BenQの液晶ディスプレイのプレミアムレビューです。レビュー期間をフルに使って職場で作業を行いました。
今回レビューさせていただくディスプレイは27インチのBL2710PTという機種になります。
BenQ社のモニターは初めて使用しますのでとても楽しみにしていました。
前面左下にBenQのロゴがあり、右上に型番というレイアウトです。
枠は2cmほどありますが、左右と上は傾斜がついているので見た目の太さを緩和するデザインです。
右下は電源ボタンとコントロールボタンが配置されています。インジケーターのように見えますが、ボタンとして機能しモニターの全ての機能にアクセスできます。
モニタの下の枠中央にセンサーが2つ内蔵されています。センサーの働きについてはセットアップ後に改めてご紹介いたします。
モニタ背面です。まず電源入力用のジャックがあり、その隣に電源スイッチがあります。
入出力ポートです。モニター接続用としてDVI-D、HDMI、D-sub、DisplayPort端子が備わっています。また、オーディオ入力とヘッドフォン出力もあります。
他にUSB端子があり、アップストリームのUSB3.0ポート1つと周辺機器接続用のUSB2.0ポートが2つあります。
付属品です。クイックスタートガイドと各種ケーブル、ドライバーROMなどが入っています。
ケーブルはデバイス接続用のUSB2.0以外の入出力ポートにあるインターフェイス用以外が全て付属しています。
モニター左側面にはUSB3.0のポートが2つ備わっています。手が届きやすいのでUSBメモリなどを利用するときなど便利に使えると思います。
モニターを設置するためのスタンドとベースです。
スタンドとベースを組み付けて、ベース内にあるネジで固定します。工具不要で脱着が可能です。
モニターは付属のスタンドを使わずに、100mmのVESAマウントで取り付けることもできます。
ケーブルはスタンド内の穴を通して配線しますので取り回しがスッキリします。
背面に付属していたフックを取り付けます。最初はケーブルか何かを引っかけておくのかと思っていたのですが……
フックはヘッドホン用でした。500gまでのヘッドホンを使わないときに掛けておくことが出来ます。
スタンド・ベースとモニタを組み立てました。スタンドはかなり自由が利く仕様で、高さ調整も範囲が広いです。
マニュアルを見てみると15cmほどのストロークとのこと。実測で14.5cm程度ですが、接続するケーブルの種類によっては下方向への移動が少し制限されるようです。
ベースは物が置ける形状なので、試しに7インチのKindleを置いてみたところ割りと良い感じに置けました。ただ、高さはロックできないので潰さないように気をつける必要があります。
左右の首振りは45度ずつの範囲です。
前後の首振りは-5度から20度までの範囲です。
モニタを縦方向に回転させる事も出来ます。
このモニターはノングレア液晶です。今回はまだ通電していないのでフリッカーフリーディスプレイを体験していないのですが、早く職場に持っていってセットアップしようと思います。
ディスプレイを接続しました。起動時にはこのような画面が表示されます。
職場に持っていってセットアップを行いました。今回は基本的にはMac環境で使用します。
スタンドの可動域が大きいので目の高さに合わせて適切な高さに調整することが出来ます。
スタンドの動作に関しては、軽い力でロック無しのフリーで動きますので猫が乗ったりするとガツンと下がります。
BenQ社のサイトでモニタ設置についてのアドバイスが掲載されています。
ディスプレイを上向きに見ない様にという点ともそのひとつとして挙げられていますが、このように今まで使っていた30インチのシネマディスプレイと比べると随分低くすることができました。
付属のROMはWindows用になります。セットアップではアプリケーションがひとつインストールされます。
MacとはDVI接続しています。
システム環境設定を開いたところですが、ドライバーのインストールなしでモニターは認識されており、最適な解像度の2540×1400に設定されています。
Windows用のアプリケーションの紹介をします。ディスプレイの各種設定の他、便利なツールが内包されています。
モニタの下にあるセンサーを使用する、エルゴノミクスの設定画面です。
こちらは眼の保護を目的とした機能の設定画面になり、自動で明るさを調節する機能等の設定が行えます。
眼の保護メーターの機能を有効化すると、作業環境の明るさをディスプレイ上に表示します。
有効にすると常時表示されるので、作業環境の明るさを確認するときにスポット的に使う感じだと思います。
ディスプレイのカラー設定は複数のモードが選べますが、モードを「標準」にすると周囲の明るさに応じてディスプレイの明るさを自動で調整します。
簡易的なアプリなので数値は正確では無いと思いますが、室内の照明を付けて明るい状態ではディスプレイの明るさはこのような数値になります。
室内を暗くした状態です。
数値も大きく下がり、眼の保護メーターではかなり暗い表示になっています。この状態だとディスプレイの表示を暗くして眼の負担を抑える動作を行います。
この機能はレスポンスが穏やかでヒステリシスもあるので、急激に明るさが変わることも無く作業しやすいです。
スマート通知機能を有効にすると、画面にこのような通知が表示されるようになります。通知のタイミングと表示の長さは数段階で変更出来ます。
休憩の目安が明確に分かりますし、自分の眼の状態を都度気にかけることが出来るので有効にしておくと良いでしょう。
こちらも画面下のセンサーを使った機能になります。省エネ機能を提供するものですが、設定時間でスリープさせるものではなく、ディスプレイ前に人がいるかを感知してディスプレイの電源を管理します。
センサーの範囲は三段階に調節でき、「近い」だと反応がシビアすぎるので「中央」に設定しました。モニターの設置環境によると思いますが、私の職場の場合「中央」だと椅子に寄りかかってリクライニングさせると人がいない状態と認識する感じです。
ECO感知計器を有効にするとこのインジケータを出す事が出来ます。
ECOモード設定中で人がいないと認識するとこの表示が出て、40秒ほどディスプレイがスリープします。オンラインマニュアルに掲載されているカウントダウン動作やスリープ時のランプ動作の記載がこのディスプレイとは少し違うようです。
ECO感知計器が無効だと表示無しで規定時間後にスリープ動作に入ります。
「標準」モードでの消費電力をワットチェッカーで計測してみました。通常動作時は約40Wという表示で、仕様表とほぼ一緒です。
スリープ動作だとこの様に消費電力が減少しました。離席したときなどすぐにセンサーでスリープに入るので積み重ねていくと結構省エネになるのではないでしょうか。
Mac環境ではアプリケーションはありませんが、ディスプレイ前面のボタンから容易に各機能にアクセスすることができます。
ちょうど画像モードをOSDで表示しているところです。
このボタンは指を近づけるとランプが灯ります。なかなか楽しい演出です。
OSDではディスプレイの全ての機能にアクセスできます。
こちらはディスプレイの機能では無く付属のWindows用アプリケーションによるものですが、その中の画面分割ツールをご紹介します。
表示領域内に設けられた仮想のグリッドにウィンドウを揃える機能で、開いているウィンドウをカッチリと並べることが可能です。
プリセットの他にサイズをカスタマイズすることも可能です。
フリッカーフリーディスプレイを比較してみました
このディスプレイの大きな特徴としてバックライトの制御により画面のちらつきなどによる眼の疲労を抑える機能をもっています。
私は毎日10時間以上ディスプレイを見ているので眼精疲労が軽減するのは大変助かります。
体感的なことはレビュー期間ギリギリまで使って体験する予定ですが、今回はフリッカーフリーディスプレイと従来の一般的な液晶ディスプレイの表示を比べてみました。
画面を録画したものです。扇風機を使ったものは上手く出来ませんでした。
肉眼では分からないフリッカーも撮影してみると違いがよく分かります。人間の眼もこのような表示を体内で補正して見ているのかは分かりませんが、もう少し使って眼の疲労が変化するのか試したみたいと思います。
眼精疲労低減にとても効果的だと実感しました。
このディスプレイは他のノングレア液晶と違い画面の粒状感がとても少なくシャープな見え方になります。
モニター期間中は基本的に標準モードを使っていましたが、BL2710PTにはユーザー設定を含めると10種類の表示モードが選べます。
3Dアプリなどに適したCAD/CAMモードを試してみました。コントラストを強調した表示はワイヤーフレームなどが見やすくなります。27インチの大きな画面で作業がとてもしやすいです。
ちょっと分かりにくいかもしれませんが、動画でまとめました。
閲覧モードやエコモードはとても眼に優しい表示になります。
普段見ている印刷用にキャリブレーションされたディスプレイと比べると、標準モードでもかなり色温度が高く明るく見えるので眼に負担がかかるのではないかと思いましたが、レビュー期間中に眼の疲れが増えること事もなく、むしろ楽になっている点に驚きました。ディスプレイの位置とかなり下げることができたので、今までより見やすい位置になっている点もあると思います。これらの点で視力自体が向上するわけではありませんが、眼精疲労による視力低下を低減できるのだと思います。
また、今回は休憩を促すスマート通知に従わずに今まで通りに作業をおこないました。適切な間隔で通知を出して休憩を取るようにするともっと疲労を抑えることが出来ると思いますし、複数の作業を同時進行している場合などに区切りの目安に使っても便利でしょう。
数値による説明ではありませんが、私の場合は夜間の見え方がかなり変わりました。
自転車通勤と車通勤の両方で感じましたが、シャドウ部の階調が増えたというか街灯の届かない場所でもよく見えます。職場ではディスプレイをずっと見ていますが、帰宅時の視力の低下が今までより抑えられているようで夜間の運転が今までよりずっと楽になりました。
パネルの温度が低くなって作業が快適に
これはディスプレイの機能というわけではないのですが、仕事がとてもしやすくなったので気に入っているポイントです。
今まで使っていたディスプレイの表面温度です。
暖房を使う季節はちょっとしたパネルヒーターの弱運転のようになってしまい、作業中に頭がボーッとしたりして効率が落ちることがあります。
測定条件を合わせて計ってみましたが、BL2710PTは4度ほどパネルの温度が下がり、作業中に熱を感じることはありませんでした。
集中が途切れる要素が減るので作業効率が上がりますね。
フリッカーフリーディスプレイという要素が目立つディスプレイですが、発色も非常に良く鮮やかな表示で見ることが出来ました。特に赤系の出方が好みです。
改善点としてはディスプレイ本体のメニュー操作でコントロールボタンの反応がイマイチな時があるので改善してもらえると良いと思います。リモコンがあると便利かも知れません。
レビュー期間が終わったら自宅に持って帰るつもりでしたが、引き続き職場で使いたいと思います。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。
この様な貴重な機会を与えて下さった、zigsow運営様、ベンキュージャパン株式会社様ならびに関係者の皆様方に厚く御礼を申し上げます。
aoidiskさん
2013/12/10
ソフト的にも業務効率あげる仕組みがあるような・・
わかりやすく、製品の特長が伝わってきます。
楽しみにしています。
弐穀米さん
2013/12/10
組み立てて感じたのはモニターアームを付けたような可動域で、設置の自由度が高い製品だと思いました。
機能が多いのでどうやってレビューするか悩むところですが、製品の長所を上手くお伝えできるようなレビューを書けるように頑張っています。
Vossさん
2013/12/24
二枚欲しい・・・・・けど、去年更新したばかりだしなぁ・・・・・
弐穀米さん
2013/12/24
二枚並べるとパレットの多いアプリケーションなどにも余裕かと思います。
アプリケーションはMacにも対応してくれるともっと便利かなと感じました。
BenQ社のディスプレイは初めて使ったのですが、白地の見え方が光沢液晶のように粒状感が少なく、とても作業が快適です。