今となってはPCの構築に欠かせなくなってきたSSD。
巷ではM.2のSSDなんかも話題になってますが、残念ながら私のメインPCにはM.2スロットがないので今まで羨望の眼差しで眺めていました。
そのうちPCI ExpressとM.2の変換ボード出るだろうと言い聞かせて・・・
しかし、今回はintelからPCI Expressに接続するSSDをレビューさせていただく機会を得ることができました。
ここはSATA接続のSSDとは一味違うというところを見てみたいものです。
これからはM.2やPCI Expressに直接接続されるものが主流になっていくのでしょうか・・・・
本レビューの基本PC構成は以下で進めていきます。
一目ではSSDと気づかない今までとは違うSSD
まずは外観を見てみましょう。
いつものIntelらしい青箱です。
続いて中身を見てみましょう。
中身はSSD本体とロープロファイルに対応したブラケット、そしてドライバ等が入っているCDくらいです。
続いて大きさもみてみましょう。
横幅が約17cm、縦が5.5cmくらいです。
あまり大きくないので、小さいケースでも取り付けは問題なさそうですね。
裏のパネルを外した状態です。
たくさんチップが乗ってますね。
表側のヒートシンク兼パネルはなにやら接着されているようで簡単には取り外せないようになっています。
ちょっとピンぼけてしまいましたがヒートシンク下の薄紫色のもの。
もしヒートシンクの交換等を行いたい場合はコレをどうやって剥がすかちょっと考える必要がありそうですね。
まさにワンタッチ接続
それでは早速取り付けていきましょう。
まず私のPCの中身から・・・
PCI Express x16の空きスロットが3本あります。
このマザーボードは少し前の世代になりますが、X79チップセットが搭載しているマザーです。
ただし、Socket2011をもつハイエンドモデルになります。
そのためPCI Expressのレーン数は40と無駄に余裕があります。
今はビデオカードを1本さしているだけなので16レーン消費している状態になります。
今回取り付けるIntel SSD 750はPCI Express x4接続ということですが、私の構成では残りのレーン数は24も残ってますので特に問題はありません。
えいやっ!ってさせばOKです。
電源も追加でさす必要すらありません。
ちなみに、他のマザーボードで取り付けようとする場合は、レーン数確保のために色々と考える必要がありますが、最近のミドルレンジクラスになると色々と工夫されてて20レーン以上付いているものがよくみられますのでそれほど困ることはないのかもしれませんね。
といってもPCI Express3.0に対応していることが前提になるのでインテルの7シリーズのチップセットあたりがこのSSDを使える限界でしょうか?
それでは組み込めたらきちんと認識しているかUEFI BIOS上から確認してみます。
しっかり認識してくれています。
マザーボードがNVMeに対応しているアナウンスはなかったと思うのですが、どうやらSSD側のOption ROMを読み込んできちんと認識してくれるようです。
性能はさすがだけど、ちょっと癖がある
さて、組み込みができたので、早速使ってみましょう。
やはりWindows7ではそのままでは認識していないですね。
ということで付属のDVDからドライバを入れてやります。
あっさり認識しました。
それでは、まずはWindows7でCrystalDiskMarkを走らせてみましょう。
ん?
こんなはずは・・・・・
そういえばCrystalDiskMarkのバージョンが古いと正確なデータが出ないってのをどこかでみたような・・・
ということで最新の雫版をゲットして再度測定してみましょう。
・・・・あれ?
公証値よりずいぶん低いですね。
いやいや・・・そんなはずはないはず。
ということでちょっと見直してみましょう。
まずはUEFI BIOSのバージョンアップです。
気持ち増えた。
でもまだまだです。
う~ん・・・・
こういうときにマザーボードのブロック図とかあればいいんですが、みつかりません。
というか普通ないかな?
ということで帯域を食ってるかもしれない機能を探していきます。
すると・・・
SATAのところにこいつらが・・・
・Marvell® PCIe 9128 controller
・ASMedia® ASM1061 controller
もうMarvellなんてPCIeのレーン使ってますよといわんばかりの名前です。
実際にSATAはX79チップセットが提供している6ポートで足りていますのでこいつらは余分です。
ということでDisableに変えてやります。
結果・・・
キタ!!
どうやら40レーンあってもいろんな追加チップと共有している部分があるみたいです。
マニュアル上ではVGAまわりの説明でこんな感じで読み解けます。
PCI Expressx16 #1 16レーン
PCI Expressx16 #2,#4 16レーン
PCI Expressx16 #3 記載なし(PCIe x1と共用で8レーン?)
となっていてVGAは#1,#4,#2の順に使うように書かれてました。
なので今回のSSD 750を#4にさしていたんですが、SATAの拡張チップが#2,#4と共用しているみたいですね。
ここにたどり着くまでに時間がかかりましたが、無事性能を引き出すことができました。
最新のマザーで、そこまで多機能でなければ、ここまで悩むこともなかったのかもしれませんが、少し前の多機能マザーを使って出るはずの性能が出ない場合はちょっと色々チューニングが必要かもしれません。
さて、ついでに消費電力も見ておきましょう。
まずはSSD無しの状態時の消費電力(アイドル時)です。
ちょっと見づらいですが、87.1Wです。
次にSSD 750設置時の消費電力(アイドル時)です。
約6W増えて93Wです。
そして最後にCrystalDiskMarkで計測中の負荷時の消費電力です。
こちらは113Wと、さらに20Wほど増えてます。
負荷をかけたときは純粋にSSDだけの消費電力ではなく、CPU他にもある程度の負荷はかかっていると思われますし、他の制御しているチップセットやCPU、メモリも消費電力に多少は影響していると思われますので、SSD単体の消費電力としてではなく、利用時の参考値として提示しておきます。
・アイドル時6W
・高負荷時26W
それでも今までの2.5インチのSSDに比べると電気を食ってる感がありますね。
驚くほど早く、文句なしの性能ですが、それを引き出すのはマザーボードを選ぶのと、もしかするとチューニングが必要なのは若干素人には敷居が高いような気がします。
ですが、これからこういった製品が殖えてくればあらかじめSSD優先ポートとか出てくるかもしれません。
そうなってくるともっと身近なデバイスとして認識できるかもしれませんね。
実際にゲームをプレイしてみよう。
それでは実際にゲームをプレイしてみましょう。
環境としてOSはWindows7を使っています。
また、比較するHDDはSEAGATE ST2000DL003を使います。
規格:SATA600
容量:2TB
回転数:5900rpm
そしてプレイするゲームはこの二つです。
Strider飛竜(ストライダー飛竜)
TOMB RAIDER(トゥーム・レイダー)
どちらもSTEAMで購入できるゲームです。
最新のゲームとは言えませんがさて、どうなるでしょうか?
まずはストライダー飛竜から試してみましょう。
序盤のボス戦です。
左がHDD、右がIntelSSD750です。
ほとんど差がありません。
というか誤差?若干HDDが早くロードが終わったような??
思ったほどロードに負荷がかからないなら差はほとんど無いようです。
これはびっくりです。
先読みとかしてロード時間とかの短縮をしているのでしょうし、このゲームはそこまでディスクに負荷はないのかもしれませんね。
それでは続いてトゥーム・レイダーです。
こちらも同じく左がHDD、右がSSDです。
これはOPですが、開始は同時にしています。
ですが、OPムービーの開始からすでに差が出てきてます。
途中HDDに追いつかれ気味になりますが、それでもSSDのほうが早いですね。
そして特に差が出たのはムービーからゲームのエンジンに制御が移ってからです。
ここからは明らかにSSDのほうが読み込みが早くなって少しずつ差が出てきました。
こうなってくると、さすがにIntelSSD750のほうが早いですね。
まだまだ序盤で読み込みデータも少ないようなのでHDDでもストレスを感じることなくゲームは進められますが、より多くのデータが必要な場面になってくるとその差を感じるようになってきます。
今までHDDでプレイしているとそんなもんかと思いがちでしたが、IntelSSD750を使うとさらにストレスなくゲームに没頭できそうです。
また、今回プレイしたゲームは一人でプレイするようなものですが、対戦とかロード時間が勝敗に左右されるようなシビアなものになるとこの差は大きいのかもしれませんね。
さて、ここでIntelSSD750の発熱についても見てみましょう。
まずは気温は約18度でこいつを使って測定しています。
まずはOS起動完了から10分間なにもしていないアイドル状態の時の温度です。
29.9度です。
SSDなのに思ったより暖かい?
次にゲーム(トゥーム・レイダー)を1時間ほど遊んだ状態での温度測定です。
32.1度です。
思ったほど温度は上がりませんでした。
これはそこまでSSDで電力を消費していないということでしょうか?
先の消費電力の増加から考えるともっと熱くなってもおかしくないような気がするのですが・・・
放熱性能が良いというのもありそうですが、IntelSSD750以外で消費されている電力が大きいと見るほうがいいのかもしれませんね。
これくらいならわざわざファンの追加や水冷とかで強制的に冷やしてやる必要もなさそうです。
次はWindows7ではなく、Windows10で使ってみます。
CドライブはSamsung SSD 830
そしてDドライブにこのIntelSSD750を取り付けての比較です。
基本的にマシンスペックは同じなのですが、OSの違いによって差がでるのでしょうか?
まずはストライダー飛竜から試してみましょう。
左がWindows7、右がWindows10です。
Windows7のほうが若干早いでしょうか?
でもこれなら誤差の範囲と思えるのですが・・・
続いてトゥーム・レイダーも見てみましょう。
見事にシンクロしています。
途中Windows7のほうが早い?って思うところもありましたが、内部タイマーでもあったのでしょうか?
きっちり差を吸収して最後にはまたきれいにシンクロするような感じです。
これから見るとOSによる違いは特になさそうです。
となると、これからのことを考えるとWindows10での使用をしたいところですが、Windows7であっても、まだまだIntelSSD750の実力は十分に発揮させることができるといったところでしょうか?
若干玄人向けだけど性能はさすが
最後に、噂どおりのすごいSSDですとまず言いたい性能です。
ただ、PCI Express3.0に対応していて、さらにIntelSSD750用にPCIeのレーンに余裕があるかなど、マザーボードを選ぶ製品です。
なので、現状では自分でマニュアル等を読み解いて自分が使っているマザーボードで性能が出せるかの判断ができないとなかなか手が出せないかもしれません。
メーカーにもよりますが、現状で最新のチップセットのH170、B150、H110でも性能が引き出せないマザーボードもあるのではないでしょうか?
さすがにZ170だと大丈夫だと思いますが・・・
これからこういったSSDが増えてきて、マザーボード側にもそれに配慮した設計になってくるとより身近になってくるかもしれませんね。
というかM.2よりこのPCI Expressのスロットに挿すタイプのほうが私的には好みですし、私の使っているマザーボードのようにM.2が使えないマザーにも使えるといった高い汎用性はうれしいですね。
これほどの速度が出るなら、ヘビーなゲーマーには必須のパーツとなるような感じです。
こんなSSDが標準仕様になる日がいつか来るといいですね。
flatcaddyさん
2015/12/19
やはりただものではないてすね。
eulerさん
2015/12/20
従来のSSDからすると随分消費電力高く感じますね。
でも消費電力以上の効果は間違いなくありそうです。