レビューメディア「ジグソー」

クリンゴン暴走

キラとシスコは、DS9の通路にいた。
二人の手には、しっかりとフェイザーが握られ、お互いに援護しながら警戒しつつ通路を進む。
そのフェイザーも、普段持っている護身用の小型フェイザーではなく、戦闘用のライフルタイプ。

基地内に侵入したシェイプ・シフター、流動体生物を捜索しているのだ。
侵入者は、その姿を何にでも化けることが出来る。
他人に成りすますだけでなく、鳥や犬、花瓶や鞄、壁や天井にへばりついて同化することも。

フェイザー・ライフルは、そうした流動体生物を狩るために改造されていた。
たとえ何に化けていても、扇状に拡散するフェイザービームを浴びせれば、物理的な打撃は一切効かない流動体生物とてダメージは受けるというわけだ。

二人は部屋のドアを開けるや否や、部屋全体に拡散フェイザーを浴びせる。
反応はない。ここにヤツはいないようだ。

「こちらオブライエン、レベル17は流動体生物の反応無し」

他の部屋を捜索していたオブライエンから通信が入る。
客室の捜索を終えたら、次のフロアへ行くよう指示しつつ、対面の部屋の捜索にかかるシスコ。

しかし、扉を開けて飛び込んだその瞬間、椅子がいきなり鳥に化けて部屋の外へと飛び出していった。

「いたぞ!プロムナードへ向かった!」

シスコの通信を聞きつけ、プロムナードへと集まってくる保安部員たち。
そこで待ち構えるドクター・ベシアは、保安部員を配置に就かせると、プロムナード全体を低出力フェイザーでスキャンするよう命じる。

案内板の横に身を潜め、スキャンのカウントダウンを始めるベシア。
しかし、そのカウントが終わる前に、彼の左肩に突如として手が伸びてきた。
侵入者である流動体生物―――の役を務めた保安主任のオドーは、彼が身を隠した案内板そのものに化けていたのだ。

ため息と共に、ライフルを降ろすベシア。
それを見たオブライエンは「捕まえたぞ」とライフルを突きつけたが、これが実戦ならドクター・ベシアはこの時点で「二階級特進確定」だ。

たった一人の流動体生物を捜索するのに、かかった時間は207分。
実際に三時間以上も彼らをのさばらせておいたら、基地はとっくに破壊工作なりで致命的な状況だ。
訓練結果から、保安体制を見直すよう指示するシスコ。

度重なるドミニオンの攻撃に対抗するため、DS9の軍事基地化は着々と進行しつつある。
最も、どれだけの手を打ったとしても、被害の拡大をどれだけ防げるかは未知数だが。


訓練の後、久々にシスコは恋人未満のキャシディ・イェーツとの食事に臨む。
今日こそは、とプレゼントに豪華な夕食を用意し、二人で乾杯と洒落込んでいたそのとき、部屋の中に通信アラームが鳴った。

「すぐ司令室に来て下さい」
毎度の事ながら、このアラームというやつは最悪のタイミングで鳴る。

めかし込んだ私服のまま、司令室にやってきたシスコ。
そこで目にしたのは、同盟国・クリンゴン帝国の最新鋭艦、ネグバー級の大型戦艦ネバールだった。


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ドミニオンの圧倒的な武力と、アルファ宇宙域に広がる「流動体生物の脅威」は、ついにクリンゴン帝国をも動かすことになります。

カーデシアの政変とドミニオン侵攻に端を発する一連の騒動は、アルファ宇宙域のニトログリセリンであるクリンゴンの注意を引かないわけが無く、カーデシア国境地帯にも近いDS9も混乱の渦中へと巻き込まれてしまいました。

そんなクリンゴンの真意を探るため、シスコはとある人物をDS9へ招集することになります。
ネタバレですが、前作「ネクスト・ジェネレーション」を見ていた人ならピンとくる人物です。
彼は、新しいDS9の司令部メンバーとなります。


この第四シーズンは、DS9においてひとつのターニングポイントとなっています。
ドミニオンとの戦争が本格化し、カーデシアはオブシディアン・オーダーの壊滅と革命の勃発から列強より脱落、クリンゴンは一世紀ぶりに連邦と対立することになり、アルファ宇宙域は歴史上始まって以来の大混乱状態に陥ります。

惑星連邦史上、最悪の時代と言われたこのドミニオン戦争。
DS9も今までのような「ガラクタに手入れしただけの骨董品」で居られるわけもなく、艦隊司令部よりようやく許可を得たオブライエンは、DS9の本格的な「改修」を始めることに。
その成果は第二話でいきなり登場しますが、初見のときは思わず度肝を抜かれました。

また、このシーズンの第三話「父と子」は必見のエピソードです。
DS9全話の中で一番と評する人も多く、ヒューゴー賞映像部門にもノミネートされました。
人の親なら、絶対泣くとはとっぷりん氏の弁。

・・・・まあ、私も好きな話ですけど、個人的なマイベストは次シーズンの「伝説の時空へ」ですな。

あと、ちょっとした変化として、このシーズンからOPタイトルがちょっとだけ改変されています。
一回もこのシリーズを見たことがない人は、見ないでおくことを推奨。
実は、このレビューを書くにあたって、今のところシーズン1第一話最大のネタをばらさないように書いているのですが、このOP見たら即座にバレますので・・・・。



あと、キャストのとこでもネタバレするので、シーズン4見たことないなら見ない方がいいです。
  • 購入金額

    18,690円

  • 購入日

    2011年07月29日

  • 購入場所

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