Zigsowプレミアムレビュー”インテル PC GAMING REVOLVER REVIEW / BULLET.5 - インテル(R) Solid-State Drive 750 400GB(アドインカード)"のレビューです。
インテル(R) SSD 750 シリーズはNVMe(Non-Volatile Memory Express)に対応したPCI-E 3.0 x4接続の高速SSD。2015年4月に発売されたIntel製SSDの最新モデルです。
<Intel SSD 750 AIC シリーズのリテールパッケージ版>
・SSDPEDMW400G4X1 400GB
・SSDPEDMW800G4X1 800GB
・SSDPEDMW012T4X1 1.2TB
インテル(R) SSD 750 シリーズのバリエーションは容量別に3種類が販売されています。
以降、製品名はIntel SSD 750 400GB AICと統一させていただきます。
本体はGPUのようなヒートシンクが搭載されています。
標準サイズの他にロープロファイル用ブラケットも付属しています。
裏側もカバー(ヒートシンク)で覆われています。
SSD本体以外の付属品はドライバーディスクと簡易説明書のみです。
・CPUクーラー:Thermalright TRUE Black 120 Rev.C
・M/B:ASRock Z87 Extreme6
・MEM:XPOWER DDR3 8GBx2 SP016GXLYU186NDA
・GPU:Palit GeForce GTX 780 JETSTREAM
・HDD #1:Intel SSD 335 240GB
・HDD #2:Seagate ST31000528AS
・ODD:LG GH24NS
・Audio:Sound Blaster X-Fi Titanium HD
・電源:FSP FSP700-80EGN(700W 80Puls GOLD認定)
・PCケース:Cooler Master CM690II Plus NVIDIA edition (NV-692P)
・OS:Windows7 SP1 Home Premium SP1
・モニター:DELL U2711
Intel SSD 750 400GB AICをセカンダリーのPCI-Ex16スロットに取り付けます。
PCを起動して新しいHDDやSSDを取り付けたときのように、コンピューターの管理(コンピューターのアイコンで右クリックメニューで管理を選択)のディスクの管理を開いてみると、Intel SSD 750 400GB AICを認識していません。
これはWindows 7はNVMeドライバが標準で用意されていないため、デバイスドライバをインストールする必要があります。NVMeドライバは下記のIntelサイトからダウンロードできます。
□Intel NVMeドライバー ダウンロードページ
●インストール手順
サイトからドライバのファイルをダウンロードしたら圧縮ファイルを解凍してInstallerフォルダ内にあるインストーラー(SetupNVME.exe)を起動。
インストーラーが起動したら”Next”をクリック
ダイヤログにチェックを入れてたら”Next”をクリック。
再度インストールの確認画面が表示されるので”Next”をクリック。
少し待つとドライバのインストールが開始されます。
バーが最後まで進んだあとは”Finish”をクリックしてウィンドウを閉じればインストール完了です!
●パーティションスタイルの選択
NVMeドライバのインストールが完了したらコンピューターの管理をもう一度開いてディスクの管理をクリックすると、今度はIntel SSD 750 400GB AICを認識します。
パーティションについては、一般的なMBRと2GB以上の大容量データドライブ向けのGPTの二種類が表示されます。今回は2GB以下のドライブでシステムドライブへの変更も考慮してMBRを選択しました。
●ボリュームの割り当て
新規のHDD/SSDのときと同じくドライブを利用できるようにするためボリュームの割り当て・初期化・ドライブ指定など行う必要があります。
コンピューターの管理を開いてディスクの管理をクリック。
Intel SSD 750 400GB AICのディスク(当環境ではディスク2)にカーソルを合わせて右クリックメニューを表示して”新しいシンプルボリューム”を選択。
新しいシンプルボリュームウィザードが起動するので”次へ”をクリック。
ボリュームのサイズの指定画面が表示されます。
今回は1パーティションで利用するので最大容量を指定して”次へ”をクリック。
ドライブの割り当ては後で変更も可能なのでオート設定(F)のまま”次へ”をクリック。
フォーマット形式の選択画面が表示されます。
基本的にはデフォルト設定のままでokなので”次へ”をクリック。
設定に問題がなければ”完了”をクリック。
以上でIntel SSD 750 400GB AICを使用する準備が完了です。
定番のディスクベンチマークアプリのCrystalDiskMarkを使用して性能を検証してみました。
比較用SSDとして、Intel SSD 730 480GBとIntel SSD 335 240GBの2台のスコアを用意しました。
旧バージョンでは超高速ドライブでのスコア計測に不向きということで、最新版のCrystalDiskMark 5.1.0を利用しています。
Intel SSD 335 240GBに関しては交換前のシステムドライブという都合で内部のデータを退避していませんのでスコアは参考までに。
●データサイズ 100MB(ランダムデータ)
Intel SSD 750 400GB AIC
Intel SSD 730 480GB
Intel SSD 335 240GB
●データサイズ 1GB(ランダムデータ)
Intel SSD 750 400GB AIC
Intel SSD 730 480GB
Intel SSD 335 240GB
データサイズ100MBと1000MBの二種類で計測して見た結果、シーケンシャルリード 2278MB/s以上、シーケンシャルライト 994MB/s以上。公式スペックのシーケンシャルリード 2200MB/s、シーケンシャルライト 900MB/sを上回る素晴らしいスコアです!
Intel SSD 730 480GBのスコアも500MB/sを超える素晴らしいスコアですが、それを大きく引き離すIntel SSD 750 400GB AICの転送速度に驚きです。
●ディスクリートGPU利用時の注意点について
レビューに使用したマザーボードはZ87チップセットでブリッジチップなどを搭載していない製品のためGPU-ZでGPUのPCI-E動作状況を確認してみると、PCI-Eのレーン分割によりバスインターフェースはx8動作になっていました。
この点についてはディスクリートGPU搭載環境ではGPUがフルに性能を発揮できなくなるので注意が必要となります。
Intel Solid-State Drive ToolboxはSSDのステータスやコンディションの確認、最適化、ファームウェアの更新などを行うことができるIntel純正のSSD専用アプリです。
ステータス確認とファームウェアの更新の有無を確認するためにインストールをお勧めします。
Intel Solid-State Drive Toolboxは下記のIntelサイトからダウンロードできます。
□Intel Solid-State Drive Toolbox
https://downloadcenter.intel.com/ja/download/18455/Intel-Solid-State-Drive-Toolbox
レビュー作成時の最新版はバージョン 3.3.3 (2015/11/16)です。
●インストール手順
サイトからドライバのファイルをダウンロードしたらインストーラー(Intel SSD Toolbox - v3.3.3.exe)を起動して”次へ”をクリック。
使用許諾契約書が表示されるので同意したら”次へ”をクリック。
Intel Update Managerのインストールの確認が表示されますので”はい”をクリック。
少し待つとインストールが開始されてファイルが書き込まれます。
”次へ”をクリックしてインストール作業は完了です。
●ファームウェアの更新
ホーム画面でファームウェアを更新したいドライブをクリックしてステータスを表示します。
更新前のIntel SSD 750 400GB AICのファームウェア”8EV10171”です。
今回の場合、Intel SSD 750 400GB AICはファームウェア”8EV10174”へ更新されます。
左側のメニューの”ファームウェアの更新”をクリックして更新画面を表示します。
ファームウェアを更新するドライブのデータのバックアップが推奨されていますので、必要に応じてデータのバックアップを行います。今回は空のドライブですので、そのまま”実行”をクリック
ファームウェアの更新は数秒で完了します。
再起動を求められるのでOSを再起動すればファームウェアの更新作業は完了です。
ファームウェアの更新については以前はisoファイルをダウンロードしてDVDなどのブータブルメディアを作成して更新していたので楽になりました。
ファームウェアの更新でドライブ内のファイルが削除されてしまうのか実験を兼ねて更新前にドライブ内にダミーデータをいくつか置いてから更新してみましたが、ファームウェアのバージョンの数字の更新が少ないマイナーアップデートのためでしょうか。データは消えずに残っていました。
ただし、今回の結果はファームウェア更新時のドライブ内のデータの安全性を保障するものではありませんので、大切なデータは更新前に必ずバックアップすることをお勧めします。
ASRock Z87 Extreme6はUEFI BIOS上でIntel SSD 750 400GB AICを認識してデータドライブとしては利用できますが、肝心のシステムドライブに指定することは出来ませんでした。
詳しい原因を調べる時間的余裕はないのと正式にNVMeに対応したインテル9シリーズのマザーボードに交換することに決定。予備パーツとして保管していたAsus MAXIMUS VII RANGERとパーツ交換で対応することにしました。
マザーボード交換ということで急いでパーツ交換を行い、BIOSとMEを最新に更新して準備完了!
・CPUクーラー:Thermalright TRUE Black 120 Rev.C
・M/B:Asus MAXIMUS VII RANGER
・MEM:XPOWER DDR3 8GBx2 SP016GXLYU186NDA
・GPU:Palit GeForce GTX 780 JETSTREAM
・HDD #1:Intel SSD 335 240GB #2
・HDD #2:Seagate ST31000528AS
・ODD:LG GH24NS
・Audio:Sound Blaster X-Fi Titanium HD
・電源:FSP FSP700-80EGN(700W 80Puls GOLD認定)
・PCケース:Cooler Master CM690II Plus NVIDIA edition (NV-692P)
・OS:Windows7 SP1 Home Premium SP1
・モニター:DELL U2711
マザーボードをASRock Z87 Extreme6からAsus MAXIMUS VII RANGERに変更のみで他のパーツは変更無しです。以後のレビューでは上記の環境での検証となります。
●システムドライブでの運用について
Z87チップセットのマザーボードでNVMe接続のSSDをシステムドライブに指定については基本的には対応していないと考えたほうが無難でしょうか。どうしてもインテル8シリーズのマザーボードでIntel SSD 750 400GB AICをシステムドライブとして利用したいと言う場合には事前に対応状況の確認は必須です。
Z97マザーボードのAsus MAXIMUS VII RANGERは特に設定を変更する必要もなくブートオプションのドライブ一覧にIntel SSD 750 400GB AICが表示されました。
Intel SSD 750 400GB AICをシステムドライブに指定したい場合にはNVMeに対応しているインテル9シリーズ以降のマザーボードとの組み合わせをお勧めします。
●Intel SSD 750 400GB AICへのシステムドライブのクローニング
OS再インストールは時間がかかる大変な作業です。そこで、今回はシステムドライブの移行ツールを使用してシステムドライブのクローニングでストレージの移行を行いました。
初めにIntel SSDユーザーは無料で利用できる定番の”Intel Data Migration Software(IDMS_15056_ja-JP.exe)”を使用してみると”移行先のドライブがIntel製ではない”というエラーが発生してクローニングは行えませんでした。
これはIntel Data Migration SoftwareがIntel SSD 750シリーズ(NVMe)に対応していないことが原因のようです。
●無料のバックアップアプリ - EaseUS Todo Backup Free 9.0でクローニング!
今回は無料で利用できるクローニングアプリ”EaseUS Todo Backup Free 9.0”を使用しました。
□EaseUS Todo Backup Free 9.0 - ダウンロードページ
http://jp.easeus.com/backup-software/free.html
サイトからTodoBackup_9_0_Free_jp.zipをダウンロードしたら解凍してインストーラーの
”TodoBackup_9.0_Free_jp.exe”を実行してインストールします。
EaseUS Todo Backup Free 9.0が起動したら右上の”クローン”をクリック
ソース ディスク(コピー元)を選択します。
ターゲット ディスク(コピー先)を選択します。次は右側の”編集”をクリック。
レイアウト(パーティション)を指定します。
今回は全ての容量を使いたいので右端まで広げてから”OK”をクリック。
問題なければ”実行”をクリックします。
こちらのツールはOS再起動することなくシステムドライブのクローニング作業が進行。コピーに掛かった時間は約15分。高速に処理されます。
EaseUS Todo Backup Free 9.0を使用してIntel SSD 335 240GBからIntel SSD 750 400GB AICへのクローニング作業は無事完了しました。
注意点は”クローニング先のドライブのパーティションの拡張を忘れずに行う”のみ。シンプルで使いやすいアプリです。
今回はクローニング作業後にシステムドライブに指定できないというトラブルが発生したので、マザーボード交換後にドライバなどを当ててから再度システムドライブのクローニング作業を行うことになってしまいました。
”インテル(R) SSD 750 シリーズでSkyrimをプレイ!”ということでマザーボードを交換した新しいゲーミングPCでスカイリムをプレイしてみました。
ゲームプレイ動画の撮影には”USB 3.0対応HDMIキャプチャーデバイス Live Gamer EXTREME『GC550』(*国内版)”を使用しました。
コントローラーカスタマイズアプリ”x360ce”を使用してUSB接続のXbox360コントローラーを使用しています。
□x360ce - ダウンロードページ
https://github.com/x360ce/x360ce
●プレイ動画
●The Elder Scrolls V: Skyrimをプレイしてみた感想
インテル(R) SSD 750シリーズをシステムドライブに投入したゲーミングPCでスカイリムをプレイしてみた感想です。プレイ動画ではネタバレ防止と久しぶりのプレイということで新規キャラクターを作成して動画を作成しました。(動画内にコメントを挿入してあります。)
アクセス速度については一般的なSATA接続のSSDでも十分高速のため極端に差は出ませんでした。しかしロード時間の長いPlayStation3やXbox360版と比べると”エリアチェンジは無い”といってもおかしくない速度のためダンジョンや町&都市などの建物へ入るときのロード時間によるストレスから開放されます!
容量についてはレビューに使用したインテル(R) SSD 750シリーズは400GBです。使用していた交換前のIntel SSD 335 240GBはスカイリムを含めてゲームを複数入れているので200GB近く消費していて空き容量も少なくなっていましたが、Intel SSD 750 400GB AICの場合はシステムドライブに投入してゲームソフトを複数インストールしても余裕があるのもポイントです。
超高速SSD”インテル(R) SSD 750シリーズ”をゲーミング環境で使用してみた感想です。
まず転送速度についてはベンチマークテストの結果は驚異的なスコアで、一般的なSATA接続のSSDと比べて別次元の速度で購入したユーザーは満足できるはずです。実際にその速度を体験したことで発売当初から品薄が続いていた理由がわかりました。
今回のレビューではゲーミング環境での検証でしたが”超高速データストレージ”として動画編集や超高解像度の画像編集用のテンポラリとしても効果を発揮するのではないでしょうか。
容量については400GB、800GB、1.2TBと3種類が販売されています。一番容量の少ないモデルでも400GBと容量的にはかなり余裕があるのでシステムドライブとして使用した場合でもゲームやアプリをたくさんインストールすることができるのもポイントです。
注意点としてはまず第一にフロントI/OのHDDアクセスランプとの連動に非対応のためPCケースのアクセスランプが光らない、現在主流のプラットフォーム向けマザーボードではディスクリートGPUの帯域を奪ってしまう可能性が高いという点と、OSが起動するシステムドライブとして運用したい場合にはNVMe対応マザーボードが必須のため、インテル9シリーズ以降の比較的新しいプラットフォームのデスクトップPCが必要になる点です。買い替えやパーツ交換が必要になる場合があるのでインテル(R) SSD 750シリーズ利用を検討している環境の対応状況確認を事前に行うことをお勧めします。
対応するプラットフォームの条件についてはハイエンド製品ということで問題になりにくいとは思いますが、自分のようにインテル8シリーズのマザーボードを愛用している方も多いと思いますので各マザーボードメーカーはBIOS更新での対応拡大に期待しています。
インテル(R) SSD 750シリーズはハイエンドSSDということで若干敷居が高い製品ですが、それに見合う性能を有した優れた製品です。システムドライブだけでなく動画編集などの超高速データストレージとしてお勧めです!
<2015/12/21>
・誤字を修正しました。
<2015/12/23>
・”Intel Solid-State Drive Toolbox”を追記しました。
<2015/12/24>
・コメントを追記しました。
<2015/12/27>
・”トラブルとテスト用PCのパーツ交換”を追記しました。
・”システムドライブのクローニング”を追記しました。
・”インテル(R) SSD 750でSkyrim!”を追記しました。
・”感想”を追記しました。
<2015/12/28>
・コメントを追記しました。
千里一歩さん
2015/12/20
一番読みたかった内容です。私のようにPCの自作をせず、パーツの増設経験も数えるほどのユーザーにとっては、購入前にイメージトレーニングができるのでとても助かります (特に新規格の製品はいろいろと心配される方も多いでしょうし、トラブルが起きそうな点も事前に把握できますから)。
Sheltieさん
2015/12/20
コメントありがとうございます。お役に立てたようで何よりです。
自作に慣れているベテランユーザーは知っている過程でも自作初心者の方では必要な情報もあるかもしれないと思ったのと、今回のレビューはファーストインプレッションの公開が必須ということなので細かい部分まで設定手順を紹介してみました。
リンさん
2015/12/20
引き続きレビュー楽しみにしています。
合わせて誤字見つけたのでお時間がある時に訂正してください。
>使用したマザーボードはZ87チップセットでブリッジチップなどを搭載してい製品のため
搭載していないかな?
Sheltieさん
2015/12/20
コメントありがとうございます。
SSD 750の性能は別次元ですね。実際に体験してみて発売当初から大人気な理由がわかりました。誤字の件もありがとうございます。早速修正しました。