レビューメディア「ジグソー」

汁椀としてとても使いやすい

味噌汁が嫌いなわけでは全くなく、むしろ好きなくらいなのだが、普段糖質控えめにしていることから家で白米を食べることが少なく、実は結構永い間「汁椀」を用意していなかった。弁当などのお供に汁物を飲むこともあるのだが、出汁を取ってまで作るわけではないので、インスタント(粉末もしくはペースト)の味噌汁なら適当で良いかと、弁当などを買ったときに付いてきたインスタント味噌汁はマグカップで飲んでいた。

 

ただ、一番味噌汁に適した大きさだったマグカップを割ってしまい、かなり大きくて汁が冷めそうなものか、スレスレまで湯を入れないと濃くなってしまうほど小さいものしかなくなったため、いい加減に汁椀を入手するかと。

 

ちょうど体験工房付きの伝統工芸品類を扱う施設に行った時に、気に入ったものがあったので購入してきた。

 

福井の越前漆器(河和田漆器)の汁椀。

 

漆器の汁椀には、木肌を活かしたどちらかと言えばマット気味の仕上げのものと、木肌を隠した光沢塗りのものがあるが、本品はその中間というか、一部木肌が出ていて木目などが楽しめるが、大部分は光沢がある塗りという面白いデザイン。

基本黒っぽい色なのだが、木目の一部などは紅く抜かれているデザイン。
基本黒っぽい色なのだが、木目の一部などは紅く抜かれているデザイン。

 

そして飲み口外周には布を押し当てたような周期性のある模様がある。

縁の外周は布を押し当てたような風合い(実際凹凸もある)
縁の外周は布を押し当てたような風合い(実際凹凸もある)

 

ベースとしては黒っぽいのだが、その「縁の模様」と地の木材の年輪の一部は紅く抜けているというデザイン(その「紅」の割合は個体によって結構ばらつきがあり、特に内側の年輪は一番底の一部しか見えていないようなものから、本品のようにサイドまで見えているものもあった←今回のものは、最も「紅い」品のうちの一つ)。

 

漆器の一部にあるような、絵が描かれていたり、金縁になっていたりというような派手さはなく、でもシンプルなのに華があるという不思議な魅力を持つデザインだったので、自分用に購入してみた。

銘があるようなものではなく、普段使い用。
銘があるようなものではなく、普段使い用。

 

使ってみると、ツルツルの単色塗りの漆器よりも取り扱いに気を遣わないし、それでいてプラ製漆器のような安っぽさはなく、手にしっくりとなじむ。椀は厚めで内容物の熱も伝わりづらいし。

 

入手するまでは「インスタント味噌汁なんて定量の湯で溶かしていれば容器なんて何でも良いだろう」と思っていたが、マグカップより広い口が蒸発を助けるのか、マグカップより大きめの径が飲むときに鼻の周りを囲って香りを逃がさないためか、マグカップで飲むよりも香りが良い気がする。

 

こんなに違うならもっと早く手に入れておけば良かったな...

 

そんな気がした器でした。

更新: 2024/10/21
使いやすさ

漆塗りは、基本的なことさえ守っていれば、丈夫で普段使い出来る

直射日光と乾燥機による乾燥は禁忌だが、熱いお湯もグラグラ煮たっている完全沸騰のものでなければダイジョウブだし、湿気も水につけっぱなし...とかでなければ平気。

 

陽に当てない、食洗機使わない、洗ったらすぐ干して出来れば乾いた布で拭くというあたりさえ気をつけていれば、後は余り気を遣わないでよい。

  • 購入金額

    1,000円

  • 購入日

    2023年11月03日

  • 購入場所

    加賀伝統工芸村 ゆのくにの森

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