関係者様に深くお礼申し上げます。
今回レビューする品は、IOデータ製地デジチューナーカード「GV-MVP/XS2W」です。
IOデータからはさまざまなチューナーカードが発売されていますが、その中でも上位に位置する製品です。
最大の特徴としては、ハードウェアトランスエンコードにより高画質で通常の15倍録画できるうえに、同時に2チャンネル録画することが可能となっている。
また、AppleのAppStoreから専用のアプリをダウンロードすればiPhone、iPod、iPadでリアルタイム視聴、録画番組の視聴が可能になるとのこと。
一般的なものは、MPEG2 TS(.ts)形式で圧縮せず保存されたり、CPUでエンコードを行いながら録画を行うものがあります。
これらの製品の傾向として安価で購入することができるといった価格面での利点は大きいです。
ですが、録画ファイルの容量が大きくなってしまったり、CPUの使用率が高くなってしまったりなどパフォーマンス面に関しては高級機に劣る部分もあります。
GV-MVP/XS2Wはハードウェアトランスエンコードを行いH264(mp4)形式で保存するため、高画質かつデータ量を減らすことができます。
そもそも、ハードウェアエンコードとは何か
古い製品や従来製品では、チューナーカード上には、放送電波を再整形、増幅、復号といった回路やユニットを搭載していなかったため、無圧縮データをそのまま保存するか、CPUで圧縮しながら保存をしていました。
ですが、CPUはマルチメディアなど並列して大量のデータを処理することには特化していないため、高い処理性能を要求されたりCPUを長い時間占有してしまってシステムが不安定になってしまったりすることがあります。
これらの問題を解決するために導入されたのがハードウェアトランスエンコードです。
こういった機能の付いたカードには、エンコード専用のユニット、回路が個別で搭載されています。
エンコードユニットはCPUのように多目的な処理を行うことはできませんが、ある特定の処理に特化させることで高い精度で高速に処理を行うことができ、そのユニットがCPUに代わって処理をすることで負荷を低下させることができます。
これがハードウェアトランスエンコードです。
予備知識はこのくらいにして、製品「GV-MVP/XS2W」を見ていきましょう
IOデータの箱で送られてきました。以前にIOデータの通販やレビューをしたことがある人にとっては見おぼえがあるでしょう。
中に封入されていた封筒に入っていた通知ですが…
全く関係ないものが入っていました…確かこの通知は私が以前レビューしたLAN対応HDDの通知だと思いますが…
IOデータ製のチューナーではお決まりのパッケージです。
やはり本製品の最大の特徴であるW録画とWトランスエンコードを全面的にアピールしています。
裏面も同じようにトランスエンコードによる長時間、高画質録画をアピールしています。
右側面には製品仕様、ソフトウェアの使用が記載されています。
また、録画時間の目安も描いてあるので自分の所有しているPC、またはHDDがどのくらい録画できるのかが一目でわかります。
左側面には、動作環境が記載されています。やはり、HD映像を扱うだけあり最低条件が2コア以上かつ2GHz以上の動作をするCPUが要求されています。低負荷動作でもCeleronDual-Core1.6GHz以上が要求されています。
また、ダビングする際はDVDは、CPRM、Blu-rayはAACSに対応している必要があります。
最近のものであれば問題なく使えると思いますが、事前に確認をしたほうがいいでしょう。
また、DHCP対応のディスプレイが必須となりますのでそのあたりも購入前にしっかり確認した方がいいでしょう。
では、中身を見てみます。
中には、段ボールのスペーサーに入ったカード本体、マニュアルやドライバCDの入った袋が入っています。
ドライバ、マニュアルが入っている袋の中には、MiniB-CASカードが入っています。
どれだけ小さいか標準のB-CASカードと比較してみましょう。
カードの小ささは一目瞭然ですね。
続いてカード本体を見ていきましょう
基盤上には、カードスロット、アンテナ端子、チューナーユニットがついています。
黒い二つのチップがこの製品の最大の売りであるトランスエンコードを行うユニットです。
Wエンコードが行えるようにユニットが2基実装されています。
ブラケット部分です。左からカードスロット、BS・CS端子、地デジ端子と並んでいます。
カードを入れます。
星マークが奥になるように差し込んでいきます。奥まで差し込むとカチッとロックがかかって抜けないようになります。
裏には、型番とシリアルナンバーが書いてあるシールが張られています。
サポート時などに必要になるそうなので設置する前に控えを取っておきます。
それでは導入していきましょう
注意点としては、組み込む前にドライバをインストールしておきます。
先に組み込んでも大丈夫だとは思いますが、先にドライバを入れたほうが確実です。
付属のCDを入れると自動再生でプログラムが起動します。
まずはドライバからインストールしていきましょう
ドライバを選択するとインストールウィザードが起動します。
自動で32bit、64bitを選択してくれるのでこちらから指定することはないので楽です。
案内に従ってインストールしていきましょう
インストール中にこのようなポップアップが出ますが、許可しましょう
このような画面がしばらく続きますが、その間はいじらないほうがいいでしょうね。
インストールが完了するとこのような画面が出てきます。
次に視聴、録画・予約ソフトであるmAgicTVをインストールします。
こちらもウィザードに従ってインストールしていきます。
インストールが終了したら、その他のアプリケーションも必要に応じてインストールしましょう。
その他のアプリケーションを選択するとその中にインストールできるソフトの一覧が出ます。
この中には、動画編集用のソフト、録画したデータをTVなどで共有するためのソフト、ネットワーク上で録画予約をするソフトが入っています。
また、どこでもmAgicTV GT ServerとClientは同時にインストールすることができなくまた、ClientはmAgicTVもインストールしてはいけないので注意が必要です。
ここまで終了したら次は組み込んでいきましょう。
パソコンに組み込むのは難しくありません。
もともとついているブラケットを取り外しPCI-Exスロットにはめ込めばいいだけです。
x1スロットがついていないPCにはx4、x8、x16にさしてしまっても大丈夫です。
私のPCはx1スロットがないのでx8スロットに差し込みました。
こんな感じでねじ止めすれば設置は完了です。
システムを起動させると、デスクトップ上にmAgicTV GT初期設定というアイコンができているのでそれを起動させます。
そうすると、地域設定、郵便番号を入力してチャンネルスキャンを行います。
ここまで終わると視聴する準備ができました。
試しに起動してみましょう
問題なく視聴できました。
また、mAgicTVガイドGTを起動させると、放送電波から番組表を取得してくれます。
また、次回からこのボックスを表示しないにチェックを入れると次回から自動的に取得するように設定できます。
予約する際は、予約したい番組枠で右クリックし予約を選択すればこのような画面が出てきて設定ができます。
この段階では何も設定をしていないので標準では録画モードはDRモードになっています。
また、デバイス自動選択以外にも個別に設定でき、その際に個別で録画モードを指定することもできます。
ここで一括の設定を行えます。ここで設定しておけば、あとから個別に設定しなくても自動でこの設定にしてくれます。
また、デバイスを個別指定するとこれとはまた違った設定をチューナごとに行うこともできます。
私はここで録画モードをHR2(2倍録画)、配信用の画質をPSPに設定しました。
また、その下にあるスライダーをいじると録画に使用できるHDDの容量を指定することができます。
目安時間もでるので時間的にもわかりやすくてとてもいいです。
これで大まかな設定、機能は終了です。
録画予約は、パソコンがスリープ状態、または休止状態であれば自動で起動し録画を開始してくれます。
また、設定で録画後にスリープ、スタンバイに設定することもできます。
その際にコントロールパネルの電源オプションからスリープ解除タイマーを許可しないといけないです。
ここから性能面について検証していきます。
今回、トランスエンコード性能を比較するのに用いる機器はアースソフトから発売されているPT2と比較しました。
PT2については以下を参照
レビューに使用したマシン構成は以下のようになっています。
CPU |Core i7 975 ExtremeEdition OC4.06GHz (Intel)
メモリ |DDR3 1600MHz 24GB(4X6) (A-DATA)
グラフィック|GF-GTX480-E1536HD (玄人志向)
M/B |P6T Delux V2 (ASUS)
電源 |Z1000M (OCZ)
光学ドライブ|BR-PI1216FBS-BK (BAFFALO)
OS |Windows 7 Ultimate 64bit (Microsoft)
システムHDD|日立GST Deskstar 7K2000 (2TB) (日立)
データHDD | WD20EARS-00MVWB0(2TB、667GBプラッタ版) (Western Digital)
拡張カード類|PT2 (アースソフト)
|U3S6 (ASUS)
です。
それでは比較していきましょう。
初めに比較したのは、圧縮によるデータ量の減少です。
録画モードはHR2、比較対象としてPT2の無圧縮で録画したものです。
比較した時間は5,10,15,20,25,30,45,60分です。
やはり長くなるほど圧縮の恩恵は大きいようです。
また、録画した番組のジャンルによっても違いが出てきます。
それぞれのジャンルを3回ずつ録画しその圧縮率の平均を出しました。
場面が切り替わったり動きが多いニュース番組は比較的圧縮率が低いです。またそれと同じ理由でバラエティも圧縮率は低めです。それに対してフレームごとの共通部分が多いアニメや解像度の低い情報番組(通販系)、クリップを出したり、解説などで動きの少ない教育系は圧縮率が高くなっている傾向が見られます。
続いて、45分番組を録画モードごとのデータ量とDRモードを100%としたときの圧縮率です。
やはり、2倍3倍となるにつれておよそ1/2、1/3となっていています。
HR15に関しては元の1/20と公表値の15倍より多くとれるようになっていました。
とはいっても、動きが多かったり、シーンの移り変わりが激しかったりするとそういうわけにもいかないようですが…
画質に関しては、当然のことながら圧縮率が高くなるにつれて荒くなったりブロックノイズがひどくなったりするのですが、それが顕著になるのは私からしたらHR3くらいから少しブロックノイズが現れだしました。
ですが、それも気にならない程度でした。
やはり高画質をアピールするだけあって画質も満足できるものでした。
iPodで接続できるとのことで試してみたのですが…
どう頑張っても接続できない…
マニュアル通りにやってみたりヘルプを参照してみたりしても全然ダメでした…
もっと簡単に接続できるようにしてもらえれば満点だったのですが、複雑なうえにわかりにくく環境によって接続できないこともあるようなのでそこのところを改善させてほしいです…
パソコンの地デジ化という面では満点、文句なしの製品に仕上がっています。
視聴ソフト、録画ソフトの完成度は非常に高く扱いやすいし見やすくてとてもよかったです。
価格相応の満足感や機能は得られると思います。
配信関連の機能をもっと強化してくれれば多分最強のチューナーになれると思いました。
----追記----
iPodでのリアルタイム視聴に成功しました。
原因は、インストール時にWindowsFirewallが起動しておらず、正常にポート解放がされていなかったことと、ウィルスバスターがポート解放を妨害していたのが原因だったようです。
ファイアウォールを起動させてウィルスバスターに例外設定をして再インストールしたらうまくいきました。
PCまたはiPhone,iPod,iPadからAppStoreにアクセスしTVPlayerをダウンロードしインストールします。
もちろん無料でインストールできます。
起動させました。この時点ではまだ何もありません。右上の+マークをタップするとサーバ(PC)の一覧が表示されます。
サーバを選択すると、まず録画された番組の一覧が表示されます。
今は、テスト録画したニュースが表示されています。
下のチャンネルをタップすると受信しているテレビ局一覧が出ます。
リストの中で視聴したい局をタップすると視聴できます。
選択すると、ストリーミングの準備、バッファリングを行います。
この時間はネットワークの状態によって長くなったりします。
大体20~30秒くらいで視聴できます。
左下にある30のマークをタップすると30秒戻すことができます。
また、スライダーを使って戻ることもできます。実際に放送されているものをそのまま配信しているのではなく、録画しながらその動画を配信しているのでこのようなことができます。
見逃したから少し戻したいとか、録画してないけどもう一度戻ってみたいというときにとてもうれしい機能です。
もちろん横表示にも対応しています。
動きの激しいシーンなどでも遅延がなくノイズも少ない高画質で音ズレもなく見ることができます。
ただし、PCとiPodなどのの外部デバイスは排他的に視聴になってしまいます。
画質、操作性ともに文句はないですが、設定が失敗すると厄介なことになるのが欠点でした。
その設定も含めてウィザードで設定できるようにしてくれれば文句なしでした。
ヒロ妨さん
2011/09/01
この商品も、気になってましたので、参考になりました。
bibirikotetuさん
2011/09/01
iPodでの視聴がとっても気になりますw
泉さん
2011/09/01
ありがとうございます。
参考になったようで少し安心しました。
泉さん
2011/09/01
ポート解放とかファイアウォールを無効にしてみたりなど頑張ってはいますが…
もう少し粘ってみるつもりです
某支配人@名古屋定住@イベント行きたいさん
2011/09/01
比較してるからよくわかります。
うちは3波対応してないからなのか、ixxx系を持ってないからなのかは置いといて
落選しましたが、いろいろな実験がしたく、購入希望を抱いたままです。
そして、レビューを見て、余計に?ww欲しくなっちゃいました♪
ふじしろ♪さん
2011/09/01
レビュー読んでたら、欲しくなりました。
PC録画イイですね。
いや、い、今は買わないぞ!
速攻レビューお疲れ様でした!!
退会したユーザーさん
2011/09/01
動画サイズをスイスイ設定出来るのがイイですね!
ちょっと新鮮です。
普通は「そのまま録画」して「その後圧縮/変換」ですもんね。
ハードウェアトランスエンコードは便利ですよね!
自分も嘗てアナログ時代にIO DATAのチューナーのHWエンコードのお世話になりました!
これからドンドン育ってほしいボードですね。
泉さん
2011/09/01
miniB-CASすごい小さいですよね
外しておいたら絶対なくすと思いますww
>うちは3波対応してないからなのか、ixxx系を持ってないからなのかは
多分たまたまかと…
>ふじしろさん
miniB-CASはめったに見ないですものね。
省電力サーバを一台組んでこれを4枚導入して24時間全チャンネル同時録画の最強TVにww
>zigsowzさん
変換の手間が省けるのは大きいですね。
いちいちエンコーダでエンコードする手間が省けてすごい楽になりましたよ。
そのうち一枚で4ch同時録画なんてものも出てくるかもしれないですね。
bibirikotetuさん
2011/09/02
泉さん
2011/09/02
つたない文章で申し訳ないですが(;^^
CLWさん
2011/09/03
勉強になります。
某支配人@名古屋定住@イベント行きたいさん
2011/09/03
が、MPが足りないのは、いかんともしがたいのぅ・・・・・
泉さん
2011/09/03
お役にたてて光栄です。
>某支配人さん
先生!まず余裕が生まれない場合はどうしたらいいですか?(・∀・)
退会したユーザーさん
2011/09/06
とても判りやすいれびゅ~でした。
おぢさん脳に刺激が・・・
でもIYHできない(--;<MPもHPも足りない(--;;
泉さん
2011/09/06
HP MPが足りないのならハイポーションを作って飲めば(ry
某支配人@名古屋定住@イベント行きたいさん
2011/09/06
そうだな、よゆうなんてものわだな
い、い、い、いつかかってにうまれているものなんだよ・・・・・・
泉さん
2011/09/07
わかりました!
果報は寝て待てということですね先生(・∀・)