普段私が紹介するレコードやCDのジャンルをご存じの方からすれば意外かも知れませんが、実はたまにこのようなジャンルの曲も聴いたりします。まあ、元々堀内孝雄が谷村新司、矢沢透と共に結成したアリスの作品は何作か持っているので、その延長線上にあるものといえばそれまでなのですが…。
たまに聴くとはいえ、そこまで熱心に聴くわけではないものを何故高価な高音質Stereo Sound盤LPで購入したのかといえば、単に新品が6割引で処分されているものを見つけて聴いてみようと思っただけです。
以前取り上げた安全地帯のベスト盤と同様にStereo Soundによる企画で、日本コロムビアの名匠カッティングエンジニア、武沢茂氏によって仕上げられた高音質盤となっています。
ただ、安全地帯ベストのレビューでも書きましたが、優秀なエンジニアが入念に仕上げても、レコーディングを超える音を出せるわけではないので、果たしてこの高音質盤にどの程度の意味があるのかが気になったわけです。
今回は新品購入ですので盤質に問題は無いのですが、出荷時点での汚れの付着は結構ひどいものがありました。Stereo Sound盤は一般的な高音質盤と比べてもかなり高額で、それでこの程度となると少々がっかり感はありますね。
プレイヤーにとっては結構な難物
まずは収録内容を確認しておきましょう。
[SIDE-A]
1. 影法師
2. 河
3. ガキの頃のように
4. カラスの女房(ニューバージョン)
5. 冗談じゃねえ
[SIDE-B]
1. 恋唄綴り
2. 東京発
3. 遠くで汽笛を聞きながら(ゴスペル・バージョン)
4. 恋文
5. 灯(ともしび)
かつてTVドラマ「はぐれ刑事純情派」のエンディングで使われた楽曲がいくつかありますので、一定以上の年齢層の方には馴染みのある曲も多いかも知れません。
まあ、楽曲としてはコテコテのムード歌謡ですね。時々聴きたくはなりますが、愛聴するというところまではいかない感じです。
ただ、このレコード、音質を追求してかなり攻めたカッティングをしているためか、私が使っている環境では内周側の曲の再生がかなり困難なのです。
特にB面の最後となる「灯(ともしび)」は、普段内周側の再生に強さを見せるGoldring Eliteを使っても歪みが強く出てしまいます。AT-OC9/IIIで歪んでしまう「テレサ・テン ベストアルバム」では何とか耐えてくれたのですが…。
AT-OC9/IIIはオーバーハングや傾きの調整を追い込んでみても改善できませんでした。9インチアームのSL-1200Gではちょっと難しいかも知れません。そのうちアーム実効長が長い(約10.5インチ)YAMAHA GT-2000で試してみようと思いますが…。
まあ、綺麗に再生できる外周部の「恋歌綴り」を聴いてみても、高音質レコードである意味が感じられるかというと、やはり難しいところです。元が高音質録音であれば別ですが、何でも高音質盤に仕立ててしまうというのも考え物かも知れません。
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購入金額
3,520円
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購入日
2023年04月01日
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購入場所
TOWER RECORDS
タコシーさん
2023/04/24
汚れでしたか これ程の汚れはちょっと困りますね。
レコード再生歪は難しいです 一つ一つ解決していくしかないと思います
再生の動作原理は単純ですが、単純なもの程、解決が難しいという事でしょう。
jive9821さん
2023/04/24
Stereo Sound盤は8,800円という価格からすると、品質
管理は決して良くないですね。出来れば軽くクリーナーで
拭った程度で再生できる程度の汚れであって欲しいのですが、
この盤も再生する前にOYAGで念入りに掃除する羽目になり
ました。
過去にも難易度が高いレコードは何枚かありましたが、
ここまでの難物には初めて当たりました。どうしても
きちんと再生したいというほど思い入れがある盤では
ありませんが、一応色々と試してみようとは思っています。