自転車の車輪のスポークの張力を加減するためにニップルを回わす工具です。リムのブレを解消することが目的です。

スポークはハブの左右から均等にリムを引っ張って車輪の形状と強度を保っているので、バランスよい張力になっていないと、リムの形がいびつになり車輪が横方向にブレます。そうなるとブレーキシューとの間隔が正しく保てないし、車輪にかかる荷重が偏りブレが進行しそれでも乗り続けるとスポークが折れたり車輪が破壊したりします。

そこで、この工具でスポークの張力を調整してリムがスムーズな形状を保つようにします。

ニップルを回転させるだけなので他の工具で代用できそうな気もしますが、工具がニップルのアタマをナメてしまうと面倒なので正しい工具を使用します。とはいえ、こちらは価格なりに精度の低い工具なので注意して作業する必要があります。

なお、プロ用にはもっと精密な工具もありますが高価です。

やり方のまとめ 

方法は、写真付き説明や動画をネットでみることができます。メモ的にまとめておきます。

車輪を回転させてブレーキシューとの間隔を観察して、もっともブレが大きいポイントを探し、どちらに寄せたいかそのためにどのニップルをどちらに回すべきかよく意識しながらニップルを少し回すという作業を繰り返します。

ニップルを回転する方向（リムの内側（スポーク・ハブ側）から見て）：

• 右に回す ⇨ スポークが緩む
• 左に回す ⇨ スポークが張る

一度にニップルを回転する量：

ブレているポイントの真ん中あたりのニップルを１／４回転

その左右のニップルを１／８回転

いつも必要な作業ではないけれど 

車輪のブレは、何百Kmと走行しているとスポークの伸びとかニップルの緩みによって自然と発生するものです。車輪のブレの補正はまずはそのような事態を想定しています。

アクシデント的な衝撃によってリムが曲がったことによるブレをスポークの張り具合によって解決する場合も同様に調整してよいかわかりませんが、とりあえず対応できるようです。衝撃でリム自体が変形していることが明らかな場合は、いったん分解してリムを補正してから組み直すのが本来的な方法のような気がしますが、作業が大掛かりになるので普通は行わないのでしょう。そのような場合、ハイエンドな方はホイールごと交換してしまうのでしょうが、とりあえずのレベルなら400円ニップル回し1個で対応できるということです。