レビューメディア「ジグソー」

Z、幻と刻をこえて

 

プレミアムバンダイで受注生産された「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> Zガンダム 3号機」です。

 

Zガンダムは今までたくさん商品化されてきたのですが、僕は1体も持っていないのでこの機会に購入してみました。この商品も開始数分で在庫切れになっていましたが、なんとか購入できました。販売戦略でもあるのですが、もう少し生産ロットを増やしてもよかろうがと思うところですが。まぁ増やしても結局どこかに買い占められるのが現実ですね。

 

 

 

こんな外箱。めちゃくちゃカッコイイ……!
機体色と同じにテキストはキラキラ光る赤紫で、高級感があります。この箱は飾っておきたい。

 

関係ないけど「Zガンダム3号機」の英語名って「Z GUNDAM III」なんですね。
日本語ではなんとなく違うニュアンスに思えるので、英語に無い言葉なのかもですね。

 

evolve の劇中では「ホワイトユニコーン」と呼びかけられていますが機体ではなくパイロットのコードネームみたいです。 

 

 

 

裏面は説明など。こっちのレイアウトはダサいな。

 

 

 

中身。第一印象は、「顔が小さっ」でした。
最近は METAL BUILD などの少し大型のフィギュアを集めていたせいか、このサイズの商品をあんまり見ていなかったこともあって、サイズ感にとまどいました。

 

大型のものは確かに情報量を楽しめるのですが、小型のものは精巧に作られている中で、これが工場ラインで製作されるのか、と驚きを感じさせるくらいの品質の良さです。
海外の工場で作られているとは思うけど、品質管理もすごいなと感心させられます。

 

 

 

マニュアル。
めちゃくちゃ分かりづらい。メーカーはもう一回作り直して WEB から配布するくらいやった方が良い。見てる方も全然わからないのだけど、おそらくマニュアル作ってる人も分からなくて面倒になって匙を投げたような出来です。

 

 

 

本体。モビルスーツ形態のプロポーションバランスも良いですね。
各関節にダイキャストパーツが使われており安心して動かせるのですが硬くて動かしにくいところもあります。

 

製品自体は以前販売されたノーマルのものとの色違いなだけだと思います。

  

 

 

付属品であるハイパーメガランチャーなどの武装も同じものだと思います。
左腕にシールドを付けているのですが、シールド小さいですね。

 

オフホワイトの機体色にバイオレットの折れ線マーキングが入ってカッコイイです。

身体サイズが小さいので表現力が弱いのかと思いきゃ、各部のデカールなど細かい情報も多く、遠くからでも近くからでもかっこいい。

 

このハイパーメガランチャーも一応抱え込むようにして無理なく握らせることはできるのですが、あちこちに干渉しまくって塗装ハゲが心配。現実武器だとしたら脇腹装甲がボッコボコに凹んで整備兵に怒られるシーンが思い浮かびます。

 

 

 

変形させようと頭部を触っていたら、V字アンテナがちゃんと折りたためられるのを知って驚愕。
最近の技術は凄いな。こんな細かいパーツなんですが、変形できるのと取り外しパーツにするのとでは自分のテンションがものすごく変わるので、これはめちゃくちゃ良いベネフィットです。

 

肩に「カラバ」の文字が入っているのですが、エゥーゴで開発された Z が地上方面部隊であるカラバに回されるとか、いろいろ感慨深い。

 

 

 

変形させたところ。実は左脚がどうしても硬くて曲げられずに中途半端で諦めました。
でもありとあらゆるところに変形後におかしくならないようにギミックが仕込んであり、触りながらすげえ! すげえ! ってなってました。

変形後の装甲が機体内から出てきたり、すごく考えられて変形機構がデザインされています。

 

 

 

脚部が折り重なって変形するのですが、変形後にラインが連続するように配置されているんですって。
細かいけど良い仕事です。

 

 

 

 この形態でもスタイリッシュでめちゃくちゃかっこいいので、このまま飾っても良いかな。
あと、もう一回 MS 形態に戻せる自信がない。

 

 

 

 

更新: 2023/10/23
デザイン性と機能美

幻の3号機

正史では搭乗者であるコードネーム「ホワイトユニコーン」であろうアムロは「宇宙に出るのが怖い」や「ガンダムを融通してもらえない」状況であり、物語に登場する3号機に搭乗することはないだろうという判断もあり、他の搭乗者あるシン・マツナガやジョニーライデンの時系列や人間関係・背景もおかしくなることから決してオフィシャルな設定になることがならないため、この MS の存在はファンタジーとするのが定説になっています。

 

それをレアなものとするかまがい物と考えるかで、この製品の評価は左右されそうです。

 

Zガンダムのデザイナーは公式にはっきりとされていないのですが、ベースはコンペで勝ち取ったのがおそらくメカデザイナーである長野護、大人の事情(スポンサーとのトラブル)で降板し、当時若手だった藤田一己がリファイン作業を繰り返して現在のデザイン姿になったというのが噂です。

 

画のデザイン的には旧ガンダムを継承しつつ新時代のデザインをという割とヘビーな難題だったはずですが、結果見事に評価され、玩具ビジネスでも成功を収めています。

 

その後、カトキハジメによりリファインされたのがこの製品で、幾重にも積み重なった改修作業と工業技術的な研鑽が生み出したバケモノじみた製品になっています。

 

アクションフィギュアとして関節にダイキャストを仕込むことで強度を上げ継続し劣化しにくい可動域を確保した設計になっており、変形機構を含めてこの細かいパーツを工場で大量生産するということを考えると、工業デザイン的には時代を変えたターニングポイントともいえるアイテムなのだと思います。

 

人型のアクションフィギュアとして動かして遊べることのできる変形フィギュア、ひと昔前なら考えられない玩具でしたが、こうして現実の製品を手にして改めて日本のメーカーってすごいんだなと感じます。

更新: 2023/10/23
メンテナンス性

細かい

パーツがぽろぽろと取れるというのは少ないのですが、尖った部分も多く触る時には要注意です。
細かいパーツが多いので掃除は大変です。

更新: 2023/10/23
コストパフォーマンス

メーカーの技術に賞賛

前述したのですが、機構設計と完成品の品質を考えると、個人的に価格は安いと判断します。
このレベルのものが店先に並び子供が手に取れる、それだけですごいことです。

 

購入するのは大人かもしれないですが、手の中にある芸術品に、その生産過程に興味を持っていただき、価格の安い海外製品に手を伸ばすのではなく、日本企業と日本製品に改めて視線を持ってもらえたらと思います。

  • 購入金額

    16,500円

  • 購入日

    2023年10月23日

  • 購入場所

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