり、司会をされていたTechnics上松氏が「ここにいらっしゃる方は購入はマストでしょう」と言われたこともあり、音元出版のイベントでご本人から直接購入してきたわけです。

 

本作のアナログ化は、UHQCDの制作で縁があったメモリーテックによるプレスという話題があり、今年のOTOTENのTechnicsブースで先行試聴会も開催されましたので、そこで聴いた上でOTOTEN会場での先行販売で購入してきました。

 

ちなみにメモリーテックは旧東芝EMIの御殿場工場を引き継いで主にCDや映像ディスクを生産していたのですが、2022年に新たにプレスマシン等を導入してアナログ盤の生産を始めたとのことです。従ってレコードの生産設備は旧東芝EMIのものとは異なるそうです。

 

 

丁度買いにいったタイミングがご本人が直接サイン入りで販売している時間帯であったため、その場でサインを入れていただいて購入してきたわけです。私が「CDもこんな感じでサイン入り買ったんですよね」というと井筒さんも「ああ、覚えてますよ」とのことで、まあイベント等で何度となくお会いしているので、恒例行事の感が出ています…。

 

 

CDは全6曲のミニアルバムという体裁だったのですが、アナログ化に際して2021年発売のアルバム「Another Answer」からの3曲を加えた全9曲のフルアルバム的な構成となっています。

 

 

Side A


1 さよならの向う側
2 ラストダンスは私に
3 スカイレストラン
4 黒く塗りつぶせ
5 瞳はダイアモンド



Side B


1 Sing Sing Sing
2 竹田の子守唄
3 輝く街(G.& Vl. ver.)
4 どこか ~窓の向こうに~

 

 

 

内容については、「窓の向こうに~Beyond the Window~」「Another Answer」のPVでご確認ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

更新: 2025/07/10
総評

メモリーテックプレスの品質の高さが光る

なかなか開封する時間が無く、結果的に正規発売日(2025年7月9日)になってようやく開封しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クレジット欄に並ぶ制作スタッフは錚々たる面々です。MIXER'S LABの高音質盤とほぼ同じ顔ぶれで制作されていることが判ります。

 

 

今回先行販売で買った理由としては、PhileWebに掲載されたメモリーテックのアナログ盤生産についての記事に記載があるのですが、昔のレコードとは素材等に違いがあり、スタンパーも昔の半分程度の枚数しか使えないということで、早めのプレスで買わないと音質的に不利になる可能性があったためです。

 

率直に言って、Technicsの先行試聴会では結構ヴォーカルの音が荒れていて大丈夫かなと心配だったのですが、実際に家で聴いてみると予想以上に素晴らしい音が出てきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

180g重量盤ではあるものの、これまでの作品とは異なりごく普通の33回転盤です。

 

CDでリリースされた時点でオーディオ評論家の小原氏が「この作品のベースの音は本当に素晴らしい」と絶賛されていましたが、自宅で聴いてもやはりその印象は変わりません。

 

 

 

 

 

 

 

Technics SL-1200G+TEAC PE-505+Goldring Eliteという組み合わせで聴いていますが、過去のレコードと比べてもS/N感は向上していますし、33回転盤であっても十分な情報量は感じられます。

 

特に低域については「ラストダンスは私に」「スカイレストラン」辺りが圧倒的に豊かであり、この辺りは良い低音を出すために相応のトレース能力が要求されそうです。

 

B面の「Another Answer」からの3曲は、以前受注限定で販売されたラッカー盤に収録されたものと同じ楽曲、テイクであり、さすがにあのラッカー盤のような鮮烈さは出ていないと思いますが、一般的なエンドユーザーが手にするレコードとしては十分に良い音ではないかと思います。

 

ただ33回転でごく普通に内周までカッティングされていますので、A面最後の「瞳はダイアモンド」辺りまで来るとやはり少し情報量が減っているかなという印象を受けます。シンプルな構成の楽曲が高品位に収録されているため、その僅かな違いも克明に感じさせてしまう部分はあります。

 

 

とはいえ、本作は個人的に選曲も結構好みであり、難しいことは考えずにまずは楽曲を楽しむのが正解でしょう。オーディオ試聴用としても当然優れた品質を保っていて、レコード製造を始めて間もないメモリーテックの製造品質の高さに感心させられる部分は勿論あるのですが、それもまずは内容の楽曲が楽しめてこそです。

  • 購入金額

    5,500円

  • 購入日

    2025年06月22日

  • 購入場所

    OTOTEN 音元出版ブース

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