レビューメディア「ジグソー」

英雄の帰還

連邦の駐留以降も、独立戦争からの混乱に揺れ続けるベイジョー。
臨時政府の統制能力は既に限界に達しており、いつ内戦が起きてもおかしくない状況が一年以上も続いていた。
一年前の惑星連邦の駐留と、「天空の神殿」の発見により、状況は多少はマシになりつつあったが、独立運動の余波から国粋主義者「サークル」が台頭、再び混迷の度合いは増しつつあった。

そんな中、クワークのバーに輸送船船長の女が、あるものを持ち込んできた。
何でも、カーデシア4(第四惑星の事?)の修理工から、これを誰でも良いからベイジョー人に渡してくれと言付かったという。

これ、と言うのは、ベイジョー人ならば誰もが身につけている、イヤリングだった。
女からイヤリングを預かったクワークは、副司令官のキラ・ネリス少佐へそれを手渡すことにする。
彼女は元・レジスタンスのメンバーであり、カーデシア絡みならば何か知っているかもしれないからだ。

クワークが部屋を訪れた瞬間、キラは露骨に嫌な顔をして彼を追い出しにかかる。
「待ってよ、これ持って来たんスよ?」
ドアの手前まで押し戻されつつも、イヤリングをキラに見せるクワーク。
それを見た瞬間、キラの顔色が変わった。
クワークから入手先を聞き出すや、礼くらい言えと毒づく彼を後に部屋を飛び出していくキラ。

(このイヤリングは、間違いなくリー・ナラスのもの!)

リー・ナラス・・・・彼は、ベイジョー独立戦争の英雄であり、死んだと思われていた。
その男のイヤリングが、今になってカーデシア4から運ばれてきた。
つまり、彼はまだカーデシアに捕虜にされている可能性がある。

イヤリングのDNA鑑定を済ませたキラは、シスコ司令官に直談判に及ぶ。

「シャトルを貸して下さい。カーデシア4へ、ベイジョーの戦争捕虜を救出に行きます」

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初っ端から、全シリーズ初にして唯一の三部作エピソードが始まり、最終話までの敵役となる惑星連邦史上最悪の敵役「ドミニオン」が最終話で初登場と、DS9を長期シリーズたらしめた要素がギッシリ詰まったシーズン2のDVDボックスです。

言うなれば、DS9はこのシーズンまでが序章。
とはいえ、中身は非常に濃い序章ですけど。

個人的に、傑作はないが良作の多いシーズンという印象が強いのですが、大きなハズレがないDS9だけに、見応えは十分。

スタートレック史上初となった三部作「帰ってきた英雄」は、独立戦争に「勝っただけではハッピーエンドとならない」という、現実世界では「当たり前だけども知られていない」現実を、SFという題材をフィルターにして描いたエピソード。

現実世界でも、独立するまでは注目して応援しても、独立達成後は知らんぷりという事例、山ほどありますよね・・・最近は特に。(リビアなんかは、独裁政府打倒が成っていないのに、既に国際世論は冷めてきてますし)

DS9は、SFという題材を用いていますが、こうした政治的な視点が絡むエピソードが多く、スタートレックとしては異色の雰囲気がある作品となっています。
そこが「良い」ところでもあり、全シリーズの中で「もっとも取っつきにくい」と言われる所以でもあるのですが・・・・
  • 購入金額

    18,690円

  • 購入日

    不明

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