レビューメディア「ジグソー」

低消費電力版Core i7 870S

今回は「Core i7-870s」のプレミアムレビューをさせていただく機会をいただき、ありがとうございました。今回のプレミアムレビューでは
A. Microsoft Office 2010 を使ったレビュー

B. 自由課題
があるのですが、私は「A. Microsoft Office 2010 を使ったレビュー」なので、Office 2010を使ったレビューをしていきたいと思います。

また、当初Core i7 870Sを使った「A. Microsoft Office 2010 を使ったレビュー」ということでしたが、その後Core i7 870が誤送されてきたことで、比較したレビューを出来るようになりました。

正直、単品でレビューするよりも比較対象があったほうがレビュー内容を考えるのも楽になりますのでとっても助かりました。

それでは早速レビューに入って行きたいと思います。じつは当初、起動スピードのチェックなどもやろうと思っていたのですが、実際Office 2010になってソフトの起動速度が大幅に上がっておりストップウォッチを使って計測しても、計測誤差の方が大きそうだったのでやめました。

そこで今回はOffice TANAKAさんのサイトにあるエクセルベンチ(2000)を使ったベンチマークとその際の消費電力の違いについてレビューしていきたいと思います。

<Core i7 870と870Sの違い>
Core i7 870SはCore i7 870の省電力版という位置づけになりますが、実際には動作周波数にも違いがあります。Core i7 870が2.93GHzなのに対して、Core i7 870Sでは2.66GHzとなり、Core i7 860(2.8GHz)よりもクロックは低く、Core i5 750(2.66GHz)と同じクロック周波数になります。一方、Turbo Boost時の最大クロック3.60GHzでCore i7 870と同等までクロックアップされる事になります。
ちなみに、TDPは95Wから82Wと13W下がっています。

870S_Spec
870S_Spec

Core i7 870Sのスペック

<外観の違い>
箱正面2
箱正面2

箱のデザインはパッと見ほとんど同じです。

箱正面
箱正面

ほとんど違いはないですね。サイズも同じです。

ファン01
ファン01

ファンもパッと見はほとんど同じ。

ファン02
ファン02

裏を見ると違いがわかる。Core i7 870が銅埋込式なのに対して、Core i7 870Sはアルミ削り出しです。

<ベンチマーク構成>
ベンチマーク環境は今回新規に用意しました。構成は以下の通りになります。
Core i7 870S ベンチマーク構成
Core i7 870S ベンチマーク構成

ベンチマーク環境

<ベンチマーク結果>
870と870Sをエクセルベンチ(2000)でチェックした結果は以下の通りです。

Corei7 870 BenchResult
Corei7 870 BenchResult

Core i7 870のベンチマーク結果

Corei7 870S BenchResult
Corei7 870S BenchResult

Core i7 870Sのベンチマーク結果

描画と移動はCore i7 870Sが遅くなっているものの、それ以外はCore i7 870Sの結果が良くなりました。これはTurbo Boostでのクロック向上の効きやすさによる違いだと思います。
エクセルベンチ(2000)はほぼシングルコアのテストになりますが、TurboBoostでのクロック向上の感度は今回のテストではCore i7 870Sのほうがよかったためこのような結果になったのだと思います。ただ、Turbo BoostをONにした場合の結果のブレはかなり大きいので、毎回このような結果になるかは不明です。

870CPUZ_EXE
870CPUZ_EXE

エクセルベンチ(2000)実行時:(Core i7 870)


870S_EXE
870S_EXE

エクセルベンチ(2000)実行時:(Core i7 870S)

エクセルベンチ(2000)実行時は両方共最大で26倍の3.46GHzまでクロックが上がることを確認できました。

Excelを始めとしてOffice2010ではマルチコア環境での最適化がされているということですが、基本的な処理ではまだまだシングル、せいぜいデュアルコア程度の利用率なので、Turbo Boostでのオーバークロックはとても効果があるようです。絶えず4コア(8スレッド)を使うような状況でない場合Core i7 870とCore i7 870Sではそれほど大きな性能差はないですね。

TaskManager
TaskManager

エクセルベンチ(2000)実行時のタスクマネージャー

<消費電力の違い>
エクセルベンチ(2000)実行時の消費電力は以下のようになりました。

870消費電力
870消費電力

Core i7 870の消費電力推移

870S消費電力
870S消費電力

Core i7 870Sの消費電力推移

最大消費電力
Core i7 870:110.8W
Core i7 870S:100.3W

アイドル
Core i7 870:59.5W
Core i7 870S:63.7W

最大消費電力はTDPの差に近いほぼ10W少なくなりました。一方でアイドル時は何回チェックしてもうちの環境ではCore i7 870の方が低い結果となりました。これはちょっと以外な結果ですね。

<まとめ>
Office2010を使う上で性能差は殆ど有りませんでした。また、消費電力について確認するとロード時は確かに10W程度低くなりますが、アイドル時は逆にCore i7 870Sのほうが4W程高くなりました。
何度かチェックしてみたのですが変わらずうちの環境だけかもしれませんが、注意が必要だと思います。

今回のテスト環境はそれほど消費電力の多い構成ではありませんが、最大で100Wと非常に少なくなりました。SSDやより消費電力の少ないビデオカードを使えばより消費電力を減らすことができるでしょう。
オフィスマシンとしてはハイスペックかつ低消費電力なマシンを考えているならおすすめできるCPUです。

29人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (4)

  • お富さん

    2010/10/06

    非常に興味深いレビューをありがとうございました。
    アイドル時にS印のほうが4W程高いのはかなり面白い現象ですね!
    大変勉強になりました・・。
    お疲れ様でございました!
  • guruさん

    2010/10/07

    コメントありがとうございます。
    Sのほうが消費電力が大きいのは個体差なのか・・・。
    おかしいと思って何度かチェックしたんですが、うちの環境では変わらずでした。
    他の方のレビューを楽しみに待っている状況です。
  • 4453さん

    2010/10/11

    レビューお疲れさまでした~!

    OFFICEのベンチマークソフトがあったとは盲点でした(笑)
    簡潔に性能比較が行えて良さそうですね^-^
    参考になります。

    それにしても、Sのほうが消費電力が大きい…というのは
    なかなか面白い現象ですね。

    CPUクーラーがS印の方は、0.43A程電流が高いようですが、
    流石にFAN制御もありますし0.43A X 12V = 5.16W という
    単純な図式にはならないでしょうし、ちょっと興味深いです。
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