レビューメディア「ジグソー」

875"K"を賢くオーバークロックしてみる

zigsowプレミアムレビュー「Wチャンス☆レビュー!オーバークロックに挑戦
だ!インテル Core i7-875K + インテル SSD X25-M 160GB」(ゲーム系),
Core i7-875Kのレビューです。

さて,今回こちらのCPUを試用してみるわけですが,すでに登場から幾分
たった時点でいまさらですが,かねてからIntel環境においてはOCについて
クロック倍率(の上限)がロックされて倍率可変のものは最上位のCPUに
限られていたりするため,このような比較的廉価なCPUにおいてTurboBoost
の倍率可変とはいえロックフリーのモデルが出ることは手軽にOCを楽しむ
のに最適ではないでしょうか。

- こんなことやってます -
東海地方中心(愛知/岐阜/三重/静岡)のオーバークロッカーを中心とした
チーム「Team SHACHI-HOKO(チーム鯱)」を設立しました。
http://www.dos-v.biz/teamshachi-hoko/

グリッドコンピューティング(BOINC)を使った社会貢献を含めた、各種
活動を行います。ということで,本格的なOCとは別に常時稼働を目指した
手軽なOC,あるいはビデオエンコーディング時などにちょっとOCをするなど,
まさにIntelのTurboBoostテクノロジーを活用したり,倍率ロックフリーの
CPUで手軽なOCなどが活きる場面と言えるかもしれません。

試用環境は下記の通りです。
CPU: Intel Core i7-875K(今回レビューで頂いたもの)
M/B: MSI P55M-GD45
メモリ: Corsair CMX4GX3M2A1600C9
(OCに向けて,DDR3-1333メモリから変更)
SSD: Intel X25-M 160GB(今回レビューで頂いたもの)
HDD: 500GB,1TBドライブ2台搭載
BDドライブ:HL-DT-ST GGC-H20N
ビデオカード: AMD Radeon HD 5750
サウンドデバイス: オンボード
CPUクーラー: Scythe SCSMZ-2000(侍ZZ)
ケース: CoolerMaster CMP-350
電源: be quiet! BE-Q530W

OS: Windows 7 Ultimate(64bit版)

こちらに,リアファンはENERMAXのUCMA12(1,500rpm),フロントファンは
Scythe扱いGeildのWING12PL-GR(600~1,800rpm)を利用。

ENERMAX UCMA12 - http://www.enermaxjapan.com/Twister_MA/MAGMA.html
Geild WING12PL - http://61.58.39.140/products/casefan/wing12pl.html

さらに4GHzのOC時には暫定的にケース側板9cmファン搭載部に,そこらへんに
転がっていた長尾製作所X-FAN9cmモデルを追加搭載しています。
本来,空冷の基本として排気を多く行うことでケースの空気穴などからの
自然吸気とあわせて空気の流れを適切に設定することが望ましいのですが,
常用を考慮せず“夢の4GHz”オーバーを狙ってみるにあたり若干CPU冷却が
心許ないということで,エアフローを無視してこの冬場のCool!な外気を直接
あてる目的でサイドファンを追加してみました。


それでは,CPU-Z等のスクリーンショット,各種ベンチマークの結果等を
挙げていきます。
まずは定格時のCPU-Zからです。

CPU-Z定格
CPU-Z定格

CPU-Z定格その2
CPU-Z定格その2


上記は無負荷時のスクリーンショットです。なお,今回
Intel EISTやTurboBoost等はすべて有効としてあります。これらを含めて
CPUの“定格仕様”であり,IT系ニュースサイトで新製品を紹介する場合の
ようにCPUの素性,純粋なコア性能を測る目的ではないからです。
ということで,クロックの上がっている画像はCINEBENCHを動作させている時に
撮ったスクリーンショットです。4コア8スレッドに負荷が掛かっている
はずなのですが,温度的にもさほどではないことからTDPに対して余裕が
あるのかTurboBoostが効いて3.2GHz程度で動作しています。

CPU-Z定格その3
CPU-Z定格その3

CPU-Z定格その4
CPU-Z定格その4



参考までに,上記2枚マザーボード,メモリーのタブを掲載します。


まずはWindows Experience Indexの結果です。

WEI定格
WEI定格



SSDの効果で“プライマリ ハードディスク”の結果が7.8となっています。

3DMark06から最新の3DMark11までの結果です。

-3DMark06定格
http://3dmark.com/3dm06/15271432
-3DMarkVantage定格
http://3dmark.com/3dmv/2847924
-3DMark11定格
http://3dmark.com/3dm11/413726

次にCINEBENCH R11.5の結果です。

CINE定格
CINE定格


Super PI mod 1.5の結果です。

SuperPiMod定格
SuperPiMod定格



最後にPerfomanceTestの結果です。

パフォーマンステスト定格
パフォーマンステスト定格

パフォーマンステストx64定格
パフォーマンステストx64定格


こちらは32bit版と64bit版を両方計測しています。


それでは次にOCを行います。まずは,常用を考慮したOCということで
マザーボードにあるOC Genieを利用してみました。こちらは簡単お手軽,
BIOS設定でOC Genieを有効にして設定を完了すると,勝手にOCして安定する
ところを調べて設定してくれます。
ということで,こちらの設定を参考に再度BIOSを初期化して手動で設定して
いろいろベンチを走らせてみたのですが,結局OC Genieの設定状態を超える
スコアを出すことが出来ませんでした。そういうわけで,ここからの
スクリーンショットはOC Genieの設定状態での結果となります。

CPU-Z_OC
CPU-Z_OC

CPU-Z_OC2
CPU-Z_OC2



CPU,メモリーのタブのスクリーンショットですが,定格として掲載した
メモリー設定
CPU-Z定格その4
CPU-Z定格その4

上図と比較していただくとわかりますが,XMP
での“定格”を下回ってしまっています。これは,OC GenieによるOC設定が
ベースクロックを高クロックにしていることに起因するかと思われます。
XMPの値を読み取って考慮しているのかわかりませんが,メモリが過度にOC
状態にならないように倍率を設定するとこの値となってしまったのでしょう。
せっかく倍率ロックフリーとなっているのですが,TurboBoostの定格上限
倍率(1コア時の倍率)27倍を下回る設定となっています。なにやら悔しい
ような気になってしまいますが,150MHz×25倍設定で3.75GHzとクロックでは
上回っているので良しとしましょう(^_^;)

Windows Experience Indexの結果

WEI_OC
WEI_OC



3DMark06から3DMark11までの結果はこちら。

-3DMark06
http://3dmark.com/3dm06/15275174
-3DMarkVantage
http://3dmark.com/3dmv/2849884
-3DMark11
http://3dmark.com/3dm11/399086

CINEBENCH R11.5の結果

CINE_OC
CINE_OC



PerfomanceTestの結果

パフォーマンステストOC
パフォーマンステストOC

パフォーマンステスト64bit
パフォーマンステスト64bit


Super PI mod 1.5の結果です。

SuperPiMod_OC
SuperPiMod_OC


そして,いろいろWeb検索をしてみるとCore i7-875は空冷でも余裕で
4GHz程度のOCは可能との情報が散見されます。今回,この評価環境では
電源が貧弱,CPUファンも心許ないということもあり,OC Genieでもそれを
もとに手動で設定してみても,4GHzには届いていません。
ということで,最初に書いたように暫定的にファンを追加して“夢の4GHz”
(前後)を狙っての挑戦です。
冷却的に弱いのでファンを追加していますが,Intelのサイトで製品仕様を
調べてみるとVID電圧範囲が“0.6500V-1.4000V”となっています。CPUの消費
電力において,駆動電圧は2乗で効いてくるため発熱には影響大です。
そこで,OC Genieの設定状態から若干ベースクロックを下げて駆動倍率を
上げ,さらに電圧を1.4V程度になるように設定してみました。

CPU-Z_OC
CPU-Z_OC

CPU-Z_OC
CPU-Z_OC


結果,ベースクロック148MHz,倍率設定が27倍という形に落ち着きました。
BIOS上の設定は148MHzであり,27倍によって3.996GHzという設定になります
が,実際にはベースクロックが148.6MHz程度と設定値より若干上昇しており,
結果的に4GHzを気持ち上回ることになりました。
ただし,ベースクロックを下げた兼ね合いからメモリクロックはさらに若干
低下する結果となっています。

Windows Experience Indexの結果

WEI_OC
WEI_OC


まぁ・・・,あまり変わっていませんから結果も変わりありません。

3DMarkの結果

-3DMark06
http://3dmark.com/3dm06/15291964
-3DMark11
http://3dmark.com/3dm11/426222

※3DMark Vantageについては,フリーのTrial Licenseではベンチマークの
結果表示は1ライセンスに付き1回のみとなっており,3DMark11も行うと
いうことで割愛しました。

CINEBENCH R11.5の結果

CINEBENCH_OC
CINEBENCH_OC


PerfomanceTestの結果

パフォーマンステストOC
パフォーマンステストOC

パフォーマンステスト64bitOC
パフォーマンステスト64bitOC


Super PI mod 1.5の結果です。
SuperPiModOC
SuperPiModOC


各ベンチマークの結果をグラフでまとめてみました。

3DMARK06まとめ
3DMARK06まとめ

3DMARK Vantageまとめ
3DMARK Vantageまとめ

3DMARK11まとめ
3DMARK11まとめ

CINEBENCH11.5まとめ
CINEBENCH11.5まとめ

パフォーマンステストまとめ
パフォーマンステストまとめ

パフォーマンステストx64まとめ
パフォーマンステストx64まとめ

SuperPiModまとめ
SuperPiModまとめ


まとめ
BOINCを回すことを念頭に,手軽なOC志向で評価をお届けしました。手軽な
OCにおいて倍率可変は,CPU以外の部分へ与える影響(OCによる負荷)も
少なく,低リスクでまさに手軽にOCを行える手段です。
しかし,PerformanceTestの結果などを見てもわかるようにハイパフォー
マンスを目指してOCを行う場合には,どうしてもベースクロックによるOCに
比べて性能の伸びが少なく,目的に合わせて,あるいは予算などにあわせて
どのようなOCをするのがよいかを考慮して行うことが,適切なリスクに対する
リターンを得られるものだと言えます。
結果比較のグラフをご覧いただいてもわかるように,今回行った3パターンの
OCにおいて,トータルではPerformanceTestの結果のようにベースクロックが
最も高く,あわせてメモリクロックも高い設定の方がわずかながら良い成績を
たたき出しています。これは,CPUによるPhysics Testの含まれる3DMark11に
おいても同様の結果が出ており,PCの限界性能を引き出すという意味において
ベースクロックまで含めてのOCは最強(最狂?)の選択肢です。
一方で3DMark06やSuper PI modの結果のように,アプリケーションによっては
CPUクロックの勝る環境でより良い成績を引き出せるものもあります。

今回,現状ではまだまだBIOS,OC設定を詰め切れていない状態となって
しまっていますが,このような貧弱な電源,心許ないCPU冷却環境においても
OS起動までは150MHz×27倍といった設定でも可能であり,MSIマザーのBIOS
設定(とマザーの個体差)についてもう少し慣れればさらに高クロックを
狙えるポテンシャルのあるCPUである!と言えるかと思います。

31人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (5)

  • ヒロ妨さん

    2011/01/16

    レビューお疲れ様でした。
    私も、何とか完了しました。
  • operaさん

    2011/01/16

    本職のレビュー流石ですね♪
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