レビューメディア「ジグソー」

PLCと無線LANアダプタはどちらが簡単なのか

※10/17追記です.
既存のアクセスポイントへの接続方法(子機のみ)を追加しました.




レビューのポイント
①有線LANを,いかに簡単に無線化できるのか?
②通信速度は実用十分なのか?
③設定画面は簡単のか?

まず,我が家のLAN環境を簡単に図式化しました.
NTT東日本のBフレッツハイパーファミリーの回線で,2Fから屋内に引き込まれます.
光ファイバーは,終端装置で電気信号に変換され,LANケーブルでルータに入ります.
このルータがDHCPサーバーとなります.
2F-1F間は,LAN配線されています.
1Fに降りたLANは,HUB内蔵のAP(IO-DATA製)で分岐され,PCやTVにつながっています.

今回のレビュー対象になるのは,PLC(IO-DATA製)で有線接続されているTVチューナーHVT-BCT300(IO-DATA製)間の配線です.

こうしてみると,IO-DATA製の製品が多いです.

PLCもセット販売されているものは,設定不要で,コンセントに挿すだけで,有線LANが構築できます.
PLCか無線LANかの選択は,結論までお待ちください.

IO-DATA製のPLCをIO-DATA製の無線LANアダプタに置き換えるレビューをする訳ですが,大丈夫なのか?という心配があります.
でも,レビュー申込時に書いてあるので,問題ないと判断して,気にしない事とします.

屋内配線図
屋内配線図


配線図内のおもだったデバイスは,以下の様になります.

DELLノートPC:Studio1557



無線LANアクセスポイント(既存):WN-G300DGR(IO-DATA)



HPノートPC:dv6-6000



TVチューナー:HVT-BCT300(IO-DATA)



PLCアダプタ:PLC-ET/MW(IO-DATA)




次に,今回のレビュー対象である無線LANアダプタWN-AG300EAについて,簡単に触れておきます.

有線LAN仕様
有線LAN仕様

無線LAN仕様
無線LAN仕様



特徴としては,有線LANポートを2つ備えていること,HUB経由で2台以上(推奨接続機器4台)もサポートしていること,同時接続は出来ませんが,an(5GHz帯)とbn/gn(2.4GHz帯)の両方が使えることが挙げられます.
すなわち,家電製品をLAN接続するには十分な仕様であり,とても考えられたものと思います.
あと,見逃してはならないのが,デザインです.
無線LAN機器の場合,アンテナが外に出ているものもありますが,リビングに設置する事を考えると,WN-AG300EAのデザインはなじめるものと思います.

それでは,レビューを始めます.

本体構成と付属品を見ていきます.
①無線LANアダプタWN-AG300EA 2台(親設定と子設定が各1台)
②ACアダプタ(小型タイプ)
③LANケーブル(フラットタイプ)

箱表
箱表

箱裏
箱裏

非売品
非売品

中身1
中身1

中身2
中身2

中身3
中身3

大きさ
大きさ

前

後

横a
横a

横b
横b

親子SW
親子SW


箱には,非売品のシールが貼ってあります.
本体は,手のひらサイズで,少しアーチ状になっています.
本体は,2台とも全く同じで,切り換えSWで,親機と子機を切り替えているようです.
後はのWPSのSがあるくらいで,とてもシンプルです.
ACアダプタは,小型のもので,コンセントに干渉しにくいです.
LANケーブルは,フラットタイプのものが付属しています.

では,接続を始めます.

接続マニアルを見てもらえればわかりますが,現在有線LAN環境で接続していれば,箱から出して,5分で終わってしまいます.

接続マニアル
接続マニアル


①PLC(親)から,LANケーブルを外して,無線LANアダプタWN-AG300EA(親)に挿す.
②無線LANアダプタWN-AG300EA(親)のACアダプタを接続する.
③無線LANアダプタWN-AG300EA(子)のACアダプタを接続する.
④PLC(子)から,LANケーブルを外して,無線LANアダプタWN-AG300EA(子)に挿す.
⑤通信できている事を確認する.電波状態は,ワイヤレスランプの色で確認しながら,電波の強い方向を見つける(正面で同士が良さそうです).
以上で,終わりです.
TVチューナーであるHVT-BCT300で,youtubeが見られます.
Full-HD動画も全く問題なく,見る事ができます.

以上が,レビューになります.

LAN接続可能な家電製品,特にTV,チューナー,レコーダーを,すごく簡単に無線LAN化出来るのが,本製品である無線LANアダプタWN-AG300EAです.
特に難しい事は一切ありません.
箱から出して,5分で,誰にでも無線LAN化出来ます.
しかも,速度も申し分ありません.
Full-HD動画もストレス無く,見る事ができます.

誰にでも,本当にお勧めできると思います.



ここまでが,普通にレビューするとこうなるというものです.
鋭い方は,感じていると思いますが,③の設定画面は簡単か?が抜けています.

ここから,本レビューに入ります.

LAN環境のところで書きましたが,IO-DATA製のAP(WN-G300DGR)があります.
今回のレビュー対象である無線LANアダプタWN-AG300EAもIO-DATA製です.
ここでちょっと問題が発生します.

APであるWN-G300DGNの固定IPは,192.168.0.201(出荷時)です.
無線LANアダプタWN-AG300EA(親)の固定IPも,192.168.0.201(出荷時)です.
無線LANアダプタWN-AG300EA(子)の固定IPは,192.168.0.202(出荷時)です.

このままでは,固定IPがバッティングします.
こういう事象は,案外あり得る事かもしれません.

我が家のDHCPサーバーは,192.168.1.1です.
ですので,実はAPであるWN-G300DGNの固定IPは,192.168.1.101に変更済みです.
IPの自動取得機能を有効にしても良いのですが,設定画面を開くときに固定の方が楽なので,固定IPアドレスを指定しています.
ですので,このまま使用しても,問題なかったわけです.

今回のレビュー対象である無線LANアダプタWN-AG300EAも,設定画面を開く都合上,固定IPアドレスを変更します.
第3セグメントが違うので,このままではアクセスできませんので,PCのアドレスを一時的に変更します.

今回の設定は,HPノート(Windows7 Home Premium)で行いました.
他のWindowsでは,操作が異なりますので,ご了承ください.

ノートPCと,無線LANアダプタWN-AG300EA(親)を直接LANケーブルで接続し,ACアダプタを接続します.無線LANアダプタWN-AG300EAのLANポートは,1でも2でも構いません.
この状態ではLANは確立していません.

ノートPCのIPアドレスを変更します.
画面右下のタスクトレイのネットワークアイコンを左クリックして,”ネットワークと共有センターを開く”をクリックします.

IP変更1
IP変更1


”アダプタの設定の変更”をクリックします.

IP変更2
IP変更2



いろいろな接続の種類が出てくると思いますが,”ローカルエリア接続”を右クリックして,”プロパティ”をクリックします.

IP変更3
IP変更3



”インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)”を選択し,”プロパティ”をクリックします.

IP変更4
IP変更4



”次のIPアドレスを使う”を選択し,IPアドレス,サブネットマスクを入力し,”OK”をクリックします.

IP変更5
IP変更5



新しいIPアドレスを有効にするために,再起動させます.

ブラウザに,”192.168.0.201”を入力します.
”AirPort親機設定画面”が出てきます(初期設定は,パスワードがありません).
親機は,ブルーの基調になっています(子機はグリーンの基調).
”その他の設定を行う”をクリック.

親設定1
親設定1


”IPアドレスの設定を行う”をクリック.

親設定2
親設定2


”IPアドレス固定設定”をクリック.

親設定3
親設定3


IPアドレス,サブネットマスク,ゲートウェイ,DNSサーバーを入力.
この画面アドレスは,参考例であり,それぞれの環境で異なります.
入力後,”次へ進む”をクリック.

親設定4
親設定4


IPアドレスに間違いがないか確認し(画面のスクリーンショットを取るかメモすることが望ましいです),”設定する”をクリック.

親設定5
親設定5


無線LANアダプタWN-AG300EA(親)は,再起動がかかります.
これ以降,IPアドレスが変更になりましたので,通信は出来なくなります.


引き続き,子機の設定をしてしまいます.
手順は,親機と同じです.
親機に接続していたLANケーブルを外し,子機のLANポートに接続します.
PCと子機が直接接続された事になります.

ブラウザに,”192.168.0.202”を入力します.
”AirPort子機設定画面”が出てきます(初期設定は,パスワードがありません).
子機は,グリーンの基調になっています(親機はブルーの基調でした).
”その他の設定を行う”をクリック.

子設定1
子設定1


”IPアドレスの設定を行う”をクリック.

子設定2
子設定2


”IPアドレス固定設定”をクリック.

子設定3
子設定3


IPアドレス,サブネットマスク,ゲートウェイ,DNSサーバーを入力.
この画面アドレスは,参考例であり,それぞれの環境で異なります.
入力後,”次へ進む”をクリック.

子設定4
子設定4


IPアドレスに間違いがないか確認し(画面のスクリーンショットを取るかメモすることが望ましいで),”設定する”をクリック.

子設定5
子設定5


無線LANアダプタWN-AG300EA(子)は,再起動がかかります.
これ以降,IPアドレスが変更になりましたので,通信は出来なくなります.

親機も子機も固定IPアドレスが変更できましたので,PCのアドレスを元に戻します.
先ほどと同じ手順で,画面を進め,プロパティのところで,”IPを自動的に取得する”を選択し,OKをクリック.

IP変更6
IP変更6


設定を反映させるために,再起動させます.

これで,同一ネットワーク内にすべてのデバイスがありますので,設定画面が直接開けるようになります.

どれくらいの速度が出るのか,CrystalDiskMarkで測定する事にします.
Bフレッツのハイパーファミリーでも,外部計測サイトでは40Mbpsくらいしか出ないので,LAN内で検証します.
方法は,DELLノートPCのRAMDISKを,HPノートPCのネットワークドライブに割り当てて,計測します.この部分はボトルネックにはならず,ネットワークの速度が比較出来ると思います.

比較検証のためのデータを取得します.
・有線LANでの測定
・PLCでの測定
・HPノートPC(内蔵無線LAN gn150とgn300)

比較データ
比較データ


Gigabit有線LANでは,50MB/s程度出ていますが,100Mbit有線では,11MB/sです.これをPLCアダプタ経由では,さらに低下し5MB/sです.
とはいえ,PLCでも40Mbps出ているわけですから十分速い事がわかります.

ノートPC内蔵無線LANでは,さらに低下します.
今回は,比較用だったので,細かい調整をしていませんので,これが実力ではないと思います.

それでは,主役の無線LANアダプタの実力を見ていく事にします.
距離は,5mくらい離れた状態です.
子機のアクセスランプは,青(電波が強い)の状態です.
設定画面から,各種モードを切り替えて測定しています.

設定画面
設定画面


①an(5GHz帯)の倍速モード
a40
a40


②an(5GHz帯)の非倍速モード
a20
a20


③gn(2.4GHz帯)の倍速モード
g40
g40


④gn(2.4GHz帯)の非倍速モード
g20
g20



結果は,①>②>③>④となり,a(5GHz帯)の優位性,倍速モードの優位性が発揮された感じです.
①で,80Mbps以上出ていますので,とても優秀だと思います.
100Mbit有線LAN接続に対しても,若干落ちるだけで遜色ありません.
本製品の目的である,家電製品のネットワーク接続では,これ以上は必要ないと思います.

次に,距離を少し離してみました.
廊下を挟んで,隣の部屋,直線距離で10m以上あります.
モードは,a(5GHz帯)の倍速モードです.
子機のアクセスランプは,橙点滅(電波が弱い)の状態です.
1F
1F


1~2割程度低下しましたが,全く問題ないです.
隣の部屋でも,無線LAN化出来ます.

2Fとの通信を確認しましたが,ダメでした.
ノートPC内蔵の無線LANも通信できませんでしたので,この機種の問題では無いと思います(おそらく家の構造).

最後に,既存のアクセスポイントへの接続が可能か確認しました.
これが使えるのは子機のみです.
その手順を書きますが,この方法は環境によって異なります.

まず,子機の設定画面を開き,”無線LANの設定を行う”を選択します.

AP接続1
AP接続1


”選出されたSSIDから設定を行う”を選択します.

AP接続2
AP接続2


検出されたSSIDの中から,接続するAPのSSIDを選んで,”接続する”をクリックします.

AP接続4
AP接続4


確認画面が出ますので,”設定する”クリックすれば,接続完了です.

この状態で,速度を確認してみました.
モードは,gn(2.4GHz帯)の倍速モードです.

AP接続時
AP接続時


無線LAN環境をきちんと合わせていませんので,どちらが速いかの議論は出来ませんが,普通に速度は出ています.

アクセスポイントへの接続が出来るのは,子機の時だけですが,親機も切り換えSWを”子”にすれば,子機になりますので,2台の無線LANコンバーターとして使う事も可能になります.
ただし,この場合には,箱から出して5分で接続可能とはほど遠く,セット販売の意味はなくなってしまいます.


消費電力の確認も行いました.
アイドル時:3Wで,フル通信時:4Wでした.
とても省エネで,良いと思います.
消費電力
消費電力



まとめになります.

①有線LANを,いかに簡単に無線化できるのか?
一般的な環境では,箱から出して5分で無線化出来ます.
本当に手軽に無線化出来ます.
この部分は,PLCと変わりません.
ただし,PLCはコンセント依存やACアダプタの存在など,ノイズ対策(フィルター内蔵TAP使用)などに気を遣う必要がありますので,本機の無線LANアダプタの方が簡単だと判断します.

②通信速度は実用十分なのか?
家電製品のネットワーク接続においては,十分な速度が出ています.
これ以上の速度が出ても,あまり意味がないと思います.
実力で,80Mbps以上ありますから,全く不自由する事はありません.

③設定画面は簡単のか?
使用環境に寄りますが,設定画面自体はわかりやすく,とても簡単です.
親機と子機で色分けされていますので,間違い防止にもなります.
ただ,機能が少ないので,その分易しいのだと思います.

改善希望を挙げておきます.

固定IPアドレスの設定をもう少し考えて欲しいです.
少なくとも,同社内の機器でバッティングするのはいかがなものかと思います.

色は黒だけではなく,白も出して欲しいと思います.
リビングに設置する事を考えると白の方がマッチする家庭が多いと思います.


最後になりますが,今回レビューの機会を与えていただきました,I・O DATA様,zigsow事務局様,おものだちのみなさん,コメントを頂いた皆さん.アクセスを頂いた皆さんに感謝いたします.


[10/16 データ追加&一部修正]
100Mbit有線LAN接続のCrystalDiskMarkの結果を忘れていましたので,追加しました.
有線LANと無線LANでほとんど差がない事がわかります.
有線LANの無線LANへの置き換えの目的は,速度を犠牲にすることなく,とても簡単に出来ます.

[10/17 アクセスポイントへの接続を追記]
本文中に追加しました.

コメント (23)

  • はにゃさん

    2011/10/16

    レビューお疲れ様です!

    速攻で要点を押さえたレビュー いいですね。
    まだ私は開封すらしてなかったりしますけど。

    こちらもアップしたら、もう一度レビューをじっくり見させていただきますね。
  • harmankardonさん

    2011/10/16

    はにゃさん,コメントありがとうございます.

    とりあえず,早い者勝ちでupしました.
    あまり特徴が出せないレビューになると思われたので,今回は速い方が良いかな?と.

    はにゃさんも,がんばってください.
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