ミンバリ連邦と地球同盟との戦争から10年―――
バビロン・プロジェクトが、ようやく現実のものとなった。
その目的は、戦争を無くし、人間と異星人がお互いの違いを理解しあえる平和な場所を築く事だった。
ここは、故郷から遠く離れた寄港地。
外交官、詐欺師、企業家、そして放浪者―――
様々な人類と異星人が共に暮らす、250万トンの物体が宙に浮かぶ。
あたりは宇宙の闇。
危険をはらんではいるが、ここに築く平和こそ、人類最後の願いなのだ。
これは、最後のバビロン・ステーションの物語である。
時に、地球暦2258年。
その基地の名は、BABYLON-5。
宇宙基地バビロン5の完成から約一年。
相変わらず銀河系は不安定要素を含んだまま、辛うじて平和を保つ状態が続いていた。
コッシュ暗殺未遂事件の余波による、副司令官とコマーシャルテレパスの更迭劇、医療主任の
唐突な交代など、基地内部にも様々な変化が齎され、混乱は内外に波及しつつあった。
そんな中、セントーリ共和国の農業植民惑星ラギッシュ3が、正体不明の艦隊に攻撃される。
セントーリとナーンの対立、超能力者集団サイコープスの暗躍、地球同盟政府を脅かし始めた
陰謀―――バビロン5を中心に、銀河に動乱の兆しが見え始める。
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二度のヒューゴー賞映像部門を授賞、米国にて大人気を博した傑作TV-SFシリーズです。
本作品は1990年代前半という、CGアニメーションの過渡期に登場。
低予算でも迫力ある映像を、ということで「模型による特殊撮影」が常識であったSFの世界に『全てのメカとセットの一部をCGアニメーションで再現する』という思い切った手法を持ち込みました。
要するに、セットの制作費用すらまともに出ないほど低予算であったということですが、模型では再現できない派手な映像を作り出し、昨今のハリウッドに見られる「CGを多用したVFX」のパイオニアとして、今も高く評価されています。
また、そのドラマ性も高く評価されており、最初は単なる勧善懲悪物のように見せておきながら、シーズン中盤より「誰も見かけ通りではない」という劇中の台詞通り、誰もが単なる善悪で図れない、その政治的立場から「自分の思惑とかけ離れた方向へと、事態が推移してしまうもどかしさ」や、文化的相違から生まれる悲劇的結末等、良くも悪くも「一筋縄で行かない」状況が語られていきます。
そして、シーズン終盤でやってくる「予兆」。
正直言って、このシーズン1は「本当に予兆」だけというか、複線を巻いていくだけで終わっているため、初見だと「?」なオチ、「?」な展開ばかりなのですが、次シーズン以降に少しづつ「すべて複線が繋がり始める」あたりは、思わず「よくぞこのタイミングで!」と驚かされることもしばしば。
最初は流し見して、複線回収が始まる次シーンを見た後、もう一度見直すと、ものすごい数のさりげない複線が張られているのが判ります。
現在、3巻づつの廉価版も販売されており、そちらなら上下併せて5500円くらいで手に入ります(たまに再販しています)ので、ちょいと騙されたつもりで、シーズン2まで見てみるといいかもしれません。
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購入金額
15,750円
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購入日
2007年頃
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購入場所
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