引っ越し前の一つの思い出として，

AGFA AP15 を片手に下宿周辺や大学キャンパスを散策しました．

原則的に自動モードで撮影し，コンクリートの質感を出したいとき等に

モノクロモードを使ってみました．

本体や付属品の詳細はほかに譲りますが，

やや大きめの本体はグリップしやすく，質感の高いレザーケースと相まって

好感が持てました．レザーケースはこれまで買ったことがなかったのですが，

カメラの携帯性がこれほどまでに向上するとは驚きでした．昨今のカメラは

ポケットに入るものの，異物を身につけている感覚はぬぐいされません．

全体的にプラスチックが多用されている点は少し残念です．

とくに三脚ねじのねじ穴は金属にすべきと感じました．

メモリカードを抜き差しする頻度をかんがえると，プラスチックのねじ穴は

耐久性の観点からやや心許ないです．また，ポップアップ式の内蔵ストロボが

意図せず飛びでてくることが何度かありました．

さて作例をいくつかみてみましょう．

まずは下宿屋上からの京都市街地の展望です．

光学 15 倍がひとつのセールスポイントで，

倍率をあげると 10 km 近くさきの京都タワーがよく見えます．

下宿屋上から京都市街地と京都タワーを望む

あいにく黄砂（あるいは PM2.5 か春霞か）の影響で，

この一週間は澄んだ空が見られませんでした．京都タワーがかすんで見えるのは

そのためです．

つぎは大学キャンパスへつづく曲がり道です．

自動モードとモノクロモード，そして自動モードで撮った写真を

Gimp でモノクロ化したものを並べてみました．

自動モード

モノクロモード

自動モードの写真をモノクロ化

ふたつのモノクロ写真を比べても一目で違いは分かりませんが，

どうやらモノクロモードで撮った写真はコントラストがやや高めで，

高精細なようです．右下のツツジの茂みを切りとって比べてみると，

モノクロモードと自動モード（モノクロ化）

モノクロモードで葉の表情が比較的きれいに撮れているのに対し，

自動モードの写真をモノクロ化したものはべったりと塗り潰されている

印象があります．

撮影時の違いとしては，

（自動モードにくらべて）モノクロモードは白とびしやすいと感じました．

デフォルトの露出設定の問題でしょう．多くの場合，全面にわたって

白とびするので，撮影に成功したかどうかは液晶ディスプレイで

かんたんに確認できます．

違いがわかったところで，

ほかにもいくつかキャンパスの写真をはっておきましょう．

中庭とキャンパスの現代建築

わたり廊下から望む京都市街地

無骨な螺旋階段

プレキャストコンクリート構造のひんやりした壁

青空と建物を仰ぐ

集積回路のようなキャンパスの全貌

時計台

時計台周辺はたいへん見晴らしが良く，

近隣住民がお子さんをつれて遊びにくるスポットになっています．

眺望を動画に撮ってみました．

大学キャンパスから京都市街を望む

倍率をあげると双眼鏡をのぞいたような映像が楽しめます．ついでに

時計台から研究室の入った建物へ帰るところも動画に撮ってみました．

時計台からの帰り道

酔いそうな動画ですみません．回転位置情報を含まないようで，

動画を撮るときはカメラの向きをへたに変えないほうが良いです．

総じてモノクロと高倍率を手軽に愉しめるカメラです．

ふだんカメラを使うとき，モノクロで撮るという選択肢はほとんど

頭にありませんでしたが，すこし意識が変わりました．

外装について小さな改良を重ねれば，より満足度の高い製品に仕上がる

と感じました．

P.S. ジェネラル・イメージング・ジャパン株式会社 さまと zigsow さま，

　　関係者の方々に感謝します．

　　後日，庭の様子も写真におさめてみました．

　　花びらと背景の境で JPEG 圧縮の影響が強くみられます．