Z210 SSD
最近のSSDは、SATAを飛び越えて、PCI Expressが主流になっているらしい…
ここ数年、約600MB/sで推移してきたSSDの世界ですが、
私が自作PCの世界から離れている間に、どうやら技術革命がおこった模様。
数年前からPCI ExpressのSSDが発売されてはいたものの、
SATA ExpressとM.2ソケット、そしておなじみのPCI Expressと、一気にSSDでPCI Express系列の接続が増えたそうで、最新世代のPCI Express 3.0を使えば、600MB/sを大幅に上回ることができるとのこと。
PCI Expressのスロットさえあれば、OSをインストールできるか…といえば、そう簡単にもいかないようだ。
というのも、SATAのSSDに対応するAHCI規格のように、マザーボード自体がNVMe規格というものに対応している必要があるようだ。
Intel 8シリーズのチップセットからは、たいてい対応しているそうだが、現在私が使っている2台のPCはそれぞれ6シリーズと7シリーズのチップセットのため、しかも、メーカー製のため、起動ができるようになるとは思えない。
というわけで、今回、私のレビューの中では、このSSDにOSは入れないことにする。
あくまでも、「データドライブとして」ならば、ドライバさえあれば使えるようだ。
さて、では今回使用する2台のPCだが、
1、HP Z210 Workstation SFF Model
ワークステーションと言いながらも、中身は普通のデスクトップPCとほとんど変わらない。
ただXeon(E3シリーズ)対応のチップセットを積んでいるというだけの違いで、私は、これに普通のCore i5を載せて使用している。
2、富士通 Primergy RX300 S7
これこそ本物の「サーバー」。Xeon E5シリーズ(第1世代)に対応しており、こちらはPCI Express Gen3に対応している。しかし、NVMeには未対応なようで、起動ドライブにはできなかった。
CPUは最下位のE5-2603(1.8Ghzx4コア)のため、少なくともコアを使う作業に関しては、Z210のほうがいいスコアを見せそうだ。
さて、今回私がzigsowの運営に提示したから課題は、「Adobe Photoshop」でRAW画像を現像する時に、SSDを導入するとどれだけ快適になるのか、というもの。
条件は以下の通り
・使うソフトは、adobe photoshop elements14
・メモリーは16GB、ビデオカードはquadro K620で固定
・1ファイル11MBの同一の写真データを50枚を、彩度を変えて現像する
正直に言ってしまえば、課題に挙がっている動画編集や画像の加工は、CPUやメモリー、ビデオカードなどの性能によって大きく変わってしまうので、ここで掲載するものでもないと思う。実際、SSD内部にPhotoshopと加工用の写真データ50枚を置き、50枚を一気に変換したところ、やはりCPUスペックの高いZ210のほうが30秒ほど速かった。
しかし、それでは当然、わざわざこの課題を選んだ意味はなくなってしまう。
それならば、同じPCの上で、HDD、SSD、そしてこの750 SSDにインストールしたPhotoshopで同じことをやってみることにする。
やってみた結果、HDD、SSD、750それぞれ結果は以下の通りになった。
<HP Z210 SFF>
HDD:1分22秒92
SSD:1分20秒39
750:1分20秒09
<富士通 Primergy RX300 S7>
HDD:2分04秒31
SSD:1分50秒91
750:1分45秒58
ちなみに、それぞれのストレージの速度は、以下のとおり。
Z210 SSD
Z210 750
Primagy RX300 SSD
HPのマシンに関しては、PCI Expressの世代が2なので、速度があまり出ていない。一方で、サーバーのほうはSSDはSATAの6G、750はPCI Expressで速度に2倍の差があるためか、多少は速度に反映されているものの、やはり大差はない模様。
結論:Photoshop elementsではストレージの速度よりも、CPUなどのスペックの方が重要。
課題に挙げた割には、なんともパッとしない結果に終わってしまった。もうさすがにこの辺りにしておこう。
では、画像編集にSSDを使うと、どんなメリットがあるのだろうか。
私は、「読み書きの性能の高さにあると思う。
ファイルを移動させるたびに、その書き込み速度の速さには驚いていた。今回の検証では、ギガバイト単位のデータを何度も書き込んだが、1分もしないうちに終わってしまう。データの容量が多いほど、恩恵を受けることも多いだろう。
特に最近、SSDの価格がまた下がってきていて、大容量のSSDも入手しやすい。
このSSDをぜひ、というわけではないが、データドライブもSSDにして、より快適なPCにするのをお勧めする。
さて、せっかくこのような機会をいただいたので、ここからは前と同じ語調に戻し、使い勝手等のレビューをしていきたいと思います。
まず、NVMe規格がこんなにもややこしいとは思っていませんでした。
いずれBIOSで設定できるようになると思いますが、ドライバを入れるだけでOSがインストールできるようになると思っていました。そこがそもそもの考えが甘いところでした。ほぼ最新世代でなければブートできないと思った方がいいでしょう。
データドライブとしてはすごく優秀なので、こちらは少なくともPCI Expressがgen2以上であれば、それなりに使えます。
ただ、このスピードならば、できるならブートしたいところ。
規格が出たばかりだということを考慮しても、この価格帯で出すならば、旧式のマザーでもブートできるような機能があって欲しかったと思います。
私にとっては、これはかなり大きなマイナスポイントだと感じています。
もう一つ、不満に思うのは、低価格帯のマザーボードに、ビデオカードと一緒に使うと、PCI Expressのレーン数の問題で、速度に制限が出てしまう点。十分に性能を生かすには、CPU内臓のGPUを使うなどの対策が必要です。
まだまだ出たばかりの規格のため、なかなか導入しづらいところはありますが、かなり人気があるようなので、きっと普及していくと思います。
現状では、万人にお勧めすることはできないと考えています。使おうと考えている方は、よく調べた上でご購入ください。
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