レビューメディア「ジグソー」

AGFAは何を目指すのか?

 

第0章 イントロダクション

 

AGFAか!どれどれ・・・

と思った人は写真歴の長いベテランに多いでしょう。

 

あぐふぁ?なにそれ?
と思った人は若い人かカメラに興味のない人かもしれません。

 

まあそのくらい国内ではブランドとして認知されているとは言い難いものがあるけれど、歴史の長い、写真界に昔から多大な貢献をした企業なのです。何せあのメンデルスゾーンの息子が創業したのですから。

 

どれどれと思った人たちにとってAGFAはヨーロピアンテイストの歴とした写真ブランドなのです。アグファカラーといえば写真ファンのみならず往年の映画ファンの方々も納得する黄門様の印籠のようなものでした。

 

扱いも写真用品全般に渡り、印画紙も結構すぐれものでした。私も以前は気に入った写真が撮れたときはAGFAの印画紙に焼いたものです。普段は国産の一般的な印画紙を使用していましたが、お気に入りの写真が撮れたときはわざわざAGFAの印画紙を買いに行った記憶があります。

 

しかし写真界の巨人であったコダックしかり、時代がフィルムからデジタルに移行して行く過程でAGFAは写真業界ではメジャーな地位から後退していったのです。

 

では何故いまAGFAなのでしょうか?

 

いまさらAGFAブランドのデジタルカメラを出したところでどうするのという疑問は至極当たり前の感覚だと思います。デジタルでも成功している名立たるカメラメーカー、家電メーカーを向こうにまわして戦えるのでしょうか?AGFAと聞いてどれどれと思ったベテランをターゲットに細々と商売をしたところでうまみはあるのでしょうか?

 

今回この AGFA AP15 というカメラのレビューをさせていただくことになりました。このレビューを通して何故いまAGFAなのかを探っていきたいと思います。

 


 

第1章 愉しみと歓びと。

 

我家にやってきたAP15のパッケージには「写真史の系譜です」と書いてあります。やはり過去の栄光にすがったブランド戦略なのでしょうか。

 

パッケージは二段重ねの重箱のように箱が二つ束ねてあります。ひとつはカメラが入っています。もうひとつはレザーケースでした。販売形態は分かりませんがカメラ本体とケースを別々にも販売できるようなパッケージなのでしょう。


まずカメラの箱を開けてみます。中には取扱説明書、CD-ROM、保証書、USBアダプター(充電用電源)、USBケーブル、充電池、ストラップが入っています。

 

中身はいたってシンプルです。紙の取説は基本的なことだけが載っています。詳細はCDのなかのマニュアルに書いてあるということでしょうか。


また、この機種は日本のみで発売と聞いていますが、取説の後半は英語になっています。日本在住の英語しか読めないAGFAファンの方のためなのか、英語圏にも輸出する計画があるのかは分かりません。

 

充電はUSBケーブルを直接カメラ本体に接続するタイプです。カメラ側はマイクロUSBですがアダプターは1A出力ですから純粋なUSBの仕様からは外れています。しかし最近はこの手の出力を要求するUSBの口を持った機器が多数存在しますから充電環境には困らないでしょう。

 

カメラのストラップは両吊りです。最近のコンパクトカメラは片吊りが主流ですが、私的にはカメラは両吊りが基本だと思っています。首に掛けてあればブレ防止にカメラを前方に突き出して、ストラップにテンションをかけるようにするといいからです。ファインダーではなくモニターで視野を確認するデジタルカメラでは特に有効な方法です。


肝心のカメラ本体はといいますと、全体にプラスチックを多用していて高級感には若干欠けます。最近のコンパクトデジカメに比べると大き目、厚めで一昔前のレンズシャッターのカメラのようです。


ただ、プラスチック部品のせいか質量は軽くできています。実はこのことが重要で、このカメラの本質だったのだと後で気づくことになります。

 

さて、カメラケースの箱も開けてみます。中には2分割式のカメラケース、ストラップ、説明書が入っています。この箱を開けたときちょっとびっくりしました。本革のケースがやたら豪華というか本物のカメラケースです。本体のプラスチッキーな出来と比べると何とも釣り合わないのではないかとこの時は思いました。

 

カメラケースも当然両吊りです。こちらはストラップの接続用に三角環がついています。三角環の取り付けが逆のような気がしますが、ケースの形状から仕方なかったのでしょう。三角環へのストラップの取り付け方法が説明書に書いてあります。とても基本に忠実な取り付け方です。ちょっと面倒ですが、カメラの基本なのでこれを購入する人は覚えて欲しいと思います。当然ストラップも本革で質感は最高です。

 

ケースにカメラを装着するのはカメラの三脚用のネジを利用します。ケースの三脚ネジに丁度合う位置に固定用のネジがありますのでこれを使って固定するのですが、カメラ側のネジ穴はプラスチックなので丁寧にネジ位置を合わせてから締めます。雑に行うとカメラ側のネジ山が潰れてしまいそうです。


ケース側のネジは金属製で下側には三脚用のネジ穴が切ってあります。カメラをこのケースに入れてもケースごと三脚に固定できるので便利です。このタイプのネジは昔のカメラケースには標準装備だったのですが、今では珍しい部類になってしまいました。


さてこのレザーケースにAP15を入れると、なんとかっこいいじゃありませんか。これはカメラですよ。今どきの薄型、小型のカメラと比べると一昔前のカメラ然としていて好き嫌いは分かれるかもしれませんがこれはカメラです。このときに分かりました、カメラ本体がプラスチックで軽く作ってあることの意味が。カメラとレザーケースを合わせた質量が丁度いい感じなのです。カメラが金属製でもう少し重かったらこの絶妙な感じは生まれなかったと思います。はっきり言います、AP15はこのレザーケースと合わせてカメラです。


大手のカメラメーカーではカメラ単体ではチープな質感なのに思いっきり拘ったケースを付けると持つ喜びすら感じさせるカメラに変身するなどという商品はありません。これはジェネラル・イメージング・ジャパンだからこそできたというか、こんなことやる(やれる)メーカーなんて他にないでしょう。


これは推測と私見ですが、ジェネラル・イメージング社長の小宮山さんはオリンパスのデジタルカメラを引っ張ってきた人で、「生涯映育」を理念として掲げているのですから相当な拘りがあるのでしょう。この映育の理念でAGFAのブランドを許諾されたと聞きます。

 

大企業ではないのでプラットフォームこそGEのカメラとかなり共用しているのでしょうが、カメラの設定メニューから機能を見ていくとその拘りがよくわかります。もしかしたらこのカメラはコンパクトデジカメのFM3Aを目指そうとしているのではないのでしょうか。この事に関しては後程触れることにします。

 


 

 

作例1

 

    

 

クリックするとオリジナルサイズで表示します(1.92MB/1.31MB/1.71MB)。

1,3枚目は初稿時ロスレス回転させていましたが、JPEG保存の時に再圧縮がかかっていました。オリジナルに差し替えました。

 



第2章 鮮やかなモノクローム

 

このAGFA AP15はモノクロームを売りにしているカメラです。この総天然色(古っ!)の時代に何故いまモノクロームなのでしょう。

 

ヒトは偶然に太陽系第三惑星の地球上に発生しました。そして偶然に太陽光がつくる虹の七色を識別できる視力を獲得しました。私たちは周囲からやってくるこの虹の七色の可視光線を眼というデバイスで撮影しています、しかもRGBの3原色で撮影しているのでその絵はカラー画像です。

 

カメラという機械が持つ人の眼と大きく異なる機能はいくつかあります。その中でも大きな位置を占めるのは時間的に流れていく周囲の光線の一瞬を切り取り保存することです。もちろんヒトの脳という記憶素子にも撮影画像が保存されるのですがそれはカメラの撮影画像に比して正確性、堅牢性において大きく劣ると言わざるを得ません。

 

さらには保存した画像の再現性も大きく異なります。ヒトの記憶素子に蓄積された画像を他のヒトに見せようとしたとき、言葉で表現する、鉛筆で紙に描いて再構成する等再現性において難があります。それにヒトの記憶素子の経時変化による劣化も再現性に大きく影響します。

 

カメラという機械はヒトの機能を補強できる強力な武器ということができるでしょう。広角レンズ、望遠レンズ、マクロ撮影機能、高感度撮像素子等ヒトの機能を超えるそれらは単なる補強では
なく拡張という領域も担っています。

 

では光線の一瞬を切り取りいつでも正確に再現できる写真の究極の姿とはどんなものでしょう。カメラがヒトの機能を補助する手段だとすれば例えばこんなものではないかと私は考えます。

 

24時間自分の周囲を360度の全範囲に渡り撮影し続ける高感度、高解像度のビデオ映像。再生インターフェースはその記憶データの中から時間、空間的に選択した一部を劣化することなく超拡大表示を行える。しかも瞬時にどこにでもフォーカスを合わせられる。

 

こんな時系列3次元スキャナー的なデバイスを世界中の人が持ち、その画像が統合されたらGoogle Map + Streat Viewを遥かにしのぐ究極の映像データーベースとなるわけです。

 

ではカメラは今だけの過渡期のデバイスなのでしょうか。前時代的なノスタルジーに支えられるだけの骨董品になっていくのでしょうか。私は違うと思います。人間の文化的活動としての側面がますます強くなっていくのだと確信しています。

 

ある人が感動した一瞬を一枚の写真に凝縮し、それを見た人がその時空間を共有して思いを馳せる。土門拳のモノクロームに凝縮された阿修羅との対峙、川畑康成の眼光は見る人の時間を止めてしまう力があると思います。大西浩次の星景写真は人々を無限の宇宙に解き放つ力があると思います。

 

カメラは今の過渡期を経て一瞬と対峙するための文化的デバイスとしての道を歩もうとしています。そのためにはこのデバイスを使う側にもそれなりのスキルと心構えを持ってほしい、それを手助けし、より良い写真文化を育てたいというのがジェネラル・イメージング・ジャパンの提唱する「映育」なのではないかと思うのです。

 


 

作例2


 

左側の作例はサイズが大きすぎてオリジナルがアップロードできませんでしたのでirfanviewにてJPEG95で再圧縮しています。見比べたところ同じような傾向でしたので参考にご覧ください。


 

第2章 1節 モノクロームモードを使う


モノクロームの写真はカラー写真と比べて情報量が大幅に欠如しています。色情報が欠如しているということはその画像を見た人がその画像に写る被写体を認識するための情報が少なくなるということです。これはある分野ではマイナスに作用するわけですが、色情報が欠如することによりその写真を見る人の想像力の幅を広げることができます。

 

撮影者が意図的にモノクロームを使う時はこの効果を最大限に活用したいと思う時です。そういう意味においてモノクロ写真の撮影はカラー写真の撮影より撮影者により高いスキルと感性を要求します。

 

AP15はモノクロームを前面に打ち出したカメラです。ということはAP15を使うことによりモノクロ写真を撮影する腕が上がるとか、モノクロ写真をより易しく撮影することができるというカメラ
なのでしょう。AP15はモノクロ写真専用のカメラではなく普通のデジカメが備えている機能は網羅しています。ですからモノクロ写真を撮影するときにはモードを切り替える必要があるわけです。

 

AP15はいくつかの撮影モードを持っています。モードは軍艦部分のモードダイヤルで選択します。モードダイヤルには「プログラムモード」、「シャッター優先モード」、「手動モード(マニュ
アルモード)」、「自動モード」、「動画モード」、「シーンモード」、「モノクロモード」、「美肌モード」が素早く切り替えられるようになっています。このモードダイヤルでモノクロモードがすぐに選択できるところにAP15のモノクロームへの意気込みが感じられます。


このダイヤルに「絞り優先モード」がないのはカメラの機能上仕方のない部分です。このカメラのF値は2段階しかなく、それもNDフィルターを挿入するのだと推測されます。ですから実質絞りは変化させられないのでこのモードは存在しません。もっともコンパクトデジカメに使用される小さな撮像素子では絞りによるボケにも限界がありますし、光の回折を考えるとあまり絞るのも考え物です。これは割り切った仕様が正しいと思います。

 

ちなみにこのモードダイヤルの中に「美肌モード」があります。シーンモードを選ぶと、さらにメニューの中から26種のシーンを選択できるのですが、美肌モードだけをモードダイヤルですぐに
切り替えられるように特出しにした意図は何なのでしょう。

 

開発者の方がお姉さんのいる飲み屋さんに行ったときにこんな会話があったのでしょうか・・・

 

お姉さん「あ~、〇〇さん、そのカメラなあに?」
開発者〇「これは今開発中のカメラなんだ。」
お姉さん「え~っ、撮って撮って。」
開発者〇「じゃあ撮るよ、はいチーズ。」
お姉さん「綺麗に撮れた?」
開発者〇「もちろん!写真は真実しか写さないからね。」
お姉さん「どれどれ、見せて・・・・・」
開発者〇「ん?どうかしたの?」
お姉さん「私の肌はこんなにひどくないよ!このカメラおかしいんじゃないの?」
開発者〇「え?、これは解像度のいいレンズで・・・、自信作・・・」
お姉さん「もういいっ!ちょっと向こうのテーブルで呼ばれてるから行くね。」
開発者〇「そんな~・・・真実を撮ったのに・・・」

 

こんな経験からモードダイヤルに美肌モードが入ったのではないと思いますが、ちょっと理由を知りたいところです。

 

 

話を戻してモノクロモードです。モードダイヤルでモノクロモードがすぐに選べるのはとても便利です。モノクロモードにすると液晶表示も当然のことながらモノクロになります。

 

モノクロモードは手動モード(マニュアルモード)と同じ操作です。軍艦部にある露出補正ボタンを押すと液晶下部にパラメータが表示されます。表示されるのは F値/シャッタースピード/EV値/ISO値の4種類。このうちEV値以外の3つのパラメーターを操作できます。手動モードと同じだから露出は撮影者が決めたものになる、標準は存在しない。だから「カメラが測光したEV値は表示するがそれはあくまで参考値であり操作するパラメーターではない」という思想なのでしょう。

 

モノクロモードで注意しなければならないことがあります。それは、液晶の輝度が変わらないことです。自動モードやプログラムモードでは露出補正値を変えるとそれに連れて液晶画面が明るくなったり暗くなったりして補正具合の見当がつくのです。しかし、モノクロモードやマニュアルモードは前述のように標準露出という概念がないため露光量を変えても画面の明るさは変わりません。


だからシャッターを押した後のポストビューが真っ黒だったり真っ白だったりします。液晶に表示されるEV値を見れば大体の見当がつきますので慣れるしかありません。

 

もちろん表示されるEV値は選択している測光方式(スポット測光/中央重点測光/AiAE)によっても変わってきますので自分がよく使う測光方式で慣れるのがいいと思います。ちなみに私はスポット測光しか使いません。

 


 

作例3

 

 


 

第2章 2節 モノクロームモードは必要か


フィルム時代にはモノクロームとカラーはフィルムからして異なるものを使用してました。デジタルカメラの時代になり、ほとんどのデジカメはカラー撮影用の撮像素子(CCD,CMOS)を搭載して撮影後の処理でカラーデータからモノクロームのデータをソフトウェア的に作っています。もちろんモノクロ専用の撮像素子を搭載した機種や原理的にカラー用とモノクロ用に差異のないデータが取得できる機種もあることはありますがかなり高価なカメラとなってしまいます。

 

一般的な撮像素子はベイヤー配列という素子の並びをしています。その場合RGBの各素子がR:G:B=1:2:1の割合で存在することになります。すなわち1440万画素のこのカメラの場合R(赤)とB(青)を写す素子はそれぞれ約360万個、G(緑)を写す素子が約720万個あることになります。カラー画像を作り出す処理はそれら複数のRGBのデータから各素子に対応するデータを作り出す処理となります。

 

カメラが最終的に作り出す画像のそれぞれの画素はその周囲の画素のデータと合わせて色や光の強度を決めることになり、この方式が各社のノウハウとなります。

 

モノクロームの画像はRGBで撮影されたデータを用いて色情報を消して作成されます。多くのデジタルカメラも設定メニューから下にたどっていくとモノクロ写真を撮影する設定があると思います。もちろんこの処理もソフトウェア的に行われますのでカラーの撮影画像をPCでモノクロームに変換することも可能ですし、実際ほとんどのPC上の画像処理ソフトウェアにはこの機能が備わっています。

 

以上のようにモノクロームの画像を得る方法はいくつもあるわけですが、AP15はモードダイヤルにモノクロモードがあります。設定メニューをたどって設定するのではなく、その場でモノクロモードに切り替えられるわけです。撮影するときに「これはモノクロで撮るぞ」という意識をもって撮影してほしいというのがこのカメラの思想なのだと思います。

 

モードダイヤルでモノクロモードを選ぶということはフィルムでいえばモノクロフィルムを装填することに相当します。カラーフィルム及びカラー写真の焼き付けが高価だった時代のモノクロ写真とは違い、今この時代にモノクロ写真を撮影するということはどんな意味があるのでしょう。


前述したように撮影者があえてモノクロで表現したいもの、大袈裟に言えば作品、もっと軽く言えば気持ちを撮影することだと思っています。とすればカラー画像を撮影しておいて後からモノクロ写真も作ってみようかというのではなく、撮影する瞬間にAP15のモノクロモードで撮りたいという何かがこのカメラには込められているに違いありません。


それを確かめるためにまず同じ被写体を手動モード、モノクロモードで撮影してみました。

 

まず手動モードで撮影した写真をPCでモノクロームに変換してみました。

左:手動モードで撮影
中:Photoshop Element で彩度をゼロにしたもの
右:Photoshop Element でGrayscaleに変換したもの

 

どうでしょう、Photoshop Element(以下PE)ではGrayscaleに変換すると単純に彩度をゼロにして色情報を削除したよりもコントラストが高くなっています。PEのGrayscaleの考え方はコントラストを若干高めにするということのようです。

 

では次に同じ被写体を同じパラメータ(絞り、シャッタースピード、ISO感度)でAP15のモノクロモードで撮影してみます。

左:手動モードで撮影したものをPEで彩度をゼロにしたもの
中:手動モードで撮影したものをPEでGrayscaleに変換したもの
右:AP15のモノクロモードで撮影したもの

 

いかがですか。AP15のモノクロモードで撮影したものはPEで加工したものよりさらにコントラストが上がり、すっきりとしたモノクロ画像になっています。これがAP15の「鮮やかなモノクローム
」なのですね。普通鮮やかという形容詞は色情報のある対象に使うのですが、このカメラはモノクロームに対して鮮やかという形容詞を使用しています。単純に色情報を破棄しただけでなく鮮やかに感じるモノクロ画像を生成していることが分かります。

 

モードダイヤルで即座にモノクロモードが選択でき、その生成する画像は単純に色情報を破棄しただけの画像ではない鮮やかさを兼ね備えたものであるということで、モノクロモードは必要という結論に達したのでした。

 

ただ、AP15の生成するモノクロ画像は平均点すぎるかもしれません。私の好みとしてはこんな画像が欲しいなというものを作ってみました。

左:AP15のモノクロモードで撮影したもの
中:PEでコントラストを上げたもの
右:PEでさらにレベル補正をしたもの

 

私の好みとしては右のかなり硬調な画像なのですが、被写体によってはAP15の生成する画像より軟調な画像が欲しい時もあるでしょう。できればカメラ内で硬調とか軟調を選択できるといいですね。印画紙を選択するように選べればモノクロモードがもっと面白くなると思います。是非ファームウェアのアップデートで実現してほしいと思いました。

 



作例4

 

 

 



第3章 私も風景の一部だ

 

ジェネラル・イメージング・ジャパンのAGFA PHOTOのページにあるキャッチフレーズがこのレビューの章立てとなっているのですが、この「私も風景の一部だ」というキャッチフレーズ。難しいですね。

 

風景と撮影者である自分が同化し、その時に手にしているAP15でその風景を切り取るイメージなのでしょうか。このフレーズは受け取る人によっていろいろな解釈ができそうです。

 

私の中の風景それは星景です。闇夜の中に広がる銀河、静かに流れる雲、季節とともに移り変わる星座、夜に風と会話している木々、日常の生活で見過ごしがちな原風景が夜の闇の中には残っています。

 

星景写真という分野は言葉は別にして昔からあったのですが、最近は一部で脚光を浴びるようになってきました。その立役者はデジタルカメラでしょう。フィルム時代と大きく異なるのはISO感度です。フィルム時代は高感度のフィルムは入手性も悪く高価でした。比較的高感度のフィルムを限界を超えて増感現像して使用したりしていました。

 

デジタルカメラは感度も高く設定でき、その場で結果が確認できるのでこの分野への敷居はとても低くなっています。

 

このAP15も最高感度がISO3200、モノクロモードや手動モードでは最長8秒の露出が可能です。レンズのF値は若干暗めですがこれだけのスペックがあれば星景写真に挑戦しない手はありません。普段持ち歩いているデジタルカメラで手軽に星景写真が撮れたらどんなに素晴らしい事でしょう。星景写真を撮るときはデジタル一眼レフカメラと大きな三脚、ガイド装置等を抱えて出かけるのですが、撮影機材を持っていない時に限っていい場面に遭遇するというのは世の常なのです。そんなときにAP15がどの程度使えるのか試してみました。

 

第3章 1節 朋あり遠方より来る

 

今年はパンスターズ彗星、アイソン彗星と大彗星が2つもやってきます。2013年3月上旬よりパンスターズ彗星が北半球でも見える位置に上がってきました。とはいえ日没直後の西の空低く薄明が終わる前に沈んでしまうのでなかなか見つけるのは難しく、おまけに予想に反してあまり明るくならなかったので苦戦を強いられていました。

 

6日連続敗退後の7日目にようやくパンスターズ彗星と初対面を果たしました。春霞、黄砂、雪雲、薄明と戦いながら出会えた朋はとても麗しく天にも昇る気分でした。

 

撮影を終えて帰るとAP15のレビューアーの選出の報が届いていました。折しも応募したテーマは「パンスターズ彗星と星景写真」でした。この符合は凄いなと思いながらもなかなか撮影できないパンスターズ彗星をテーマにしたことを若干後悔していたのも事実です。応募するときはパンスターズの撮影がこんなに大変だとは思ってもみなかったものですから。

 

なぜこのテーマを選択したかというと、AP15のスペックを見て閃いたのです。最高感度ISO3200,最長露光時間4秒(注)が可能なカメラなら星景写真に使えそうだと。しかも大彗星の予感がするパンスターズ彗星もやってきている。時期的にも当然な選択だったわけです。


ちなみに上の写真はレビューアーに選出される前に初めて撮ったパンスターズ彗星です。この写真はデジタル一眼レフで撮影していますが、レンズの焦点距離が400mm、F5.6、感度はISO1600,露出は2秒です。カラー写真をモノクロームに変換しています。

 

スペック的にはAP15で設定できるパラメータばかりです。もちろん撮像素子の小さなAP15ではノイズがかなりのると予想されますが、こんな感じにコンパクトデジカメで撮影できたら素敵だろうなと思うのです。

 

注:応募したときはジェネラル・イメージング・ジャパンのページにはそう書いてありました、今は8秒に修正されています。

 


 

作例5

 

 

西の空低いところに見えるパンスターズ彗星を雲が邪魔しています。

 


 

第3章 2節 止まってくれ

 

パンスターズ彗星を撮影するためにはピントを無限遠に合わせる必要があります。星、太陽、月、惑星等宇宙にある対象物は距離が遠いためカメラのピントは全て無限遠に合わせて撮ります。

 

この時期パンスターズ彗星は西の空を太陽を追いかけるように沈んでいきますので夕焼けを撮影しながら空が暗くなるのを待ちます。先に掲載した作例1はその時に撮影したものです。

 

夕闇が忍び寄り空が暗くなってきて、彗星を探そうとしたときに最初の問題が起こりました。ピントが合わなくなったのです。

 

周囲がある程度暗くなるとコントラスト検出方式のコンパクトデジカメはピントが合わなくなります。そこでAP15のピントを無限遠に固定しようと思いボタンやダイヤルを探しましたがその機能はありません。メニューをたどって探していってもフォーカスをマニュアルで調整する機能や無限遠や5m程度に固定する機能は無いようです。俄かには信じがたいことですがどうもAP15にはフォーカスを固定するという機能がないのです。星景写真にとってこれは致命的ではないでしょうか。

 

ISO3200で8秒露出というスペックは真っ暗な中でも写せる機能なわけです。しかしオートフォーカスは暗闇では機能しません。高感度長時間露出を行うとピンぼけ写真を量産するしかないのでしょうか。これでは宝の持ち腐れです。何か方法がないかと試行錯誤してみました。

 

まず数十m離れたところにある高圧線の鉄塔で試してみます。夜に鉄塔の先端に赤いライトがつきますのでそれを狙ってみました。レンズの広角側や低感度では全く歯が立ちません。そこで望遠側で感度を最高のISO3200にしてみましたがやはりピントは合わず、フォーカスレンズが前後に移動した後無限遠でないどこかで止まってしまいます。

 

鉄塔の赤いライトではダメなようなので、数百m離れた高速道路のICの明かりで試してみます。やはり望遠側である程度高感度に設定して試すとピントが合ったり合わなかったりします。ある程度の明るさのある対象をうまく使えばピントを無限遠に近いところで止めることができそうです。

 


これを応用すると次のような方法で星景写真を撮ることが可能かもしれません。


1 カメラを三脚に固定する
2 雲台のネジを緩めて遠くの明るい被写体に向けてシャッターを半押しにしてピントを固定する。
3 カメラを星に向けて雲台のネジを締める。
4 シャッターを静かに押して撮影する。

 

この日は半月が出ていましたので月でピントを固定して試してみました。


何とか写っているようです。画面中央左がオリオン座。右がおうし座のヒアデス星団のVの字、その上の明るい星が木星です。

 

パンスターズ彗星は見えないままとっくに沈んでしまった時刻になっていました。仕方なく場所を山の中腹に移動して上の方法が星景写真に応用できるか試すことにしました。夜景が見える所なら夜景でピントを無限遠近くに合わせてからカメラを星に向けて撮影すれば何とかなるかもしれないと考えたからです。

 

まず夜景を撮影してみます。夜景にピントが合わなければどうしようもないのでまず試してみました。



なんとか大丈夫そうです。しかし広角側ではなかなかピントが合わず何度もシャッターを半押ししてピントが合うまで粘る必要がありました。さらにシャッター半押しのままカメラを別の方向に
向けるのは結構難しいことが分かりました。カメラを手で構えているときは何でもないのですが、カメラを三脚に固定したままの状態でカメラの向きを変えると半押し状態をキープするのが難しいのです。

 

そこでもう一工夫。セルフタイマーを使うことにしました。AP15のセルフタイマーは2秒と10秒があります。2秒はケーブルレリーズの使えないこの機種で三脚固定撮影をする時のブレ防止のためでしょう。

 

今回は夜景に向けてシャッターを切ってから星にカメラを向けるので10秒のセルフタイマーを使用しました。実際にやってみると10秒でも足りないぐらいですが、慣れればどうにかなりそうです。

 

少しは星景写真ぽくなったと思うのですがいかがでしょう。ミザールとアルコルもちゃんと写っています。北斗七星の柄杓の柄の先端から2つ目の星です。2等星のミザールと4等星のアルコルは昔視力検査に使われたという二重星です。AP15のレンズは周辺まで星がきれいに写る優秀なレンズですね。

 

ではここまでのAP15で星景写真を撮るノウハウをまとめておきます。

 


前提条件
1 遠くに夜景や街灯などピントを合わせるための光があること。
2 当然のことながら星がある程度見えること。
操作
1 カメラを三脚に固定する。(雲台は自由雲台より3軸の方が水平を出しやすい)
2 高感度(ISO800-3200)、シャッタースピード(4-8秒)にする。手動モードかモノクロモード、シャッター速度優先モード
3 セルフタイマーを10秒にセットする。
4 雲台の固定を解除して夜景等の遠くの光に向けてピントを合わせてシャッターを切る。
5 素早くカメラを星に向けて雲台を固定する。
6 何度か繰り返して満足のいくまでねばる。



写真を見てわかるとおりコンパクトデジカメの小さな撮像素子では感度を上げるとノイズが酷くなります。どの程度の感度だと許容範囲かは試してみるしかありませんし、個人の感覚にも依存しますので是非自分のパラメーターを追及してみてください。

 

しかし、フォーカスを無限遠に固定できればこんなに苦労しなくてもいろいろ遊べるのにとても残念です。夕焼け空にピントが合わないこともありますし、インターバル撮影機能もあるので雲の動きをインターバル撮影するときなどフォーカス固定は必須の機能だと思います。是非ファームウェアの改良でこの機能を付加していただきたいと願います。

 


 

作例6

  

 

第3章2節でリサイズしていたオリジナル画像です

 


 

第3章 3節 体力勝負

 

パンスターズ彗星。久々の大彗星の予報を若干裏切り思ったよりも光度が上がらない。しかも太陽が沈んだ後薄明が終わる前に沈んでしまうので西の低空が澄んだ日でないと見えないのです。AGFAを手にしてから毎日のように挑戦していたのですが、写す以前に見えた日が一日しかありませんでした。

 

一日だけパンスターズ彗星を捕らえた日は冬に逆戻りしたかのような寒い日で空も澄んでいたのでしょう、手がかじかんで動かなくなりそうになりながらカメラをセットしました。車の外気温計
は0℃を表示しています。

 

捜索用の望遠鏡、撮影用の望遠鏡、そしてAGFAをセットして薄明から暗くなるのを待っていました。AP15を三脚にセットして5分後くらいに夕焼けの試し撮りをしようとしたときです。AP15はバッテリー切れで動かなくなっていました。朝に満充電にしたばかりで1枚も撮影していないのにです。ちょっと目を疑いましたが、寒さにやられた様です。車の中にAP15を戻してしばらくすると復活しますが、外に出すとまたバッテリー切れになりました。

 

既に20回以上充放電を繰り返しているのでバッテリーのエージングは終わっていると思うのでこのバッテリーはリチウムイオン充電池にしては性能が悪いような気がします。電子回路のせいかもしれません。

 

仕方なく外部バッテリーをUSBケーブルで接続して充電しながら撮影しようと思ったのですが、どうも充電しながらでは撮影できないようです。外部バッテリーで充電しながら電源をONにすると液晶画面が白くなりランダムな縦線が表示された状態で固まってしまい何も操作ができません。

 

結局唯一のパンスターズ彗星の撮影チャンスには撮影ができませんでした。N社のカメラやC社のカメラが正常に動作しているのにちょっと残念です。

 

後日談になりますが、他の人のレビューで充電中に撮影できることを知りました。カメラに附属のUSBケーブルで室温で試したところ確かに充電しながら撮影ができました。付属のケーブルが短いので彗星の撮影時はもう少し長い手持ちのケーブルを使用したのですが、これがいけなかったのかもしれません。ケーブルの相性にはシビアなのかもしれませんが検証できていません。

 

人もカメラも寒い中の撮影は体力勝負で人の勝ちということでしょうか。

ちなみにこの時に撮影したパンスターズ彗星はこれです。AP15でも撮影したかったなあ。

 

 

第3章 4節 ツンデレもまた楽し


ついにレビュー締切になってしまいました。パンスターズ彗星はまだ撮影できていません。これは多分カメラのせいではなく、このパンスターズ彗星の撮影条件が悪すぎたのが原因です。これほど撮影の難しい彗星をテーマに選んでしまった私のミスです。申し訳ありません。

 

もうひとつのテーマである星景写真の方は少し撮影しました。撮影過程で第3章2節でご紹介した星景写真撮影方法は若干ブラッシュアップされました。それはAP15のツンデレによるものです。

 

この2枚の写真の違いはピントが合っているか否かです。木の向こう側に見える明かりはスキー場です。手前に横に並ぶ光はダム湖を渡る橋の照明です。AP15ではどちらの光にも暗すぎてピントは合いませんでした。

 

左のピンボケ写真は第3章2節で紹介した方法、すなわちスキー場の明かりでピントを合わせてから構図を変えて撮影したものです。2枚目のピントが合っている写真は1枚目の写真を撮影後構図を変えずに撮影したものです。どちらもピントの合焦マークは赤のままです。画面中央に表示される枠が緑になると合焦、赤だと合焦出来なかったことを表します。

 

そう、暗闇にレンズを向けて合焦出来なかった時と光を中央に位置させて合焦出来なかった時ではレンズの止まる位置が違うようです。暗闇に向けると合焦できないことは明白だったので今まで試してみませんでしたが、ちょっとしたアクシデントで発見しました。

 

明るいところだとツンなのに、暗闇ではデレになるツンデレカメラ、これがAP15なのです。これはこの後何度も検証したので正しいと思いますが、このカメラ個体の特徴なのかすべての製品でそうなのかは判断しかねます。何故なら明らかに不思議な挙動であるからです。

 

しかし結果的に星にピントが合う操作方法があったことでこのカメラの可能性が広がったことは確かです。これなら明かりのない山中に行っても撮影できますね。

 


作例7

  

 

 

春の宵、西の空に去っていく冬の星々です。


 

第4章 AGFAは何を目指すのか(まとめ)

 

モノクロモードについてレビューをしてきましたが、AGFA AP15を使ってみて感じたのはモノクロを通して写真文化の担い手を育てたいという心意気でした。

 

第1章でFM3Aの話を出しました。FM3AはカメラメーカーのN社のフィルムカメラでフルマニュアル操作が可能なカメラでした。オールメカで電池が無くても撮影できます。しかもかなりの高級機でプロカメラマンを目指す人の入門機としての位置づけとともにプロカメラマンのサブ機としても十分な性能を持っていました。

 

時代がデジタルに移行して行く中、このカメラの製造を最後まで残していたのはカメラメーカーの心意気だったのだと思います。ただ、採算ベースからは程遠かったのかやがてディスコンになりました。

 

AP15のモノクロモードにかけた願いはこのカメラを使って写真の面白さを見出す人が少しでも増えて欲しいということなのだろうと感じたのです。モノクロ写真はこんなに面白くて奥が深いのか、と感じてくれる人が少しでも増えてくれることが写真文化の継承にプラスに働くからです。モノクロにはそんな力があります。

 

事実、このAP15は使っていて面白いです。じゃじゃ馬だし、詰めの甘さも多々ありますが面白いの一言で許せるカメラ、それがAP15なのかもしれません。

 

ただし、面白いの一言で許せるのはモノクロの面白さを知っている人であって、これから知ってほしい人にはプラスαの魅力がないとこのカメラを選択してもらうことが難しいかもしれません。
後者の方々にこのカメラを選択してもらうためにはどうしたらいいのか。それはカメラとしての機能が少なくとも及第点にあるというのが最低限のハードルで、これはコストパフォーマンスとい
うこととそうかけ離れた概念ではないでしょう。その上で魅力あるモノクロモードを搭載する、宣伝するというのが必要だと思います。

 

このカメラのモノクロモード以外の機能はあまり使っていないのですが、とりあえずカラー写真が撮れることは分かりました。これが及第点かどうかは今回判断できるほど使い込んでいませんので言及しません。

 

モノクロモードに関しては本文中にも触れましたが、以下の点に関してファームウェアのバージョンアップ等で対応していただけるとより魅力的になると思います。

 

一、印画紙のような現像処理

 

  ・モノクロモードが吐き出す画像は少々軟調のように見受けられます。せめて印画紙の1,3,5号程度の選択肢があってもいいと思うのです。PCで後処理すればいいというのは論外でそれをするならカメラにモノクロモードを載せる意味はありません。

 

二、モノクロモードのパラメーター


  ・モノクロモードではF値、シャッタースピード、感度が操作できます。しかし、感度にAUTO設定があるのはマニュアルモード等の流用が残っていると思われますが、露出補正が操作できない状態でAUTOの感度を選択すると他のパラメーターを変更したときに感度が勝手に変わってしまい仕上がりが想像できません。モノクロモードでは感度AUTOは不要です。

 

  ・仕上がり設定を選択できないのですから、露出をアンダーにして撮りたい欲求が首をもたげることは必然だと思われます。しかしモノクロモードでは露出補正ができない、露出計もずいぶん気まぐれな値を表示する現状ではパラメーターを変えながら「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」作戦を遂行せざるを得ません。露出計の確度を上げるとともに、露出補正を有効にしてください。

 

三、 フォーカス固定

 

  ・フォーカスが固定できずAFだけというのはとても不便だし、作品を作る上ではものすごくネックになります。小さな撮像素子で決して明るくないF値なのですから被写界深度は相当に深いはずです。多少のメカ的精度不足はそれで十分補えるはずなので是非実現させてください。

 

四、 電池の強化

 

  ・低温に弱い電池は何とかならないものでしょうか。0℃で0枚、5℃で38枚しか撮れなかった時は眩暈がしました。回路側に手を付けるのはいまさら難しいでしょうから温度補償範囲の広い電池に変えるとか容量アップするとか手はないものでしょうか。何かご提案板だけるとユーザーとしては安心できると思います。

 

これらの機能をファームウェアのアップデートで順次実現させていけばAP15を購入した人もより愛着がわくだろうことは想像に難くありません。(四を除く) 次のモデルではダメです。カメラをそうそう買い替える人は少ないでしょう。手持ちのカメラをメーカーがいつまでもサポートしてくれる、それが大手カメラメーカーとの差別化になり顧客満足度に繋がるのです。是非お願いします。

 

このカメラのケースの出来の良さは尋常ではありません。一眼レフ9台を含む20数台のカメラを日替わりで取り換えながら持ち歩く私がこれは持って歩きたいと思ったのですからAP15は魅力のあるカメラだと思うのです。モノクロならAGFAという確固たる評価が定まるように末永くAGFAブランドを育てていただきたいと願ってやみません。

 

 

 

あとがき

 

AP15を持ち歩く日々はとても楽しく充実していました。ツンデレ、じゃじゃ馬カメラほど愛おしいものです。パンスターズ彗星も明の空にまわってきたことですし、この後も狙い続けてみたいと思います。それがだめなら年末のアイソン彗星で・・・・

 

皆さんも是非AP15で星景写真などいかがでしょうか。

 

とても楽しくレビューを書くことができました。ジェネラル・イメージング・ジャパン様、zigsow様に御礼申し上げます。

 

m(_ _)m \(--;オイっ 動画はどうした?

 

 

少し言い訳をさせてください。

動画は不慣れなうえにAP15ではモノクロモードの動画は撮れないみたいですね。しかもケースを付けるとマイクが完全に隠れるというほどこのカメラは動画に思い入れがないようです。

私の撮影したおざなりの動画はあるのですが、とてもお見せできるような代物ではありません。どうか動画に関しては継続課題とさせてください。動画に関しては後日改めて追記したいと思います。

 

 

動画編 追記


みちのくにも桜前線がようやく到達しました。AP15片手にお花見に行ってきました。両吊りのカメラケースを首からかけると安定していていいですね。

 

動画にはモノクロモードはなくカラー動画のみのようです。お酒が入る前にまず手前の歩道橋から全景を撮ってみました。ケースに入れたまま両腕を伸ばしてストラップをピンと張った状態で手振れを押さえようとしましたが難しいですね。


Youtubeにアップロードするとかなり圧縮されるようですね。元動画はとてもきれいに撮れていますが、YoutubeにFHDでアップロードするとこの綺麗さが失われてしまうのは残念な気がします。

 

このカメラはズームが速すぎて動画にはちょっと使い辛いです。ちょっとズームレバーを触るとギュイーンとズームされてしまい、少しだけズームするとかゆっくりズームすることは不可能です。ズームの最初はゆっくりズームして、ズームレバーを操作し続けると速くズームするというほうが使いやすいのではないかと思いました。

 

しかもズームの最中には録音している音声を抑圧しているようです。たぶんズーム中のメカノイズ(ギヤの噛む音等)をごまかすためでしょうがものすごく不自然です。これだったらメカノイズが混入した方がまだましだと思うのは私だけでしょうか。

 

動画撮影時のオートフォーカスはコンティニュアスモードだけのようです。常にピント合わせをしてくれるのですがちょっと追従が遅いですね。もう少し早く追従してくれるといいのですが。また、フォーカス固定がないのは静止画と同じなのですが、固定したい状況もあるでしょうから是非フォーカス固定モードをお願いします。

 

ズームを使わず、フォーカスもあまり変動しないとなるとこのような映像を撮るのが一番無難なような気がします。同じ構図で各サイズ撮影してみました。HDモードの60fpsが一番きれいな感じだと思いました。FHDは迫力があるのですが、このカメラは全般的に輪郭強調が強めにかかるようでぎすぎすした絵になって見ていて疲れてしまいます。個人的にはもう少しナチュラルな感じにしてくれるといいなと思いました。

 

桜 2013 FHD

桜 2013 HD 60fps

桜 2013 HD30

桜 2013 VGA

桜 2013 QVGA

 

結局AP15で動画を撮るのはズーム固定、構図固定が無難なのかなという結論です。または広角側固定でスナップのように撮影するかですね。例えば私ならこんな動画になりました。

 

コンパクトデジカメで動画を撮る時代が来てしまうなんて少し前までは想像しませんでしたが、現実になると動画の勉強もしなくてはと痛感させられます。AP15はモノクロを謳っているのだから、音声なしで24fpsのモノクロトーキーなんて面白いと思うのですがいかがでしょう。動画に関してはとりあえず機能を付けましたという感じですかね。とんがった機能が欲しかったです。

 

 

コメント (5)

  • KoSさん

    2013/03/20

    このモノクロ画像、ちょっとフィルムっぽい感じなのかな?
    カバーケースもちょっと懐かしい感じでいいですね。

    おいらも昔は「アグファゲバルド」ってなんじゃ?読みにくいよ。とか思ってましたw
    ところで、AGFA はかなり早い段階からデジタルイメージングなデバイスを出してましたよ。
    仕事で20年以上前に初めて Mac を触った時のプリンタが AGFA でしたよ。
    カッチョいいイメージスキャナとかも出してましたね。
  • frogさん

    2013/03/21

    ⇒KoSさん

    ケースは絶品ですよ(^-^)/
    私もちょっとびっくりしました。

    フィルムっぽいといえばそうかもしれません。
    まだ使い込んでないので何とも言えませんがちょっと軟調な気がします。
    イメージとしてはネオパンSSSをパンドールで標準現像して2号の印画紙に焼いた感じでしょうか(^^; なんちゃって・・・

    AGFAもいろいろやっていましたが、ブランドの切り売りが成功しなくて(←私見)紆余曲折をたどったイメージがありますね。このカメラから復活してくれると嬉しいのですが。
  • 砧順一(きぬたじゅんいち)さん

    2013/04/01

    うーん、このカメラは相当癖が強すぎる印象ですね。
    道具も使いようですがいい写真を撮ろうとすると苦労しそうなカメラな感じがしました。

    ちなみに日本限定発売なのに他言語マニュアルがある理由はご存知かと思いますが最近外国の方が日本で免税販売などで日本で売られているカメラを購入して
    外国で使用・転売することが多いのとそもそも日本にいる外国の方も使えるようにしているというのが大きいようです。

    ソフト的にもメーカー問わず日本語はもちろんのこと英語メニューなど多言語メニューが搭載されているカメラが多いのもそんな理由です。
    ただし国際保証がない限りは製品保証は日本国内でのみ有効となっていますが。

    ただこのカメラはAGFA自体はブランド貸しであって実際の製造は確か韓国LG電子がやっていた気がするのでソフトの共通化の関係もあるのかもしれません。
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