数あるお酒のカテゴリーの中でも日本酒は私の中で特別な位置にある存在です。
それは単に酔いたいとか味だけではなく、その土地その土地で育てた米を使い、水を使い、その土地の食文化を背景にした、大いなる物語があるからのように感じています。
しかし、難しいことは抜きにして、うまい酒を楽しんで大事に飲む。
最終的にはそこに行きついています。
日本酒は週に4日以上は晩酌でご飯を食べながら頂いています。
主に味わいの濃い、旨口の酒が好みなのですが、淡麗(辛口)の日本酒でも
素晴らしい酒があることが分かってからは幅広く、いろいろな日本酒を楽しんでいます。
蔵を訪れることも好きで、蔵訪問をメインとした旅行をするほどです。
私のレビューはある意味「辛口」に感じられるところもあるかもしれませんが、
それは日本酒に対して真摯に向き合い、日本酒を愛するからこそということでお許し頂きたいと思います。
さて外見(外箱)から見ていきたいと思います。
世界一、美味い酒。それは、精一杯のあとの、酒一杯。
面白いですね。スローガンの一部が酒の名前になっているんですね。
おしゃれだと思います。
後ほど詳細に描きますが3か所にまたがる酒造りプロジェクトとして誕生したお酒です。
酒米は五百万石ということで、有名な山田錦の次にメジャーといえる銘柄です。
どちらかというと淡麗ですっきりとしたお酒の味わいになりやすい酒米ということです。
精米歩合などの詳細な情報もあります。
ここで私が注目するのは精米歩合程度です。
酒のおいしさはデータではありません。参考にはなりますが参考にすぎません。
実際に舌で味わう以外に酒を知る方法はありません。
また、新潟は○○、山形は××、山口は△△という味のカテゴリーをよくしますが
蔵によって違いますし、蔵で作っている銘柄によっても味わいが変わってきますので
カテゴライズも参考程度に収めたほうがいいです。しかも毎年味わいが変わるものですし、
生酒に至っては開栓してからもまた味わいの変化が楽しめるのです。
日本酒というのは迷うことすら楽しい迷路のような世界です。
この猿のイラストはこのお酒を醸された永山酒造さんの作られる「山猿」というお酒のロゴマークから持ってきたものだと思います。いずれ山猿も飲んでみたいですね。
この水色の瓶、美しいですね。期待が高まります。また封印のシールも素敵です。
製造年月は29年3月ということです。
詳しく書かれていませんが、もちろん火入れしたお酒でしょう。
熱燗・ぬる燗で飲むのがいい
純米吟醸クラスになると大抵は「冷や」一択でいつもは飲んでいます。そのため「冷や」で飲んだところ、楽しみにしていた吟醸香(=フルーティーな甘い香り)がなく、むしろあまり良い香りとは言えないことに正直少し失望しました。口に含むと最初は水っぽく、後味に若干クセがある。ただし苦みのようなものはない。ただこちらの「精一杯」は精米歩合60%ということで純米吟醸と銘打っているものの、純米酒レベルくらいの感じなのかなとも思いました。
日本酒ビギナーはこれを冷やで飲むとおそらく「これのどこがおいしいのだろう?」と、
はっきり言って日本酒を敬遠することになってしまうのではないかと危惧しました…。
また、常温は絶対いけません。やめましょう。ごめんなさい、私の感覚では残念な味わいです。
しかし!!!この酒は50度程度の熱燗~40度程度のぬる燗にすると化けます。
味わいがまろやかになり、旨味も感じられるようになり、飲みやすくなります。
なのでこのお酒を飲む際にはぜひひと手間加えて熱燗かぬる燗でお召し上がりください。
多少クセのある食べ物のほうが合う
【第一位】ローストポーク
これと飲んだときに一番合った食べ物はローストポーク。
おそらく酒の味にクセが強いからだと思われる。付け合わせの野菜のじゃがバターとも相性◎でした。(おいしすぎてすぐ食べてしまったため豚肉の写真がなくてすみません)
【第2位】ラーメン
味噌ラーメン!味の濃いものと食べると、酒のクセがいい感じで中和されます。
【第3位】フォーガー(鶏肉のフォー)
たまたまベトナムの女の子にもらった珍しいハーブがあったので作ったのですがフォーとは好相性でした。ナンプラーと合うのかな。
日本酒といえば和食と思いがちですが、味わいによっていろんなメニューと合いますので皆さんもぜひお試ししてみてください。
ちなみに甘いものとも、いろいろ合わせようとして食べてみましたが、このお酒と合うものは私は見つけられませんでした。
取り組みとしては面白い酒と思ったんだけど…
東京都のNPO法人銀座ミツバチプロジェクトが福島の農業復興を目指して、福島で酒米「五百万石」を育て、山口県の「山猿」という日本酒を作っているので有名な永山酒造さんが協力の上に醸した酒ということです。こういう取り組みを(日本酒で)他県にまたがって連携して行うということを見たのが初めてだったので面白いな~と当初は思いました。(※兵庫の山田錦などを単に原料にしていることなどは除く)
しかし、どうせ福島のお米を使って作るのならば福島県内にも素晴らしい酒蔵がたくさんあるのに何故わざわざ山口にまで酒米を持っていって作るのだろうか…とも思っていました。
すると、そもそも安倍晋三首相夫人の昭恵氏が当初はこの酒造りのプロジェクトに関わっていたということが分かりました。そういった人脈の点で「銀座×福島×山口 日本酒造り交流会」ということで作られたプロジェクトだったのですね。
今後このお酒造りが継続するのならば、目指す味わいを作ってくれそうな蔵にご依頼したり、やはり福島の米なのですから福島の蔵で作ってもらうなどの発展をしていってほしいなと思いました。
そして最後になりましたが、一番心配なことというか、基本的なことですが福島で育てた酒米を使ってお酒を造るにあたって風評被害を防ぐためにも放射能検査の数値などはホームページ上などで明らかにしてほしいと思いました。そういった情報公開がされていると、さらに安心して楽しく飲めると思います。(注:福島県内で生産した玄米は、全量・全袋検査が実施され、食品衛生法に定める一般食品の基準値(100ベクレル/Kg)以下であることは確認し出荷しているそうです)
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