GIGABYTE GA-Z77MX-D3H は、Intel の7シリーズチップセットの最強Z77を搭載した Micro-ATXの中ではグレードの高いマザーボードです。
レビューのお品書きは次の通りです。
・どんなマザーボードなの?
・UltraDurable 4 "Classic"ってなに?
・3D BIOSってなに?
・Virtu MVP?それっておいしい?
・計測してみよう!
・このマザーボードは買いか?
今回のテーマは、「古いGPUをMVPでどれくらい改善できるか?」ってことで、
3世代前のミドルの下の HD4670を使用してみます。
このカードは消費電力75W以下のため補助電源コネクタが不要ということで、昨年末までメインで使用していましたが、6770投入により引退していました。
Samsung SSD 830 128GBになる予定でしたが、調達がぎりぎり間に合いませんでしたので、
先日構築したH61マシンを一度解体して電源, SSDを流用しています。
・CPU
今回は3rd CoreアーキテクチャのCPUがレビュー上必須ですので、今回 i5-3550を用意しました。
この石は店員さん曰く、あまり出ないとのこと。入荷日が4/29でしたので間違いないでしょう。
普通なら 3570Kとの値段差を考えても 3570Kにいきますもの。
・メモリ
PC-1333 4x4
・GPU
今回の影の主役 玄人志向の HD4670 512GBです。
・SSD
OCZ Agility3 2.5inch SSD 60GB AGT3-25SAT3-60G
・電源
ANTEC NewPOWER 550
さぁレビュー開始です。
GA-Z77X-D3Hは
・Z77チップセット搭載のLGA1155 Micro-ATXマザー
・UltraDurable 4 Classic 対応
・UEFIになった3D BIOS搭載
・LucidLogix ViRTU MVPサポート
・充電機能付USBポート(供給電流が1.5A)
といった特徴のマザーボードです。
次はマザーボード本体を見ながら機能をざっと解説していきます。
青いヒートシンクが最近のGIGABYTEの定番になりました。
このマザーボードですが、搭載しているZ77 Expressチップセットの特徴である2つの機能が備わっています。
・Intel Smart Connect Technology
→ スタンバイモード中に 定期的に復帰してメール、Updateなどのチェックを行う
・Intel Rapid Start Technology
→ ハイバネーション領域に使って、休止状態から高速復帰する
に活用することができるようです。
次にIOパネルです。
・PS/2 コンポジット
PS/2キーボード・マウスを使うことができるポートです。
・アナログRGB(HD15), DVI, HDMI
今時の構成と言えますが、ATXの上位モデル UD5Hにあった Display Portはありません。
2013年から2015年にかけて 著作権保護と消費電力削減のため、HD15, DVIが廃止されていきますので、この構成もメインストリームのマザーボードでは、Z77世代で終わりになる可能性があります。
今後 MicroATXでも、Display Portが1ポート用意されるでしょうが、3出力以上にするには、
HDMIが2個なのか、DPが2個なのか、興味があるところですね。
・USB2.0 (黒) x6
USB2.0/1.1ポートです。電力供給能力はUSB2.0/1.1の500mAより3倍の1.5Aに強化され充電時間を短縮してくれます。
供給能力は 電源ユニットの+5VSB(+5V standby voltage)の電流量の制約を受けますが、
通常 2.5A ないし 3.5Aですので、いくつものポートでフル充電することはできないはずです。
・ USB3.0 SuperSpeed (青) x2
PCH直結のUSB3.0ポートです
・GbE (RJ45)
Atheros GbE チップですね。
・HD Audioの音声 5ジャック+SPDIF光出力
VIA VT2021コーデックを使用してます。
(マザーボード電源)
ATX 24ピンコネクタ+ATX12V 4ピン仕様です。
スロット数が少ないため 8ピン仕様ではないようですね。
6フェーズ電源のようですが、半分だけヒートシンクつきですね。
・FAUDIO
フロントオーディオ端子(HDAUDIO)です。配置がIOパネルのそばのためケースによっては届かない可能性がありますので注意しましょう。
この配置は、オーディオコーデックに近い位置にするためであり、ノイズの多い基板上を引きづり回すよりノイズが減少する可能性があります。(ノイズ未検証)
・USB3.0ピンヘッダ x1
PCHへ接続されています
・SATA3.0 (白PCH接続 x2)
PCH接続で RAID0/1を構成できます。
・SATA2.0 (黒PCH接続 x4)
RAID0/1/5/10を構成できます。
・USB2.0 (青) x2
PCHへ接続されています。
・PCI Express スロット (x16 x1, x8スロットx1, x4スロットx1, x1スロットx1 )
SandyBridgeやIvyBridgeでは、グラフィックス用のPCI-Eバスについては、CPUから伸びるので、CPUによってGen3/Gen2と仕様が変わります。
また、PCIe x4スロット(物理的にはx16)はIvy Bridgeでのみ機能し、SandyBridgeでは使用できません。
付属品ですが、
SATA 6.0Gケーブル x2, 3.0Gケーブルx2
SLIケーブル x1
バックパネル
日本語マニュアル
マルチリンガルインストールガイド
となってます。
Ultra Durable 4 というのは、GIGABYTE マザーボードの耐久性・安定性を高めるために採用されている防熱、防湿、防静電、某電断という4つの技術の総称ですが、"Classic" って何が違うんでしょうか?
それは2オンス銅箔層PCBを採用していないこと。
ということは、従来品と同じ4層基板のうち電源層、グラウンド層に1平方フィートあたり1オンスとなる厚さ35μmの銅箔を使用しているわけで、2オンスのものに比べると電力効率・熱拡散・ノイズ対策の面でOC向きとは言えないのでしょうが、定格で運転するのであればよい選択だと思います。
4つの技術については、先だって行った 板祭リターンズ2 GA-Z77X-UD5Hの内容をご覧ください。
GIGABYTEが採用している 3D BIOSは、UEFIのユーザーインターフェイスとして、
簡単な設定は 3D mode、詳細は従来型に近い Advanced mode を持ったもので、
7シリーズのチップセット搭載マザーボードより広く採用しました。
Windows7で使ううえで、デフォルト値と変更すべき設定としては、
・仮想環境、またはXPModeを使うなら Intel VT を有効にしよう
ぐらいです。
それ以外のOSで
・AHCI がデフォルトモードになってますので、非サポートOSではIDEに戻す
また今回メモリが DDR3-1333 でしたので自動でOKですが、
1600以上については、X.M.P Profile にしないとせっかくのメモリが 1333どまりとなります。
UEFIのキャプチャは、FAT16/32でフォーマットされたUSBメモリを挿しておけば、F12で可能です。
3D mode では、ちょっとだけデフォルメしたマザーボードが表示されているのは、GA-Z77X-UD5Hなどと同じですが、MicroATX表示になってます。
パーツブロックごとに設定できる内容の概要から、クリックすれば機能が呼び出されるメニューランチャーみたいになっています。
たとえばIOパネルでは、左クリックをするとバックパネル、USBの設定が可能です。
ここで、ちょっとした間違いを一個発見しました。
レイテンシUSBって何?! 説明には レガシーUSBと正しい。
じゃぁEnglishに切り替え
Lagacy を Latencyと読み間違えたのね…GA-Z77X-UD5Hもひょっとするかも?
また、下のアイコンはそれぞれの機能を呼び出しますが、Advancedに移行すると従来風のUIになります。
手動オーバークロックをする際に気になる M.I.T. ですが、
TB時の電力設定と、CPUコアの電流制限値があり、OCしていくと、77W/112Aを超える可能性があります。
現在の設定が自動ですが、CPUに対して AUTOなのか、現在の設定に合わせて変わるのかは、
今回使用している石がKなしの i5-3550で確認はできません。
時間があるときに、GA-Z77X-UD5Hで確認してみようと思います。
出荷時のBIOSバージョンはF11でしたが、2012/05/30 F12が出ています。
変更内容ですが、
Improve CPU stability
となっています。煙に巻いた表現で適用すべきか困りますね。
Virtu Universal MVP はLucidLogix により開発されている、GPU仮想化技術でなんですが、
従来の Virtuのi-mode, d-modeだけでなく、2つの機能が追加されています。
・Virtual Vsync
ディスプレイに転送している最中に描画が行われると、テアリングと呼ばれる不具合がおきます。
これを防ぐためには、Vsync(垂直帰線期間)の間に描画することですが、
そうすると実際のFPS値はディスプレイのリフレッシュレート以上にはならなくなります。
Virtual Vsyncは、テアリングを防ぎつつFPS値を上げる仕組みです。
・HyperFomance
内蔵GPUと単体GPUを結合してパフォーマンスを向上させる仕組みですが、
今のところ、どのアプリでも大丈夫ってことではないようです。
使い方は簡単で、インストールしたあと、Virtu MVP Control Panel で
GPU仮想化のOn/Offはメインタブから
全体でのHyperFormance/Virtual Vsyncを変えるにはPerformanceタブから
アプリごとに切り替えるには、Applicationタブから
追加する場合には、Addボタンを押して、プログラムパスを選択してください。
設定を変えてもプログラム起動時にしか反映されませんので、注意してください。
今回使用した Lucid Virtu MVP は 2.1.113.22337 です。
CPU-Zでのスクリーンショットです。
1.Windows エクスペリエンスインデックス
【HD2500】
グラフィックスが5.1、ゲーム用グラフィックスが6.3と
HD4000のi7-3770K の 6.6 に比べると少し見劣りしますね。
【Radeon HD4670】
2.3DMark Vantage
【HD2500】
【Radeon HD4670】
【Lucid MVP i-mode HD2500+HD4670】
起動せず
【Lucid MVP d-mode HD2500+HD4670】
起動せず
3.タイムリープぶーとべんち
タイプリープは MVPが効きませんので単体で実行します。
【HD2500】
GTX560の1/10ですね…
【Radeon HD4670】
HD2500の倍ちょっとですね。
HD2500も結構善戦してるのですが、この世代のベンチでも厳しいようです。
4.ファンタシースター オンライン 2 ベンチマーク
3DMARK VANTAGEがMVPで動作しなかったので、PSO2を追加しました。
比較のために Pentium G630T (HD Graphics) + H61を追加しています。
実質HD2000と思われる G630Tですが、HD2500は2倍近く伸びてますね。
で、MVP の i-mode, d-mode を試したのですが、あしを引っ張られてるだけで効いていない感じですね。
HD2500がまずいのか、それともHD4670がまずいのか…はっきりはしていません。
785Gマザー以来の GIGABYTE の MicroATXを使ってみました。
先にレビューしたGA-Z77X-UD5Hでは、OC向け機能が充実した構成でしたが、
Z77MX-D3Hは、Intelマザーよりは用意されてるものの、ハード的には至って安定志向です。
お勧めポイント
・耐久性重視の設計
・UEFI BIOS搭載
・Dual BIOSで安心
・USB3.0がPCHのみで安心(コレ意外に重要ですよ。)
安くなったSSDと、3770S/3550などを使うユーザーには耐久性ありという部分を含めておすすめ。
OCユーザーには、これを選ぶより GA-Z77X-UD5Hの方をお勧めします。
また、ハマりポイントは今のところありません。
初心者では フロントオーディオ端子周りの配置に気を付ければ、インストールもしやすくよいでしょう。
私的には○のマザーですね。
Quick Sync Videoを使いけど単体GPUの性能が欲しいユーザーにはVirtuはポイントになりますね。
QSVについては、LoiLo Scope2のレビューに選ばれましたので、そちらで記載したいと思います。
今後レビューを追記する予定としては、
・ISCTに関して触れるかも
・消費電力を測るかも
・GPUを6770で試すかも
といったところです。
最後になりましたが、zigsow運営事務局、日本ギガバイト株式会社様、CFD販売株式会社様、他関係者の方々に板祭リターンズVol.03レビューの機会をいただけたこと、ここまで読んでいただいたメンバーの方々、そしてすべての読者に感謝して締めたいと思います。
ありがとうございました。
メインマシン用マザーボードに昇格しました (2012/09/01)
Z77 Extreme6 が不調によりメーカー修理となったため、急遽 このマザーをメイン用に昇格させました。
久しぶりの AtherosのオンボードNICでしたが、今のところ不具合もなく正常に使用できております。
注意点としては、
- PCIe x16 の1本目に 2スロット使用のGPUを挿すと、PCIe x1 が挿せなくなります。
- PCIスロットはありませんので、そういうリプレースには向きません。
それ以外には困ることはなく、とっても素性が良いマザーボードです。
Windows7 エクスペリエンスインデックス
HD7770に換装したタイムリープぶーとべんちの結果です。
HD2500の10倍、HD4670の4倍弱です。
今度試しに HD7770を使ったCrossFireをやって、PSO2, BF3で性能向上を確かめてみたいですね。
BIOS Update (F12→F15)
Enhanced SLI capability となっていますが、SLI環境がないのでとりあえずアップデートしておきます。
次のF16では いよいよ Secure Boot Option が登場するようですね。
BIOS Update (F15→F17a)
BETA BIOSですが、F16d が2012/11/21、F17a が 2013/12/13にリリースされています。
少なくとも F17a には BIOS Features
Fast Boot
Disable
Enable
Ultra Fast
OS Type
Other OS
Windows 8
Windows 8 WHQL
が選択できるようになっています。
FastBoot は Windows8/8.1 がUEFI インストールされていることが条件ですので、ご注意を。
そうでなければ、要再インストール、もしくは もう配布されていないのですが、Paragon Migrate to UEFI を使うなり、対応しているディスク移行ソフトを使うなりする必要があります。
harmankardonさん
2012/06/13
この板も,Vurtu MVPがダメだったんですね.
はにゃさん
2012/06/13
ありがとうございます。
この板もってことは、他にもダメな板があったんですか?
UD5Hは動いてましたけども。
bibirikotetuさん
2012/06/14
Vurtu MVPは相変わらず癖が強いみたいですね~
BIOSの日本語化での違いにはびっくり(笑)
harmankardonさん
2012/06/14
私のUD5Hは,i-modeが動作しませんでした.
d-modeも動作はしていますが,ON/OFF出来ない状態です.
はにゃさん
2012/06/14
ありがとうございます。
何か Virtu MVPにはありそうですね。
Z77マザー全体か、それともGPUをコントロールしきれないだけなのか。
ところで、MVPってWindows8で動作するんでしょうかね?
はにゃさん
2012/06/14
Virtu MVP、Z77の問題なんでしょうかね。
そういえば、UD5Hのレビューでd-modeはちゃんと動いてましたが、
i-modeを試してないですね。