arkパンドラの箱2014　2000円箱にドカンと突っ込まれていたマザー。
AM2+世代のMicroATXマザーで対応CPUは多岐に渡る。また780Gチップセットに内蔵されたグラフィック性能は当時としては破格の性能だった。

現品は巨大なCPUクーラーとメモリが装着済みで、覗き込むとCPUも見える。このまま電源を供給すれば動きそうなシロモノ…というかもうそのまま動いてしまった。

しかし搭載CPUが判らない。昔ながらのGIGABYTEらしいBIOSで、搭載CPU型番を表示する項目がないのだ。まあ動作クロックと倍率変更が可能な辺りからある程度推測は出来たのだが、結局OSの入ったHDDを接続してそこから確認…Athlon X2 7750 Black Edition　通称「kuma」だった。

しかもメモリもDDR2の2GBモジュールが2枚。これだけでも十分高価だ。
とんだ掘り出し物をゲットしてしまった訳だが、今回はマザーの方に目を向けよう。

実は780GのAM2+マザーは既に手元に1枚ある。ASUS M3A78-EMで、2012年半ばまでは家族のPC用として毎日稼動させていた。その後AM3+マザーのASRock 890GM Pro3に交換したのだが、その時のレビューに内蔵グラフィックスを含めた性能を紹介している。

M3A78-EMとスペック的にはかなり近いモデルなので性能に関してはほぼ同じことが言えてしまう。CPU対応の広さが強みで、780G内蔵グラフィックスも今となっては特筆するほどの性能ではないが、動画再生支援等が働くしAeroも動く。搭載CPU次第で長く使えるプラットフォームだった。

後はもう写真祭りの内容だが続けよう。

M3A78-EM同様、ストレージ周りが過渡期に当たる世代なので、SATA5ポートにIDE、FDDも搭載。USBピンヘッダはM3A78-EMよりもさらに多い4箇所8ポート分を備える。
（その分バックパネルのUSBコネクタは少ない）

IDEもFDDも今となっては懐かしいモノになってしまったか。SATAに置き換わったIDEと異なりFDDは最近まで実装しているマザーも見かけたが。

M3A78-EMは横向きのIDEや縦型のボタン電池など特異な部分もあったが、こちらはわりと一般的な配置だ。特にSATAポートはラッチ付コネクタでもラッチ側が外向きになるように配置されているので複数本を挿した時でも1本づつ取り外しができる。M3A78-EMは同じ方向にずらりと並んでいたのでラッチ付きSATAケーブルの場合上から順番に抜かないといけなかったのだ。

メモリスロットも4基搭載し、MicroATXサイズながら各種拡張性は高い。

また780Gや890GXの特徴でもある巨大なチップセットヒートシンクも存在感抜群。GIGABYTEのロゴが入った階段状のヒートシンクは最上段のPCIex1スロットを避けるような形状になる。

なのでほかの780G系M-ATXマザー同様、最上段がPCIex1で2段目がPCIex2となる若干珍しい配置となる。複数の拡張ボードを常設するには不向きだが、グラフィックボードとCPUの距離を離せる配置でもある。

殆どM3A78-EMと同じようなスペックだが、背面パネルは異なりM3A78-EMに対してDPとUSBポート2つが少ない。まあ当時DPなんて殆ど出番は無かっただろうし、USBはその分ピンヘッダとして実装されている。代わりにPS/2ポートがマウス用・キーボード用と2つあるのが特徴か。

ただし残念ながらパンドラ箱産だけにバックパネル欠品。ほかは問題ないのにオシイ。

「kuma」の倍率可変もすんなりできたし、電圧の調整ももちろん可能。本格的なゲーミングマザーと比べると自由度は少ないが遊べる。ただし補助電源は4pinで電源周りもあまり高消費なCPUを考えているようには見えない。あくまでMicroATXに収まる程度のCPUにすべきだろう。

また780Gや890GXといった高性能グラフィック統合マザーに総じていえることだが、チップセットヒートシンクは使っているとかなり熱くなる。コンパクトだからと小型筐体に詰め込むと意外なところで熱問題が発生するかもしれない。

そういう意味では今回つけっぱなしになっていた大型トップフロークーラーはそのままチップセットも冷やせる位置なのでいい組み合わせなのかもしれない。もちろんケース側の排気に気をつける必要があるが。