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壁を超えた!

                                            最終更新日2012/6/8


まずは、このような機会をくださったzigsowならびにIntel関係者の皆様に感謝。
そして、今回のレビューに至るまでに沢山のアドバイスと助力をして下さった皆様にも感謝。

まずはこちらから

adaptec 6805 VGA共用x8動作 ストライプサイズ256k
アロケーションユニットサイズ64kキャッシュ有

壁超えました!

更に!!


そして・・・・ついに!!

 LSI Logic MegaRAID SAS 9265-8i +FastPath
 VGA共有x8動作 ストライプサイズ256k 
 アロケーションユニットサイズ64k


では検証結果を順に

検証構成は主に

CPU     :Intel Core i7-2600K
CPUクーラー :Thermalright Silver Arrow
マザー    :ASRock B3 Fatal1ty P67 Professional
メモリ    :サンマックス SMD-8G68HP-16K-D 4GB×4枚 16GB
VGA     :MSI グラフィックボード for ATI R5870 Lightning Plus
SSD     :Intel Intel SSD 510 120GB
電源     :Corsair CMPSU-850HXJP
ケース    :Silver Stone SST-RV03B-W
OS      :Windows 7 Ultimate 64Bit

RAIDカード :adaptec 6805 でPCIe-x4とPCIe-x8レーンを
             6405E でPCIe-x1レーンを それぞれ検証してみました。
         (同一メーカーRAIDカードを使ったのは帯域のみの変更検証を
           行いたいためカードの性能差を少なくしたかったためです。)

        :LSI Logic MegaRAID SAS 9265-8i +FastPath
         究極の速さの追求の為x8レーン使用のみ


------------ シングルでの性能評価 ------------------



Intel SSD 160GB SATA 2.5 SSDSA2MH160G2R5 はSATA2 3Gb/sですので
さすがに速度差は仕方がありません。
が、同じIntel SSD510 120GBと比較しても速度が出ています。



------------ RAID構成台数の違いを見てみます -------------


検証はadaptec 6805 x8レーン ストライプサイズ256KB フォーマットは標準



--------------- ストライプサイズの違い ----------------


検証はadaptec 6805 x8レーン フォーマットは標準

RAIDカードの熱だれもあるのかここまで差が出てしまいました。


---------------- 使用帯域による違い -----------------


検証に使ったASRock マザーボード Fatal1ty P67 Professionalには

PCI Express x16のVGA共用でx8 排他使用でx4帯域で使えるスロットがあり
それぞれでの違いを比べてみました。

adaptec 6805 ストライプサイズ256KB アロケーションユニットサイズ64kキャッシュ有

SATA3 6.0Gb/sのSSD3台によるRAIDだと
x4の帯域でも不足してしまうことが判ります。



では、x1なら?と疑問がわいたため
RAIDカードをadaptec 6405Eに変更して確かめてみます。

------------- PCI Express x1カードでの検証 ------------


使用カードはadaptec 6405E ストライプサイズ256KB
アロケーションユニットサイズ64kキャッシュ有 となります。

ここで2台でのRAID 0も検証しましたが、結果は変わらず。
しかも1台の時の速度よりも劣っております。

x1レーンだと単機でも帯域不足になりそうだとアドバイスをいただきましたが
まさにその通りの結果が出てしまいました。

------------- 他のRAIDとも比較してみました ------------

まずは、旧々世代のカード
玄人志向 インターフェィスボード/SERIALATA2対応/SiI3124 SATA2RAID-PCIX

見るも無残な結果に・・・・

続いてG-GEAR GA7J-E31/FF1(ショットガンレビューPC)に搭載されている
P67A-C40がSATA2 3Gb/sのRAIDに対応しているので
計測してみました。

x1よりも速度が出ていますが、やはり性能を活かしきれていません。

ここでSATA3 6.0Gb/s 2ポートを使いネイティブRAID 0 での速度を見てみます。
SATA3 x2 RAID 0 OS無し
SATA3 x2 RAID 0 OS無し

速度的には十分であると言えます。但し上記最高速度を見なければ。

 ※このマザーボードチップによるRAID構成にバックアップから復元しようとすると
  元の接続方式によってはOSが起動できない状況が起こることがあります。
  今回もAHCI接続のバックアップデータではRAIDに復元すると起動できませんでした。

バックアップからの復元だとAHCI・IDE・RAIDの違いから成功するのが難しいということで

HDDからインテル製SSDへ移行する時に使われている移行ソフト
Intel Data Migration Softwareを使用してみました。

RAIDであろうとそこに使われているのがIntel製SSDだからなのか
特別な設定をするでもなく上記SATA3 6.0Gb/s 2ポートを使った
RAID 0 アレイへの移行ができました。

OSを入れた状態のベンチとIRST



もちろんクリーンインストールではOSを入れる時にドライバーを入れるなどの手間もかかりますが
現行使用している状態からの移行であれば

Intel Data Migration Software


これが一番安心して環境移行ができる方法かもしれません。

----------------------------------------------------


Windows 7 Ultimate 64bit を入れた結果です。
 (揺れがひどく見づらいですが動画も載せておきます。)



今回PCI Express x16スロットをVGAとRAIDカードで使用した為
PCI Express x16VGA側もx8動作となってしまいました。
この状態でどれほどVGA側のパフォーマンスに影響が出るのか?というのも
気になるところだと思います。


3DMARK11で比べてみましたが、スコアに変化はありませんでした。
実際にこの構成でOSを入れFFXIVをプレイしていても
VGAレーンがx8になったとしてもなんら不都合は感じられませんでので
今回のような使い方でも問題ないと思います。


色々と検証してみましたが、このSSDの性能をフルに発揮させるには
ただRAIDカードを買ってRAIDを組む という訳にはいかないようです。

現状サーバー向けでないマザーボードだと、PCI Expressスロットにも
多くの制限がかかり、x8帯域で使うためには他のパーツ構成も含めて
考え構成していかないと難しいと思います。

また、相性問題やあてにしていたスロットが使えないなどや
熱問題など課題が多く敷居の高さがうかがえます。

・PCI Express x8が使える
・ストライプサイズの設定が決められる。
・フォーマットのアロケーションユニットサイズを変更する

など、条件を満たしたうえでチューニングを施してあげることで
この壁を超えた速度が出せるのだと思います。



~~~~~~ もっと早くならないの?とadaptecのサポートに相談してみました ~~~~~~~

ベンチマーク性能について

  まず、ASR-6805のベンチマーク性能ですが、PCIe Gen2 x8スロットに実装時
  現状では3台のSSDでのストライプ構成で、単体SSDの約3倍の性能が達成できているように
  見えます。
  RAIDカードに接続するSSDの台数を4台以上に増やした場合、
  性能が頭打ちになった時点で、RAIDカード自体の最大性能となりますので
  SSDの台数を増やすことで多少の性能向上が見られる可能性がございます。

  また、ホストインターフェイス側のボトルネックは、
  PCIe Gen2 x8の最大大域幅: 5Gbps/Lane x 8 Lane/10bit = 4G Byte/sec(理論値)
  オーバーヘッドを考慮して理論値の約70%が実行帯域とした場合の帯域幅は
  2.8G Byte/secとなります。

  弊社のASR-6805の最大性能は、搭載されるIOプロセッサ
  RAIDファームウェアの性能から推定で約1.5G Byte/sec程度ですので、
  ホストインターフェイスは、ボトルネックとはならず、SSD4台から5台接続時に
  RAIDカードの性能自体がボトルネックとなりそうです。

  なお、上記性能は、あくまで目安とさせてください。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
という判りやすいお返事をいただきました。




-------------- 更なる速度を求めて! ---------------------

   LSI Logic MegaRAID SAS 9265-8i +FastPath編

現存する最強最速なRAIDカードではないかと噂の方です。

まずは全てデフォルトで測定してみました。

 VGA共有x8動作 ストライプサイズ64k 
 アロケーションユニットサイズ64k

このままですとあまり変わりがないところです。
そこでストライプサイズを同じにしてみました。

 VGA共有x8動作 ストライプサイズ256k 
 アロケーションユニットサイズ64k
まだまだ何かが足りません。

そこで FastPath の導入


その後RAID設定項目で
DiskCache Policy → Enable
Read Policy     → Always Read Ahead
IO Policy → Cached IO
Write Policy    → Always Write Back

ベンチも測定サイズを小さくし

となりました。

もはや異次元の世界。公称値×3の壁すら超えてしまいました。

今回の検証パーツ











------- RAID 0 構築方法 ---------

初めてのRAIDカードによるRAID 0 環境の為の
設定方法をご紹介します。

※もしRAID 0 アレイを解消し構成されていたドライブを別で使う場合は
 かならずRAID BIOSよりアレイの解消(解除)をしてからお使いください。
 単純にそのまま取り外し使用しようとすると、RAID情報等が入ったままで
 正常にドライブを使用できなくなります。

----------------------------

まずはadaptec製BIOSでの説明になりますが
他のカードでも応用が利くと思います。

 ※カードを取り付ける時は季節に関係なく静電気対策はしておいた方がよいと思います。

取り付けが終わったらいよいよアレイの作成に入ります。
 ※アレイってなに?と思われる方へ。
   簡単に言うとRAID上での1つのドライブと認識される領域だと思ってください。

:BIOS画面でRAIDカードのBIOS画面に切り替わったところで Ctrl + A を押します。


そうすると

な画面が出てくると思います。
カーソルの移動方法は画面下のところに表示されています。
   ※もしドライブをフォーマットさせたりしたい場合は Disk Utilities を選択

:Array Configration Utility を選択します。

このような画面になりますので、

ここから最初に Initialize Drives を選択します。

 ※ Initialize Drives を行うことでコントローラに接続されたSSDやHDDをを認識させます。

使いたいドライブを選択していきます。
選択方法はカーソルを合わせてキーボードの ins を押します。

今回はSSD3枚でのRAIDなので3つとも選択しました。

選択し終わったところで Enter を押し

の画面に戻します。

 ※ここで、注意
  操作中に判らなくなったら画面下の部分になにかメッセージが出ていないか
  確認してみてください。

  私はこのメッセージに気が付かず、暫く冷や汗をかいておりました。
   (先に進めるためには何かキーを押せ という意味です。)
:アレイを作ります。

Create Array を選択し、使用ドライブを決めていきます。
操作方法は Initialize Drives でおこなった方法と同じになります。
 ※ドライブ単体で使用したい場合でも同じ操作をしていきます。

 選択方法は使いたいドライブにカーソルを合わせてキーボードの ins キーを押す
 と、画面右側 Selected Drives 欄に表示されていきます。

その後 Enter を押すとこのような画面になりますので
必要な設定をしていきます。

・Array Type でRAID 0 を選択
 (1つのSSDもしくはHDDだけを使いたい場合はArray Type で Volume を選びます。)
・Array Label は空白でも可。
 今回はzigsowと命名しました。
あとは順次設定していきますが、 Stripe Size (ストライプサイズ)はデフォルト(256KB)の方が
このカードでのSSDのRAIDには向いているようです。

Read Caching ・ Write Caching ともに警告が出ることがありますが
その場合は Y で進めてしまいます。

最後に Done を選択してアレイの制作は完了です。

もし複数個のRAIDドライブや単一のドライブを Volume として使う場合は
これらの事を繰り返して設定していきます。

今回は接続する3台すべてでRAID 0 を作りましたので

Manege Arrays で確認するとこうになります。


あとは ESC キーで戻り最後にYesを選択し再起動させればOKです。



再起動後RAIDカードのBIOS認識が終わると

と、構成したアレイを認識してから進みます。

-----------------------------

WebBIOSでの設定
マザーボードなどで最近よくみられるマウスを使用できるタイプになります。

立ち上げ、RAID 0 を組み込んでいってみます。

赤丸で記した Configuration Wizard をクリック

赤丸で記した New Configuration をクリック

Next で進んでいくとこの画面になるので
アレイに組み込みたいドライブすべてを Ctrl を押しながらクリックし
最後に赤丸で記されている Add To Array をクリック

Drive Groups 側に選択したドライブが入ったところで
同じように Ctrl を押しながらドライブを選択し
最後に赤丸で記されている Accept DG をクリック

このような状態になったところで ⇒Next を押し進めて行きます。


進めて行くといよいよアレイ構成設定に入ります。

最後の Select Size で必要な容量を設定し Accept をクリックします。

完成!
最後にホームへ戻り Exit を押して再起動させてあげれば完成です。

----------------------------------

その後、マザーボード側の設定にも制作したアレイが現れるので
起動ドライブにする場合は、そちらの設定も忘れずにしておいてください。

その後の設定

・Windowsに追加ドライブとして使う場合
 スタートメニューからコンピューターのところで右クリックし【 管理 】を選択
 あとは指示に従い認識されがところで追加作業に入ってください。


・WindowsのOSをインストールし起動ドライブとして使用する場合
 インストール途中で付属するDVDを入れドライバーを読み込ませてください。


------------おまけ----------


WHS2011で運用中のFOXCONN H61MXだと

adaptec 6805はVGA用x16スロットに挿すも起動せず。
 
~~~~~~ 動かないけど~とadaptecのサポートに相談してみました ~~~~~~~~

 PCIe x16スロットについて

  PC用マザーボードのVGA用のx16スロットは、
  VGA用に特化されている場合が多く見受けられます。
  このため、弊社のRAIDカードを含め、このスロットにオプションボードを実装した場合には、
  システムBIOS自体がブートしない等の問題がございます。
  弊社では、弊社のRAIDカードをVGA用PCIe x16スロットに実装することは
  お薦めしておりません。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
というお返事をいただきました。

6405Eは認識しましたが結果は変わらず。
データーの書き込みや読み出しなどはHDDに比べ遥かに快適ですが
それでももったいないと思えてしまう速度になってしまいます。

WHS2011での使用について

もし低発熱省電力なRAIDカードがあったり
オンボードでRAID 0 が組める構成なら
消費電力の差からもSSDのRAID 0 はアリだとおもいます。
サーバー自体のバックアップだけ省電力HDDに任せ
RAID 0 の不安も解消され、普段はSSDによる省電力とレスポンス。

いがいと理想的かもしれません。

------------あとがき-------------

今回色々な方に助けていただいてここまでのレビューを完成させることができました。
このレビューは、1人では到底書き上げることができなかった
判らないこと思いつかないことが沢山あり
そんな時に、助けていただけたのがとても大きい経験と勉強になりました。

SSDでRAID 0 を使い最速を目指す!

レビューするだけでない大切なことを頂けた貴重な時間になりました。


☆☆Special Thanks☆☆
和屋さん daiyanさん はにゃさん ねおさん Sheltieさん Addlerさん
かずや。さん 愛生さん リーダーさん ヒロ坊さん garpさん sakさん

Adaptec PMC様 LSI Logic様 (順不同)



・・・・・・・あ!忘れてた!あんちくしょうにもThanks!(笑)


-------------約1年弱OSを入れて使用していた環境でのベンチ-----------------------
単機にOS(windows7 74bit)を入れて約1年が経過したところでの
OS入りベンチ結果になります。

仮想メモリ領域は無しで設定
体感速度もほぼ変化なし。

長期間の使用でもこのコンディションを保ち続けてくれるのは
安心感につながるかと。



2011/8/20 あとがき追記
2011/8/21 RAIDアレイ構築方法を追記
2011/8/22 校正と記録更新・RAIDアレイ制作などを修正追記
        OS入れた状態での起動動画とSATA3 6.0Gb/s 2台によるRAID 0 スコア追記
2011/8/29 一部校正
2011/8/30 adaptecサポートセンターからの質問の答えを追記
2011/9/2  LSI Logic MegaRAID SAS 9265-8i +FastPath検証分追記と校正
2011/9/18 LSI LogicでのRAID構成方法と3DMARK11ベンチ比較を追記
2012/6/8 久しぶりにベンチを取ったので追記

コメント (70)

  • daiyanさん

    2011/08/19

    乙!
    6805はじゃじゃ馬というか何というか。
    本当に何か制限入ってるんじゃないかと。
  • ねおさん

    2011/08/19

    レビューお疲れ様でした。

    1×動作の6405Eの速度には(@_@;)

    RAID0組んで速くなると思ってたのに遅くなってたら愕然とするだろうねぇ

    短期間でこれだけのパターンでの検証は大変だったと思いますが、RAIDの奥深さを垣間見ることの出来るレビューですね。
  • bibirikotetuさん

    2011/08/19

    ありがとうございます。

    とっても色々な意味でRAIDの奥深さがわかりました。
    まだまだ勉強しないと!
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