本のタイトルは「心」と言っているので、クオリアとかそういう話かと思いましたが、実は特にそういう話はでてこない。編集者がつけたのかもしれない。実際「心」の話も後半にとってつけたようにでてくる。
将棋界に保守派とAIとの共存派がおり、それは今後の世の中のAIとの関わりを先取りした対立であるとい言う話は興味深い。将棋界で言えば「棋士とはなにか?」を突き詰めた結果保守派になる人もいれば、共存派の人もいる。どちらが正解でもなく、どちらも間違いではない。一人歩きしているシンギュラリティという言葉の先に「人間とはなにか?」という疑問がでてくるということのだと。
羽生さんとの対談で、「将棋の場合は、AIの手の意図を説明することを求められるかもしれません...」との話があった。人間は合理的な理由がないと納得し辛い。将棋に限らず、AIが「必ず儲かるからこの株買ってくれ」と言っても納得できないと。
これはまさに受動的意識仮説で、人間は理屈があると納得感があるので、あたかも合理的に意思決定をしているように錯覚しているが、実は全て決定した後にそう思い込んでいるだけ、という話を想起させる。
受動意識仮説に習えば、実はAIと言われているものも含め、多くの生物が、既に意識や心を持ってるのかもしれない。
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購入金額
756円
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購入日
2018年02月21日
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購入場所
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