1987年に新婚旅行先のシンガポールで購入したホイヤーです。
実は最初の電池交換を「街の時計屋さん」に依頼したのですが、その時の防水処理が不十分だったので、水が入ってしまいました。
まず竜頭が抜け、次に文字盤をムーブメントに留める為の柱が折れてしまいました。
ほぼ同時に破断した金属製ブレスも含めて、修理に出したのですが(懲りずに同じ時計屋へ!)
文字盤が再びあらぬ方向に回り出しました。 また柱が折れたようです。
ここで心も折れました。 ほどなく電池も切れました。
それ以来20年ほどの間、引き出しの肥やしとして留め置いておりました。 が、
思い入れのある記念の時計でもあります。 このままではゴミと同じと思いたち
市内にある有名な時計修理店の扉を叩きました。
黒と金のコンビは、日本には正規輸入されていません ボーイズサイズは日本人に馴染みます ただ、脆弱でした
キャッチコピーは、その頃も「Don't crack under puressure」。
逆回転防止ベゼルやダブルロックのメタルベルトは、ダイバーズウォッチとしての資質を備えていると、海中写真とともに誌面を飾っておりました。
確かに、バックル留め金具はダブルロックです。
ワンタッチで30ミリ程長さを伸ばせる仕組みを内包したバックルは、
ウェットスーツ着用時に便利です。
逆回転防止ベゼルは、万一不意にベゼルが回ってしまっても、残り酸素量を多めに間違える事を防ぐ仕組みです。
でもね、ベルトは破断しました。 手首にいつもと違う角度でホイヤーが居た時に、ひねった時です。バチンとコマが飛びました。
水の侵入で竜頭が抜けたり、文字盤の支柱が折れてしまったのは、自分が正規店で電池交換を行わなかったのが原因ですが、業者さんに尋ねると「その種の修理は多くある」とも。
ボーイズサイズを選択したので、普通の体格の日本人にはぴったりのサイズです。
また黒と金のコンビは、決して成金趣味のそれではなく、スポーティな雰囲気を出していると思っています。
またこのモデルは正規輸入されていませんので、ちょっとだけ希少価値を感じることも出来て
デザイン面では十二分以上の満足感を与えてくれました。
ETAクォーツムーブメントは普及品 ミネラルガラスは傷も目立ちます ステンレス製筐体に施された黒色塗装は剥げます
ETA(エタ社)の3針クォーツムーブメントを搭載していますが、
それの交換時に分かった価格は、2014年時で5,000円という普及型でした。
ミネラルガラスは傷が付きやすく、またその傷も目立ちます。
つや消し黒色塗装は、それなりに剥げます。
金属ベルトは一度破断したことがあります。
普通のクォーツ時計ですので、俗にゆう時間の狂いは日常生活において困るレベルではありません。
1年放置して、誤差は1〜2分程でしょう。
黒色塗装の剥げも、風防の傷も、それは「味」として楽しめるレベルだと思っております。
モータスポーツ好きの方には注目されること多し
20気圧防水ですので洗車はもちろん、スノーケリング程度の水遊びに全く問題なく使用出来ます。
きちんと技術を持った時計屋さんに依頼されることが前提ですが、電池交換は3,000円までで請け負っていただけます。
但し、防水パッキンの交換やグリスアップを前提としない交換はオススメできません。
私がそうだったように、水の侵入を許してしまうでしょう。
因みに百貨店や大手専門店に依頼すると、6,000円からとか。
場合によってはオーバーホールを勧められて数万円というケースも聞きます。
防水試験装置を所有している修理店での交換が前提だと思います。
車好きの本能をくすぐる
Formula-1や映画「栄光のル・マン」等 ホイヤーとモータスポーツは切っても切れない関係があります。 車好きの人に良く反応されます。
自社ムーブメント搭載モデルが少ないとか、壊れやすいとか、
いや実際にもうイイやと思った時期もあるのですが、
四角いモナコやカレラ、新しいコネクテッドとか、
やはりホイヤー社がリリースする(していた)腕時計って、反射的に「格好良い」って感じてます。
電波時計は、狂わない良さというより、
「その狂いを修正したり日付を修正したりする手間が要らない」事だと思ってます。
数秒の違いがあっても、そんなに困ることってありません、わたしゃ。
まず格好良いのがイチバン大事だと思ってます。
余談ですが、購入当時は「Heuer」ブランドの時計でした。
しかし修理時に供給された文字盤は「TAG HEUER」、竜頭も「TAG HEUER」の刻印が。
ベルトはかろうじて「Heuer」でした。
交換の必要が無い裏蓋はもちろん「Heuer」のままです。
購入は1987年。すでに1985年にTAGに買収されていたわけですから、いわば在庫品だったのでしょうが、できればTAG無し「Heuer」の文字盤でいて欲しかった。
修理費用の明細
修理してくださったお店は、腕時計だけでなく掛け時計や置き時計、機械式からクォーツまで
幅広く対応してくださります。
丁寧な説明
文字盤の固定には、それを留める柱の再構築が必要で、ろう付けかレーザー溶接の2択がある。
ろう付けでは、再び破断する可能性が高く、レーザー溶接の場合は、丈夫だが盤面に焼けの痕跡が残る可能性が高い。 一応の見積もりを出す。
ムーブメント自体に修理が必要な場合は追って連絡をする。 とのこと。
その後数回の電話でのやり取りがあり、ムーブメントの全交換が必要になるとのこと。
お任せで作業を依頼する。
当初はレーザー溶接で盤面の固定だけの見積もり。 その費用は8,000円プラス税。
完全なオーバーホールとなった最終費用は30,000円。
内訳に記載されている ムーブメント5,000円+電池600円+パッキン500円+文字盤脚1000円は
全てドガチャかされ、
本体オーバーホール代金の25,000円とレーザー溶接代金の5,000円のみの請求となりました。
修理から1年半が経過しましたが、もちろん水が入る様子は無く、精度も年差1分以内程度です。
盤面を良く見ると、確かにレーザー溶接の焼けが2箇所確認できますが、問題ありません。
これが高いのか安いのか、、下に続く。
自己満足の世界やね
3万円も出せば、ホイヤーの中古が充分選べます。
新品のセイコーダイバーズウォッチが買えます。
それならもっと電池寿命も長くて、より高精度でしょう。
でも、新婚旅行先で選んだ思い出の品でございます。
単純な損得勘定では割り切れないのでございます。
直さなければタダのゴミです。 直しておけば、私が死んでも息子が使ってくれるかもしれません。
腕時計という嗜好品は、この先もずっと存在すると思うのですが、iWatchが出現しました。
HeuerでもConnectedというPC連動のハイテク腕時計を発売するようです。
その種の腕時計に修理やメンテナンスという概念は無いと思います。
機械式(クォーツを含む)製品にしても、
既に電波時計は修理用部品の供給が受けられないと聞いております。
街の修理屋さんは減る一方でしょう。
でも、私が生きている間は、もし壊れても、また直してほしい。 そう思ってます。
購入金額はおおよそ。
購入日に間違いはありませんが、今回レストアされた日付として2014年3月28日を記載します。
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購入金額
100,000円
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購入日
1987年03月03日
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購入場所
シンガポールのどこか
cybercatさん
2015/11/13
そうですね。
自分もここの紳士用はデカ過ぎるとオモイマスw
フェレンギさん
2015/11/13
件の修理業者さんに伺ったのですが、ビッグフェイスの時計もムーブメントは通常のモノと同じなので、竜頭シャフトが長くなり、そしてケース外周からフランジを伸ばしてムーブメントを固定する構造なので、耐久性に劣る可能性が高いそうです。
この年末辺りから、38ミリが復権していると雑誌にありましたが、ほんといい加減にしてほしいです。
知らずに42ミリだけを並べられて、その中から買った新社会人は結構多いと思います。