レビューメディア「ジグソー」

MSIマザー専用ベイアクセサリ

特定のマザーボード専用のオプションパーツ。ただでさえ珍しいジャンルだが、昨今のチップセット多機能化と追加チップの小型化でマザーボード本体が恐ろしく高機能になっている今、あえて専用のオプションパーツとして出されるものは少ない。

現行品の例としてはASRockのサウンド&NIC統合拡張カード「GameBlaster」なんてのがあるが、まあ取扱店も少ない。

 

追記:結局GameBlasterも入手しちゃったよ。

 

そんな「専用オプションパーツ」としてMSIが送り出したのがこのMultiConnect Panel。

5インチベイに納めるベイアクセサリという形態を持っており、対応マザーはMSIのIntel7X系チップ及びAM3+ソケットマザーの一部で、2012年12月より対応マザーを購入した時にオマケでついてくるキャンペーンも行われている。

発売時の価格は3000円。元々ベイアクセサリマニアで気になっており、MSIのB75マザーも手持ちにある。対応してるっちゃしているのだが…廉価モデル故肝心のオリジナル機能が使えない。結局手を出さずにいた。

 

そして2012年12月にクリスマスキャンペーンと称してMSIマザーに美星藍グッズがつくというステキキャンペーンが発動、そして対応モデルにはこのMulitiConnectPanelがセットでついてくる。マザー・美星藍・ベイアクセサリという3点セットには抗えず、必須ではないのにマザーを買ってしまった。

 

そこまでひっぱっておいてこのベイアクセサリ、何ができるのかって?

 

──よし判った説明しよう。

 

 

これはOC GenieII。MSIが作り出した知恵の1つ…いや、武器か。

本来は基盤上にあり辿りつけないスイッチを、フロントベイに引き出すものとして、MSIが我々に与えたものだ。

 

昔オンボードスイッチがケーブルの影に隠れた時にな。あの時は本当、まいったよ。

 

さあ、まずは接続してみるか。

見ての通り、継ぎ目すらない正方形のピンコネクタだ。一体どんな配列で接続されているのか、調べれば判るのだろうが…すまない、私には興味がないんでね。

詳しい事はまたサポートセンターにでも聞いてみるんだな。誰か知っているんじゃないかな?

 

 

…今更ネタ失礼シマシタ。

このベイサクセサリが「指定マザー専用」と銘打たれているのはこのOC GenieIIボタンをフロントに引き出す為のピンヘッダを備えているかどうかという点のみ。OC GenieII自体はいわゆる自動オーバークロックorオーバクロックプロファイルへの切り替え機能で、Z77A-GD55の方に細かい内容を掲載してある

他に「Wi-Fi&Bluetooth」「SuperCharger」の機能あるが、前者は普通のUSBWi-FiアダプタとBluetoothアダプタを内蔵し、ピンヘッダ接続しているだけ。

後者に至っては単なるフロントUSB2.0ポートでSuperCharger(USB機器の高速充電機能)についてはマザーボード側の機能を引っ張り出すだけだ。

という訳で先述の3pin専用コネクタ以外は単なるUSB2.0ピンヘッダ4ポート分。

公式の対応表にある「OC Genie II」未対応のマザー(先述のB75含む)については、実質単なるUSBWi-Fi・BluetoothユニットとUSB2.0フロントポートとして使用するだけ。なので公式サイトにも「MSI製をはじめ多くのメインボードで利用可能なUSBピンヘッダ接続」とある。

 

つまりOC Genieを無視すれば対応マザーでなくとも汎用のWi-Fi&Bluetoothユニットとして流用できる。特別感は薄れるが、ASRock Game Blasterのような純粋な専用品に比べればつぶしが利くと言う訳。

 

 

付属品はマニュアルとドライバ&ソフトウェアCDのみ。

本体は樹脂製で、シルバーの部分もクリアー樹脂カバーがのっているのであまり高級感は無く、ネジ穴も樹脂に直接切り込むタイプ。

奥行きも短いので、ツールレスケースでは固定に注意が必要だ。

 

OC Genieボタンはオン時に点灯し、動作確認が可能。ピンヘッダ側にスイッチを接続した場合、オンボードスイッチは無視されるようだ。

ちなみにPCの電源が入っている間でもオンオフ操作は可能だが、当然反映にはPCの再起動が必要なので、電源投入前にオンオフを指定しておくようなカタチになる。付属ソフトウェア側からの操作も可能だが、やはり再起動まで連動しない。

 

そのナナメ下にあるスイッチはBluetoothとWi-Fiユニットの電源スイッチ。スイッチを押す毎に両方ON→Wi-Fiのみ→Bluetoothのみ→両方オフと切り替えが可能。もちろん横のランプが点灯・消灯して電源供給状況を確認できるし、PC起動中のオンオフ操作もOKなので、ノートパソコン用のそれに近い使用感になる。

それぞれのスペックは「Bluetooth3.0+HS準拠、2.400-2.4835GHz、最大3Mbps」「IEEE 802.11b/g/n(150Mbps)対応」と十分。BluetoothはMotorola、Wi-FiはRalinkのドライバが使用される。

USBポートは何度も言うように単なるUSBポートだ。

 

 

制御ソフトでは先述のOC Genie切り替えに加えて、SuperChargerのモニタリング、Wi-FiとBluetoothの設定が一括で確認できるようになっているが、それぞれの機能を一括で操作できるというだけで、ドライバ類は別途インストールが必要だし、このソフトをいれなくても動作はする。

 

 

本体は樹脂製。フロントのシルバー部分も透明プラカバーがついていてお世辞にも高級感を感じられる作りではないのが惜しいところだが、MSIのロゴがフロントにあるだけでも何か「MSI入ってるぞ!」って気分になれる。

ましてや今回使用しているケースはMSI仕様だ。まあフロントドアを閉めるとこのベイアクセサリも見えなくなるのだが。尚、ドアを閉めた状態でもWi-FiとBluetoothは問題なく使用可能だった。

 

 実用性に関して言えば、Z77A-GD55との組み合わせではなかなか面白い。OCGenie機能自体が定格とオーバークロックのプロファイルをワンタッチで切り替える用途に適したものなので、起動前にサイドパネルをあけてオンボードスイッチを操作したり、UEFI画面に行かずともそれを事前に切り替えられるというのは意外と遊べる。

 

今日は重いゲームをやるからOC状態にしようとか、今日は軽いゲームしかしないから通常プロファイルで行こうみたいな使い方が可能だ。

 

BluetoothとWi-Fiもマザーボードの機能をちょうど補完する形になり、フロントパネルでの電源オンオフ機能もまるでメーカー製ノートPCのようでうれしい。

しかし何で「Z77A-GD55との組み合わせ」と前置きしたかというと、まずOC Genieピンヘッダを持たないと一番目立つOC Genieが使えなくなる点、そしてそのピンヘッダを備えたモデルは比較的上位モデルが多く、BluetoothとWi-Fiを既にオンボード搭載しているモデルもあるのだ(Z77 Mpower等)。

5インチベイ内蔵型のBluetoothとWi-Fiというのは珍しい存在で、独自機能のOC Geineスイッチも雰囲気を盛り上げる。しかしマザー側との機能重複や、OC Geineピンヘッダの有無を考えると、これを100%生かせる構成というのは結局のところ少ないだろう。

 

…ああ、だから専用オプションなのね!

  • 購入金額

    0円

  • 購入日

    2012年12月15日

  • 購入場所

    FreeT

コメント (3)

  • Vossさん

    2013/01/13

    他社マザーで使うときは、電源Swに出来そうですね。
    それにしても、これ3000円は高いか安いか悩む価格設定だなあ。

    この手の専用ベイアクセサリというと、ABITやASUSが過去に出してたけども、見事に転けてた記憶がある。
    Freewayに至っては、標準付属ってのもありましたな。
    出してすぐ会社㌧だけど。
  • mickeyさん

    2013/01/13

    Z77 Mpowerを購入する際に欲しいかもと
    思ったのですが、内容を拝見して納得しました(^^)
  • 下小川さん

    2013/01/13

    私もコレ電源スイッチにならないかと思ったんですが、コレONならONで引っ込んだままになるスイッチなんで、電源ボタン押しっぱなし状態になってしまうかも。

    もしファンコン機能とか追加でついていたりしたら単品買いでも文句なしにお得なんですが、現状はマザーについてくるオマケとしての扱いが店頭でも強そうです。
    やはり専用アクセサリってのは商業的に難しいんでしょうかね。


    >MPower
    そうなんですよ、Wi-FiとBluetoothが既に搭載されてるんで、コレを付ける意味がOCボタンだけになっちゃうんですよね。
    実は私がZ77A-GD55に抑えたのも、このマルチパネルがオマケで付くんだったら実用機能面ではGD55でも遜色ないな→あえてランクダウンという流れだったので…

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