93年にアーケードで稼働した初代「リッジレーサー」は翌年稼働した「デイトナUSA」ともども初期3Dレースゲームの名作としてヒットし、94年には初代プレイステーションのローンチタイトルとして発売され、こちらも大ヒット。以後ローンチタイトルとしてPS2「リッジレーサーV」、PSP「リッジレーサーズ」、XBOX360「リッジレーサー6」PS3「リッジレーサー7」3DS「リッジレーサー3D」と新ハードが登場するたびにリリースされることになり、それぞれハードのスペックを引き出したタイトルになっておりある意味新ハードのベンチマークも兼ねていたシリーズでもあります。
本作もPSV発表直後にリリースが発表され、PSVのローンチタイトルにふさわしい出来を期待していたのですが、発売直前になって
「製品版と思われるROMなのにコースが3つ、車種も4車種しか入っていない」
という情報が流れ、嫌な予感がしてきたのですが…
初期リリース版は”有償体験版”。リッジレーサーパスが優待販売されたものの、あまりにボリュームが少なすぎる。
実際の製品版も上記の仕様通り
コースは3つ(しかもXB360版「6」、PS3版「7」の流用)
車種は4台のみ。しかも性能差はなし
とあんまりな仕様でリリースされました。追加車種・コースは有償DLCとしてリリース。ただし早期購入ユーザーは全コース・追加車種(後述のアイドルマスター関連、デイトナUSAコラボ車種は除く)をダウンロードできる「リッジレーサーパス」が優待販売されたためこれを使えばのちのアップデートで追加された”Crinale""Arcangel"も含めると車種は15台に増え、コースも(やはり6、7の使いまわしですが)全9コースに増えますが…
さらにPSP版リッジレーサーズは同じくローンチタイトルではあったものの、フレームレート60fpsを実現してなめらかな動きを実現していましたが本作は30fpsまで低下しており、さらに言えば初期リリース時は処理落ちがひどくフレームレートも安定しないありさま。正直”ローンチに無理やり間に合わせた””有償体験版”といわれても仕方ない出来だったと思います。
車種性能も正直車のモデリングが違うだけで後述のHORNET以外は特に車種性能差はなし。コースも「6」「7」の使いまわしで本作のための新コース話。どうせ使いまわすならリッジ1のシーサイド・ルート・765やレイブレーサーのダウンタウン・レイブシティも収録してくれればうれしかったのですが結局追加されないまま終わりました。
過去作のクリエイターが集い新規作成されたBGMや無償DLCで追加されていった過去シリーズのBGMは素晴らしく、レースに勝利したポイントで車を強化できる「強化ユニット」システムや携帯ゲーム機版リッジでは初めて実装された通信対戦システムなど、評価できる点もあり、さらにDLC配信後半には前述したとおり同時期に業務用・コンシューマでリリースされた競合相手「デイトナUSA」とのコラボでプレイヤーカー「HORNET」が新規追加!!モデリングはModel2版のものを踏襲(ただしデータ流用ではなく本作のために作り直しているとのこと)、車種性能も原作の挙動とは大幅に異なるもののほかの車種と違う味付けの挙動となっており、さらに本作のためにSEGAの光吉猛修さんがボーカルをとった「Ridge Racer」のアレンジ版も収録されるなど、ここら辺に関しては評価してもいい点だと思います。
実際アップデートでフレームレートが安定し、すべてのDLCがそろった今では「そこまでつまらない」作品ではないのですが、売り方的にあまりにも問題がありすぎたので…
以前のシリーズから比べるとやっぱり「劣化」しているのは間違いないと思います。
今買うなら「リッジレーサーパス」が無料でついてくるベスト盤を。中古はお勧めしません。体験版だから。
初期リリース版はあんまりでしたが、現在リリースされているBest版に関しては「リッジレーサーパス」が無料でバンドルされているので今買うのであれば当然こちらを強くお勧めします。中古で購入してしまうと前述のとおりコース3つ+車種5台(Crinare、Arcangel含む)という体験版な出来で車種、コースをそろえるには3024円する「リッジレーサーパス」の購入が必須になってしまいます。
今のベスト版リッジがある意味ちゃんとした製品版「リッジレーサー」というのはなんというか皮肉な話…
アイマスDLC(BGM、痛車仕様の車データ)、デイトナDLCはお好みで買えばいいと思います。とりあえずリッジレーサーパスは必須。
ただ正直本作を買うのならPSStoreで販売されており、PSVでもプレイ可能な「リッジレーサーズ2」を購入したほうが幸せになれると思います。こちらは今プレイしても楽しめる名作ですので…
なおこれ以降さみしいことにリッジシリーズは海外のみでリリースされた「Unbounded」とiOS/Android向け「SlipStream」以降リリースされておらず、PS4、XB Oneのローンチにその名前が挙がっていないという寂しい展開になっているのは残念な限りです…
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購入金額
3,130円
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購入日
2012年01月01日
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購入場所
Amazon.co.jp
パッチコさん
2014/11/30
今のベストはパスもついてるんですね。
VITA=小出しで追加料金 という悪い流れを作った作品になってしまいましたね。
クドフィリアやってるガジェ獣かのあゆさん
2014/11/30
うちは発売1か月後に買ったんですが初期リリースの処理落ちのひどさとボリュームの少なさで本当うんざりしたのでお気持ち察しますです…
まぁ前評判からひどいのはわかってたんですけど、やっぱりリッジですからねこれでも…
DLCは本来”買えばもっと楽しめる”というもので”買わないと製品として成立しない”本作はそういう意味で商品失格だと思いますね。