執務室から出てくるや否や、キラに上級士官の全員招集を命じた。
「諸君も知っていると思うが、現在宇宙艦トゥカンブラが停泊中だ。」
突然の招集に怪訝そうな顔を揃えるメインクルーたちを前に、士官室に入るや否や、一拍置いてシスコが言う。
「だが、これは知るまい。彼らの艦長は自らのクルーを・・・・・・クルーは全員、ヴァルカン人なんだが、艦隊一だと思ってる。」
シスコは、全員の顔を睥睨しつつ続ける。
「だが、私はここにいる君たちこそ、この宇宙域一優秀だと思っている。」
「ここには異議を唱える者はいないわ。」
破顔しつつ、返すエズリ。
「だが、証拠はない。そこで、先程私はソロック艦長からの挑戦を受け、勇気やチームワークを―――彼らと競うことにした。」
それを聞いたウォーフは、しかめっ面のまま戦意を露わにした。
「ブチのめします。」
「その言葉を待っていたよ。」
ウォーフの言葉に笑顔で返すシスコ。
「それで、『敵との決戦』はいつなんですか?」
背もたれに身体を預けながら、ベシアが質問する。
「二週間後、ホロスイート5で。」
「何で競うんです?」
とキラ。
その顔には『司令官、また何を始めようって言うんですか』という、懸念がありありと浮かんでいる。
しかし、そんなキラの態度をよそに、シスコは『その質問を待っていたんだ』と言わんばかりの笑みを返し―――
後ろ手に握っていた「それ」を、手慣れた動作でひょいと放り投げ、キャッチ。
全員が囲む円卓の上に「それ」を置きつつ、言った。
「 野 球 だ !」
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七年に渡るDS9も、ついにこのシーズンが最後。
ドミニオンと連邦、預言者とパー・レイス、双方の最終決着が事実上の10話連続エピソードで展開します。
つまり、全ての結末がこのシーズンに集中する・・・・わけですが、この期に及んでもなお、上記のようなエピソードを突っ込んで来ることが出来るこの余裕(笑)
もはや、何も言うことはありますまい。
なお、この「DS9メインキャストVSヴァルカン人」の野球対決以外にも、ホロスイート(ホログラムによる仮想現実空間のこと)をネタに「20世紀初頭のラスベガスで、DS9メンバーがギャングのカネを盗み出すべく奔走する」という、なにそのオーシャンズ11?・・・みたいなエピソードも。
最終シーズンでこういうネタを突っ込めるあたりが、この作品の懐の深さと言えるでしょう。
個人的にも、この二本は最高に好きなエピソードです。
ホントは、本筋の方も色々書きたいところなのですが、あまり致命的なネタバレは書きたくないので・・・・
ちなみに、2011年10月より、CSの「Super! DramaTV」にて、久々の全話ルート放送が開始されます。
DVD持っていない人でも、DS9を全部見ることが出来る久々のチャンスですよ。
放送は10/8より、28時ってことは・・・・午前四時ですな(汗)
以降、毎日28時放送とのことなので、時間が時間だけに「録画して週末一気見」がお勧め。
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購入金額
18,690円
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購入日
2011年07月29日
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購入場所
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