今話題となっているStick PC。
持ち運ぶのにも苦にならないほど小さく、動画鑑賞にも普通に耐えられるというその実力。
今回応募するにあたっての個人的な命題は、
Stick PCでドラゴンクエストXが遊べるのか?!
これにつきます。これだけにつきます。
ドラゴンクエストXはWii/WiiU/PC、将来的にはPS4とNintendo NXで遊べるようになる予定ですが、この中でWiiについてはいち早くサポートが終了するでしょう。
そこで、Wiiの代わりとして、Stick PCでドラゴンクエストXが動くのかを検証したく応募いたしました。もし動くのであれば、自宅だけではなく、旅行先でも遊ぶことが出来ます。
昨今発売されている安価なタブレットPCはAtom搭載機が多いので、タブレットでも遊べるのかどうかの指標となれば幸いです。
更新履歴
2015/10/22 新規公開(ファーストインプレッション)
2015/10/25 動画追加
2015/10/31 使用感、実用性、総評を追加
開封の儀
それでは、早速お決まりの開封の儀から。
パッケージはIntelの青を基調としていますが洋画のDVDみたいなロゴです。
PCに造詣が深い人以外の一般人には敷居が高く感じるかもしれません。
箱はiPhone等の化粧箱などとは異なり、下から引き出します。
本体を格納している部分にも、各種インタフェースの説明があります。
パッケージの梱包物一覧。
本体のほか、説明書、マカフィーのサブスクリプションコード(1年)、電源ポート用micro USB、充電器と各国用の電源コネクタとなります。
マシンの負荷軽減を考えて、マカフィーは使用しません。
本体とCromecastとの比較です。
こう並べると、大きく思えます。
本体のインタフェースです。
先ほどのパッケージ部分にも記載がありましたが、インタフェースは非常にまとめられており、必要最低限なものが揃っています。
ストラップホールは地味に嬉しい設計。
USB紛失による情報漏えいが騒がれていますが、Stick PCもノートPCより小型で紛失に気づきにくいので、職場での運用を考えている場合は特に注意が必要ですね。
最初のセットアップを行う際、キーボードがマウスが必要ですが、Stick PCには一つしかUSBポートが存在しません。
そのため、USBハブを繋げてキーボードとマウスを繋げるか、タッチパッド付きのキーボード、Unifying対応のマウス・キーボードセットがあると良いでしょう。
セットアップ完了後の空き容量は18.7GB。
CrystalDiskMarkの結果は以下の通りです。
写真や動画などを入れるとあっという間にストレージが無くなるので、外付けのストレージは必須です。今回はmicro SDXCを購入してストレージを確保しました。
また、今後本体を使用する上で、Bluetoothでの運用のほうが楽なので、以下の機器を登録しました。
それでは早速、Windows 10にアップデートしてみましょう。
時間は非常にかかるが、トラブル無くアップデート可能
それでは早速、今回のレビュー課題の一つ、ISOファイルを用いてのWindows 10のアップグレードを行います。
ちなみに、本体のセットアップ完了後、すぐに本体から直接Windows 10へのアップグレードも可能です。
まずアップデートを行う上で、既にインストール済みのWindows 8.1のアップデートが必要となります。先にアップデートしておいたほうが後々楽になるでしょう。その際ネットワークへの接続が必要ですが、無線LANだとダウンロードに非常に時間がかかるので、USB接続の有線LANアダプターを使用して有線でネットワークに繋ぐことを強くおすすめします。
別のネットワークインストールを別途行いましたが、こちらの製品を使用しました。
■ISOファイルの作成
ISOファイルを作成する方法はとても簡単。
今回は別のタブレットPCでISOファイルを作成しました。
Microsoftの公式サイトより、メディア作成ツールをダウンロードします。
URL : http://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows10
ISOファイルを作成するコンピュータに合わせて、32bit/64bitそれぞれ異なるので注意が必要。
メディア作成ツールを起動します。
起動しているコンピュータとIntel Compute Stickは当然別のコンピュータなので、「他のPC用にインストールメディアを作る」を選択。
言語、エディション、アーキテクチャをそれぞれ選択。
Intel Compute Stick用のため、アーキティチャは32bit。
使用するメディアは「ISOファイル」を選択。
次へ進むと、ISOファイルを保存するディレクトリを聞かれるので、任意の場所を選択。
ディレクトリを指定すると、Windows 10のダウンロードが始まります。
暫くこのまま待機。
ダウンロードが完了すると、完了画面が表示されます。
その後、ダウンロードしたISOファイルを外部媒体にコピーします。
自分はUSBメモリにコピーしました。
■Windows 10のインストール
Intel Compute StickにISOファイルをコピーした外部媒体をUSBに挿します。
ISOファイルをダブルクリックして開いて、setup.exeをクリックします。
セットアップを起動すると、更新プログラムのインストールが行われていない場合は、最初に更新プログラムのインストールが促されます。ここは素直にインストールしましょう。
USBはUSBメモリでふさがっているので、USB LANアダプタは使用できないため、時間がかかります。
次へボタン押下後、ライセン条項の確認が有ります。
引き継ぐ項目がありますが、まっさらなコンピュータなので、そのまま次へ。
更新プログラムのダウンロードが始まります。暫くそのまま。
更新プログラムのダウンロードとインストールが完了後、Windows 10 をインストールする準備が出来た旨の画面に切り替わります。「インストール」をクリック。
Windows 10のインストールが始まります。
非常に時間がかかります。4~5時間は余裕を持ちましょう。
長いインストールが終わると、見慣れたWindows 10の画面が表示されました!
【Windows 10 アップデートまでの手順まとめ】
- Windows 10のISOファイルを作成する。
- キーボード&マウスは用意する。
- Intel Compute StickのWindows Updateを完了させておく。
- 必要に応じて、ドライバをアップデートする。
ドラゴンクエストXをプレイしてみる!
冒頭にも記載した通り、ドラゴンクエストXが動くのかどうかという命題の元、動かしてみます。
まずはベンチマークテスト。
SD画質&低品質であれば、なんとか行けるレベル。
DQXのベンチマークテストは、実際のゲームの動作よりも辛めで出るので、解像度がHDでも実は大丈夫だったりします。
実際にSD画質でのベンチマークテストの動きです。
同時に録画しているので最終的な評価は落ちてしまっています。
バトルシーンの動画です。SD画質、60fpsでプレイしています。
フレームは若干飛びますが、プレイには師匠がありません。
イベントムービー。HD画質、60fps。
さすがにフレームは飛んでいます。ゲーム進行には影響はありません。
■インストール
ベンチマークの結果、ドラゴンクエストXも低画質なら動きそう、ということがわかったので、早速インストール。
容量は16GB必要なので、インストールはSDカード領域に行いました。
起動後、大容量のオンラインアップデートが走るので、USBポートには有線LANアダプタを装着。
アップデートが完了すれば、無事ゲームスタートが可能となりました。
[Tips]ゲームパッドについて
・「XInput Wrapper for DS3」を用いたPS3コントローラの接続だと、ゲーム起動後にエラー続出
・PS2コントローラをアダプタを通してUSB接続すると、入力が暴走する
・PC用のUSBコントローラだと問題なく使える
おすすめのゲームパッドはコレ。
準備も整ったので、早速起動してみます。
ランチャーの起動やゲームのログインに少し時間がかかりますが、一度ログインしてしまえばその後は通常通り遊べます。
低解像度なのでラグもさほど多くなく、Wiiレベルの操作感は維持。
PC版はWii版よりも画面切り替えも早いので、切り替わりのストレスがかなり軽減されます。
[動画]
と、ここでトラブル発生。
重要コマンドである「さくせん」コマンドが機能しません。
「さくせん」コマンドを選択するとコマンド選択後ウインドウが切り替わることもなく、ボタン操作を受け付けなくなります。
移動は可能なので、町から出るなどで画面を切り替えればウインドウはキャンセルされますが、このコマンドが使えないと、任意の場所でゲームの正常終了ができないほか、他の人を仲間に誘うこともできなくなるなど、ゲームの進行に大きな影響を及ぼします。
そこで原因の調査のために、一旦アンインストールを行い各バージョンごとで動作確認を行いたいと思います。
★バージョン1★
- バージョン1をインストール
- ゲーム起動後、自動アップデート
- 動作確認
バージョン1起動後、「さくせん」コマンドは通常通り開きました。
次にバージョン2をインストールします。
★バージョン2★
- バージョン2をインストール
- 動作確認
アップデートはバージョン1起動後に全て行われるため、バージョン2起動時の自動アップデートはありません。
また、「さくせん」コマンドは通常通り開きました。
次にバージョン3をインストールします。
★バージョン3★
- バージョン3をインストール
- 動作確認
バージョンを3に上げても、無事「さくせん」メニューが表示されました。
最初のトラブルは一体何だったのか・・・。
※後日、入れ替わりで公式ゲームマスターより連絡がありましたが、インストールに失敗している可能性が高いので、再インストールを試してみてくださいとのことでした。
【ゲームスタートまでのインストール手順まとめ】
- キーボード&マウスのBluetooth接続の設定を完了しておく。
- USBポートにDVDドライブを接続し、バージョン1のインストールを行う。
- インストール完了後、USBに有線LANアダプタを接続しアップデートを行う。
- USBポートにDVDドライブを接続し、バージョン2、3のインストールを行う。
- インストール完了後、ゲームパッドをUSBに接続する。
これで無事ゲームが遊べるようになりました。
次にゲームをプレイする上での設定を見ていきます。
■設定
低スペックPCでも動作するドラゴンクエストXとはいえ、高負荷設定ではまともにプレイができません。
いろいろ設定を変更した上でのベストバランスといえる設定を紹介します。
【アプリケーション】
解像度はHD(1280ドット ☓ 720ドット)。
フレームレートは30fps。
少し重さが気になる場合は、解像度をSD(640ドット ☓ 480ドット)にすると良いでしょう。
グラフィックスは低品質。エフェクト類は全てOFFが良いでしょう。
Intel Compute StickでのドラゴンクエストXはHD画質(横1280×縦720ドット)でも低品質&30fpsなら、過度なエフェクトのある場面以外ではプレイに耐えうるかと思います。HD画質はWiiUと同じなので、Wii版からの移行の場合は画面が広く感じるでしょう。
SD画質(横640×縦480ドット)であれば、標準品質&60fpsでも大丈夫です。これはWiiの画質同等でフレームレートは高いので、Wiiよりもやや快適にプレイできます。
コントローラは先に紹介したXbox 360用のコントローラの場合、キーコンフィグを変えたほうがよいでしょう。
下の画像の通りに変更すれば、Wiiの外部コントローラ同等の操作感になりますので、プレイ前に変更をお勧めします。
TVをインターネットTVに変える
(2015/10/31追記)
Atom搭載ということで、大きな仕事はできませんが、インターネット動画を再生するには十分なパフォーマンスを示します。
そこでいくつかの動画サービスを再生してみました。
■Hulu
動画解像度がさほど高くないこともあり、フルHDでもしっかり再生されます。
■TVer
URL:http://tver.jp/
始まったばかりの民放の動画配信サービス。
最新のドラマやバラエティ番組の見逃し放送を視聴可能です。
こちらも問題なく再生可能です。
■Amazon プライムビデオ
URL:https://www.amazon.co.jp/b?node=3535604051
こちらも始まって間もないサービス。
Amazon Prime会員であれば、無料で視聴可能です。
Amazon プライムビデオはキャプチャ不可でした。
視聴自体は問題なく可能です。
以上、3サービスを確認しましたが、いずれも視聴に問題がありませんでした。
スマートフォン向けに様々なサービスが提供されており、一部はChromecastへの対応も行われていますが、対応のないサービスもあります。
PCでも再生できるサービスであれば、番組の検索もPCのほうが楽ですので、このIntel Compute Stickを使用しての動画視聴ライフはより楽しめるでしょう。
回線速度について
(2015/10/31追記)
無線LANに対応していますが、Bluetooth機器を接続すると回線速度が遅くなる報告が海外でもなされています。
今回使用するにあたりいくつかのサイトを見て回りましたが、無線の場合の回線速度の遅さはかなり気になるレベルです。
試しに測定してみました。
・無線LAN
マンションの光回線なのでベストエフォート 100Mbps ですが、無線LANの場合明らかに遅いです。
・有線LAN
USB無線LANアダプタを使用して測定した場合、明らかに早くなります。
これまで方々で報告されていた無線LANでの回線速度の遅さについては、やはり気になるレベルの遅さとなっています。動画やインターネットを介したゲームを行う場合は、有線LANアダプタを使用することを強くお勧めします。
ファーストインプレッションまとめ
マウスコンピュータが2014年に突如「m-stick」を発売以降、各社スティックPCを発売し俄かにブームになっています。
ドスパラが突如価格破壊を行い、だれでも気軽にスティックPCを手に入れやすくなり、PCマニアに爆発的に普及しそうな気配がします。
OSを普通に買うのと同等の価格でPCも購入できてしまうのと、搭載OSがWindows 8.xであっても2016年7月28日までWindows 10へ無償アップグレード可能ということもあり、Windows 10の検証端末としても使うことができます。
HDMI搭載のディスプレイがあればすぐに使用可能なため、店頭のディスプレイ用やデジタルサイネージにも活用できますね。
個人利用であれば、TVがあっという間に高性能なインターネットTVに変えるだけではなく、軽いゲームやブラウザゲームが大画面で遊べるようになるなど、活用の幅が大きく広がるでしょう。
最初はおもちゃの域にしかならないかと思いましたが、小さな体で大きな仕事ができる、正真正銘のコンピュータです。
TVをインタラクティブに変えるPC
(2015/10/31追記)
概ねファーストインプレッションで述べた通り、普通のTVをインターネットTVに変えることができ、動画視聴やWebアクセスを可能とするIntel Compute Stick。
回線速度の検証結果の通り、思う存分楽しむためには有線LANが必要という注意点があるものの、ノートPCやデスクトップPCを接続しなくても、PCの軽い作業がTVで行えるのは便利。
家族で通信販売のページを眺めながら注文するのも楽しいです。
PCということで、ある程度の知識が必要な分、PCに疎い家庭での使用は少々大変かもしれませんが、気軽にPC抜触れられる環境が作れるので、子供への教育にも使えるかもしれません。
今後CPUやストレージ面を強化していけば、PCゲームの使用に使える未来がやってくるかもしれませんので、さらなる進化に期待しています。
リンさん
2015/10/23
我が家の実家のPCに最適だと感じました。
今更ながら羨ましいなぁと思います。
sandbagさん
2015/10/23
ネットサーフィンや動画鑑賞なら全然行けますね。
Chromecastで対応していない配信サービスもTVで見る事もできるので、インターネットTV化に良いアイテムだと思います。