最近、子供たちの?ゲームを使った遊び方というのが変わってきているようだ。
以前はWiiなど据え置きゲーム機がある家にあつまって交替にワイワイやっていたが、そのうちDSなどの通信機能を使って、各自の携帯ゲーム機でそれぞれプレイするスタイルに。最初はそれでも一応一か所に集まりつつ、自分のゲーム機をいじるスタイルで遊んでいたが、今は各自の家でSkypeやGoogle Hangoutsで会話しながらオンラインゲームをプレイしたりしている。
こうなると両手を空けるためにヘッドセットなどが必要なのだが、娘が「イヤホン型のが欲しい」と。
曰く、ヘッドホン型は挟まれ感があるのと暑苦しいのがイヤ、とのこと。
ま、オンナノコは髪型なんかも乱れるしね...
...と思って探したが、これが意外にない。マイク付イヤホンなんてケータイ/スマホ界隈ではふつ~に存在するものだけれど、どうもPCをやりつつこういったデバイスを使うのは
・ゲームに没頭するために敵の足音などが聞き取りやすい大型の密閉式ヘッドホンを使う派
・ゲームではなく、オンライン会議やコールセンター業務で使う通話音質・装着感重視派
がほとんどで、いずれも「ヘッドホン」タイプ。
ソコソコの音質で、場合によっては夜は音楽などもそれで聴きつつ、ビデオ通話やチャットがかかってきたときにはわさわざ付け替えることなくそれらに移行したい、というニーズを満たしつつ形状が「イヤホン」というのはかなりレア。
探しても、スマホ用のマイク付きイヤホンをPCで使えるようにする別売アダプターを利用するのではなく、その商品単体で使用できる「PC用」を謳うイヤホン型ヘッドセットというのはほとんどなく、エレコムから音質より可搬性を重視したようなタイプが出ているほかは、Razerのゲーミング用を謳ったHammerhead Pro V2が存在する程度。
このRazerのは用途的・形式的には今回どんぴしゃりなのだが、ニッチニーズにフォーカスしていて競合があまりないためか少々お高い。
今回もう一つ同時に買うものがあったので、も少し安く....と探していて見つけたもの。
PC用サウンドボードでかつてデファクトスタンダードと言われた「Sound Blaster」の名を冠したCreativeのマイク付きイヤホン。さすがサウンドボードの名をブランド名に持つだけあってデザイン的にもゲーミング寄りのものでわりにカッコ良いし、かと言って蛍光グリーンを大胆にあしらったRazerのものよりアクが強くない。
試聴はできなかったが、Sound Blasterブランドなら外野のファールグラウンドに飛ばすほどの大外れはないだろうし、あとなによりRazerのに比べると売価2/3以下と安かったので、とりあえずこれでよいかと。
説明書類以外の同梱内容物的にはスマホなどで装備される3.5mmの4極端子を備えるマイク付きイヤホンに、それをPC用に3.5mm径のステレオ音声とマイクに分岐するアダプター、初期装着サイズとは異なるイヤーチップ2種とケース。
3.5mm4極端子ではPS4やiPhoneなどにつかえ、それをアダプターで分岐すればPC用のヘッドホン端子/マイク端子に接続できるというもの。
安い割には充実した内容で、カタログの謳い文句的にも「通話」に振っているエレコムのものよりは音質にこだわっていそう。
...ということでさっそくPCに繋いで使用。
音質に関しては(特に慣らしが終わっていない状態では)高音のシャリつきが強い。音によっては耳に刺さるほど。そして低音側は低音下限はさほどに低いところまで伸びているわけではないが、中低域あたりにふくらみがありある程度の量はある。でもその音質はスピード感があるものではなく、悪く言えばモコッとしている。いわゆる「ドンシャリ」というほど下は鋭角的な音質ではなくて、「ボンシャリ」とでも表現できるような柔らかく膨らんだ中低域とキツ目の高域というサウンドキャラクター。
あとこの製品、ダイナミック型の悪い部分が出て?音量に比例してリニアに上下が出るのではなく、大きめの音量から絞っていくと重低域⇒中音域⇒中低域⇒高域の順に減衰する印象。かなりやかましいくらいの音量で鳴らしてあげないと高音域に他の音域が負ける感じで、音量が大きめのときに真価を発揮するセッティング。大きめの音量であればさほどに大きな破綻はないので、音楽視聴にもソコソコ使えそう。
マイク部には二つコントロールボタンがついていて、スライドの方(プラグ側)が「マイクミュートスイッチ」でマイク機能のオンオフをするもの。プッシュボタンの方(ドライバユニット側)が「マルチファンクションボタン」で、iPhone
などに繋ぐとワンボタンコントローラとして使えるもの。機能的にはパイオニア重低音シリーズのSE-CL722T
や美麗高音を聴かせるハイレゾイヤホンSoftBank SELECTION SE-5000HR
のワンボタンリモコンと同じで、1回押しで通話や曲の再生/停止、2回押しで早送り、3回押しで巻き戻し、長押しでSiri起動というアサイン。
マイクに関してはソコソコ感度は良いが、タッチノイズ含めて結構拾うので一長一短か。
ただこれ一つでPC用イヤホン型ヘッドセットとして機能するのでコスパは良好かと。
デザイン的にはユニットからイヤーチップを付けるステムを伸ばす方向が微妙に内側に傾げられていてフィッティングを高めているし、カラーリング的にもRazerのものほどデーハーではなく、でも銀と黒を基調に一部にメタリックレツドを使った「ゲーミング用」としての「華」もソコソコある感じで、悪くない。あと面白いのが、左右分岐後にマイクがあるタイプでは初めて見たが、本品は絡み防止のケーブルスライダーを備える。もちろんマイク&コントロールユニットのところで止まってしまうが、それでも分岐後半分くらいはまとめられるので、絡み防止には効果がある。
ただ色合いというかデザイン的にイマイチなところがあって、前述の「マイクミュートスイッチ」のオンオフがどっちなのかという区別や、二又の音声&マイク接続ケーブルがどちらの端子なのかという区別が黒地のプラのモールドだけで「非常に」見づらい。ここは数円のコストをケチるより、違う色のプラ部品の組み込みか、筋彫りにして中に白色等を流し込むなど見やすい工夫は採って欲しかったところだ。
音色的にはいつもの楽曲をDP-X1A
で評価して見た。
吉田賢一トリオの“STARDUST”
から「Never Let Me Go(わたしを離さないで)」を24bit/96kHzのFLAC形式で。高音域が刺さる面もあったこのイヤホンだが、意外なことに右チャンネルいっぱいに広がるはずのシンバルレガートはさほどに大きくない。ただそれより下の帯域のハイハットのフットクローズとリムショット、ブラシの音は妙に大きい。ベースはソロの時に使う高めの音は良いが、通常のランニングベースはちょっと後ろに下がりすぎ?ピアノの音量はだいぶイイカンジだが、ハイハットとスネアには負けてるなー。ちょっとバランスが悪い。
もう一つのハイレゾファイル、宇多田ヒカルの“Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.1+2 HD(24bit/96kHz)”
のwavファイルから起こしたFLACファイル「First Love」。...これは悪くない。今まであまり聴いたことがないバランスだが、アリ。まずイントロのギターが2本絡み合う所もリアルだし、吐息多めのヒカルの声も切ない。途中から入る大きめのベースは若干丸目でキレがあるわけではないが、緩やかなグルーヴのこの曲には合っている。最後のドラムのこれでもかの盛り上がりの部分はすこぅし迫力に欠けるけれども。
硬くてスピード感あるジャパニーズフュージョンは、T-SQUAREの「RADIO STAR」をセルフカバーアルバム“虹曲~T-SQUARE plays T&THE SQUARE SPECIAL~”
から。ラップをたしなむベーシスト、JINOこと日野賢二のゲストプレイが真骨頂のこの曲だが、途中の河野啓三のキレたピアノソロの鮮明さや安藤正容のパーカッシヴなミュートギターのはじけ方は良いのに、肝心のスラップベースのアタックの部分が前に出てこない、ちょっと腰高の構成。これはノれない。
現代的な打ち込みJ-POP/アニソンとしては、刺激的な音作りで音量飽和系のデレマス曲、洲崎綾(あやちゃん)の熱唱がまるでロボットものの主題歌みたいな「ヴィーナスシンドローム」。
これは強炭酸のWILKINSONのような刺激。比較的左右に広い音場でムチのようにしなるハイハットのリズムを中心にシーケンスパターンが駆け回る。本来ベース過剰気味の曲なのだが、重低音が薄く中低音が柔らかめで大きいというのが上手く過剰部分をいなして良い方向に働き、ややまるみを帯びて耳障りなところが抑えられたベースラインがあやちゃんの歌唱を下から上手く支えている。バランス的にはこれはありかも。
同じあやちゃんののびやかな歌声が、晴れた空のように透き通るオリジナル曲「空」を1st写真集/ファンブックの“Campus”
から。これもバランス的には悪くないな。ヴォーカルが大きく、左チャンネルのエレキギターより、右チャンネルのアコギの方がよく聴こえ、アコースティック感が増す。そのかわりベースはかなり引っ込んでしまうので、ゆるやかな音の流れに身を委ねるというよりは、歌詞を聴き込むというカンジ。...キモチシンバルがうるさいけれども。
「艦これ」オーケストラアレンジの勇壮な「鉄底海峡の死闘」は“艦隊フィルハーモニー交響楽団”
のラストの盛り上がる曲。スネアドラムや金管の燦めきはあるので派手ではあるのだが、下を支えるコントラバスの響きやティンパニの震えは出ないので、かなり規模が小さい感じになってしまうのがこのイヤホンの限界か。
ロック殿堂入りスタンダード楽曲、Eaglesの「Hotel California」は同名アルバム
から。ギターのプレイはよく聴こえるので(特に12弦ギターのオープンカッティング)、ギターを聴く分には良いのだが、Don Henleyの声がすこし遠いのと、特徴的なRandy Meisnerのベースラインに芯がないのがちょっと...右端のハイハットや左端のパーカッションは大きいんだけれどね。
CreativeのSound Blasterブランドの「PC用マイク付イヤホン」、Creative Sound BlasterX P5 を検証したが、元がたいした額のイヤホンではないし、さらにヘッドセットの機能も持つためコストがそちらに吸われるのであまり期待していなかったが、思ったよりはいいかな。
音的や機能の特徴としては
○最近のJ-POP/アニソン系のミックスが意外なほど合う。特に音多めの曲でヴォーカルに注目して聴きたいときは良い(ヘッドセット機能もあるので人声重視セッティング?)。
○左右の広さは十分広い。特にバランス大きめの高音域とあいまってパンするSE音は派手!
○ハイハットやギターの音域が特に前に出る。
○中高音域が強めで電話音質のように帯域狭めのものでも語句が聞き取りやすい
○途中にマイク兼コントローラーがあるのでそこまでで止まるが、一応絡み防止スライダーを備える
●低音、特に重低音はなく、ドラムのキックやスラップのプッシュには芯がない
●その上の中低音は量はソコソコあるも、スピード感はないので曲を選ぶ(暖色系はOK)
●ヘッドセットとしては左耳下にあるマイク部分でのボタン操作が少ししづらい(←慣れ?)
●デザイン(色)的にマイクのオンオフや二又ケーブルのどちらがマイクなのかなどはわかりづらい
●ケーブルは分岐前も後も結構タッチノイズ大きめ
...という感じ。
イヤホンフォーマットのみで評価すると、曲をかなり選ぶので5000円クラスとしてはう~ん今一歩!...3000円ならマァアリかな、くらいなんだけれど、この価格でのPC用イヤホン型ヘッドセットとしてはほぼ唯一の選択肢なので、その意味では結構評価できる商品。でも最近の打ち込みアニソンなんかでヴォーカル中心に聴きたいときは、どんな曲聴いてもわりに良いので、趣味が合えばわりにオススメ?
今回の★に関しては「オーディオなんちゃってマニア道」的観点での評価。ソコソコ高音質で安価な「PC用イヤホン型ヘッドセット」としては唯一無二の存在感と言ってよいかも。
【仕様】
イヤホン部/
ドライバーユニット:7mmネオジウムマグネット
周波数特性:10Hz~23kHz
インピーダンス:16Ω
音圧感度(1kHz):114dB/mW
マイク部/
タイプ:エレクトレットコンデンサー
インピーダンス:2.2kΩ以下
音圧感度:-40dBV/Pa
インターフェース:φ3.5mm 4極ステレオオーディオ出力 / モノラルマイク入力端子
リモコン:マイクミュートスイッチ、再生操作、電話応答ボタン
重量: 約12g
付属品:3.5mm ステレオ&マイク アナログ接続ケーブル、イヤーピース3種、キャリーケース
Creative Sound BlasterX P5 商品紹介ページ
上限の伸びはさほどに無いが、中高音がやや刺さる
超高音域にまで伸びているわけではないが、「中高音」程度の領域に強いピークがあるため、ハイハットやスネア、アコースティックギターのピック音などが前に出る。曲によってはやや刺さり気味なほど。ただ、電話音声などでは抜けが良い感じでよく聞き取れるので、それとのバーターか。
ヴォーカルが埋もれず前に出る⇒打ち込み系のJ-POP/アニソンには良い
ヴォーカルは聴きやすい。音が飽和しているような打ち込み系楽曲でもヴォーカルが前に出る。歌のパワーが足りないアイドル系のシンガーでもソコソコ聴けるので、曲によってはハマる。ヘッドセット用途での人声も聴きとりやすい。
重低音はなくスピード感もないが、柔らかめの中低域の押し出し感はある
低域のサウンドキャラクターは柔らかくモチっとしたもの。帯域的にも重低音域までは伸びておらず、バスドラのキックやスラップベースのプッシュの音には芯がない。ただ中低域のあたりの盛り上がりでベースラインそのものは追える。デジタルで派手な音色、低音ブースト気味の曲では上手くいなしてヴォーカルが良く聴こえる場合も。
横には広い⇒特にパンで駆け巡るSE音などは爽快
横空間は広く、定位はきちんとしている(このことがヴォーカルを聴きやすくしている面もある)。強めの中高域と相まって、左右を駆け巡るSE音などは飛距離が長く、派手。
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購入金額
5,128円
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購入日
2017年05月07日
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購入場所
ツクモ名古屋1号店
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