わりと切望していた AMD APU向けゲーミングマザーが登場!
GYGABYTEのゲーミングマザーブランドG1.KILLERシリーズはG1.Sniper 5、G1.Sniper Z87、G1.Sniper M5、G1.Sniper B5、G1.Assassin 2と、主にIntelプラットフォームで展開されてきたシリーズです。 マザーボード上に高音質なオーディオプロセッサーを搭載し、オペアンプを交換できるなど、オーディオ環境にこだわったマザーボードとなっています。
それがAMDプラットフォームで発売されるとアナウンスされたときは色めき立ったものです。 当初はFM2対応のA85Xチップセットで開発していたようですが、AMDがKaveriへの対応を先に進めたことによってソケットFM2+に対応したA88Xチップセットで登場したのがこのゲーミングマザーG1.SNIPER A88Xです。緑のパーソナルカラーが眩しいですね^^ 色は緑ですがAMDプラットフォームです。AMDのマザーボードです。個人的にAMDのイメージカラーが赤色なものですから、なんか違和感を感じますw (AMDのマークは緑なんですけどねぇ……)
というわけで、GYGABYTE G1.SNIPER A88Xです!
“Gaming Motherboard”の文字が輝いて見えます。(個人の感想です)
付属品はシンプルにマニュアルとバックプレート。SATAケーブルにステッカー!
このステッカーがカッコイイですね。箔押しでGYGABYTEのロゴが浮き上がってますよ!
さっそくマザーボードを舐めるようにチェック!
新しいマザーボードが来たら隅々までチェックします。臭いもかぎます。臭いは比較的薄いですね……。
第一印象は、なにやらシンプルなマザーといった感じです。しかし黒基板がカッコイイ!
PCI Ex ×16スロットはグリーンカラーが2本。1本はPCI Express 3.0です。ようやくAMDのマザーもPCI Express 3.0に対応しました!
そのPCI Exスロットの間にはお馴染みのDual BIOSチップがふたつ。これでBIOSが飛んでも安心!
ソケットはFM2+とFM2と下位だけですが互換性があります。 ソケットがFM2+に変更されたことでピン数も変わりました。なんか、どこかでソケット見せて”ピン数が変わってるのがわかりますね?”とか書いてましたが、分かりませんよ。普通は。ソケットの違いは色で確認。右の白いソケットがFM2で、左の黒がFM2+です。これなら分かりやすいですね。間違っても白いソケットにKaveriを押しこんではいけませんよ。
ソケット周りの電源フェーズはなんか控えめな印象。しかし、低発熱の固体コンデンサ採用で作りは堅実。
CPUファンコネクタはひとつで、これは少し残念。ゲーミングマザーなのに……。CPUクーラーをデュアルファンにした場合は個別に制御できませんね。
ATX24pin横にはUSB3.0の内部コネクタ。ここでちょっと疑問に思うことがあります。このマザーはGYGABYTEのON/OFF Charge機能に対応しているのですが、その場合対応コネクタは色が変更されているはずです。でもこのマザーでは、USBコネクタはすべて黒です。なぜでしょうね?
USB 3.0コネクタの隣にはG1-Killerの刻印が美しいヒートシンク。スペシャル感が演出されています! イイですね!
その横にはSATAコネクタが8個。縦向きと横向きとバラバラに搭載されていますが、PCケースによって使いやすい方を使い分けられそうです。
フロントインターフェイス用ピンコネクタは色分けされています。GYGABYTE製マザーの定番ですね。実際にPCケースに組み込んでしまうと、この色分けされたコネクタが見づらいのだけが残念ですが……。 横にはCMOSクリア用ピンヘッダもありますが、CMOSクリアスイッチはありません。ちょっと残念ですね……。起動スイッチはなくてもいいので、CMOSクリアスイッチは欲しいところです。
G1.KILLERシリーズの特徴となるオーディオプロセッサーは金色のシールドでコーティングシールド。オーディオチップは「Creative Sound Core3D」ではなく「Realtek ALC898」ですが……。蟹チップも良くなってきているとはいえ、ちょっと残念……。ですが、ニチコンのゴールドコンデンサは光ってます。
オーディオチップの上にうっすらと灰色に見えるラインは、基板上で発生したノイズをオーディオ機能に伝わる前にシャットダウンするノイズシールドです。他の回路の影響を受けずに高音質を実現するための仕組みです。ちなみにLEDが内蔵されていて……、
光ります。
コレが超カッコイイ!!
洒落にならないカッコよさw
このギミックのためだけに、このマザー買ってもいいんじゃないかと思わせるほどです。知ってたけど、実際に見ると本気になります。
さて、ニチコンのゴールドコンデンサの横には、このマザーの目玉でもあるオペアンプが搭載されています。デフォルトで乗っているのはBurr-Brown OPA2134PAみたいですね。200円以下の安いオペアンプですが、音質は決して悪いものではないようです。まぁ、普通というところです。
横のスイッチはゲイン切り替えスイッチ。デフォルトの1で×2.5、2で×6に切り替えられます。使用するヘッドフォンなどに合わせて切り替えると結構楽しめます。
さらに基板上を追っていくと皆大好き蟹LAN!!
G1.KILLERシリーズに属するゲーミングマザーですが、蟹LAN。ちょっと残念でry
まぁ、蟹LANでもあまり問題ないんですけどね。気分の問題、みたいなものです。
バックパネルは、やはりシンプルな印象ですね。USB3.0コネクタがふたつだけというのは少し物足りません。が、問題があるわけでもないんですよね……。
バックパネルの注目するべきは、USB-DAC用にシールドコーティングされたUSBコネクタと、オーディオアウトプットの金色ジャック。オペアンプ交換で音質の変化を楽しむには、ここを使用します。
基板上を眺めていくと、やはりシンプルな構成という感想。ゲーミングマザーという観点から見ると少し物足りなさを感じます。しかし、金色にシールドされたオーディオ機能は期待が高まります。さらに、GYGABYTEらしく抗サージ用チップが基板上に散見できます。まずGYGABYTEのマザーボードとしての品質は保証されているようです。やはり基本的な部分が抑えられていないと安心して使えないですからね。
Kaveri対応のためにはBIOSアップデート
G1.SNIPER A88Xは、Kaveriに数ヶ月先行して発売されたマザーボードですから、新しく発売されたKaveriを使用するにはBIOS(UEFI)のアップデートが必要です。そのためにはFM2対応のAPUが必要となるのが少し面倒ですね。今回はTrinityのA10-5800Kを載せてBIOSアップデートを行ないます。
と、思ったらできない。
ぇー。
UEFI上からWindows上から、BIOSアップデート手段は豊富だというのにどの手段でもアップデートできません。”もしかしてDOSバッチ? 面倒だな……”なんて思いながら情報を探してみるものの見つけられません。
諦めたところでマイナビニュースに答えがありました。
やはりDOSバッチ……。そんなことやらなくなってずいぶん経つのでやり方忘れてますよ? 仕方ないので今回はスルーするということで……。
G1.SNIPER A88Xだしオペアンプを交換するしかない!
G1.KILLERシリーズ最大の特徴は、オペアンプを交換して自分好みの音質を追求できることでしょう。オンボのチップでもそれなりに高音質が楽しめるマザーボードですが、せっかくですからオペアンプを交換して楽しむしかありません。
交換用のオペアンプは、オーディオ機器で使われているものがそのまま使用できます。なので、自分の好みがわかっている人、手持ちがある人はそれを使用するといいでしょう。G1.KILLERシリーズを購入したことで初めてオペアンプ交換に挑戦してみようという人には、GYGABYTEから交換用のオペアンプキットGP-OP AMPが発売されています。私もこれがオペアンプ交換初挑戦ということで、このキットを購入することにしました。(安かったというのもある)
キットのオペアンプは3つ。
■Burr-Brown - OPA2111KP
柔らかで優しい音を再現。ポップミュージックやインストゥルメンタルなど。
■Linear Technology - LT1358CN8
オペラやボーカルなど中音域を強調してシックな世界観を演出します。
■Analog Devices - AD827JNZ
高音域と低音域を強調し、大音量のサウンドの臨場感を再現します。オーケストラなどに最適です。
あとデフォルトの、
■Burr-Brown - OPA2134PA
音楽的な表現。柔らかい音ながら力強さがある。
ではオペアンプをデフォルトのOPA2134PAから交換してみましょう。
工具を使ってまっすぐに引き抜きます。写真だと斜めになっていますね。ダメですね。
こんな風に斜めに引き抜くと、足が曲がってしまいます。というか曲げてしまいました。この程度なら元に戻せますが、やり過ぎると折れます。デフォルトのオペアンプは固く装着されているので、力を入れつつ慎重に作業することをお薦めします。
次に他のオペアンプをソケットに差し込みます。ちょっと足が広がっているので、ほんの少しだけ内側に折ってやるとすんなり入ります。オペアンプの向きは切り込みのある方をソケットの切り欠け部分と合わせます。上の写真だと逆に差し込んでいます。ダメな実例ですね。「半導体には無意味な切り欠けなどない」のに、何やってんでしょうね。
オペアンプを逆差しすると最悪壊すこともあるようです。向きには注意したほうがいいです。
それぞれのオペアンプを交換して視聴
なんか抜けたことやっている写真を掲載してしまいましたが、無事オペアンプの交換もできましたので、実際にそれぞれ聴き比べてみたいと思います。
使用したヘッドフォンはRazer Orcaという安物です……。あまりいいヘッドフォンではありませんが、これでも結構違いを感じられます。特に今回は40KHz~320KHzのMP3やflac、wavといった音源を用意したところ音源の違いは顕著でした。CD以上の音質というハイレゾ音源ならもっといい音で聴けるかもしれません。
以下、各オペアンプで感じた素人の感想です。
■Burr-Brown - OPA2134PA
デフォルトのオペアンプ。良くも悪くもなく、PCの音という感じです。ただ、音源の音質が上がっていくにつれて、それなりに聴き込めました。高音域と低音域が弱いというか軽い感じがしますが、これはヘッドフォンのせいという気もします。
■Linear Technology - LT1358CN8
とんでもない音割れがしました……。
さすがにおかしいので試行錯誤のすえ、オペアンプを逆差しにするという(これが交換の写真……)暴挙に出たところコレがなぜかアタリ。急に音がクリアになり、音が平均化されたような印象。変に音が高くなったり低くなったりするところもなく聴きやすい。Razer Orcaとは一番相性がいい気がします。
■Analog Devices - AD827JNZ
こちらも逆差しで音がクリアに^^; 意味がわからない……。
高音域と低音域が強調されるということで、逆に違和感を感じるはめに……。ただし、高音域が伸びるように響くようになり、女性ヴォーカル曲にはいいですね。
■Burr-Brown - OPA2111KP
これがちょっと困ったことに……。
順差しで音割れ、逆差しで音がでないと……。一番期待していたオペアンプなんですが、壊れてしまったのか? いや、しかし、逆差しでクリアに再生できている他のふたつのほうがおかしいはずなので謎は深まるばかり……。
なんだか変な事にもなっていますが、オペアンプの交換による音質の変化というのは、かなり感じられますね。
これは楽しいです。非常に面白いです。
イロイロとベストなオペアンプを追求してみたくもなります。ゲーミングマザーのはずですが、オーディオPC用と考えてしまってもいいですね。
そして、今回テスト中に気になったのが、
PCの音。
PCケースファンの音がかなり気になりました。ウチの環境では、モニタを挟んで左にPRODIGY、右にはテスト用のDokkerとふたつのPCでケースファンが唸っています。これがめちゃくちゃ気になります。オーディオPCにファンレスという考え方が初めて理解出来ましたw 音質を追求していくと、まずデジタル音声に乗るノイズよりもPCの音が気になるんですね。よ~く分かりました^^;
オペアンプを交換して自分好みの音を追求し、高音質を楽しむためにPCの構成を悩むという実に自作PCらしい自作ができるマザーボードですね。そして極めつけは光るわけですから、これはなかなか楽しみがいがあります。しかも、これがAMD環境でも楽しめるわけですから嬉しい事です。
結構癖のあるマザーボードですが、性格がわかってくるとこれをどうしてやろうかと考えだしていて止まりません。静音ケースにいれてオーディオPCとして追求してみるか、高音質なスピーカーを導入してやるべきか、もっと高機能なオペアンプに変更してやるべきか、それぞれに答えがあって失敗はあっても不正解はないという自作らしい自作ができそうです。いや、本当にこれからどうしてやろうかと楽しみが増えてきました。G1.SNIPER A88Xはそんな自作erには嬉しい悩みの多い製品です。
だから、皆で光るPCつくろうよ!
ただ、
まぁ、
Kaveri ェ……。
カーリーさん
2014/02/02
Kvartさん
2014/02/02
ふっけんさん
2014/02/02
自分の環境だけかと思っていました(^^;
Kvartさん
2014/02/03
「こんなこともあろうかと……」とかいって出てくるタイミングを待っているFDDドライブが何台もあるのに出番がありませんw