レビューメディア「ジグソー」

新技術『SMR』が可能にした低コストで省スペースな大容量HDD

このレビューはpremium reviewです。

 

※3/15 SMRについて更新

※3/16 実際の運用テスト 更新 1・RAW画像100枚のファイル移動

※3/19-20 使い込んだ後の速度以下を更新

※3/21 エンコード・総評の記載

※3/23 2.1TBの壁超え 追記

※3/25 外観にぐらぐら動画を挿入

※3/26 MBRとGPTについて追記


 

 SEAGATE Desktop HDD 8TB:ST8000DM002

 

8TB!!

どえらい容量のHDDをレビューする機会をいただいちゃいました。

 

メインPCではゲームしかしない私は、ぶっちゃけHDDは無くても良いもので、

SSDがあれば十分ではあるのですが、高速なHDDなら有りだな。

と思い出してきたのは、nvidiaシャドウプレイ のせいです。

 

シャドウプレイは後から20分間の録画も出来るし、ゲーム中に起動していてもほとんど負担がないので、最近ちょこっとづつ動画を上げてみたりしています。

 

そうなってくると、基本的に気の向いた時に編集するので、未編集の重い動画がドンドン溜まってくると今まで使っている2TBのHDDでは容量がすこし不安になってきたところに

8TBの大容量、低電力、高速、高耐久な Seagate Desktop HDD(8TB) は

タイムリーな募集になりました。

 

 

更新: 2016/03/21

■Shingle Magnetic Recording( SMR )とはなんぞや?

 

Seagate Desktop HDD 8TBは、磁気ディスク6枚からの構成で出来ているHDDになります。

今までは6TBの容量を持つHDDでしばらく足踏みしていた所をブレークスルーした新技術技術である

 

『SMR』※Shingled Magnetic Recordingの略 2014年にSeagateが世界初で製品化

 

を採用した新技術の詰め込まれたHDDです。

 

※公式の説明はこちら

※公式の動画

 

 

磁気ディスク1枚に1.33TB の容量を詰め込んで、約8TB(OS表記上は7.27TB)の大容量を

実現した Seagate Desktop HDD 8TB になります。

 

従来のHDDとの違いについて簡単に説明すると

 

従来型のHDDは、HDDの円盤の外周から内側に向かって『トラック』という

陸上競技のレーンのような単位があり、その中の『セクタ』に記憶していきます。

『トラック』と『トラック』の間には、中のデータが混ざらないように、『ガードバンド』という

空白地帯を設けてデータが混ざらないようにしています。

 

 

データ容量を増やすには、磁気ディスクの枚数を増やすか、書き込み可能なトラックを細くして密度を増やすしか有りません。

 

SeagateのHDDのトラック幅は、なんと75ナノメートルという極細で、ウイルスよりも小く、現状の技術では限界まで細くしてあります。

※ナノメートル=10億分の1メートル 0.000001mm

 

読み込み用のヘッドは今よりも小さくしても問題ないようですが、

書き込み用ヘッドはこれ以上小さくしてしまうと、電磁石の芯の収束が上手く行かず書き込みエラーが出てしまいます。

 

書き込み用ヘッドをこれ以上小さくできないのならば、トラックを重ね書きして、

最初に書いた幅を狭くすればいじやないか!

 

というのが『SMR』技術になります。

 

 

 

 書込ヘッドで上記図のように、一度【トラック】を書き込み、読み込みヘッドのサイズが残るように、ヘッド位置を①にずらして上書きします。

 

そうして出来た【トラック①】をヘッド位置を②にずらして【トラック②】を書込ながら、

【トラック①】の幅を狭くしていきます。

 

この作業は、書き込みヘッド位置を③、④とずらして行きながら、トラックの幅を狭くして、

書込が終わる部分がトラック⑤になり、やっと重ね書きがおわります。

 

こうした瓦を重ねていく用に書き込んでいく技術が

『SMR』※Shingled Magnetic Recording

になります。

 

 

旧来の方法では、書き込み用ヘッドの大きさに合わせたトラックの幅になるので、3.5インチサイズの

HDDでは、物理的なサイズの問題が付いて回りましたが、『SMR』技術を使って、

書き込んだトラックを少しづつ重ねて行けば、同じ磁気ディスクでも容量を1.5倍、2倍、3倍と

膨らますことが出来ます。

 

現状では、25%の書き込み密度の向上のようですが、メリットとして少ないディスクで

今まで以上に書き込む事が出来る素敵技術なのですが、当然デメリットもあります。

 

デメリットは、書き換え作業に手間が掛かる点になります。

 

『SMR』技術は、新規に書き込んでいくシーケンシャルデーターは、通常のHDDと同様の動きなので、問題が発生しませんが、一度書き込んだ部分を書き直すランダム書き込みは、

トラック幅を重ね書きをすることによって狭くしている為、重ね書きが必要なくなる部分まで書き換えを続けなければならない点がデメリットになります。

 

上記図の書き換えたい部分【New Data】だけ、書き換えたい!と思っても、標準のトラックサイズが有る部分まで重ね書きをしてあげないと【New Data】が書き換えできません。

極論すれば、1バイトの書き換えの為に、何メガバイトも書き換え続けなければならないので、

普通のHDDとして使える品物では無くなってしまいます。 

 

そのハード的な制約をソフトウエアーで対策していて、GB単位のメディアキャッシュを作り、

重ね書きをしなくても良い部分までのデーターを【一連のトラックバンド】として溜め込みます。

 

読み書き自体は表面上高速で終わらせて、バックグラウンドで作業をしていく事により

通常のHDDと同様な読み込みと書き込みに対応しているようです。

 

※3/21 このメディアキャッシュについてSeagateに問い合わせて見ましたが、

    技術的な内容についてはご容赦ください。

    という返答をいただきました。

  ま~他社との技術競争の部分になるので、具体的には教えられないのは仕様がないですね><

 

その為、書き込んでいる途中で不意のクラッシュや停電が起きた時にはデーターが消えてしまうかもしれないリスクが予想されます。

 

AKIBA PC Hotlineのインタビューを参照

 

この技術のメリットは、既存の書き込み用ヘッドを用いる事によって、開発費用を浮かせ、

磁気記録盤の枚数を増やす事無く、記録容量を増やすことによって、

消費者に低コストで、大容量なHDDを提供することにあります。

 

 

したがって、写真や、動画等のファイルを保存する保管庫としては優秀ですが、

細かなファイルの読み込みや書き換えを頻繁にする【OS用】としては、向いていない様です。

 

 

 

更新: 2016/03/25

■外観 3/25追記

 

 

 

送られてきた『Seagate Desktop HDD 8TB』は、バルク品状態で送られてきました。

 

 

見た目は普通のHDDですが、手持ちの『Seagate Barracuda 2TB』と比べると

厚みと重さが段違いです。

 

 

 

厚みは約3分の1程度、Desktop HDD 8TBの方が厚くなっています。

容量が3倍増えているのに、厚みが3倍では無いのがポイントですね。

 

 

 

 

重さも3倍では無く、『Seagate Barracuda 2TB』が 394g に対して、

 

 

『Seagate Desktop HDD 8TB』は 771g と約2倍の重さになっています。

 

 

すでに、Seagate Desktop HDDを手に取った方は皆さんはご存知の事かと思いますが、

HDDマウンターに固定するネジが横付け、底面付け共に4か所しか無い点になります。

 

底面は両方とも4か所のネジ穴になりますが、位置がちょっと違います。

Desktop HDD 8Tの方は、HDDの中心あたりのネジ穴が無い代わりに、手前側にネジ穴が来ています。

 

サイド部分は、Barracuda 2TB や、多くのHDDでは、ネジ穴が片側3か所の計6か所にありますが、

Desktop HDD 8TB では、4か所しかネジ穴がありません。

※ちょうど真ん中部分のネジ穴がありません。

 

Desktop HDD 8TBは、4か所のネジ穴の間隔が広いため、HDDマウンターによっては、

2か所でしか固定することが出来なくなっています。

※左のBarracudaはしっかりと4か所で固定できていますが、

 右のDesktop HDDは、画像奥の2か所のみ固定でき、画像手前側はネジ穴が合わず、

 固定出来ていません。

 

 

二カ所でしか固定できていないので、当然グラグラします。

※ぐらぐら動画

 

 

ケース内でここまで激しく揺れる事は滅多にないと思いますが、高速回転しているHDDに衝撃が加わればヘッドが傷ついてご臨終する可能性もあるだけに、技術的に可能であれば今まで通りの場所にも

ネジ穴を付けて欲しいですね。

 

 

たまたま、今回組み込んでいる Fractal Design Define R5 のマウンターには、

制震用のゴムブッシュが付属しているので問題無さそうですが、

 

7200rpmという高速回転のDesktop HDD 8TBの振動はそれなりにあり、直接床に置いて作動させていると『ブ~ン』と結構な振動音もします。

 

 

更新: 2016/03/13

■ベンチマーク

 

 

 

 

SSDやHDDではどれだけの速度と容量があるのか?

という点が気になるポイントになります。

容量については、文句なしの8TBもありますので、速度を計測していきます。

 

■CrystaldiskMark 5.1.2                                                    

 

100MiBまでのランダムリードは、256MB の物理キャッシュが効いているので公称値よりも早い速度が出ています。

 

SATA2接続のノートパソコンに初めてSSDを取り付けた時の感動が蘇りました。

 

 

 

 

 特に、100MiBまでのテストデーターの結果では、4K Readの性能が早くなっていますが、

256MB 以上のデーターになると速度の低下が見られます。

 

 4Kの書き込み性能の低下はそれほどでもありませんが、読み込み性能はガツンと下がっています。

 

 

 

■TxBench                                                                        

 

 crystaldiskmarkは4以降少し早く計測される傾向にあるようなので、TxBenchでも計測してみました。

 

 

こちらでは、233mB/sとほぼ公称値通りの値です。

 

どちらにしてもHDDとしては、かなり高速な部類に入っています。

 

 

 

 

■ATTO Disk Benchmark                                                    

 

ATTO Disk Benchmarkでは、キャッシュを有効にするオーバーラップ I/Oで計測してみました。

256MB以上では、ほとんど差がありませんが、2GBのテスト時には、ブロックサイズが256-512の時に、一息ついている結果が出ました。

 

ギガバイト単位のソフトウエァーキャッシュの兼ね合いなのか、タマタマなのかはseagateに質問してみます。

 

 

 

 

 

 

■HD Tune Pro 5.60 trial                                                   

 

 

HD tuneの結果をみると、左側のディスク外円部から中心に向かって速度の低下が緩やかにカーブしている事がわかります。

HD Tuneの方では、2TBまでしか見ることが出来ませんが、

この時の状態は、ほぼ Seagate Desktop HDD の中身が入っていない状態ですので、初速の

240MB前後の速度から緩やかに下がって行っています。

 

HD Tune 2.55

 

 

ところが、Seagate Desktop HDDの中身が3TB近く記録しているHDD Tune Pro 5.60 では、

書き込み済みと思われる部分の速度が3分の1程度遅くなり、

180MB から200MB程度の速度になっていました。

 

当初、240MB位の速度から一気に落ち込んで、180MB前後の速度になり、

その後何も書き込んで無さそうな3TB以降に入ると、速度が220MB位まで復活。

そこからは、緩やかに速度低下を続けて113.3MB程度の速度まで落ちていっています。

 

 

file benchmark

 

ファイルベンチを取ってみると、150MB毎にファイルの書き込み速度の低下が見られます。

256MB のキャッシュがあるので、250MB前後で息継ぎがあるのかと思っていましたが、

転送させるファイルの総量によって微妙に違うみたいですね。

 

 

100MB
100MB

200MB
200MB

500MB
500MB

1000MB
1000MB

2000MB
2000MB

 

 

 

 

 

 

 

更新: 2016/03/18

■騒音と温度と消費電力

 

 

 

 

Seagateと言えば、読み込み時の動作音である『カリカリ』ではなく『ゴリゴリ』っていう

Seagateサウンドが有名ではありますが、Seagate Desktop HDD は良い意味で期待を裏切られ

非常に静かな作動音でした。

 

 

 

※Seagate Desktop HDD作動中の騒音値と温度を9か所計測した動画

 

 

動画の最初の方に聞こえる、虫の音見たいなのが作動音です。

※youtubeに上げる前のムービーではしっかりと聞き取れるのですが、アップすると判別が付かないので、調整します。

 

私のPCはファンが6個付いているので、作動させているとHDDの動作音がまったく聞こえませんので、この音を取るためにPCのファンを全て止めて、CPUクーラーはラジエーターポンプのみ作動させて取らなければ分からない程度の音でした。

 

Seagate Desktop HDD からスマホを50cmも離してしまえばビデオに音が入って来ないので、

放射温度計が移るようにスマホをHDDから離すと無音になります。

 

 

計測時の室温は23度、 PC停止時の騒音値45.8db

 

 

騒音値計測に当たり、Seagate Desktop HDD をパソコンから離して床に置き、制振ゴムをHDDの下に置きました。※計測時は全てのファンを停止させて、ラジエーターポンプのみ作動

 

PCを起動させて、

  • アイドル中のHDD騒音値は 約0.2db前後
  • 負荷時のHDD騒音値は   約2db前後

  ※負荷時の2db前後は、時折『ブーン』と大きな音が鳴る時だけで、基本的には負荷時でも

   0.2~0.4db程度


HDDの温度 計測位置 室温23度

 

■アイドル時の温度

①35.5度  ②35.1度  ③32.2度  ④33.2度  ⑤33.3度

⑥34.0度  ⑦34.2度  ⑧35.4度  ⑨35.6度

 

 

■負荷時の温度

①38.9度  ②38.9度  ③31.0度  ④35.3度  ⑤33.3度

⑥37.3度  ⑦38.0度  ⑧38.4度  ⑨38.4度

 

 

 

ハードディスクの円盤とヘッドのモーターがありそうな位置は温度が高いことが分かります。

※①②③⑦⑧⑨のあたり

 

HDDケージの位置を調整することが出来るケースは、SATAコネクタの反対側から中心に向かって

ファンの風が来るように調整してあげるのがいいかもしれません。

 

 

※上記計測時に使った物

 

 

■消費電力

 

Seagate Desktop HDD 非装着時のアイドル時で、約173W

 

Seagate Desktop HDD装着時のアイドルで 約177W

 

Seagate Desktop HDD に70GB のデーターを書き込んでいる時が191W

※intel 750から移しているので、そちらの消費電力も混ざっています。

 

消費電力的には5W前後で、普通でしょうか?

アイドル時に消費電力が高いのは、常に4.6GHzのオーバークロックを常用しているのと、GTX980ti

の為です。

 

PC構成

【CPU】 i7-4790K ギリギリチャレンジ
【M/B】ASRock Z97 M OC Fomula
【CPUクーラー】Swiftech H220-X
【メモリ】G.Skill F3-2666C11D-16GTXD (DDR3-2666 CL11 8GB×2)
【ビデオカード】GALAX 980Ti HOF
【SSD(システム)】プレクスター/plextor PX-128M5P
【SSD(ゲーム用】OCZ460A-25SATA3-120G
【NVMe(ゲーム用】 intel Solid-State Drive 750 400GB
【HDD(データ)】TOSHIBA DT01ACA200

【ファンコントローラー】nzxt sentry mix2

【電源】Seasonic X Series 750W SS-750KM3S 
【ケース】Fractal design DEFINE R5

 

 

更新: 2016/03/29

■実際の運用テスト

 

 

 

実際に Seagate Desktop HDD 8TB を使ってみると、基本的には違和感なく運用出来ることに

感心します。

 

実際の利用シーンに沿って説明をしていきます。

 

 

1.画像ファイルの大量移動                    

 

まず、そこそこのサイズのファイルを書き込みさせてみるのに、

RAWデーターの画像100枚4.74GBを使用してみました。

 

 

ハードディスクからの移動では、元ファイルの移動にボトルネックになると思い、

激速のintel750から、Seagate Desktop HDD へ、画像100枚のフォルダを移動しました。

使い込んだ intel SSD 750のCrystalDiskmark

 PCIe4 (GEN2x4)に接続しているので実力をフルに発揮できていません。

 

移動当初は、物理キャッシュだけでなくメディアキャッシュも効いているのか、

4.74GB中2.64GBまでの2GB分まではNVme intel750の恩恵で爆速な、

900MB/sの速度で書き込んでいきました。

 

その後、メディアキャッシュが切れたのか、て110MB/sから200MB/s の速度(平均150MB/s前後)で書き込んで行きました。

 

※NVme intel750 から Seagate Desktop Hdd シーケンシャルライト

 

 

 

2.ファイルの書き換え                         

 

 

Seagate Desktop HDD が苦手な書き換えを試してみると、

前述のシーケンシャルライトの時は、書き込み当初から900MB/s 近い速度で書き込みが始まり、

その後ゆるやかに速度が低下していきましたが、書き換えの場合は、

最初の1GBのファイルは400MB/sからグググッと860MB/sの速度まで上がり、

その後100MB/sから160MB/s位の速度(平均150MB/s 前後)で書き込んでいきました。

 

※NVme intel750 から Seagate Desktop Hdd 書き換え

 

※NVme intel750 から Seagate Desktop Hdd への書き込み動画

 

 

実際に、4.74GB程度の容量だと、シーケンシャルライトでは22.26秒の書込み時間がかかり、

苦手といわれる書換でも、23.52秒と1秒程度の差しかありませんでした。

立ち上がりの差がそのまま最後まで詰め切れなかったイメージになります。

 

 

 

 

3.普通のHDDからのファイル移動                    

 

※3/19追記

 

普通のハードディスクから Seagate DeskTop HDD 8TB へデーターを移してみます。

 

大元のデーターは、WD20EZRX からの移動です。

こちらの速度は、シーケンシャルで120MB/s程度なので、転送速度もこの辺が上限になってしまいました。

 

※WD20EZRX のCrystalDiskmark 5.1.2

 

WD20EZRX から Seagate DeskTop HDD 8TB への転送中の速度

おおよそ 50MB/s から 120MB/s の速度で書き込んでいってくれています。

 

上記の intelSSD750 のように、メディアキャッシュに溜め込んだ分は速く書き込んでくれるのかな?

とも思いましたが、そういったことは無かったようです。

 

 

基本的に、ある程度まとまったサイズのファイルを書き込むのは、『SMR技術』を感じることもなく、普通のHDDとして使えますが、細かいファイルの書き込み時には『SMR技術』を感じてしまいます。

 

その苦手なジャンルは 1KB などの細かなファイルの連続書き込みをしていると、通常よりもかなり速度が遅くなります。

 

HDDを埋め込む為にハードディスクを何度もコピーしてみたのですが、

『システムファイル』や『テクスチャー』ファイルを書き込んでいると、

100KB/s から 1MB/s と ガクッと速度が落ち込みます。

 

普通のHDDでも同様の現象が起きるので、Seagate DeskTop HDD 8TBに限った話では無いかと思いますが、書き換えで行うとさらに遅くなるので、書き換えはやはり苦手なようです。

 

※World of Warships のテクスチャー移動時

 

 

 

 

 

 

更新: 2016/03/21

■使い込んだ後の速度  3/19-20更新

 

8TBという圧倒的な容量の『Seagate Desktop HDD』の容量を目一杯詰めた時の速度がどれ位低下するのかを見てみます。

 

我が家では、一人目の子供が生まれた当初は、たくさん撮っていた写真や動画も、

二人目の子供が生まれることには面倒臭くなって、旅行に行った時位しか撮らなくなってからすでに数年。

 

10年間の写真や動画のファイルが800GB 程度しか無かったため、8TBと言うと、

我が家の思い出100年分の圧倒的な大容量と言うことが判明してしまいました@@

 

毎日寝る前にコピーをして数日、やっと93%まで行くことが出来ました。

 

購入当初のCrystal Diskmark(100MiB)は素晴らしい速度でした。

 

※HDD 0%

 

ここから、66%使用時の速度で200MB/sを切ってしまいました。

 

さらに84%では、150MB/s程度に速度低下をし、

 

96%使用で133MB/sまで落ち込みました

ここまで速度が低下しても、ハードウエアキャッシュが効くサイズの読み込みなら4Kでも

約50MB/sは出ているので、ハードディスクとして考えればかなりの高速だと思います。

 

※3/21追記

容量限界付近まで書き込んだ事による速度低下ですが、単純に記録を消しただけで速度が復活しました。

96%7148GiBから、18%1328GiBに、記録を削除した、CrystalMarkの結果は、下記画像の通り、ほぼスペック値まで回復します。

 

 

 

更新: 2016/03/21

■『SMR技術』が苦手な書換性能 3/19-20更新

 

重ね書きをしながらトラックサイズを縮めて、より多くの書込み容量を確保する『SMR』技術にとって、1KBなどの小さなファイルでも書換するためにはバンドトラックを一度読み込んで、再び書換ていきながら重ね書きをせざるをえない苦手とされる書換性能を調べてみました。

 

比べて見たのは、一般的なHDDの WD20EZRX を使います。

 

ソースファイルは、NVMe intel SSD 750 に保存してある system32 ファイルを使用します。

 

system32内のファイルは 1KB など、Seagate Desktop HDD が苦手な細かいファイルがテンコ盛りなファイルになります。

 

※system32内のファイル画像

 

■WD20EZRX                     

タイムスケジュールを記載すると

0;04;20 コピースタート から計算中

0;14;29 計算中から残り時間の表示       10秒09

0;50;28 アクセス許可ウインドウ表示      35秒99

1;02;25 ファイルの書換ウインドウ表示     11秒97

3;14;27 書換終了              2分11秒02

 

■Seagate Desktop HDD                     

タイムスケジュール ※赤字はWD20EZRXと比べた時間

0;05;23 コピースタート から計算中

0;50;27 計算中から残り時間の表示       45秒04   +34;95 WD20より遅い

2;10;01 アクセス許可ウインドウ表示     1分19秒74   +43;75    

2;29;17 ファイルの書換ウインドウ表示         19秒16   +43;75

3;47;25 書換終了              1分18秒08  -52;94 WD20より速い

 

という結果が出ました。

 

計算中から書き込みが開始するまで、WD20EZRXに比べて、34.95秒遅い辺りが『SMR技術』で、

書き換えをするトラックバンドの読み込みなどを行っている時間かと推測されます。

 

書き込みが開始されると、いきなり2GBのデーターが書き込み終了している形になっているので、

おそらくこの2GBが、メディアキャッシュと言われている容量なのではないかと思われます

 

WD20EZRXと比べると、『SMR技術』によってファイルの書換ウインドウが出るまでは、

圧倒的に 『Seagate Desktop HDD』 の方が遅いのですが、書込み速度が

MAX120MB/sの WD20EZRX よりも速い『Seagate Desktop HDD』なので、

書換が始まってしまえば遅れを取り戻す圧倒的な速度がでました。

 

結果的には、WD20EZRXよりも32秒多く掛かってしまい速度勝負は負けてしまいましたが、

想定していたよりも速く『Seagate Desktop HDD』の書換は終了しました。

 

ただ、計算中ばかりで、なかなか始まらないのは イラッと きます。

 

93%の書込みをして、当初よりも100MB/s遅くなった状態での速度変化なので、

書込みが50%以下の時であれば、もっと差が縮まっていたかもしれません。

 

 

更新: 2016/03/28

■エンコードの保管庫 3/21追記

 

HDDとしては高速な Seagate Desktop HDD 8TB ですので、普通のHDDと比べても、動画のエンコードがおそらく速くなるのではないかと思い、試してみました。

 

ソースファイルは、Nvidiaシャドウウプレイで撮った約23分の動画(5.46GB)を使います。

 

これをyoutubeに上げられるサイズにエンコードした時間を計測しました。

 

ソフトは、ムービーメーカーを使用します。

 

 

  • WD20EZRX      

   所要時間 5分45秒

  • Seagate Desktop HDD  

   所要時間 5分34秒

結果として、Seagate Desktop HDDの方が 11秒 速く、エンコードが終了しました。

 

少しでも速いHDDを使用した方が、CPUの性能が一緒でも結果的に書き込み完了が速い事が分かりました。

 

更新: 2016/03/27

■2.1TBの壁越え ※3/26追記

 

最近にOSをインストールしている方であれば、ほぼ『GPT』※GUIDパーティションテーブル

フォーマットや、

USBを使ったUEFIインストールをしているかと思いますので

『2.1TBの壁』問題

なんて忘却の彼方かと思います。

 

 

windows XP32ビットを使用している方や、MBRでインストールされたパソコンを

使用している方が、クリーンインストールをするのは面倒だ!

現在使用中のHDDが古くなって、そろそろ危険!!

交換ついでに大容量HDDを使いたい!

でも、OSの再インストールは面倒臭い!!

なんて方にも、

 

『安心して下さい!

   大容量HDDを使えますよ!!』

 

なソフトをSeagateさんは無料で使えるようにしてくれています。

 

 

使い方は簡単で、Seagate のHDDやSDDを使用していれば使用出来るソフトの

『Seagate Disc Wizard』を使用します。

 

Seagate Disc Wizardを使用する前に、本当にこのソフトが必要なのかをチェックする

フローチャートがSeagateのサイトにあります。

 

※Seagate HPより引用

このソフトを使う最大のメリットは、MBRからGPTにフォーマットをし直さなくても、そのまま使える事がメリットであって、64ビット環境の方や、GPTフォーマットが出来る方は素直にGPT環境に移行させたほうが面倒ではありません。

 

OSのGPTサポート ※windows以外の方は、wikipediaを参照 してください。

 

データー用HDDとしては、windows server2003以降のOSであればGPTをサポートしています。

それ以降でも、32ビット、64ビットの違いで起動ディスクに出来る出来ないが変わって来ます。

 

 

GPTをサポートしているOSかどうかを判別して、

  • サポートしていない!
  • HDDを2TB以上の物に交換するのに、ソフトを大量に入れなおすのが面倒なので、ディスクコピーをしたらMBRになっちゃったけど、残りの領域を使うのにクリーンインストールしたくない!
  • コマンドプロンプトなんて見るのもやだ!

という方はExtended Capaciti Manegerを使ってみてください。

 

  • OSがサポートしている!
  • データ用HDDで、GPTパーティションを最初から構築できる!
  • コマンドプロンプト、バッチコイ!

 

という方は、今後の運用上、素直にGPTパーティションを構築しましょう

 

 

 

※3分47秒の動画です。

 

 

 

 

MBR(マスターブートレコード)で、フォーマットされたHDDにインストールされたOSのPCで、2.1TB以上のHDDの残り領域を使うためには、一度GPT(GUIDパーティションテーブル)

フォーマットをし直さないと残り領域を使うことができません。

 

 

Seagate DeskTop HDD 8TBにMBRでOSをインストール

※普通にDVDでインストールするとディスク1の状態になります。

 これを回避するには、インストール時にコマンドプロンプトを呼びだし、GPTでフォーマットを

 しなければなりません。 やり方はこちらのサイトに日本語で記載があります。

 

 

ディスク1の未割り当て5TB側で、右クリックをしてもコマンドが反転されたまま、

プロパティとヘルプくらいしか見ることが出来ず、フォーマットが出来ません。

 

そこで、SeagateのHPより、Seagate Disc Wizardをダウンロードして

インストールします。※なぜ(diskでなくdiscなんだろう?HDDはdiskが正式みたいなんですが・・)

 

立ち上げ後、Disk Manegement の『Seagate Extended Capacity Maneger』をクリック

 

Allocate space

 

Apply

 

『ディスク2』が表示されて2TB以上を使用する前準備が完了

 

このままでは、フォーマットも出来ないので、

Disk Manegement の『Add new disk』をクリック

 

next

ディスク2の本体から、未使用領域分が、ディスク3として表示されました。

ソフトウェアー的にエミュレートしているようで、接続方法がSATA接続からSCSI接続になっています。 

 

ここで、どのタイプでパーティションを構築するかを選べます。

HDDの残りが、2.1TB以上ある場合は、『GPT』を選択してください。

 

『MBR』を選択してしまうと、例え5TB残っていても2TBまでしか使用できず、3TBの未使用領域ができてしまいます。

ここで、更に残った3TBの未使用領域は再々度の拡張が出来ないので完全に無駄になります。

 

これで、MBRでフォーマットしたHDDのOSであっても2.1TB以上のHDDを使うことが出来るようになりました。

 

ディスク1にあった5404.04GBの残った領域が、ディスク2に移動して新しいパーティション

として認識されます。

 

 

 

 

 

 

画像でみると作業が多く感じられますが、実際には次へ次へと簡単に進んで行ってくれます。

日本語のマニュアルが酷くて分かりづらいですが、感覚的に何とかやり切る事ができます。

 

英語のサイトには詳細な記載があります。

私の下手な説明よりも細かく書いてありますので、こちらもご参照ください。

 

 

このソフトのメリットは、MBRでインストールしたOSの移行や、GPTを対応していないOSで、

私も含めて、あまりパソコンに詳しくない人でもサクッと大容量HDDを使うことが出来る点にあります。

 

 

 

更新: 2016/03/21
使用感

ほとんど普通のHDD

使ってみた感想として特定ファイルの書き込み以外では、普通に高速なHDDだと感じました。

 

特定ファイルとはシステムファイルや、テクスチャーファイルなど数KBしかないファイルで、

こういったファイルを大量に書き込んだり、書き換えたりする作業時には動作がモッサリとします。

 

そのデメリットは用途を限定すれば回避できるので、☆一つ減の4点にしました。

 

 

 

更新: 2016/03/21
実用性

目的次第

コストパフォーマンスとも相関関係になりますが、1台のHDDで、8TBもの大容量を実現する

Seagate Desktop HDDは、コストは掛かるものの、省スペースPCを作りたい人にとっては

もの凄いアドバンテージになります。

 

今時のmini-ITXケースであれば、1つか2つの2.5インチシャドウベイに、1つの3.5インチシャドウベイがあるので、OSは120MB程度のSSDを使い、データーは Seagate Desktop HDD

っていう運用が相性がよさそうです。

 

私の録画機は、余りもののパーツで作っていたのでHDDが2TBしかなく、頻繁にデーターの整理が必要でしたが、Seagate Desktop HDD 8TB に交換してあげれば今までの4倍撮り溜める事ができます。

モノグサな私にはピッタリなHDDと言えますね。

更新: 2016/03/21
コストパフォーマンス

使う人と前提条件次第

コストパフォーマンスは使用目的と、物理的な制約によって変わってくるかと思います。

 

単純に考えて、単体コストは決して安いとは現状の価格では言えません。

当選当初は、日本で売っていなかったのでUSA Amazonで販売価格を調べてみると

2016/2/25当時で 373.27ドルの価格が付いていました。

諸事情により他のレビュアーの方より2週間ちょっと遅れて商品が到着したころには日本でも発売され、3/21日の時点では価格.comにも多くの店舗が掲載しており、最安価格は37,800円とそこそこ良い値段になってきています。

設置スペースに制約がなければ、3TBのHDDを3台置いてしまえば27,000円位で9TBの容量を確保できるので、こういった方にはあまりコストパフォーマンスは高く感じられないかと思います。

逆に、実用性の所でも記述しましたが、省スペースPCを作りたい人にとっては、プライスレスな所もありますが、1台で8TBの容量を確保できて、256MBのフラッシュドライブによるキャッシュで、一昔前のSSD並みの速度を実現したSeagate Desktop HDD 8TBは☆5つとは言えませんが、

☆4つ位は付けられるコストパフォーマンスに感じられます。

 

 

更新: 2016/03/21
堅牢性

ある程度は信頼できるんじゃないかな?!

まだ、使い始めて2週間なので正直なんとも言えませんが、『SMR技術』が発表されてから

既に2年も経っているのである程度の信頼性は出来てきているかと思います。

 

『SMR技術』のキモは、ハードウエアー的な要因よりも、書き込み方を制御するソフトウェアーにあるので、ファームウェアーのバージョンアップがあれば、より信頼性が増していくかと思います。

 

現在購入を躊躇っている層の方はスペースの問題次第でしょうが、使い道次第なので、

画像や、動画の保管庫として使う分には購入に踏み切っても問題なさそうに感じられます。

更新: 2016/03/22
総評

IYHしちゃってもいいんじゃよ

信頼性という点で、一抹の不安のある『SMR技術』を使った大容量HDDではありますが、

それを補って余りある、

  • 省スペース性
  • 読み書き速度
  • 静穏性

があります。

 

1台で8TBの容量があるので、ミドルタワーケースの方であればケース内がスッキリとして、

エアーフローの向上が見込めますし、2台、3台と抱えていたHDDを1台に出来る分15W位の省電力化も出来てお財布にも優しくなれます@@

 

苦手な細かいファイルの書き込み、書き換え等の問題は、動画や写真、ゲームデーターのダウンロード先など保管庫として割り切ればよい商品だと思います。

 

静穏性も非常に高く、0.2dbから2db程度の騒音値でしす。

Baracudaの頃からは考えられないくらい静かになりました。

 

Seagateでは、利用目的に合わせて、沢山のラインナップがあります。

普段使いの保管庫に『Desktop HDD作業負荷率制限:55TB/年 

個人宅のNAS向けの『Seagate NAS HDD作業負荷率制限:180TB/年

業務用の 『Enterprise NAS HDD作業負荷率制限:300TB/年間

さらにハードに使う『Enterprise Capacity 3.5 HDD作業負荷率制限:550TB/年

と利用目的や、電源の入れっぱなし状況に応じて提供しています。

 

自分の利用目的にあったHDDを選んで下さい。

 

コメント (3)

  • りゅうやんさん

    2016/03/25

    hidechanさん長篇レビューお疲れ様でした

    諸事情があったとはそれはそれはご苦労様でした

    私も同じように思い出の記録が面倒になったクチですが

    10年で800GBとはすごいですね かなりの満点パパですよ

    私の場合、100歳まで生きても2TBのHDDを使い切っていないと思います(^o^)/
  • Schrödingers Katzeさん

    2016/03/26

    >MBR(マスターブートレコード)フォーマットでインストールされたOSのPCでは、2.1TB
    >以上のHDDを認識できません。
    これは正しくないんじゃないかと。
    少なくともまだサポートされてるOSは、32bit版も含め、パーティション管理の画面でGPT形式を指定してフォーマット、領域確保をすることが可能になっています。

    何かあったときには、一般的な構成のテーブルを基準に動作してしまうので、システムドライブと別に導入する場合は、素直にGPT形式を指定してパーティショニングするほうが将来何かトラブルが起きたときに別システムからの読み込みや各種ユーティリティーの使用を含め、リスクは低くなるものと思います。

    システムドライブとして使用したい場合などは、Seagate Disc Wizardを使ったほうが良いかと思いますが。
    http://qa.elecom.co.jp/faq_detail.html?id=5099
    各社HDDの取り扱いがあるメーカーのFAQには操作方法含め記述があるのではないかと思われます。
  • hidechanさん

    2016/03/26

    りゅうやんさん
    いつもコメントありがとうございます。
    800GBといっても、その内の300GBはゲームなどですが (;^_^A

    Schrödingers Katzeさん
    コメントありがとうございます。
    言葉足らず、不勉強な部分の補足ありがとうございます。
    ご指摘いただいた部分や、端折っていた部分など、もう少し分かり易く追記します。
    また、おかしな点などありましたらご指摘ください。
    よろしくお願いいたします。

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