KLIMAX DS徹底攻略 第四話

レコードの代わりとなり得るか 確かめてみよう
LINN KLIMAX DS
デジタルミュージックプレイヤー 再生ファイル形式:FLAC/WAVE
サンプリング周波数:44.1k-192kHz ビット数:16-24bit
リンジャパンKLIMAX DSページへ
レコードとKLIMAX DS レコードからの録音

Analog Meets KLIMAX DS

検証を重ねていく度に底知れぬ表現の豊かさや奥深さを見せてくれるKLIMAX DS。この再生装置の導入によって、レコードばかり聴いていた私のオーディオ人生が随分デジタル寄りになってきた。とはいっても私の音楽ソースの主役は膨大な時間と労力を費やして蒐集したレコードたちだ。あの手この手で手に入れた稀少盤や、同じレコードを何枚も何枚も買って辿り着いた納得の一枚に、針を下ろす瞬間の緊張感は筆舌に尽くしがたい。私のこれまでのオーディオ人生はレコードの溝との戦いだった。レコードとCD、同じ音源のものを聴き比べても、録音された現場の熱気や臨場感が伝わってくるのはレコードの方だ。CDの高域再生限界が20kHzなのに対し、レコードは100kHzともいわれている。故に、レコードは音源としての価値も非常に高い。アナログ隆盛の1940~60年代は、クラシックもジャズも、音楽の東西を問わず数々の名演奏、名録音が残されている。今までもアナログを16bitフォーマットのDATやCD-Rへ録音することを試みてきたが、なかなか満足のいく結果が得られなかった。これが16bitデジタルの限界なのかと。どちらの場合も綺麗な音は録音できても、楽器の質感やリアリティが失われてしまっていた。ところがLINN DS(Digital Streaming)シリーズは24bitデジタルを再生できる。24bitは理論上16bitに対し256倍のダイナミックレンジが確保できる。そこで、今回はレコードに録音された音声をFLACデータ化して、この装置での再生を試してみることにした。果たしてKLIMAX DSはレコードの持つ膨大な情報量を受け止めることができるのだろうか。