同僚が出張中に購入してきた本をオフィスで見せてもらったのですが、ぱらぱらと捲ってみて「自分も欲しいな」と思い、購入。同僚も本屋で何気なく手に取って自分に必要だと思って購入したらしい。
経営戦略論を紹介するビジネス書籍はたくさんあり、上場企業勤務の一流ビジネスマン(?)ともなれば過去に何冊か読みこんではいるものの、経営戦略が生まれた時代背景を歴史の流れで紹介している本誌のまとめかたが面白いなと思いました。
というか、有名どころのポイントは押さえるものの全体的な流れも何も知らない薄っぺらい人間というのが僕なので、勉強のために購入しました。活字に抵抗がある人間でも、漫画だから最後まで読み切れるというのが嬉しいですね。
「経営戦略全史」と第2弾である「ビジネスモデル全史」という2種類が出版されており、僕は同時に購入しました。このレビューでは「経営戦略全史」に主点を置いて書いていきます。
マンガの上手さ、描画力については正直なところ評価されるものではないですが、ビジネス漫画とはそういうものだと考えています。絵面の好みでビジネス漫画が展開されても、購入層はいなさそうだし。あくまでマンガという手法で読みやすくしているというテクニックです。
1860年代の労働評価のマネジメントから、近代のイノベーションやパーパスというところまで、歴史を横軸に紹介されています。
ナラティブで知る
経営戦略論を説明するビジネス本は人気のコンテンツであり、難解な専門書をマンガにして読みやすく、という手法は他の例でも多々あります。
しかし本誌の良いところは圧倒的なボリュームの経営戦略論が一冊にまとめられ、それを漫画にすることで簡略化した内容で頭に入れることができるというところです。
例えば「ブルーオーシャン戦略の概要と背景なんだっけ……?」となった時に、さっと軽く目を通すことで「画」で把握できるという短縮性があります。
本誌の絵柄は過剰な美意識の無い4コマ漫画のような線であり、癖が無い絵のため万人に受けるものだと思います。美しい背景などの装飾を入れずに「好きな絵を描きたいんじゃない、内容を書きたいんだ」と思わせるシンプルな線には職人気質を感じるし、余計なギャグを入れるなど作者の独自性が入らないところも、読者への解釈を優先させる配慮で素晴らしいと思います。
漫画にすることで内容が簡単になるわけではないのですが、登場人物の動きや表情で市場にどのようなインパクトをおこしどのような成功を収めたかが自分の感情とリンクすることで頭に入ってきやすいように思います。
プロダクトデザインでいえば、手を動かし物を作るところは「実技」であり、バックグラウンドととなる過去の実例の経験や体系的学問が「美術史」。美術史は過去の偉大な作品を遺したレジェンド達の足跡であり、経営戦略史は言わずもがな、偉大な経営者たちの足跡です。そのようなコンテンツが学生時代からでも気軽に漫画で触れることができるのだから、現代の学生さんたちは本当に羨ましい。
ビジネスには分かりやすい成功と失敗がありますが、成功したビジネスをまとめた一冊としてインデックスとして、貴重な本だと思います。
分厚く場所をとる
少し大きめの本なので携帯するには重く場所も限られます。通勤・通学途中ので電車で両手に持って広げて読んでいると注目を浴びるし、腕がぷるぷると震えてくることでしょう。持ち運んで読むのには向かなく、家でじっくりと読む本だと思います。
表紙カバーはマットな手触りですが、すぐ汚れて破れそうです。
かなり学べる
コンテンツとしてまとめられているのでコスパは良いです。
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購入金額
2,090円
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購入日
2023年08月14日
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購入場所
Amazon
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