コンビニでは、食品にオマケがついていることがある。
商品購入によりもらえる某擬人化艦艇ゲームや擬人化刀剣ゲームのキャラクターがついた「クリアでないクリアファイル」や、ペットボトルのお茶には保温袋やキーホルダー、珈琲缶にはプラモデルやミニフィギュアなどが付属され購買欲をあおる。
そんなオマケがつく商品の中で、比較的頻度が高いものにカップ麺がある。
カップ麺は、売り場専有面積から見ても、コンビニの主力商品の一つなのだろうが、最近ニーズの多様化により様々な商品が投入され、複数のメーカーがしのぎを削っている分野でもある。コンビニのプライベートブランドが一番ベーシックな価格帯を支え、各社の定番主力商品が揃うヴォリュームゾーン、それらに有名店監修や期間限定具材等の付加価値をつけた上級ライン、茹で麺やレトルトの豪華な具材を使ったプレミアムラインまでと、価格帯としても1食5倍ほどの開きがある商品が並ぶ。
そんななか、やはりヴォリュームゾーン~上級ラインのあたりは、どこのメーカー/コンビニも似たり寄ったりの品ぞろえで、ここにオマケつきキャンペーンが差別化として企画されることが多い。
そのオマケには、キャラクターのマスコットやタイマー、巾着袋など様々なものが添付されるが、今回「箸」が添付された。
ローソンのメーカー横断カップ麺シリーズ「ローソン名店シリーズ」。明星のチャルメラ...とか、日清のラ王...というメーカー個別のシリーズではなく、ローソンが各カップ麺メーカーと全国のラーメン有名店と組んで、その店の特徴的なスープや具材を再現することにより、レトルト具などを使わないヴォリュームゾーンをベースにしながら、付加価値を高めて上級ラインとして売ることができる商品(まれにプレミアムラインの商品に名店監修を入れてスーパープレミアムラインとして売る商品もあるが、数が出ないので、基本はヴォリュームゾーン~上級ライン当たりが対象)。
ただ、この名店コラボ、出始めこそ「おっ」と思ったが、最近は多少の入れ替えはあるものの、他のコンビニチェーンも含めると年がら年中どこかしらとコラボしたカップ麺が店に並んでいるので、目新しさはなくなってきた。
この時は東洋水産の麺処若武者コラボ麺と日清の一幻コラボ麺を購入
そのテコ入れか、昨年(2019年)「マイ箸」を添付したキャンペーンが行われた。
が。
実に残念なオマケだった。
いや、誠にザンネンなオマケだった(大切なことなので2回....
メーカー横断のシリーズなので、「ひよこちゃん」のように特定のメーカーのキャラクターを取り上げるわけにもいかないし、コラボする名店は日本各地に散らばっているので、地域色があるのも不可。
そういう意味では、色・形・長さを「カップ麺好き1,000人によるアンケートで決めた」というケース付き箸というのは、硬派で好感が持てる。箸の実寸はおよそ20cm長で8mm□なので、自分の好みからすればやや細くて短いが、自分は長めの箸を人よりは頭(持ち代側の端)に近い方を持つ(つまり太い部分を長めに持つ)ので、それが「1000人の平均」から外れている、と言われればそこは納得できる。
が、他がツメが甘い。
とてつもなく甘い。
サッカリンとアスパルテームの混合液より甘い。
アドバンテーム原液並みにクソ甘い。
まず、耐熱温度上限が「70℃」って。カップ麺の付属のオマケの箸にして。
いいですか?熱湯で作るカップラーメンのオマケの箸が100℃に耐えられない材質。
まぁ、3分経って食べるころには、給湯時の麺や具材、カップ等への接触と経時変化による温度低下で、ぐらぐら沸いた直後の熱湯で作ってもスープの温度は80℃は切っているだろう。しかし、70℃というのはかなり微妙ではある。特にオイル(辣油や鶏脂など)に工夫があって、表面が覆われていることも多い専門店コラボのタイプはなかなか冷めない。
そして強度が柔すぎる。
少し大きめの具材を挟むと箸が弓状に反って具材を落としそうになる。また、少し硬めのものは箸だけで挟んで切ろうとすると反って力がかからず、切れない。
どのくらいの強度かというと、木綿の冷ややっこは切れるが、よく煮えて正体がほとんどないおでんの大根はムリ、という感じ(実験済み)。時々プレミアムラインのレトルト具であるような「厚切り叉焼」の切断や、同じカップ麺でいえば力うどんの餅のリフトなどは絶対無理(こちらは予測)。箸折れるって。
色・形・長さのアンケートとったとき、当たり前すぎて硬さに関しては確認しなかったのかな...
アンケートに回答した人も、よもや麺を多量に持ち上げると折れそうになる箸が出来上がるとは思ってもいなかったかと。
耐熱温度なども、熱湯使って作る料理?なのだから常識として最低100℃まではOKと思うじゃない。
つか、箸に使う素材も最近食洗器対応が多くなっていて、プラ系素材であっても耐熱上限70℃なんてモノはほとんどない。比較的熱に強くないポリプロピレン系やメラミン樹脂でも耐熱120℃前後、プラ系箸によく使われるポリエチレンテレフタレート(PET)素材やポリアミド(PA)系が200℃前後。高耐熱を謳うシンジオタクチックポリスチレン(SPS樹脂)は耐熱240℃に達する。また、それらの素材は基本的に硬い。重い具材を挟んだり、切ったりしても問題ない。どうしてそれらを使わなかった??
アンケートとったことに満足して、箸本来としての機能の実現が完全に抜け落ちている。
では実用性はやや劣るとしても「コレクション的満足度」を満たせるかというとそれもない。一応「4種」あることになっているが、1種茶色系で明らかに色が違うものがあったほかは大同小異。よく見ると材質の透明度に差があったような気がするが、それらが外からは明確にわからない(外装には色や種別の記載もない)。もし自分が企画者なら、
・縮れなし細麺をつかみやすい滑り止め強化タイプ
・混ぜそばに適した太目短めの丸箸タイプ
・大きな具材を切りやすいしっかりと角が立ったタイプ
などそれぞれ明確に別の形にして、名称も変えることで「全種類集めさせる」戦略をとったと思う。
それが、本品はそのあたりの違いが判らないので、「一つあれば十分」と思えてしまう。
....そしてその一つも「使えない(実用に耐えない)」のであれば、何のためのキャンペーンかと。
オマケをつけることは、販促にはなる。
しかし、好感度を上げる(というか、悪印象を持たれない)ために、オマケの質というのは考えるべきだと、勉強になった事象でした。
...ケース付きなので、出先での弁当喫食時に、箸を落としてしまった場合の予備箸としてカバンに忍ばせておこうかと思って入手したのだけれど、この強度じゃねぇ....orz
【仕様】
材質:PS樹脂(箸・ケース)
耐冷/耐熱温度:-20~70℃
サイズ(実測):およそ200mm(長さ)×8mm(頭の断面一辺)
弱い
汁アリのいわゆる「ラーメン」の麺「だけ」ならなんとか。
同じ麺でも、抵抗の大きい混ぜそば・油そばや、麺が太いつけ麺はきっとダメ。
ホンキで企画したのかな?
プロの仕業とは到底思えない。
まず、カップ麺専用の箸として、耐熱温度が70℃という常識的要求性能を満たしていない材質。
汁アリのラーメンの麺のみを食べるのくらいしか対応していないような、脆弱な強度。
コレクター的にも、4つの箸の特徴が外見からはほとんど分らないため、訴求度がない。
企画が外部委託ならプランニング料金詐欺のレベル。
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購入金額
0円
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購入日
2019年12月頃
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購入場所
ローソン
mickeyさん
2020/04/21
低いとオマケの意味が無くなりますね(^^;
cybercatさん
2020/04/21
これは見かけ倒し、張子の虎でした
L2さん
2020/04/21
持ちにくいだけではなく、疲れてしまいます。
アンケートの性能を満たす形が出来た後は、コストだけを考えたのかもしれませんね。
こういうノベルティ的なものの生産は、アジア圏の工場が多い気がしますけれども、箸を使う文化の人から見て、「日本人はこういうリアルフィギュア欲しがるんだな」と思われていそうですね。
cybercatさん
2020/04/21
営利企業なのでコストを考えるのは構いませんが、その商品価値を失うほどのコストダウンは本末転倒。
企画したオマケがコストアップしたならバリエーション4種を3種に減らすとか、添付条件をカップ麺2個に一膳ではなく、3つや4つに一膳などにして、品質を落とさないで済む利ザヤにするなど方法はあったはず。
ローソンの企画担当者はこの出来上がったもので、ホントに自社扱いのカップ麺を食べたのか疑いたくなるレベルでした。
>リアルフィギュア
!なるほどーフィギュア...見て楽しむわけですね!www