KLIMAX DS徹底攻略 第四話

変換に必要な機材

まずは必要な機材を用意しよう。入力音源となるレコードプレーヤーはCIRKUS KIT(※1)でバージョンアップしてあるLINN LP12を使用。搭載するトーンアームはLINN ITOK LVII。その先端に付けるカートリッジ(レコード針)はLINN ARKIVとKARMA。ご覧の通り、私の愛用しているレコードプレーヤー関連は全てLINN純正品で固めてある。そして、レコードの溝から拾い上げた信号をヘッドアンプ内蔵フォノイコライザー(※2)を装備するMark Levinson JC-2へと送り込む。そしてフォノイコライザーから出力したアナログ信号を、APOGEEのAD/DAコンバーターROSETTA 200によってデジタル信号に変換する。このコンバーターは、AD(アナログをデジタルへ)とDA(デジタルをアナログへ)の相互変換が可能。サンプリング周波数は44.1k~192kHzに対応、ビット数16bitと24bitにそれぞれ対応している。一昔前では考えられないような高性能モデルだ。デジタル出力も様々な形式をサポートしている。今回は光出力を使用する。デジタル変換した信号を光ケーブルでパソコンに送り込み、音声編集ソフト「Audacity」を用いてWAVデータに変換。最後にWAVデータをFLACに変換して、NASに格納する。

おさらいすると[レコード装置→フォノイコライザー→ADコンバーター→PC]という流れで信号が伝わり、最終的にFLAC形式で保存をする。

  • ※1 旧タイプのLP12を現行モデルとほぼ同等の水準にグレードアップするための主要パーツセット。
  • ※2 ヘッドアンプはMC型カートリッジの微弱な電圧をプリアンプ等で扱えるレベルまで増幅するための装置であり、フォノイコライザーはレコードに記録されている音信号を元の周波数特性に戻す装置である。

アナログからデジタルへ変換

AD変換を開始する前に、装置の録音レベルを調節してから、左右の音量バランスを調整してみよう。この作業を行うことで、デジタルデータ化した音楽の再生時に音量が小さすぎたり、左右のバランスが異なってしまうといった問題を防止することができる。左右の音量バランスを調整するにはステレオよりモノラルレコードのほうが都合良い。レコードを再生しADコンバーターへアナログ信号を送り込んでみる。ROSETTA 200は入力感度インジケーターが付いているので、それを見ながらアナログ入力側のレベルがオーバーしないところまで上げていく。デジタル出力側も同様にインジケーターを見ながらレベルを調節する。

入力・出力共にレベル調整が完了したら、レコードから拾い上げた信号を、サンプリング周波数96kHz、ビット数24bitのデジタル信号へ変換し、PCを使いリッピングする。音声編集ソフト「Audacity」を使用し、送り込んだ信号データを最終調整。録音ボタンをクリックしてテスト録音してみる。画面上に録音中の波形がリアルタイムで表示されるので、先ほどのADコンバーターで補いきれなかった部分をここで微調整をする。以上を踏まえ実践してみよう。

オーディオラック レコードプレイヤーとフォノイコライザー ADコンバータとPC ADコンバーターのレベル調整 Audacityでのレベル調整