2年前にAMD APUで組んだ自作PC。
現行スペックに追いつけない部分はグラフィックボードを追加したりして何とかしのいでましたがなんか違う。追加すれば追いつく部分もあるけどUEFI非対応だったり、フロントUSB3.0が無かったりとやっぱりマザーボードの古さが足を引っ張る部分があって追いつけない。そう思ってた矢先ギガバイトのFM2+対応MINI-ITXマザーボード「GA-F2A88XN-WIFI」のレビューの機会をいただいたので、今まで使っていた同じくギガバイトのMINI-ITXマザーボード「GA‐A75N-USB3」との入れ替えを検証してみたいと思います。
見た目はこんな感じ
左「GA-F2A88XN-WIFI」 右「GA‐A75N-USB3」
外箱比較。
右の旧品と見比べると白基調から黒基調にイメージが変更されてますね。引き締まってかっこいい感じ。
内容物。
マザーボード本体とバックパネル、SATAケーブル2本にWIFIアンテナも箱同様全て黒基調。今回ケース内装が黒なのでよく合いそう。
あとは日本語マニュアル他冊子とインストールCDが付属のMINI-ITXとしては過不足ない構成。
マザーボード本体。
フロントUSB3.0とSATA6Gが4本。CPUクーラーとケースファン用の4pinが各1。PCI Express は3.0対応。
FM1世代のマザーボードを複数使ってましたがフロントUSB3.0の付いたものが無かったので、これはうれしい限り。そのかわりフロントUSB2.0は無くなってしまったのでケース対応は要注意。
【訂正】すいません。フロントUSB2.0ありました・・・
「GA-F2A88XN-WIFI」最大の特徴であるワイヤレスLANカード。
小さ過ぎて写真がうまく取れませんでしたが型番を見るとインテルの7260HMWとなっている模様。867Mbps転送の新規格802.11ac対応、2.4GHz/5.0GHz対応、Bluetooth4.0対応と考えられる限り全部入りなのもすごいところですが、何よりすごいのは店頭1万前後のマザーボードに単体で買うと6000円前後するLANカードが載っているところ。びっくりです。
バックパネル部。
元々複数使ってたFM1マザーボードの中で「GA‐A75N-USB3」だけ残していたのはMINI-ITXでデジタル2画面出力可能だったこと。今回の「GA-F2A88XN-WIFI」ではHDMI2画面、DVI1画面の3画面で出力が可能。
アクセスしづらい背面にUSB3.0が4つあったのも今回リアx2、フロントx2となったので使いやすい。WIFIアンテナもここに接続するので将来的に拡張したいPCI側スロットを潰さなくて済みます。
背面に接続するWIFI用アンテナ。
底面がマグネットになってるのでさりげに便利。電波もよく拾います。
Bluetoothで変わる
今までの「GA‐A75N-USB3」で組んでいた時の背面。
WIFI子機、キーボード、マウス、ヘッドセット、スピーカー、HDMIケーブル、電源ケーブルとせっかくMINI-ITXを選んだ意味なしのケーブルまみれ構成。
しかもWIFI子機はハイパワーにするため大きくなった犠牲として背面USBを1つで2つ塞いでしまうのでUSBの空きもほぼなし。
しかし今度の「GA-F2A88XN-WIFI」はマザーボード側にBluetooth対応のカードが内蔵されているのでキーボード、マウス、スピーカー、ヘッドセットをBluetooth対応のものに入れ替えてみました。
「GA-F2A88XN-WIFI」で組んでみた背面。
HDMIケーブル、WIFIアンテナケーブル、電源ケーブル。
たったこれだけになってしまいました。これならMINI-ITXの取り回しやすさも活かせそう。
Bluetooth機器はiPhone やスマホが対応していることもあり、以前より種類も増え価格もこなれてきました。貧乏くさい話ですが今回揃えたキーボード、マウス、スピーカー、ヘッドセット全て1000円台なので大した出費になりませんでした。
802.11ac & 5GHz対応WIFIで変わる
以前対戦型のネットゲームをやっていたのですが、インターネットの接続タイプ変更で、ルータが2階から1階になってしまいました。私の自室は2階。WIFI子機が干渉の多い2.4GHz帯にしか対応していないので頻繁に遅延が生じるためゲームにならないことが多く、次第にそのゲーム自体やらなくなってしまいました。
しかし「GA-F2A88XN-WIFI」なら干渉の少ない5GHz帯にも対応しているので、これならゲームも安定して出来るかも?と思い試してみました。
(スクリーンショット・クリックで拡大)
ファンタジーアースゼロ ©2005-2014 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.Licensed to GMO Gamepot Inc.
スクリーンショット左下のping値が遅延を表す数値になります。1/1000秒単位なのでping値が100であれば0.1秒の遅延が生じています。剣や魔法の攻撃を当てるゲームなので許容範囲はだいたいping150くらいまで。これより大きい数値は対戦してる相手が見ている画面とこちらの画面で差異が生じて、お互いに狙ったところに攻撃が当たらない状態となります。
今まで2.4GHz帯での接続ではこのping値が安定せず1000を超えてしまうことも。
しかしスクリーンショットを見ていただければわかる通り、5GHz対応の「GA-F2A88XN-WIFI」でプレイしてみたping値は78。戦闘中ほぼブレることなく1戦を終えることが出来ました。ちなみにスコアが低いのは久しぶりだったせい!
他の対戦ゲームも試してみましたがきっちり狙ったところに攻撃が出来ました。当たり前のようですがWIFIでこんなことが出来るのは驚異的です。
今まで出来なかったゲームが「GA-F2A88XN-WIFI」のおかげでまた出来るようになってうれしい。
また867Mbps転送の802.11ac対応なので今まで無線じゃな・・・と思ってた1Gbps超えの光接続への切り替えも検討してみたいと思ってます。
kaveriで変わる
今までのFM1マザーボードではCPUがLlano世代しか対応してませんでしたが、FM2+対応の「GA-F2A88XN-WIFI」ではTrinity、Richland、そして最新のKaveri世代と幅広い世代のCPUが選択可能です。
今回は最新Kaveri世代のAMD APU「A10-7850K」を組み合わせて、旧世代ながらグラフィックボードを増設した「GA‐A75N-USB3」とゲーミング性能を比較してみたいと思います。
構成 旧「GA‐A75N-USB3」
【OS】 windows Vista home premium sp2 x86
【CPU】 AMD A4-3400 (2.7GHz)
【クーラー】 CPU付属
【GPU】 SAPPHIRE HD5770 1G OC
【M/B】 GA-A75N-USB3
【Mem】 team 1333 2GBx2
【SSD】 PLEXTOR PX-64M2S 64GB
【ODD】 AD-7240S
【ケース】 Prodigy cobalt blue
【電源】 KRPW-G2-550W/90+
構成 新「GA-F2A88XN-WIFI」
【OS】 windows 8.1 DSP x64
【CPU】 AMD A10-7850K (3.7GHz)
【クーラー】 HYPER 212 EVO
【M/B】「GIGABYTE GA-F2A88XN-WIFI」
【Mem】CORSAIR CMY8GX3M2A1600C9 4GBx2
(メモリのレビューはこちら)
【SSD】 PLEXTOR PX-64M2S 64GB
【ODD】 AD-7240S
【ケース】 Prodigy cobalt blue
【電源】 KRPW-G2-550W/90+
ちなみにマザーボード、メモリ、CPU、CPUクーラー、OS以外は使いまわし。
※注意
Kaveri世代のAMD A10-7850Kは「GA-F2A88XN-WIFI」より後発の発売となるため、BIOSが対応していない場合があります。(「GA-F2A88XN-WIFI」ではBIOSバージョンF2以降で対応)
BIOSが非対応の場合Trinity、Richland世代のCPUがBIOSの更新に必要となるので、持っていない場合は必ずマザーボードのBIOSがKaveri世代に対応していることを確認してから選びましょう。
・ファンタシースターオンライン2
(C)SEGA 『PHANTASY STAR ONLINE 2』
公式サイト http://pso2.jp/
簡易設定5 1920x1080
・A4-3400+HD5770
・A10-7850K
まさかの桁違い。旧世代とはいえミドルクラスのグラフィックボード搭載相手ではかなりの差が出る模様。
但し実際のゲームは設定3くらいまで落とせば普通にプレイ可能。
・ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編
©2010-2013 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
公式サイト http://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/
・A4-3400+HD5770
・A10-7850K
屈辱のダブルスコア。現役最強の内蔵GPUでもさすがにきびしい。
但しこれも標準品質に落とせば内蔵GPUだけでプレイ可能。
・ドラゴンクエストX
(C)2012, 2013 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
公式サイト http://www.dqx.jp/
・A4-3400+HD5770
・A10-7850K
プレイ可能な数値ではあるけれどやっぱり外部グラフィックにはかなわず。
まぁ内蔵グラフィックだし消費電力も最大負荷で150W→120Wほどに落ちたのでこれでよし?
(初出時設定が違っていたので訂正しました。)
オーバークロックで変わる
各PCパーツはギリギリの負荷をかけて故障することのないよう、ある程度のマージンを設けて設計されています。
このマージンを使ってさらなるパフォーマンスを引き出すのがオーバークロック。
「GA-F2A88XN-WIFI」はMINI-ITXフォームファクタながらオーバークロックにも対応しているのでグラフィック性能にかかわるGPUとメモリをオーバークロックしてどこまでミドルクラスグラフィックボードに迫れるのか試してみます。
※注意
オーバークロック行為は多くのPCパーツで保証外の動作となります。
各パーツの保証規定をよく確認してあくまでも自己責任の上で行ってください。
・ファンタシースターオンライン2
(C)SEGA 『PHANTASY STAR ONLINE 2』
公式サイト http://pso2.jp/
簡易設定5 1920x1080
・定格
GPU 720MHz
メモリ 1600MHz
・オーバークロック
GPU 720MHz→900MHz
メモリ 1600MHz→2133MHz
オーバークロックでおよそ倍のスコアに!
ゲーミング性能アップにオーバークロックは威力大でした。
それでもミドルクラスのグラフィックボードとはおよそダブルスコア。今後のドライバ熟成とMantle効果に期待したいところ。
(初出時設定が違っていたので訂正しました。)
cTDPで変わる
TDPとはThermal Design Power(熱設計電力)の略。設計側にこれくらいの熱に耐えられるよう作ってくださいねって指示をする数値ですが、おおよその半導体においてほぼTDP=消費電力となるため、消費電力の指標として見当をつけるのにも便利な数値です。
A10-7850KはTDP95W。結構高めのTDPなので今回MINI-ITXにしては風通しのよい大きなケースとCPUクーラーを選択していますが、MINI-ITXケースは当然のことながら小さいケースが多く、組んでみたら排熱が間に合わないなんてこともよくあります。
今まで間に合わなければケースやCPUクーラーを入れ替える、もっとTDPの低いCPUに入れ替えるしかありませんでしたが、「GA-F2A88XN-WIFI」ではConfigurableTDP機能(BIOSバージョンF4aより対応)によって本来TDP95WのA10-7850KをTDP65W、TDP45Wまで制限することが可能になっています。
ただ消費電力を落とす以上パフォーマンスにもなんらかの制限がかかるはずなので、CPUのパフォーマンスを計測するPCMark8、GPUのパフォーマンスを計測する3DMark、ついでにPCに最大負荷をかけるOCCT-powersupplyで実消費電力を計測して各TDPごとのパフォーマンスを測ってみました。
・TDP95W(定格)
PCMark8(HOME OpenCLあり):3295
3DMark(FIRE STRIKE):1333
OCCT-powersupply:120W
・TDP65W
PCMark8(HOME OpenCLあり):3133
3DMark(FIRE STRIKE):1289
OCCT-powersupply:105W
・TDP45W
PCMark8(HOME OpenCLあり):2811
3DMark(FIRE STRIKE):1167
OCCT-powersupply:90W
あくまでも熱設計なので設定通りの電力差にはなりませんでした。
定格95WとTDP45W設定では30Wの消費電力差となりましたが、パフォーマンスを見る限りそこまでひどく落ち込むこともないので、例えば冬場だけ本気出すPCとかConfigurableTDPを活かして面白いPCが作れそう。
Androidで変わる
今回OSをWindows8.1にしたのでWindowsアプリが使えるようになりましたが、以前より使えるアプリが増えたとはいえまだまだAndroidアプリの豊富さにはかないません。
Androidでしか使えないアプリや旧型スマホでは使用が難しいアプリなどもあって、Windowsアプリにも対応して欲しいところですが、そもそもAndroidアプリがWindowsPCで動いてしまえば解決なので、それを可能にするソフトウェア BlueStacksをインストールしてAndroidアプリがどの程度使えるのか試してみます。
KoboはPC対応になりましたがこちらはまだ。
PCのモニタなら見開きも余裕で読みやすい。
小さい画面ではプレイしづらいゲームもPCなら余裕。
型落ちスマホではプレイが厳しいようなハイスペックを要求するゲームも余裕。
(クリックで拡大)
3D性能においては名だたるハイスペックスマホ、タブレットがおもちゃのよう。
さらにこのBlueStacks、現在はAMDと共同開発となっているため、AMD APUへの最適化が行われているとの話。これよりパフォーマンス、互換性が上がる可能性もありなのです。
使ってみて
「GA-F2A88XN-WIFI」でPCを組んでみて、ちっちゃいボディに似合わない豊富な機能によって、久々に自作PCの楽しさを味わった気がします。正直サブのサブくらいの扱いだったAMD APU自作PCが、メインマシンとして生まれ変わりました。これだけ全部入りで1万前後の価格はコストパフォーマンスも最高ですね。
今回そのままギガバイトのAMD APU対応MINI-ITXからギガバイトのAMD APU対応MINI-ITXへの入れ替わりとなりましたが、今後もAMD APU対応MINI-ITXはギガバイトで行こうと思います。
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