今回ギガバイトのマザーボード「Z87X-UD3H」と共にメモリ「CORSAIR CMY8GX3M2B2133C9」をお借りしておりますので、併せてレビューをしたいと思います。
メモリのスペックは以下となっております。
[スペック]
規格 PC3-17000 (DDR3-2133MHz)
種類 240Pin DDR3-SDRAM Unbuffered DIMM
容量 8GB(4GB×2枚)
クロック 2133MHz
レイテンシ9-11-11-31
高耐性PCB 8層基盤
XMP 対応
定格電圧 1.65V
さて、メモリーのオーバークロックについては、そのメモリに搭載されているICを知ることが重要となります。搭載されているICによってレイテンシ設定や電圧設定が異なってきますので、各メモリに搭載されているチップを調べることでよりメモリーオーバークロックの設定を詰めることができるようになります。
コルセアメモリについて、チップを調べたい場合、メモリー上に掲載されている「Ver.x.xx」という数字を見ればわかるようになっています。
■コルセアメモリ Ver表記とチップ
コルセアメモリに搭載されているICとVerの関連性は以下のようになっています。
Ver1.x:Qimonda
Ver2.x:Elpida
Ver3.x:Micron
Ver4.x:Samsung
Ver5.x:Hynix
Ver6.x:Promos
Ver7.x:PSC(Powerchip Semiconductor Corporation)
Ver8.x:Nanya
Ver9.x:Winbind A1-die
今回お借りしたメモリは「Ver.3.24」なので、表記の通りであればMicronメモリとなります。
僕の予想では、SamsungかHynixだと思っていて、まさかMicronだとは思いませんでした。
Micronメモリといえば、その昔は一斉を風靡したハイクロックメモリでしたが、現在の主流はHynixかSamsungなので、どのような結果になるのか、かなり楽しみになってきました。
コルセアとMicronのコンビでどのような耐性を見せてくれるのかオーバークロックしながら検証してみたいと思います。
■メモリーオーバークロック設定
メモリーをオーバークロックして、piの各クロックごとのタイムを紹介しながらメモリーの耐性などを紹介してみたいと思います。
また、今回のテストではOSの軽量化対策やXPなどは使用しておりません。
すべて以下のマシン構成でテストしております。
■PC構成
【M/B】 Z87X UD3H
【CPU】 intel Core i7-4770K
【GPU】 CPU内臓 Intel HD Graphics 4600
【RAM】 CORSAIR CMY8GX3M2B2133C9
【クーラー】Prolimatech MEGAHALEMS
【SSD】 PX-128M2P
【CASE】CoolerMaster TEST Bench
【PSU】 SILVERSTONE SST-ST1000-P
【OS】 Windows7 Pro 64bit
■オーバークロック設定
CPUクロック 4.0GHz固定
[1600MHz CL9-11-11-31 1.5V]
最初のテストは1600MHzから開始しました。1600MHzはこのメモリーのスペック内の値でかつ標準的なクロックだと思います。
pi1M 9.111s
[2133MHz CL9-11-11-31 1.65V]
このメモリーのスペックシート通りの設定でのテストです。
Pi1M 9.080s
2133MHzでの動作は非常に安定しており、Z87X-UD3Hのレビューではこの設定ですべてのベンチマークを完走しています。
4770Kであればおそらく殆どの石でこのスペックはクリアできると思います
[2400MHz CL9-11-11-31 1.65V]
2133MHz時のレイテンシと電圧でそのままクロックを2400MHzまで上昇させてみた結果、何の問題もなく、すくっと起動してきました。これには少し驚きました。
しかもこのクロックで動作は非常に安定しており、そのまま常用できそうです。
Pi1M 09.048s
速度も申し分なく、非常に安定していることからこのメモリの潜在的なマージンはこの当たりのクロックなのではないかと思います。
[2600MHz CL9-11-11-31 1.7V]
さらにクロックを上昇させます。レイテンシはそのまま、電圧のみ1.7Vまで上昇させてみましたが、動作は非常に安定しています。
Pi1M 9.001s
また、このクロック域ではPiのタイムが安定しており、このメモリの得意とする領域がこの辺りなのではないかと予想します。
[2666MHz CL10-12-12-34 1.7V]
2666MHzで何度かブルースクリーンとなりました。CMOSクリアして何度かレイテインシを変えたりして起動に成功しました。ここまで来るとお手軽にとはいきません。
Pi1M 9.064s
また、piのタイムが落ちています。
何十回かトライしてもタイムが安定しません。ですが、2666MHzでの動作も電圧さえ上昇させておけば問題なく安定していました。
[2800MHz CL10-13-13-36 1.85V]
2800MHzでは何度もブルースクリーンと再起動が発生しました。
電圧もさらに上昇させ、レイテインシもゆるめてみたところ、起動してきました。
Pi1M 9.017s
電圧をさらに上昇させているので、piのタイムは速くなっています。
タイムアタックで更に上を目指すのであれば、電圧を調整しつつ、レイテンシを詰めていくことで更によいタイムが出せるかもしれません。
当方では何十回かトライしましたが、上記よりよいタイムは出せませんでした。
このメモリーの調子のよいクロック2600MHzで9秒切れるかやってみたところ、切ることができました。
[2600MHz CL9-11-11-30 1.7V]
Pi1M 8.986s
かなりカジュアルにメモリオーバークロックをやってみましたが、予想以上によく回ってくれるメモリです。使用されているチップが恐らくマイクロンなので、設定については、サムスンなどを参考にしつつやってみましたが、かなり遊べるメモリで、VANGENCE PROシリーズの名に恥じないメモリでした。
■最後に
メモリーのオーバークロックでえられるパフォーマンスは、体感できるものではないですが、エンコードの時間も短縮できますし、4770K内臓GPUの描画パフォーマンスにも大きく影響しますので、高クロックで安定して動作できるメモリは、有効です。
その点、今回お借りしたメモリは2133~2400までなら定格スペックで動作し、非常に安定していました。基板は黒基盤で、ヒートシンクのつくりもよくさすがコルセアと言える品質も魅力だと思います。
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