1970年前後に生産されたインターナショナル製手巻き腕時計です。
祖父が父親に贈ったものを、そのまま私が譲り受けました。
40年以上を経た今も、自社製キャリバー402・19,800振動・軸受け17石は、滑らかな運針を保っております。
ローマ数字インデックス 3針
ステンレス製筐体
風防は膨らみの強い樹脂製 (非純正)
手巻き竜頭
ジャバラ式金属ベルト(非純正) 本来はミラネーゼメッシュベルト
当時としては珍しいローマ数字インデックス
飾り気のない黒い針とあいまって視認性はとても高い。
ベルトが非純正なので、きちんと幅が合っておりません。
ケースの横幅は約33ミリ 上下方向はラグを含めて約37ミリ
厚みは約9ミリです。
当時としては、薄型モデルの先端をゆくモデルだったようです。
文字盤は金属感をそのまま残しています。
International Watch SHAFFHAUSEN
IWCと大文字で表記される前のロゴデザインは、クラシックな雰囲気が漂います。
日差 30秒以内
手巻きキャリバーの容量は、30時間台でしょう。
まる2日巻かないと、停止しています。
もちろん巻きすぎによるゼンマイの断裂には注意が必要なのですが、もし毎朝、竜頭を巻き上げる事が習慣づくなら、問題なく使える精度は保たれています。
分針の調整は1週間に一度で十分です。
防水は保証されておりません。
純正のミラネーゼメッシュベルトは、父親が革ベルトに交換していました。
譲り受けた後に、私がこのジャバラ式ベルトに交換しております。
本来はきちんとした革ベルトが愛相応しいと思いますが、それを要求される場所に出かける機会が
ほとんどありませんので、カジュアルに使いたいとの気持ちを込めて
このベルトを選びました。 時計屋さんには止められましたが、、、、。
裏蓋は特に造作がありません。
もしガラス製なら、自社キャリバーを拝むことができるのですが、残念です。
因みに現在の機械式腕時計の裏蓋にガラス製が多く見られる理由は、フェイクを企画する業者が似ても似つかぬい適当なキャリバーを選べないようにするためだとか。
機械に彫られた刻印まで複製するのは大変でしょうから。
現在の主流が40ミリ それに対しての30ミリ
今の流行は40ミリサイズ。 もしくはそれ以上です。
バブル以前は、このインターのような30ミリ強の腕時計が主流だったんです。
現在、30ミリサイズを探しても、適当なモデルは見つかりません。
その時代に合ったものを探すのが良いと思います。
但し時計修理技能士の方に伺ったのですが、大きな筐体に納まるキャリバー自体は、以前の小型ケース用のモノがほとんどだそうです。
これは竜頭から伸びるピラーの長大化を招きますし、キャリバーを固定する為に、中心から外周に伸びる形の複数の柱を構築する必要がでます。
キャリバーの安定を考えると、あまり大きなケースは良くないとのことです。
このサイズは、スーツやシャツを傷めません。
それでいて視認性は十分に確保されます。
現在流行している40ミリサイズが満遍なく行き渡った頃に、ふたたび30ミリサイズの流行が企画されるかもしれません。
本当に望むべきは、30ミリも40ミリも、好きな方をいつでも選べること。
その人の腕や掌の大きさにマッチしたものが、自由に選べるのが嬉しいんです。
靴の尖り具合も、ネクタイの幅も、トラウザーの細さも、いつも画一的です。
かと言ってオーダーメイドを発注する財力はありません。
お店の中に、同じ流行しか並んでいないのは とても残念でございます。
樹脂製風防は別作です
タンスの肥やし、もしくはゴミに成りかけていた、これらの腕時計を河原町松原にある
ウォッチドクタータキダさんに預けたのは2013年末。 出来上がりは消費税が上がる寸前の3月。
このインターナショナルもタキダさんに依頼したのですが、30ミリサイズのプラスティック製風防が手配できないとのことでした。
その後、いくつかのつてを頼りに探したところ、別作で受注してくださる工房を見つけました。
約1週間で仕上がりました。 料金は9,800円でした。
デリケートな樹脂製ですので、乱暴に扱うと、どうしてもカスレやヒビが出ます。
そのうち子供に預ける日が来ますので、それまでは大事に使いましょう。
因みに、この40年で実施した分解掃除は2度だけです。
毎日使う腕時計ではありませんので、人が暮らす事ができる室温・湿度の部屋にある引き出しの中で眠らせている分には、その程度のお手入れで十分機能が維持できるようです。
無事これ名馬
父親が祖父からこれを贈られた時に、とても喜んでいたのは良く覚えています。
祖父のお店は新京極河原町入り口付近にあった、1軒足らずの細い路地の奥でした。
そのお向かいに、時計と宝飾のお店「北山」がありました。
同じ町内会のよしみで、少しは値引きして下さったのでしょう。
当時の価格は全く知りませんが、今もきちんと動いているのですからCP比はとても高いと言えます。
中高生の頃、時々祖父のビリヤード店へお手伝いに出掛けました。
路地の中ほどでひと待ちをする方が居られます。
「どうぞ中へ入ってお待ちやす。」 とお声掛けすると、多くは「おおきに」と入られたのですが
中には「いいです」とお断りになる方も、、。
おや? と思いながら観察していると、どうやらお向かいの北山さんの出入りをチェックしている様子。 あれが税務署のGメン(マルサ)なんですね。
普通のカップルにしか見えない体で、顧客の出入りをチェックしていたんですね〜。
後に伊丹十三監督が取材に来た などということはございません。
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購入金額
9,800円
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購入日
1970年頃
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購入場所
北山
タコシーさん
2016/04/22
親子3代で使われる腕時計は時計も幸せですよね
私が息子に残せるのは何だろう..考えてしまいます
フェレンギさん
2016/04/22
ものより思い出〜っ。
母方兄弟の2人の伯父さんは、ふたりとも外国航路の船乗りだったんで、その意味では思い出を残す機会は少なかったと思うんですが、それと実際の親子関係とは関係ありません。
自分のことを含めて、仮に今 どう思おうと、どう思っていたとしても
血は水よりも濃いです。
いや血縁が無くとも、濃い関係の親子関係もあります。
妙に長々と書いてしまいましたが、808通りの答えがあると思います。 そうですとも。