一目見てまず思うのは、「妙に凝ってるな」ということ。

　価格自体はチープカシオですが、ボタンが押しやすいように機能的なリブに囲まれた、同社のG-SHOCKの様なラウンドデザイン。

　そして４点に留められたビスや、大型化されたボタン。

　そして何よりも、液晶部分を覆うように飾られた文字盤。近くで見るとローレット状の模様が彫られ、安物の雰囲気が薄れています。もちろん、液晶表示とのズレもありません。

　そしてブラックの外装は、２種類の素材で色分けされており、ワンランク上の質感にされていたりと、更に凝ってます。

　実はG-SHOCKに似せたチープカシオは結構あるのですが、その中でもW-216Hは、より“それ”に近くする様なこだわりを感じます。

　その外見に合わせてなのか、防水性がF-91Wの30m防水よりも強化され、50m防水となっています。

　まあ日常的に潜水したり、アクション映画ばりの日常を過ごす人は稀ですから、これで充分です。嬉しいですね。

　そして肝心の中身の方は、F-91Wと全然変わりません。

　しかしながら、F-91Wの良さであった見やすさは強化され、大きめサイズの表示に進化。

　また、F-91Wでは暗かったバックライトが強化されており、アンバー色の照明がしっかりと液晶を照らしてくれるのでとても見やすいです。(残照機能は無し)

　さらにライトを起動するボタンは右下に移動し、大型化されたボタンと相まって、より押しやすくなってます。

　そのG-SHOCKの様なゴツさを持つ本製品ですが、実は意外と付け心地は最高です。

　まずはベルトのしなやかさ。ベルトループがズレないように設けられたリブで見た目はゴツいですが、驚くほどしなやか。

　DW-5600と比べるとコシが弱めですが、その分柔らかく、ちゃんと腕にフィットします。

　ちなみにベルトも海外向けらしく長くなっており、体格の良い人にもピッタリです。

　そして本体の軽さ。外見とは裏腹に35gと超軽量。G-SHOCKでポピュラーなDW-5600が53gなので、とても軽いです。

　流石にF-91Wの21gには劣りますが、程よい存在感を感じる事が出来るので、「付けたつもりが家に忘れてきた」「付けたまま寝てた」等の事件を回避できるでしょう(笑)

　何はともあれ、付け心地は見た目以上に良いです。

　正直、とても後悔しています。

　何故、もっと早く見つけられなかったのだと。

　F-91Wは良い腕時計でしたが、正直、ベルトループがズレてベルトが外れてしまったり、本体が薄い故に重ね着をしがちな寒い日や、バイクに乗る時は袖をまくるワンアクションが必要だったりと、ちょっとしたストレスがあったのでした。

　だからこそG-SHOCKを入手してからは飾っていたのですが、3年で忘れてしまっていたみたいです…。

　ですが、このW-216Hは上記のストレスを全て吹き飛ばしてくれました。

　見た目も軽さも二重丸！

　隠れた名俳優の様な腕時計です。

　迷ったらなら是非！