Astell&Kern製のモバイルUSB-DACのHC2,限定のミッドナイトブルーです.最近,値下がりしていたので,手を出してしまいました.
このHC2は,スマホに特化しているのが特徴で,USBはtype-cで,ライトニング変換アダプタ付き.しかも,出力は,3.5mmのアンバランスがなく,4.4mmのバランスのみという割り切りです.
スマホ用に特化しているため,USBケーブルも直出しで,コネクタはtype-cの約8cmケーブル.重さ29gと軽量で,バスパワーで動作し,type-cポートに挿すだけで,出力先として認識してくれます.
DACは,Cirrus Logic製の CS43198×2で, 左右独立のDual-DACで動作します.PCM384KHz/32bitまで,DSD256までのネイティブ再生に対応していて,スマホが高級DAPになる仕様です.
出力が4.4mm5極バランスしかありませんが,一つだけ選ぶとしたら,この4.4mmがベストだと思います.3.5mmアンバランスだけだと,スマホの延長でしかなく,TWSでもいいと思えてしまいます.バランス端子を搭載するなら,2.5mmより4.4mmのほうが都合がいいです.2.5mmなら小さいですが,その分強度に不安があり,モバイル用途のケーブルタイプのUSB-DACでは心もとないです.2.5mm→4.4mm変換もありますが,一体型は比較的大きく,ケーブルタイプがメインになるため,嵩張ります.4.4mmなら2.5mmに変換する際にも強度面での不安はありませんし,一体型の変換アダプタもあるため,スッキリします.
では,音質.
まずは,Windows11のPCで使ってみます.メディアプレーヤー(Windowsのオーディオエンジン経由)からの認識は問題なく,出力先の変更で,音出し可能で,音量調整も可能でした.
しかし,WASAPI排他モードをサポートしているプレーヤー(Audio GateやMusic Centerなど)では,音量調整が出来ず,MAXまたはMINで固定されてしまいます.
当然,正確な評価はできず,WASAPIも使えないので,PCでの利用はオススメできませんが,オンボードより音質は数段上ですので,ブラウザ経由での視聴なら,活躍してくれます.
本命のAndroid10スマホ.認識は問題なく,出力先を選択できました.
Music Centerで聴いてみると,音量調整は出来るものの,荒い調整しかできず,AK HCというアプリを入れることで,細かい音量調整が出来ました.イヤホンクラスであれば,音量が不足することは全く,30-50%の範囲で十分な音量が得られます.
音質は,4.4mmバランス出力を持つ5万円クラスのDAPに迫る実力があります.低域や中域の量感が圧倒的に増え,そのパワーに驚きます.バランス接続していることもありますが,空間的な拡がりや解像度も必要十分です.USB-DACにありがちなノイズ感も皆無で,音楽に没頭できます.
古いDAPを持っているなら,この際まずこのHC2に変えて,4.4mmバランス端子の揃えるのがいいかもしれません(2.5mmは変換必要ですが).
ただ,DAP直とDAPにHC2を接続して聴き比べると,同じ曲,同じイヤホンでも表現が違うことがわかります.低域の締まり,ボーカルの震え,高域の透明感,スケール感など,表現力はやはりDAP直のほうが上手いです.
スマホとDAPの2台持ちや重いDAPを敬遠する場合,すでにイヤホンコレクションがある人には,このAK HC2は,非常に良い選択肢になると思います.
最近のスマホにはイヤホン端子が廃止の方向ですし,TWSではなく,ケーブルイヤホンでバランスで聴きたい人にはオススメです.
ただし,いくらハイエンドスマホにHC2を接続しても,ハイクラスDAPの音は得られませんので,きちんと使い方を考えて購入してください.
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購入金額
20,000円
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購入日
2023年06月11日
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購入場所
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