春日無線 KT-66 シングルアンプキット KA-46SE
2021-4-18 制作
去年組み立て制作したサンバレー フォノイコライザーアンプ SV-EQ1616Dが苦心惨憺の末完成したので次のターゲットとしてパワーアンプに挑戦してみました サンバレー、トライオード、エレキット各社など真空管アンプキットを発売してますがエレキット以外は価格も高いのでスルーしました
アマゾンでも中華製完成品は販売してますが自分で手直しができる組み立てキットを選びました。
エレキットはプリント基板で作るので優しそうですが、組み立てメインみたいで面白みがないので
此方もスルーしました で、選んだのが春日無線のキットでした 春日無線という会社は知らなかったのですが、秋葉原にある会社で、本業はトランス製造と真空管キット販売のようで、キット、完成品を多種発売してます。
今回制作したのはKA-46SE シングルアンプキットで最終段がシングルKT-66という簡単且つ普通のパワーアンプです 入力--6SL7GTドライバー段--パワー段 KT66-- SP となります 本来なら自作でシャーシー穴あけからなのでしょうが、マンションなのでそういうことをやると非難轟轟となります音も出せなくなります 春日無線 → (http://www.e-kasuga.net/goods.asp?id=1147)
画像は全て拡大出来ます。
後日ドライブ段真空管は取り付けが曲がっているので同じものですが変更してます
仕様
梱包の段ボール箱 アルミ板はシャーシー上面パネル板 電源トランス、出力トランス2個、
チョークトランス シャーシー枠、底板、細々としたパーツ類 緑板金は鉄製 アルミパネル縁はバリを取っておいたほうが完成後、見栄えが良くなります コンデンサーは日本ケミコン SMGシリーズが使われています。 (https://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-04332/)
蓮穴形状は真空管ソケット、青箱は真空管KT-66(中華製) 白箱は6SL7GT(ロシア製) 今回のキットは抵抗類はポリ袋に値が記入されていましたのでそのまま使いました ビス類は仕切りケースに分類しました
KT66はかなり大きい真空管ですが3.5Wしか出ないようです 準備でシャーシー枠は内側塗装を剥がして音量ボリューム取り付け時のアースを取ります また入力端子やSP端子を最初に取り付け、シャーシー上部は傷をつけないように養生します(こちらが最初になりますが)
同じ真空管ソケット4個を取り付けます ソケットは陶器なので金属アダプターでネジ二本で取り付けます 金属アダプターでソケットをシャーシーに抑え込む形になります そして配線に使うラグ板を取り付け後、左右の出力トランスを取り付けます トランスは小ぶり?ですね 出力トランス2個取り付けます ラグ板中央部の赤いテープは此処はアースなので誤配線しない為のものです 出力トランスはタップ切替(4Ω、8Ω、16Ω 使うスピーカーで選択)でSP端子にハンダ付け、使わない端子は熱収縮チューブで保存)
養生はしっかりします、塗装無しアルミパネルなので傷がつくと目立ちます 電源トランスはかなり大きく、前からもろ見えなので傷をつけないようにします 電源トランスの後部がチョークトランスです
トランス類の養生: 此処は養生テープで行ってください 粘着テープだと塗装がはがれる可能性もあります 電源トランス周囲(コアー部)の養生はしないほうが良いです 塗装が焼き付け塗装でないので剥がれます 私はマジックペンで塗りなおし?ました トランスの上下部など焼き付き塗装で大丈夫です 次に電源トランス回りやパイロットランプ、電源スイッチの配線、ヒーター配線を行います
このあたりになるとマニュアルに沿って配線します ただ電源トランスヒーター端子のエナメル線が
トランス内部から出てきてますが巻線保護ガイド端子?もあるので両方半田付けしようとしてもハンダ熱量の違いか付きません、エナメル線に配線が付けばよいようです。
出力トランスは4Ω、8Ω、16Ωの出力リード線3種類が出ていますが、此処は使用するスピーカーのインピーダンスに合わせて3種類から1種類選択します 色分けで選んだトランス出力線とSP端子とを半田付けします ほかのリード線は熱収縮チューブ、インシュロックで縛っておきます 此処のリード線処理はマニュアルではラグ板に配線ですが私はSP端子に半田付けしました テスターで測ったら若干ラグ板では抵抗値があったためです。
これ以降はマニュアル通りです ただラグ板に上下にハンダする場所がありますが先を見通して1カ所にまとめてハンダすると後で部品がつけられないことにもなります ラグ板の上下の穴を利用して個別にハンダ付けします マニュアルにも書いてありますけどね 電源部の電解コンデンサーが意外に350V100μFなど十分なのでしょうが耐圧も容量的にもやや小さい感じもします 黒いリード線が現在はブラブラ遊んでいますが、後で錫メッキ線で空中配線時にハンダ付けします。
此処まで来るとほぼ最終作業です スズメッキ線アースの空中配線となります 今まで配線した領域の上(下とも言えますが)を覆う形になるので最後じゃないと無理ですし、アースでノイズをシールドするというアースシールド工法です(意味が違うとか) 同じような画像が多いですが水増ししてます(冗談です)
配線を見直して間違いがないかチェックします OKならば本体を起して、真空管を慎重に挿します6SL7GTは躊躇なく挿せますが、KT-66は若干堅いですが普通に挿すことは可能でした この間のSV-EQ1616Dの時のGoldLion 12AX7のように硬くて挿せないということはありませんでした。
アースは錫メッキ線の空中配線となっていて、電源部付近の配線も混雑してます 大きな抵抗 430Ω 5Wは出力段のカソード抵抗で、黄色いコンデンサーはドライブ/出力段のカップリングコンデンサーでマロリー0.1μF 630Vです 電源電解コンデンサーが総じてエネルギー蓄積的に弱い感じはします
あくまでも感想です。
完了後の電圧チェック
テスターと左右の負荷抵抗(私の場合8Ω)、感電防止ゴム手袋、マニュアルを用意します
感電防止のため感電防止ゴム手袋の用意は必要です (350Vを素手で受けたら一発昇天!かも)
此処で始めて電源コードをコンセントに挿します そして電源スイッチをONにします それから電圧チェックを行いますが、これが怖い セットを下向きにするので其の儘だとKT66頭が机に当たるんです 仕方なく箱を用意してトリッキーな形で電圧を測りました 誤配線もなく左右から音が出てほっとしました 立ててやる方法もありますが転倒して手で触る場合もあるので危険なので止めました
完了点検と電圧チェック
完了後各部電圧チェック マニュアル記載基準値
電源部 B:1次整流後側 B1:チョークコイル後 B2:6SL7GTプレート電圧 HB:ヒーターバイアス?
測定テスター SANWA SP-20 2021-4-18
マニュアルでは電圧は±10% 許容値とのこと。
消費電力は無信号時75W (仕様では61W 70VA 挿してる管で違う?)
(上の表で6SL7は双極管ですので下図のV2を1K , V1を2Kとなってます Kはカソード)
結果..
周波数特性(赤い線)ですが、 仕様では20~22KHz -3dB まあ...かまぼこです..
真空管アンプなのでこんなもの? だが少しがっかり マニュアルに書かれているが真空管はエージングで特性も変わるとか、時間をかけてほしいとか言ってます どうなんでしょう 真空管アンプは実際はこんなものなのかな NFB掛けると平たんになるのかも このアンプドライブ段にNFB掛けてないのですよね というかカソードにコンデンサー入って無いです と、良い訳です。
スピーカーにもよるのでしょうが、エネルギーが中高音傾向という感じですね
KA-46SE周波数特性 かまぼこになっています -3dBよりはオーバー気味です
1KHzからでは最大で4.5dB位落ちているようです
1KHzまでのSWEEP波形 100Hz付近のは電源ノイズです
入力信号 CDプレーヤーから20-20KHz SWEEP-DISC再生して本機のLINE-IN端子にINPUT
efu氏作 WAVE SPECTRA+PCで測定 SP端子8Ωダミー抵抗+ 5KΩ+5KΩ中点で測定
備考...あとがき
製作日数は午後1時から6時くらいまで1週間 慌てるとチョンボするのでテレビを観ながらのんびりやりました 結構気になったのが電源トランスの匂いですね 温まるとすごい匂いです 10日位で消えましたけど。 パーツの間違いなどはありませんでした マニュアル印刷で気になったのは配線材色が黒でバックカラーも黒なので見づらいというかリード線があるのに気づきにくい部分ですね
白に白い線とか 部品の裏から書かれているのでよく見ないと判りにくい おまけにイラストが小ぶりで見づらいんですね このあたりを改訂してほしいです それとスピーカー端子ですがツマミがプラスチックだけでカチャカチャして安っぽいです この部品にもう少しお金をかけてほしいものです
この部品をネグってもそれほど価格には影響しないと思いますけどね。
ドライブ段の6SL7GT(ロシア製)ですが、ソケットに挿してみると右に曲がって見えます(というか
曲がっている)この曲がりのクレームは受け付けないと表示されているのでかなり多いようです 見た目悪いですが我慢ですか...!
今回のキットは春日無線さんのセットですが、他のお店で購入した場合はKA46SEでも春日無線さんのサポートは受けられないそうです(春日さんにメールで確認)コイズミ無線では現在販売終了哉。
今回は前回のフォノイコライザーの時のようにあまり悩むこともありませんでした ただマニュアルの繋がりが若干悪いというか痒いところに手が届くという感じではなかったです 必要最低限の事が書かれていますので中級以上が対象なのかもしれません ですが記載事項を守って組み立てれば完成するものではあります。
2021-5-19
2021-9-9 追記
制作3か月経過時点の感想
SPセレクターを導入してボチボチ使用してます トラブルは起きていません 暑い夏場は真空管は
熱中症になるので殆ど使いませんでしたけど その間に送風ファンをタイマー化しました タイマー電源の入り切りに問題は無いですがなかなか回路が判らず苦労しました ファン自体もマイコン化されていて外部からは電源入り切りとニッケル水素電池の入り切りくらいしかできません ファンの充電がどうなるかは未解明です 現在の一寸した問題は真空管プリアンプの泣き所であるハム音です
50Hz付近ノイズが増加しますが、プリ側から出ているので(未接続PHONO切り替えでは出ない)時間があったら解明したいと思います 真空管アンプは入力インピーダンスが高いのでハムを拾うという話もあるので仕方ないのかとも思います。
2021-11-28 記事追記、訂正
2021-12-21 FX-AUDIO HLC-04J モチモノリンク追加
フォノイコライザー& LINE AMP
KT-66冷却用 後部から送っています
この半田は伸びもよくお勧めです
絶縁用の手袋は用意できなかったのでゴムびきの手袋で代用 本当はいけないが!
その後の関連追加品
子供のころ漫画雑誌で見たロビー君 映画「禁断の惑星」由来なのかな 真空管で出来ているのか..
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購入金額
80,000円
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購入日
2021年04月頃
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購入場所
コイズミ無線
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