ありがとうございます。
●今回のレビューの個人的な主題は「地デジ環境や動画をどれだけ実用レベルで持ち出せるか」ということです。
以前にプレミアムレビューでレビューさせていただいたI・O DATA製GV-MVP/XSWは基本的に優秀だったのですが、あくまでもデスクトップに固定して使用するものでした。
一方、今回のこのテレキングはUSBスロットに挿すタイプのものであり、さらにサイズ的にも持ち歩きが容易だと思われたため、このような題を設定してみました。
●まずは開封から。
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外装はこのような形になっており、特長が分かりやすく書かれています。
製品を買う際にみんながみんな下調べをして購入するものを決めているわけではないでしょうから、このような表記は有難いのではないでしょうか。
パッケージ上のPCの画面にライオンがいるのは、百獣の王だからなのでしょうかね…？
・・・ただ、個人的な感想なのですが、妙に安っぽいという感も受けました・・・。
なんとも言えないこの王冠のマークのせいなのでしょうか…？
以前にレビューさせていただいた同社のGV-MVP/XSWのパッケージが高級感あふれるものだったこととの落差もあるかもしれません。
また、目立つか否かで言うとかなり目立つため、これはこれでありかもしれませんね。
内容物はこんな感じでした。
DSC01817-2-crop.jpg
ロッドアンテナ・アンテナ変換ケーブル・各種マニュアル・CD等が入った無色透明な袋と、本体の入ったピンク色のプチプチの袋だけが入っていました。
これ以外の梱包材などは入っていませんでしたが、本体の重量などを考えると保護はこれで充分でしょう。
ラリーカーに積んでも、中身は無事で済むと思いますｗ
個人的には必要十分な包装といった感を受け、好感を抱きました。
本体はこの程度のサイズでした。
DSC01819-2.jpg
横にはiPhone4、上には普通の12cmCDを置いてみました。
一般的なUSBメモリよりも一回り大きく、外で使う際にロッドアンテナなどを付けると横の箱に書いてあるようにもう少し体積を取るようになります。
とはいえ、十分に持ち歩ける程度のサイズであることは間違いありません。
これでチューナとトランスコーダーが一組入っているのですから、凄いですよね。
●セットアップに関しては、付属のマニュアルにしたがって行えば至って簡単です。
具体的な手順としては、CDを入れてドライバ・ソフトウェアをそれぞれ指示に従ってインストールしてから再起動し、アンテナに繋いだテレキング本体をUSBポートに挿し、初回設定を指示のとおり行うだけ。
まぁ、初回設定は自分でショートカットをクリックする必要がありますが、デスクトップに自動的にショートカットが生成されるので普通の人は迷うことはないと思います。
と、極めて簡単なこのインストールなのですが、個人的に嵌ってしまった罠が二つほどありました。
■まず、このテレキングは「mAgic TV Digital for テレキング」というソフトを使用して視聴・録画などを行うのですが、インストールするPCに元々「mAgic TV Digital」が入っていると「mAgic TV Digital」がまず削除されてから「mAgic TV Digital for テレキング」がインストールされることとなります。
つまり、テレキングはGV-MVP/XSW等と共存できないようです。
製品の仕様ページにも共存はできないよ、と書いてありますし、仕様なのでしょう。
もしこの製品を追加してチューナーを増やそうと考えている方や、二つ搭載してダブルチューナーにしようとしている方等が居たら、無理なので注意してください。
■また、各種インストールが終わり初回設定を行おうとしたところ、ソフトウェアが停止して設定を行うことが出来ませんでした。
理由を探してみたところ、どうもRTLCPAPI.dllというオンボードのサウンドチップのdllが原因の様子。
私は現在サウンドカードを使用しているためにオンボードサウンドが使えなくても問題がなかったため、RTLCPAPI.dllを無効化してみたところ普通に初回設定が行えました。
同様の症状になっている方は、一度調べてみても良いかもしれません。
※なお、私が使っているマザーはMSIの890FXA-GD70です。
オンボードサウンドをBIOSで無効化していることも関係あるかもしれませんが、まぁ現在動いているので・・・。
●ここからは使用感。
基本的にはデスクトップで使用した感想を述べていき、ノートで使ってみた感想に関しては個別に明記します。
・まず以前にレビューさせていただいたGV-MVP/XSWから今回のテレキングに移行して、最も強く感じたのがAeroが無効化されないことの快適さです。
GV-MVP/XSWでは視聴するたびに画面効果がBasicモードになっていたのですが、今回のテレキングはAeroが動作したままで視聴できます。
Basicになったところで実用上はさして問題はないのですが、シームレスにとでも言うのでしょうか、画面切り替えで暗転することがなかったり普段使っているウィンドウのままで映像が見られるというのは意外なほど快適でした。
※ただし、Intelの内蔵グラフィックだとAeroが切れると書いてあるのであしからず。
・映像の品質については、文句はありません。
GV-MVP/XSWと比較しても遜色の無いものでした。
家のPanasonicのプラズマテレビと比較して色が・・・などと思うこともありますが、まぁディスプレイの問題だと思われます。
色域の広いIPSパネルを使ったディスプレイなどを使えば、あるいはこれをテレビにつなげれば、同様に綺麗な映像が見られると思われます。
・負荷に関しても特に問題はなく、デスクトップ（PhenomⅡX6 1090T@4.0GHz）では普通の作業であれば映像を観ていても特に負荷を感じることもなく動いてくれます。
1.4GHz駆動のCore2Duo搭載のVAIO TypeT(VGN-TT90NS、モバイルノート)でも再生できる程度の負荷であり、通常モードであれば6～8割、NetbookSDモードという低解像度（と言っても720x480なのでDVD並なのですが…）モードであれば1～2割以下の負荷で再生出来ました。
・・・ところが、このノート（TypeT）を使って再生した際に妙な問題が起きました。
テレキングで動画を再生した際に、何故か横方向にノイズのようなもの（ノイズというか、インターレースが目で見えているような感覚。動いている部分の映像が短冊状に分かれてしまう）が見えてしまうのです。
初めは負荷が高すぎたのかとも考えたのですが、NetbookSDモードでも改善されなかったことから負荷の問題ではないはず。
デスクトップでは特になんの問題もないことや見え方があまりにも特殊な（縦方向の動きはちゃんと見られる）ことから、TypeTが悪いのではないかと思われます・・・。
まぁ、これについてはもし解決できたら追記します。
・録画品質に関しては、以前にレビューさせていただいたGV-MVP/XSWとの明確な差などは感じませんでした。
具体的には15倍録画だと圧縮率は凄まじいが少々粗が目立ち、二倍録画だと少々容量は食うが元と区別がつかないほど。
間の7倍や10倍ほどだと多少ノイズはあるものの15倍に比べるとあまり目立たず、バランスが良いのではないか、といったところです。
・GV-MVP/XSWとの差異として、番組表が異なるという点が挙げられます。
GV-MVP/XSWではmAgicガイド Digitalというソフト上で番組情報を取得し、番組表を見ることができたのですが、テレキングではhttp://tv.so-net.ne.jp/に繋いで番組表を見ることとなっています。
しかしこのサイト意外にも（？）使いやすく、ジャンル別検索などもできるので特に不便は感じませんでした。
このサイトから番組情報を貰って録画予約をすることも可能ですし、かなり使いやすいと思います。
・iPhone4による視聴に関しては、使い辛いものの場合によっては実用的、といった感じでした。
まず使うための準備としては、iPhoneにTV PlayerというAppをインストールし、PCとiPhoneを同じ無線ルーターに繋ぐだけ。
そうしてからTV Playerを立ち上げると自動で認識し、TV放送や録画番組の視聴が可能となります。
ここまでは良いのですが、問題としてどうにも視聴までに時間がかかる、という点があります。
アプリの起動やPCとの接続にはさして時間はかからないのですが、選局をしてから映像が出るまでに数十秒の時間を要します。
画質は少々荒れが見える（うちの旧式無線LANの通信速度の問題？）ものの、ワンセグなどとは比較にならない程綺麗な画質であるため、接続に時間がかかるというのは少々残念です。
とはいえ、布団に入ってテレビが見たい、テレビのない部屋で作業する必要があるけどテレビも見たい、などという際にはかなり使えそうではあります。
※数日使っていて思いましたが、現状この機能はかなり不安定なようです。iPhoneを一度繋いでから切ると、少なくとも一分程はPCでのTV視聴が出来なくなるようです。テレキングを挿し直すことで解決するようですが・・・。
・iPhone4での録画番組の視聴については追記予定。※追記中
・・・なぜかは解らないのですが、現在録画した番組が表示されないという不思議状態。
録画時にiPhone用の動画も作成したはずなのですが・・・。
通信速度が足りていないのでしょうかね・・・？
・ノートパソコンにテレキングを挿し、付属のロッドアンテナを使い出先で放送を見ようとしたのですが、歩きながらだとキツイようですw
どうも受信波が安定しないようで、動いては止まり動いては止まりを繰り返していました。
しかしある程度電波状況の良いところで、静止していれば普通に視聴することができました。
ある程度電波状況の良いところであれば充分使えるようですが、流石に固定アンテナよりは受信しにくいようですね。
※あと、本質的なことではないですがそれなりに出っ張るため、何かにぶつけてUSB端子ごと折ってしまわないか不安になることもありましたw
●まとめとしては
・持ち歩くことは容易であり、電波などを勘案しても出先で使うことは十分に可能（電波の地域差はかなりあると思われる）。
・1チューナー・1トランスコーダーの制限はあるが、そのあたりは理解して使えばよい。
・画質は申し分なし。iPhoneに放送をリアルタイムで送ると画質が劣化していたが、まぁ許容できる範囲。
といったところでしょうか。
他機器との同時使用が不可能であったりと制限もあるものの、持ち歩きも可能・iPhoneや携帯への映像転送が可能であったりと、かなり面白い製品です。
本格的な録画用PCには向かないかもしれませんが、視聴がメインでたまに録画するというような使い方であれば、持ち歩けることもありかなり良い候補だと思います。
Aeroが動作したまま視聴できるという点は地味な割に本当に快適なので、私はメインPCにテレキング、サブ（録画用）PCにGV-MVP/XSWを搭載して使おうと考えています。
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