電波の感度と初期設定で接続に明暗
W23mm×H75mm×D12mmと、手の中に収まってしまうコンパクトさも魅力の一つである「テレキング(GV-MVP/FZ)」。レビューではその小ささ故に感度に対しての検証が各ユーザーによって書かれた。「感度に不満」「電波の地域差はあるだろうが出先で使うには十分」と大きく意見が分かれた部分でもあるが、電波を拾い難かったユーザーでは「場所を選べば内蔵ブースターの作用もあって受信感度は高い」「視聴エリアにあっても必ずしも電波は入らないことがあるようで、設定を何度も試みたり製品そのものの故障を検証したりしたが、結局視聴場所を変更することで見ることが可能に」と使用場所次第では問題なく使えることがレポートされている。また、電波難視聴エリアや電波の入りに不安のあるユーザーでは、CATV室内アンテナを利用した接続や、屋外アンテナ→ブースター→チューナー→テレキング→PCとかなり工夫した状態で視聴を行ったケースもあった。
初期設定においては、電波状態が良ければチャンネルスキャンが無事に完了し視聴可能となったとのリポートもあり「初期設定は時間が掛かるけど簡単」「セットアップはマニュアルで簡単」とするレビューアーに対し、「地デジサーチが成功し、初期設定が完了しないとワンセグ視聴やmAgic TV Digitalの起動はエラーが出てできない」と設定までに試行錯誤した場合もあったようだ。また、接続の前段階でminiB-CASカードを本体に挿入する際に、「切り欠き部分」が外側に出るのが正当だが、逆向きに挿してしまうことも。「取り出し用に付属されている黒いテープがあって助かった」との感想もあったが、「もう少し分かりやすく、できれば間違わないような配慮が欲しかった」とする意見もあった。
ソフトウェアは使いやすいが色々あって分かりにくい
視聴、録画設定、番組表などの利用は、付属するソフトウェア「mAgicTV Digital」「mAgicマネージャーDigital」「mAgicガイドDigital」でそれぞれ行うのだが、各機能を一つずつていねいに検証したユーザーであっても「ソフトが色々あって分かりにくい」との意見。視聴を主とする「mAgicTV Digital」では、「起動時間、チャンネル切り替えに数秒かかるが、一般のテレビと同等の機能を持っているので不便なく使える」と好印象。録画などで利用する「mAgicマネージャーDigital」は「録画モードの種類が多い。HDDの容量に注意」つい録画を多様してしまう便利さが挙がった。番組表の閲覧ができる「mAgicガイドDigital」では、「インターネット番組表でウェブサイト『TV王国』にアクセスするのは手順さえ慣れてしまえば簡単」「番組情報サイトはジャンル別検索もできてかなり使いやすい」と好印象。ただしSo-netのサービスであることもあり「たまたまSo-net接続会員になっていたのでそのまま無料登録をしたが、人によっては有料契約をしないと新聞のテレビ欄程度にしか活用できないのは不便だと思う」とする声もあった。
便利で手軽な録画機能は日常使いに必須と好評
録画機能については好評で「録画機能内蔵のテレビという感じで視聴、録画が手軽なものとなった」と日常利用できる簡便さを評価。「15倍録画だと圧縮率はすごいが少々粗が目立つが2倍録画だと元画像と区別付かないぐらい良い。中間圧縮率だと多少のノイズはあるが15倍に比べると(ノイズが)目立たず」や「blu-ray内蔵のPCを使用しているので、そのままダビングして視聴できるし、HDDの容量の限り録画できる」「録画品質(録画モード)の選択肢が多く、見るだけ用から永久保存版まである」と大いに歓迎されたのと同時に、それぞれに自分なりの使い方を見出せる使い勝手の良さはユーザーからも支持されたようだ。また、視聴や録画などの機能に加えて、「映像の転送が可能なのは面白い」「iPhoneでの視聴のため接続を試みたが、原因特定できず接続には至らなかった。再チャレンジしたい」「iPadでテレビが見られるのは便利」と、PCでの視聴に加えて多機能に使えることに興味の深いユーザーも多かった。
ポジティブな意見
- ケータイのワンセグでコマ送りになるような悪条件でも視聴可能な感度が素晴らしい。
- F型コネクター変換ケーブルを使用しアンテナ線をつないでのテレビ視聴は非常に快適。
- GV-MVP/XSWでは視聴する度に画像効果がBasicモードになっていたが、テレキングはAeroが動作したままで視聴できる。(外部VGA使用時のみ)
- 番組録画の時間が連続していても録画はスムーズに開始された。
- 録画した番組とリアルタイム視聴からの画像劣化は感じなかった。
- 場所を選べば付属ロッドアンテナでのフルセグ安定視聴も可能であり、ブースター内蔵は伊達でない。
- iPhone4のRetinaディスプレイにワンセグとは次元の違う精細なフルセグ放送が表示された。
ネガティブな意見
- iPadやiPhoneは専用のケータイ用動画変換ツールがあるが、一般のケータイ用はない。
- ロッドアンテナの性能が良いとはいえない。
- パッケージが妙に安っぽく感じる。
- 各種インストールが終わり初回設定を行おうとしたら、ソフトウェアが停止して設定を行うことができなかった。RTLCPAPI.dllを無効化してみたところ普通に初回設定が行えた。
- VAIO Type T使用時にテレキングで動画を再生したが、横方向にノイズのようなもの(ノイズというか、インターレースが目で見えているような感覚。動いている部分の映像が短冊状に分かれてしまう)が見えてしまう。NetbookSDモードでも改善されなかったことから負荷の問題ではないと思う。
- iPhone4で録画番組を見ようとしたら現在録画した番組が表示されない。録画時にiPhone用の動画も作成したはず。
- 本体をPCに接続すると出っ張るため何かにぶつけてUSB端子ごと折れてしまわないかと不安になる。
- 一度チャンネル設定を行うと、次からのアンテナ設定には初期化が必要になるのは少々手間。
- インターネット番組表がSo-netの「GガイドTV王国」になっている。WM3500R購入でたまたまSo-net接続会員になっていたのでそのまま無料登録をしたが、人によっては有料契約をしないと新聞のテレビ欄程度にしか活用できないのは不便だと思う。
- 「Mebiusノート PC-WT70S」でフルスクリーン再生中に一時停止をかけてコンソールパネルを消すと、100%フリーズする。
- Aspire AS1830Zでは、mAgic TVを終了させてもAeroが有効に戻らない(Windows)。
- mAgicTVで録画をする際に、転送用録画ファイルを同時録画する必要があるが、録画モードを最高のDRにしないと、iPhone用の転送ファイルを指定することが出来ない。
TIPS!
スタンバイ復帰直後に視聴できない時の対処
PCに直結している時やUSBハブを使用してPCに接続した場合にも、起動直後に録画番組を視聴できずに「テレキング」が接続されていないと通知が表示されることがある。その際には、スタンバイから復帰した後、数十秒ほど待ってからなら正常な視聴が可能になる。