レビューメディア「ジグソー」

撮影者の腕が試されるカメラ。白黒の美しさを楽しもう!

~プレミアムレビュー~ デジタルカメラAGFA AP15


皆さんお久しぶりです。初めての方、初めまして。白輝望です。
この度はプレミアムレビューに選出していただきありがとうございます。毎度のことながら時間もあまりない中で書き上げたレビューになります。拙い内容とは思いますが最後までお付き合いください。

そして以下が今回申し込んだレビューテーマです!
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趣味で鉄道写真を撮影しています。光学15倍ズームであれば今使っている機種(Nikon P80 18x)と遜色なく使用でき、鮮やかな色の再現にもってこいだと思います。
個人的に、モノクロの撮影は色が納得いかない時にはよく使います。カラー写真よりも色鮮やかに見えるときがあるのはすごく気持ちとして共感できる部分です。
レビューでは鉄道写真を中心に動く被写体をどう捕えるか、解説したいと思います。
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鉄道写真というニッチな?分野ですが、ご興味のある方はどうぞっ!

1)到着→開封→箱・付属品


到着したカメラの箱がこのようになっています。



箱はさらに2段に分かれ、レザーケースと本体・付属品一式がそれぞれ収納されています。
#これはケース別売も視野に入れた販売構成かもしれません。#



レザーケース以外の本体・付属品を並べてみました。
段/ 左/真ん中/右
上段/ ストラップ/充電器/クイックスタートガイド/バッテリー
中段/ 取扱説明書/本体/
下段/ 保証書/CD-ROM



上から気になるものをピックアップしていきます。
充電器はケーブルとアダプタ部分に分かれていますが、ケーブルはUSB⇔microUSBコネクタで、一般的なスマホと同じです。これは旅行先などで充電の際に充電器の使い回しができるわけで、合理的な設計と思います。
また、コネクタが同じということはモバイルチャージャーで充電が可能のはず!というわけで検証してみましたが、あっさり充電できました。



バッテリーは880mAですので容量はあまり大きくないですね。フラッシュ撮影を多用するなどをすると割合速くバッテリー切れを起こすかもしれません。



さて、本体ですが、軽いです。本体部分はプラスチックが多く使われておりその分軽量です。が、合成が悪いということも感じませんし、レザーケースがついていて、普段はケースに入れてしまうのでプラスチックの質感はさほど気にならないと思います。



上部から見たボタンの配置も普通だと思います。



背面には液晶画面といくつかのファンクションキーがあります。ファインダーはありません。




その他についてですが
・取扱説明書
日本語以外に英語も記載がありますが、それほど丁寧ではありません。このカメラの場合は使い慣れていかないといけませんね。

・クイックスタートガイド
初期設定はこちらを見れば十分と思います。

・CD-ROM
詳しくは見ていませんが、必要になれば。写真編集ソフトなどは高機能なフリーソフトも多数ありますので好みで使用するのがいいでしょう。


さて、撮影の準備に入ります。
バッテリーとメモリカードを入れますが、この機種はSD, SDHC, SDXCカードに対応です。できる限り高速で容量の多いものを選ぶとよいでしょう。
今回はTranscendのClass10対応、16GBのSDHCカードを用意しました。



14.4Mpixel、最高画質の設定で静止画なら2600枚以上撮影可能です。動画を長時間撮影する場合を除けばこれで十分だと思います。

バッテリーとメモリカードを入れたらカバーを付けます。カバーはねじ止めにより固定されますが、そうするとSDカードの出し入れや充電ができなくなります。その場合はいちいちカバーを外さなければならず、少々不便です。被写体が静止していることが多く、

またストラップについてですが、ケースとカメラ本体の両方に取り付けられるようになっていますが、私はカメラ本体にのみストラップをつけて使用しています。経験上、これで十分な強度と考えています。

さて、それでは実際にカメラを持って撮影してみます。いわゆる普通のスナップ写真からです。スナップ写真は一番撮影の機会が多いと思います。被写体が静止していることが多く、周囲の明るささえ気を付ければ大概の写真はうまく撮れるはずです。


<作例1 f/11.1 1/54s ISO-400 35mm換算焦点距離 46mm ※クリックすると原寸大>
作例1は町中の建物を撮影したものです。
http://www.tgn.co.jp/hall/yokohama/aqy/



<作例2 f/4.8 1/100s ISO-102 35mm換算焦点距離 54mm ※クリックすると原寸大>
こちらは同じ被写体をモノクロで撮影したものです。少し寄った写真です。

この2枚の写真は作例1が「自動モード」、作例2が「白黒」で撮影したものです。
撮影の設定が変わっているのは、「白黒」ではマニュアルで設定しなければならず、このときはシャッタースピードのみ1/100sに設定したため、このような値となっています。

このように造型の凝った被写体はモノクロの良さ、カラーの良さそれぞれを感じられる写真を撮影できると思います。ただし、「白黒」ではマニュアルとなってしまうので、撮影者の腕が試されますし、咄嗟に動く被写体を撮影するのには不向きと思います。


2)鉄道写真その1(駅撮り編)



それでは今回選出されたテーマ「鉄道写真」に入ります。
鉄道写真とは・・・これは意外と定義が難しいです。ここは堅く考えずに「鉄道をテーマにした写真」としましょう。
となると、車両は勿論、駅や線路などの構造物を被写体としたもの全てが鉄道写真と言えますが、デジカメの撮影において比較的難しいとされるのは「動体の撮影」ですから、やはり動いている鉄道車両の撮影をメインに扱いたいと思います。

列車の撮影には大きく分けて2種類あり、駅で撮影する「駅撮り」と線路際で撮影する「沿線撮り」があります。ここで鉄則ですが、どちらの場合も鉄道事業者や私有地に入らないこと、列車の運行の妨げにならないことが最低条件です。また、その他にも安全に配慮した行動が求められます。
さて、今回は駅撮りを主に扱います。というのも、コンデジには機動力(持ち運びのしやすさ)が求められているわけですが、その分、一眼レフカメラには敵わないわけです。「ふと、移動中に気になる列車の写真が撮れるのか?」がこのカメラを鉄道写真に使用する場合に求められる性能はこれだと思いますので、実際に上記のようなシチュエーションで使用してみました。


それでは早速作例に入ります。


<作例3 f/5.6 1/250s ISO-254 35mm換算焦点距離 423mm ※クリックすると原寸大>
写真はJR秋葉原駅の御徒町駅寄りホーム端から撮影したものです。この列車はホームへの侵入中なので速度60-70キロ程度で減速しながら走行中と考えられます。割とズームして撮影していますが、細かい文字もつぶれず撮影できており、LEDの表示も途切れていません。写真としてはまずまずと思います。鉄道写真的には、後ろが切れてしまっているので少しもったいないところです。
撮影に使用したのは「シャッター優先」モードですが、このモードはシャッター速度を選択できる一方でF値やISOが選択できません。逆に言えば、シャッター速度さえ決めれば後は自動ですのでこのような動体の撮影には便利なモードと言えます。通常の鉄道写真の場合は1/250~1/500sのシャッター速度であれば撮影に支障はないと思います。


<作例4 f/4.2 1/250s ISO-111 35mm換算焦点距離 33mm ※クリックすると原寸大>
続いてホームに進入してきた列車を撮影する場合ですが、完全に停車すると全体が撮影できないことがあるため、止まりきる直前にシャッターを切りました。写真を拡大するとわかりますが、残念ながら少しブレが生じています。車両前部の白い部分がぼやけた印象で、これは被写体のAFの焦点が写真中央にあることによります。つまり、作例3のような車両の正面が中央にくる写真では好成績ですが、このような写真ではぼけた印象を与える・・・ということで、f値を調整する必要がありますね。
ただ、今回この手の「対角線方向から入ってくる動体」の写真は若干苦手では?という印象を持ちました。シャッター速度の割に、シャッターを切ってからの反応が鈍いというか・・・。私の腕のせいだけではない気がしました。


<作例5 f/5.1 1/250s ISO-258 35mm換算焦点距離 175mm ※クリックすると原寸大>
作例5は首都圏のステンレス車両を「白黒」モードで撮影したらどうなる?というお題です。左が作例4で紹介した全身緑ラッピングの山手線50周年号、右が通常の山手線ですが、側面に光が回っていないこともあり、違いがヘッドマーク位とあまり差異は無いように見えますね。また足回りが完全に黒でつぶれてしまっています。



ずっと同じ場所で撮影というのも宜しくないので場所を変えて撮影してみました。先日、甲府に出張に行きましたので、その際に撮影した画像になります。列車を待つわずかな時間でしたが、撮影することができました。


<作例6 f/12.1 1/204s ISO-417 35mm換算焦点距離 148mm ※クリックすると原寸大>
甲府駅のホームから新宿方のホーム端で撮影しました。下り列車を撮影していますが、この写真は他と違って「プログラムAE」モードで撮影しています。ISO-400を超えていますので若干粒子が荒い気もしますが許容範囲でしょう。その分f値が稼げていますので良しとしました。シャッター速度も少し遅いですがギリギリ許容範囲です。このように晴天であれば自動モードでも撮影が可能です。


<作例7 f/4.5 1/100s ISO-100 35mm換算焦点距離 39mm ※クリックすると原寸大>
振り返って、停車中の列車を「白黒」で撮影してみました。車体の色が淡い色使いなので少し不安でしたが、色の違いを十分感じ取れます。やはりステンレス斜体より塗装車体の方が白黒写真との相性はいいようです。f値が少し足りず、進行方向に対しては若干ぼけ気味ですがそれさえも白黒の味に見えてきてしまうのが不思議です。


<作例8 f/13.3 1/204s ISO-493 35mm換算焦点距離 789mm ※クリックすると原寸大>
これは普通の鉄道写真とはちょっと違いますが、駅に留置されていた機関車の写真です。このときは18倍ズームを使用しています。このカメラに搭載されているのは15倍ズームが最大なのでデジタルズームを試してみました。
被写体は静止していますが、ズーム故に相当手振れの影響があると予想しましたが思ったほどではなく、記録写真としては悪くない仕上がりに思えます。ただし拡大するとやはりもう一つですが。倍率が高いので致し方ありません。

3)鉄道写真の撮影その2(新幹線編)



最後に日本が誇る高速鉄道、新幹線編に入ります。どうしようか少し迷いましたが、私も地元から最も近くて、200キロ以上の速度を新幹線が出す場所ということで、東北新幹線小山駅に行ってきました!

※お詫び
以下、動画を掲載していますが、本来はフルHD動画を撮影の予定が、SDカードのトラブルにより720Pで撮影しています。ご了承ください。

この駅では新幹線通過時の速度は最高275キロと言われています。新幹線最速は宇都宮以北の320キロですが、今回は直線で撮影可能な小山駅でチャレンジしました。
まずは動画で275キロをご覧ください。


<作例Video1 720P>

続いて静止画の撮影にチャレンジしますが、超高速の被写体ですのでシャッター速度は1/1000以上で撮影します。この日は曇り+小雨というかなりの悪条件でしたので大変でした。


<作例9 f/5.1 1/2000s ISO-800 35mm換算焦点距離 125mm ※クリックすると原寸大>
1/2000で撮影しましたが、何とか列車は写真に収まっています。晴天時なら1/1000でISO-400以内に収めることができると思いますので、このカメラでも新幹線の撮影は可能だと思います。作例9ではISO-800ですので粒子が荒く、画像全体も暗いので何とも言えませんね。天気にも見放されています・・・。


<作例10 f/4.9 1/100s ISO-103 35mm換算焦点距離 64mm ※クリックすると原寸大>
撮影中に両方向の列車が停車するシーンがありましたのでこれを「白黒」で撮影してみました。奥の列車が止まりきっていないので1/200s位で撮影すべきでした。


最後に、この日に小山駅に来た最大の理由が実は「東北新幹線を走る200系新幹線」です。これを被写体に決めてやろう!と、勇んで来たわけですが・・・ちょっと静止画の撮影には厳しい条件でしたので急遽動画撮影に変更。その動画撮影も・・・まあまずは動画をご覧ください。そして、後半部分はなかったことにして欲しいなーって。。。


<作例Video2 720P>

後追いも決めたかったんですけど・・・orz



4)総評、困ったところ。


総評としては、思ったよりも使えるカメラだな、とは思いました。ただし、色々と細かい部分の完成度やコストパフォーマンスはやはりCanonやNikonなど一流メーカーのデジカメには及ばない気がします。もっとコンパクトでもっと操作性が良くて、もっときれいな写真が簡単に撮れるカメラはきっとあると思います。

今回の私のレビューでは、カメラ慣れしていないこと、天候に左右されていることで本機の性能を最大まで発揮できていない気がしてなりません。もう少し使ってみないとだめかなと思いました。

良かった点としては、バッテリーチャージャーが使用できることですね。デジカメのバッテリーは意外と速く切れます。メーカースペックだと170枚となっていますが、フラッシュ多用や冬季の撮影ではバッテリーのもちは悪くなります。予備バッテリーの購入も手ですが、スマホ用のバッテリーチャージャーが流用できるのはメリットと言えるでしょう。
また白黒については流石という印象です。ただ、マニュアルなので撮影者の腕次第でしょうか。やはり使いこなせば悪くないカメラだと思います。


最後に撮影中のトラブルについてです。
Case1 ファインダーが閉じない。
電源OFFにしてもファインダーが完全に閉じないことが数回ありました。現在は再発していませんが原因不明です。これは私が外れを引いたのかそれとも・・・。もし後継機種が出るのであればこういうことはないといいのですが。

Case2 メモリーカード異常
新幹線編の撮影時に、メモリーカードがフォーマットされていないと動画撮影開始後に急に表示されました。慌てて予備のメモリと交換しましたが、本機の問題なのか、メモリーカードの不具合なのか原因が特定できていません。同様の事例がないことを祈ります。


最後になりましたが、プレミアムレビューに選出していただいたzigsow事務局様、AGFA PHOTOブランドの製造販売を行うGE様、様々にご意見いただいたおものだちの皆様、このレビューをご覧下さったすべての皆様に感謝申し上げます。

2013年3月31日
寒い寒い日曜日
白輝望

33人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (9)

  • CLWさん

    2013/03/31

    レビューお疲れ様でした。m(__)m
    白黒で撮影すると普通の風景が、過去の時代の物の様に見えてしまうのも不思議ですね。・・・画像が、落ち着いて見えるせいかなぁ(^^ゞ
  • 白輝望さん

    2013/03/31

    >>CLWさん
    カラーよりもモノクロの方が鮮やかに見える時があるのが不思議なところです。
    あと50年もすれば立体写真とか開発されてるのかなぁと思って、今とってる写真も「古いね」と言われるんだろうなと思います。
  • 砧順一(きぬたじゅんいち)さん

    2013/04/01

    レビューお疲れ様でした。
    新幹線の写真については悪条件の中よく撮れていると思います。

    そういえばこのカメラはJPGの圧縮率の変更は可能なのでしょうか。
    それによってもまた高画質に撮れる場合があります。

    ただいざこれを買うかというと価格性能比の問題から微妙ですね。
    これが10000円で買えるのなら他社との競合はおおいに出来ますが
    23000円程度では高すぎるでしょう。
    ソフトウェアの作りこみも甘いようですし。

    特にSDカードとの相性は最近の国内メーカーのカメラでは報告事例が少なくなっただけに致命的でしょう。
    どれぐらいメーカーで検証したのか気になるところです。

    当方は今月12日にSX260HSを購入することが確定しました。
    当然新幹線の写真も撮る前提で機種選びをしたのでどんなものか楽しみです。
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